からすきの星

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議論

オリオン座の三つ星

オリオン座の三つ星(オリオンざのみつぼし、Orion's Belt)は、オリオン座の中核を構成している並列する三つの輝星。欧米ではギリシャ神話のオーリーオーンの腰部分になぞらえ、オリオンのベルトと呼ばれることが一般的だが、日本では、からすき星(唐鋤星、犂星)、三連星(みつらぼし)、参星(しんせい)、参宿(しんしゅく)などの名前で呼ばれていた。

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オリオン座の三つ星。右からδ星、ε星、ζ星

概要

オリオン座の中心部にある三つ星はオリオン座の特徴的な存在である。

オリオン座中央部を構成する三つの二等星、δ星(ミンタカ)、ε星(アルニラム)、ζ星(アルニタク)を指す。たんに三つ星と呼ぶ場合、オリオン座以外にもさそり座のアンタレス、σ星、τ星やわし座のアルタイル、β星、γ星などを指す場合もあるが、「構成する三つの星がほぼ同じ間隔で並んで見えること」「構成する三つの星がほぼ一直線で並んで見えること」「構成する三つの星がほぼ同じ明るさであること」などの特徴によりオリオン座の三つ星が最も知られていると言える。

2007年に公開されたヒッパルコス衛星で測定された年周視差による太陽系からの距離は、ミンタカが約690光年、アルニラムが約1980光年、アルニタクが約740光年となり、アルニラムだけが大きく離れている。

その他の名称

日本においてはオリオン座の三つ星の様々な特徴から、古くから多数の名前がつけられた。ミツラボシやサンボシなど単純に星の数からの呼称の他、唐鋤という農具から着想を得たカラスキボシやハザという稲架から着想を得たハザノマといった農業に密接した呼称、漁具の金付きから着想を得たカナツキボシ、易者の算木と似ていることから付けられたサンギボシなど、生活に密着した呼称も数多く残されている。そのほか、オリオン座の三つ星は戦勝を呼び込む将軍星としてしばしば家紋の題材とされており、毛利氏や渡辺氏の三つ星紋などが知られている。星の伝承の研究で知られる北尾浩一は、2018年の自著『日本の星名事典』の中で、オリオン座の三つ星に対して日本各地で付けられた呼称を、転化や転訛を含めて50種以上紹介している。

中国では「参宿三星」と呼ばれ、民間では「福禄寿」の三つ星とされる。なお、正史では「福禄寿」がカノープスなどの別の3つの星を指すが、春節の時の夜空を飾るこの三つ星に願いを込めてこう呼ぶ習慣が広がっている。

また、19世紀末アメリカのアマチュア博物学者リチャード・ヒンクリー・アレンは、1899年に上梓した『Star-Names and Their Meanings』において、Jacob's Rod、Jacob's Staff、Peter's Staff、the Golden Yard-arm、The L、The Ell、Yard-stick、Yard-wand、Our Lady's Wand、Magi、Three Kings、Three Marysなど、英語圏でのオリオン座の三つ星のOrion's Belt以外のさまざまな呼称について言及している。


https://ameblo.jp/calling0310/entry-12826967037.html 【ギリシャ神話の神々:オリオン】より

『アルテミスと死せるオーリーオーン』 出典:Wikipedia

オリオンは、ギリシャ神話に登場する巨人の狩人です。海の神ポセイドンとミノス王の娘エウリュアレとのあいだに生まれました。背の高い偉丈夫で、稀に見る美貌の持ち主でした。

父親であるポセイドンから海を歩く力を与えられ、海でも川でも陸と同じように歩く事ができたそうです。びっくり

最初の結婚

成人になったオリオンは、ボイオティアで暮らしていました。やがてシーデ(柘榴の意)という大変美しい娘を妻に迎えます。

ところがシーデは、非常に高慢で、「私の美しさは、全知全能の神ゼウス様の妻ヘラよりも美しい」と述べ、女神ヘラとその容色を競いあいました。

このためヘラは怒り、シーデを冥府(タルタロス)へと落としてしまいました。

獅子退治

妻を失ったオリオンは旅人となり一人で諸国を放浪していました。

キオス島に立ち寄ったオリオンは、その島の王オイノピオンの娘メロペに一目惚れしました。

何とかメロペの愛を得ようとしたオリオンは、得意の狩りに出掛けては獲物を彼女にプレゼントし、やがて結婚を申し入れます。

しかし、メロペも父のオイノピオンもオリオンを好ましく思っていませんでした。

困った王はオリオンの死を望み、島を荒し廻っているライオンを退治することを条件に、娘との結婚を承諾することにしました。

王は当然不可能な条件と考えますが、オリオンは難なくライオンを殴り殺し、その皮を王への贈り物にしました

オイノピオンの裏切り

思惑のはずれたオイノピオン王は、結婚の約束を実行せず、オリオンをこの件ではぐらかし続けました。オリオンは、王が約束を守らないことに怒り、酒に酔った勢いでメロペに力ずくで迫り犯してしまいました。オイノピオンは怒り、父である酒の神ディオニュソスに頼んでオリオンを泥酔させ、彼の両眼を取って盲目にしてしまい、海岸に捨てました。

目の治療

盲目になったオリオンは、身動き出来ずにうずくまっていました。彼に対し神託は、

「東の国に行き、ヘリオスが最初にオケアノスから昇るとき、その光を目に受ければ、再び目が見えるようになるであろう」と告げました。

オリオンは、遥か東のレムノス島へと向かいます。盲目の彼は、キュクロプスの槌を打つ音を頼りに、レムノス島に辿り着きました。こうしてヘパイストスの鍛冶場に入り、ケダリオンという見習い弟子をさらって、彼を肩に乗せ案内させてオケアノスの果てまで辿り着きました。

彼を見たエオス(暁)がオリオンに恋をし、兄ヘリオス(太陽神)がオリオンの目を治しました。目を治したオリオンは、オイノピオンに復讐しようと再びキオス島に戻ります。

オイノピオンは、ヘパイストスがオイノピオンのために造った地下室に隠れていたため、オリオンに見つかりませんでした。オリオンは、オイノピオンが祖父ミノスの元に逃げていると考え、海を渡ってクレタ島へと行きました。

クレタでは、アルテミス女神がいて、共に狩りをしようとオリオンを誘いました。

エオスとの交際

すぐに気を取り直したオリオンは、今度は曙の女神エオスとの恋に夢中になりました。

更にオリオンは、エオスとの交際中にもかかわらず、アトラスの娘プレイアデス7姉妹に恋をし、彼女等を追い掛け回しました。エオスの仕事は夜明けを告げることですが、オリオンと付き合っている間の彼女は彼に会いたいがために仕事を早々に引き上げてしまいます。

ところが、夜明けの時間が短くなったのを狩りの女神アルテミスは不審に思い、エオスの宮殿がある、世界の東の果てまで様子を見にやってきました。そして、オリオンはアルテミスと運命的な出会いをするのです。

アルテミスとの交際

ギリシャの狩人と狩猟の女神が恋に落ちるのには、時間は掛かりませんでした。オリオンはアルテミスと共にクレタ島に渡り、穏やかに暮らしていました。神々の間でも二人の仲は評判になり、互いに結婚も考えていました。ところが、アルテミスの兄アポロンは、オリオンの乱暴な性格を嫌い、また純潔を司る処女神・アルテミスに恋は許されないとして二人の仲を認めず、ことあるごとにアルテミスを罵ったが、彼女は聞き入れませんでした。

そこで、アポロンはオリオンの元に毒サソリを放ちます。驚いたオリオンは海へと逃げました。ちょうどその頃、アポロンは海の中を頭だけ出して歩くオリオンを指し、「アルテミスよ、弓の達人である君でも、遠くに光るあれを射ち当てることは出来まい」と逃げるオリオンを指差したのです。あまりにも遠く、それがオリオンと認識できなかったアルテミスは、

「私は確実に狙いを定める弓矢の名人。簡単です」とアポロンの挑発に乗って、弓を引きます。矢はオリオンに命中し、彼は恋人の手にかかって死んでしまいました。

オリオン座の伝説

矢を射たものが浜に打ち上げられて、初めてそれがオリオンだったことに気がついたアルテミスは、神としての仕事を忘れるほど悲しみました。

アルテミスは、死者も蘇らせるという名医アスクレピオスのもとを訪ね、オリオンを生き返らせてくれるよう頼みます。しかし、冥府の王ハデスが反対しました。

アルテミスはせめて最後にと、大神ゼウスに「オリオンを空に上げてください。そうすれば、私が銀の車で夜空を走って行く時、いつもオリオンに会えるから」と頼み込みました。

さすがのゼウスもこれを聞き入れ、オリオンは星座として空に上がりました。

彼は月に一度会いに来るアルテミス(月神)を楽しみに待っていると言われています。

なお、さそり座は、アポロンが謀ってオリオンを襲わせ、彼が海に入る原因となったサソリであると言われています。そのためオリオン座は今も、さそり座が昇ってくるとそれから逃げて西に沈んでいくと言います。


https://sunagoya.com/tanka/?p=32971 【三連星からすきよ初めて人を抱きし夜のその夜のやうに冷ゆるからすき】より

高野 公彦『天泣』(短歌研究社 1996年)

 「三連星からすき」  星の名前である。オリオン座のベルトのところの三つ星が、農具である唐鋤からすき/犂からすきに見立てられた。

 「からすき」は、土をたくさんのへらで引っ繰り返しながら耕す、今で言えば耕耘機のようなもので、これを牛や馬に牽かせたらしい。そういう道具を空に見た。掲げた。

 この見立ては、ある日誰かが言い出したことなのか。そして、それはどのようにして各地に広まったのだろう。昔の人が、いかに農耕というものを大事にしていたかが思われ、興味深い。

 こちらの歌では始めと最後に「からすき」という言葉が入れ込まれている。「からすき」と「からすき」の間に歌がある。

 始めは、漢字「三連星からすき」、終わりは仮名で。この繰り返しは、切なるものを希求する心の表れのようである。

その間に置かれたのは、「初めて人を抱きし夜のその夜のやうに冷ゆる」というフレーズであり、ここにもまた、「夜」の繰り返しがある。つまり、眼前の「からすき」から、あの「夜」、忘れられない「夜」へと思いは至り、また、眼前の「からすき」へと思いが戻ってくる、そういう構造の歌なのである。

 「初めて人を抱きし夜」  その夜にオリオン座の三つ星が美しかったのだろう。寒い冬の夜。ならば、人の温もりが、いっそう沁み入ったことだろう。手慣れていないぎこちなさの中の、あるいは、衝動的な激情のうちの抱擁。しかし、むしろ、身体に刻まれたのは、その夜の冷たさの記憶の方だった。

 「三連星からすき」は三つ星であるから、セットとして見なされ、絆が深いように感じられる。だが、実は、一個一個は果てしなく遠くにある。何百光年ずつも離れている。「連」という字を持ちながらも、そこにまざまざと横たわる遥かな距離。それが、「その人とわれ」、または、「あの夜とこの夜」へも作用し、埋められない隔たり、それゆえの空しさ、頼りなさ、おぼつかなさを感じさせてくる。どうしたって、ぴたりと重なり合うことなどできなくて。

 さらに、語の繰り返しも含め、音の効力が決め手となっている歌であるのだが、「からすき」という音色おんしょくからは、からっぽ、からから、枯らすなどの乾きが感じられる。この四文字の音の中では、「す」が最もしっとりとしているだろうか。ここに、幾ばくかの執着の湿りがあると言えばある。「すき」から「好き」を読み取るのは深読みだとしても。

 そして、白く輝く星は、「冷ゆる」という言葉と、深い感覚・感性のところでもダイレクトに繋がってくる。それは今の心の温度でもあって。

 からすき  からすき。何度も何度も季節は巡り、星は巡り、思いは巡る。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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