https://ameblo.jp/zonomori/entry-12826908270.html 【俳句な日々(10)蕪村を読む①】より
今年の秋は賑やかだった気がする。とくにスポーツには目が離せなかった。
バスケから始まりバレーボウル、ラグビーそしていまは野球。これからアメフトもある。
とくに関西学生リーグが気になっている。甲子園ボウルのチケット予約をしなきゃ。
こんなことばかり考えていたら11月になっていた。なんにもしなかったなあ。
しぐるゝや鼠のわたる琴の上 蕪村 古傘の婆娑と月夜の時雨哉
夏、中途半端になった「蕪村の俳句を読む」を再開する。
ま、イチから出直し。「蕪村俳句集」の冬の部から「時雨」の二句。
解釈はいらないだろう。婆娑は「バサッと」という感じ。オノマトペである。
ユーモアがあって親しみやすい。そんな蕪村を学びたい。
蕪村は句集は出版しないと宣言していたそうだ。しかし、ひとり書き残していたと聞く。
その話、本当かどうか知らないがこうやって読めるのだから、どうでもいい。
昨日ハロウィンは終わった。写真は洋菓子「タルティン」のハロウィンケース。
こんなタイプのデザインが洋菓子界では流行っているようだ。
https://ameblo.jp/zonomori/entry-12741262276.html 【俳句は今日も新しい。松永貞徳を読む。】より
我が家の前の庭にフレンチ・ラベンダーがいちめんに咲いている。年々、その面積が増えている気がする。香りのいいこの花。こうも広がると「そっと」香りを嗅ぎにいく気にならないよ。
山の腰にはく夕立や雲の帯 松永貞徳 つまんとや人来人くる鶯菜
貞徳の句には苦戦する。
1句目。
夕立は「太刀」との掛詞。腰に太刀を穿く、まとうのである。腰と帯もつながっている。
こんな風に読んでいくかなければならない。
2句目。
「ひとくひとく」は鶯の鳴き声のオノマトペ。で、単なる「菜」ではなく「鶯菜」となる。
貞徳の句をなんとか100句と始めているがもうよれよれ。先へ進めるか。
https://www2.ninjal.ac.jp/Onomatope/column/nihongo_1.html 【コラム - 「擬音語・擬態語」にはどんな種類がある? -】より
「ごろごろ」「しんなり」などの言葉は,一般に「擬音語・擬態語」または,「擬声語・擬態語」とも呼ばれていますが,これらはそれぞれどう違うのでしょうか。また,日本語の「擬音語・擬態語」にはどんな種類があるでしょうか。「擬音語・擬態語」の呼び名や分類のし方については,これまで多くの研究者がいろいろな名前をつけたり,分類したりしてきましたが,ここでは,金田一(1978)によるものを紹介します。
金田一は,「擬音語・擬態語」を,その意味から細かく5つに分類して,以下のような名前をつけました。
まず,音を表すもののうち,人間や動物の声を表す「擬声語」と,自然界の音や物音を表す「擬音語」に分けました。次に,音ではなく何かの動きや様子を表すもののうち,無生物の状態を表すものを「擬態語」,生物の状態を表すものを「擬容語」とし,そして最後に人の心理状態や痛みなどの感覚を表すものを「擬情語」としました。以下がそれぞれの語例です。
「擬声語」:わんわん,こけこっこー,おぎゃー,げらげら,ぺちゃくちゃ等
「擬音語」:ざあざあ,がちゃん,ごろごろ,ばたーん,どんどん等
「擬態語」:きらきら,つるつる,さらっと,ぐちゃぐちゃ,どんより等
「擬容語」:うろうろ,ふらり,ぐんぐん,ばたばた,のろのろ,ぼうっと等
「擬情語」:いらいら,うっとり,どきり,ずきずき,しんみり,わくわく等
ここで,ある一つの語が,この5つの意味的な分類のうち2つ以上の意味分類にあてはまる場合があります。例えば「どんどん」というオノマトペは,「太鼓をどんどん叩く」というときには,太鼓という物の音を表す「擬音語」ですが,「日本語がどんどん上手になる」という文では,物事の様子を表す「擬態語」になります。また,「ごろごろ」という語は,この5つの意味的分類のすべてにあてはまる意味を持っています。例えば,「猫がごろごろのどをならす」は「擬声語」,「雷がごろごろ鳴る」は「擬音語」です。そして,「丸太がごろごろ転がる」と言えば「擬態語」ですが,「日曜日に家でごろごろしている」の場合には「擬容語」になります。さらに「擬情語」としては,「目にゴミが入ってごろごろする」という用法もあります。このように,一つの語がたくさんの意味と用法を持つことがあるというのも,日本語の「擬音語・擬態語」の特徴だと言えます。
参考文献:金田一(1978)「擬音語・擬態語概説」浅野編『擬音語・擬態語辞典』所収角川書店
https://www2.ninjal.ac.jp/Onomatope/column/nihongo_2.html 【コラム - 擬音語・擬態語の語形の特徴は? -】より
日本語には擬音語・擬態語が2,000語近くありますが,その語形にははっきりした特徴が見られます。日向・笹目(1999)は,『擬音語・擬態語辞典』(浅野,1978)に取り上げられている擬音語・擬態語の総数1,647語をその語形から分類し,それぞれがいくつずつあるか調査しています。
その調査によると,まず語形として一番多いのは,「わくわく」「どきどき」のように同じ音が繰り返される型です。仮に第一の音を「A」,二番目の音を「B」とすると,この型は「ABAB」型というふうに表されます。「ABAB」型は全部で419語ありますから,全体の4分の1近くになります。2番目に多いのは「きらっ」「にこっ」のような「ABっ」型で212語です。3番目は「ぐるり」「ずばり」などの「ABり」型で141語,4番目は「すっきり」「しっかり」などの「AっBり」型で103語です。そして「がちゃん」「ぽかん」などの「ABん」型が102語で続いています。
もちろん,これらの型にあてはまらない擬音語・擬態語もありますが,上にあげた上位5つの型にはすべてある共通の語形が見られます。それは,(1)繰り返し,(2)促音「っ」,(3)撥音「ん」,(4)「り」です。このほかに,(5)母音の長音化(「がーん」「ばちゃーん」等)もよく見られる形です。以上の5つの特徴的な語形によって,擬音語・擬態語と他の一般の語を形の上から区別することができるため,これらは「オノマトペ標識」と呼ばれています。(注:「オノマトペ」は擬音語・擬態語の総称です)
ですから,ある音や様子を表している語がこの「オノマトペ標識」を持っている場合,その語は擬音語・擬態語である可能性が高いということが言えるわけです。また,擬音語・擬態語では,一つの語基(語が持っている基になる音)と「オノマトペ標識」を組み合わせることによって,非常に多くの派生形を作ることができます。例えば、「ばた」という語基から,「ばたん」「ばたっ」「ばたり」「ばたばた」「ばたーん」「ばったり」のように意味の似た語が次々とできています。このことも擬音語・擬態語の大きな特徴です。
参考文献:日向茂男・笹目実(1999)「語形からみた擬音語・擬態語2」『東京学芸大学紀要第2部門人文科学50』
https://www.mag2.com/p/news/246060 【日本語に欠かせないオノマトペ、実は古事記にも登場していた】より
擬音語、擬態語の総称「オノマトペ」。実はこのオノマトペ、多国語に比べて日本語にはずば抜けて多いそうです。今回の無料メルマガ『安曇野(あづみの)通信』では、著者のUNCLE TELLさんがそのオノマトペを考察するとともに、「新しいオノマトペ」を作った方々についても紹介しています。
日本語とオノマトペ
オノマトペとは、「擬音語」「擬態語」の総称という。フランス語の「onomatopee」の音訳のようで、古代ギリシャ語の「名前は私が創る」という意味の言葉が原義とか。もともと読みのない音に字句を創り出したことに由来するらしい。
それでは「擬音語」とは何か。「トントン」「カンカン」「ザーザー」など、自然界、人間社会で発生する音。「キーキー」「コケコッコ」「ワンワン」「カッコー」「ギャーギャー」など動物・人間が発する声などが「擬音語」。いわば音色を語になぞらえる感じ。五感で言えば、実際に耳に入って来る聴覚で感じる音から由来するもの。
「擬態語」とは、「音」のないものを「音」にする感じ、視覚的なものは例えば、「キラキラ」「ギラギラ」、触覚的なものは、「サラサラ」「ベタベタ」。臭覚的なものは、「ツン」「ムッ」。味覚的なものは「ピリピリ」「マッタリ」など。「擬態語」というより「擬情語」と言った方がぴったりな「ハラハラ」「ウジウジ」の類もある。
ところで、日本語の大きな特徴の一つはこのオノマトペの数が多く、擬音語だけでなく「擬態語」も実に多く豊富で会話や文章に使われる頻度も極めて多いことである。この日本語には、「擬音語」「擬態語」「擬情語」、オノマトペの数がずば抜けて多いという。
日本語におけるオノマトペの数多さ、『擬音・擬態語辞典』(山口仲美編・講談社)という本には欧米語や中国語の3~5倍に達するとも。もっともお隣の国、朝鮮・韓国にも日本に負けないくらいオノマトペが多いらしい。日本のものと共通するものがあるか興味の湧くところである。それから、日本ではオノマトペは世代に関係なく生活に密着して使われるが、欧米ではこどもが主に使う、こども向きの言葉とされているようである。日本では、大の大人が平気で使うというわけである。このことが、マッカーサーが、戦後、統治官として日本人の精神年齢*歳などと言った要因の一つだという話しも。通常の会話などに使われる言葉が5,000語くらいだとすれば、オノマトペはその内の1,100位になるという。
かように日本語にはオノマトペが多いのだが、母語話者の私たちはそれを自在に使いこなしている。 しかし、日本語を学習している人や翻訳家には大きな障壁になっているようである。相当に日本語がうまい外国人にもオノマトペはやっかいなもののようだ。また、日本文のオノマトペによる情感豊かな表現も、翻訳家泣かせ、訳もつい平板な文章に落ち着かざる得ないことも。
先述の「擬音・擬態語辞典」に載っている話しだが――、日本語の達者な留学生がお腹が痛くて医者へ行った。先生に、「しくしく痛むの? きりきり痛むの?」と聞かれてとても困ったと訴える。「しくしく」と「きりきり」の意味の違いが全くわからず困ったというわけである。例えば、雨の降り方の表現でも、ポツポツ、パラパラ、シトシト、ザンザン、ジャンジャン、ザーザー、など実に多様である。日本語のオノマトペはわからないといわれる所以である。
ところでオノマトペは音象徴(おんしょうちょう=sound symbolism)語であるという。音象徴とは、オノマトペの「それらしさ」を表現するもの、音や状態を言語音によって表現すること。 普遍的な音象徴と個別(言語的)音象徴があるというが、何度読んでもこの概念がどうも良くわからない。
普遍的な音象徴として、a・i・u・e・oの母音の相違で意味が違うという例がある。例えばハ行、ぱらぱら、びりびり、ぷるぷる、ぼろぼろ。雨が、ぱらぱら降って来たという。この「ぱらぱら」はまばらな状態、粗である。「ぴりぴり」は、とげとげしい雰囲気。またトウガラシの辛さのように鋭い感じや張り詰めた緊張感。「ぷるぷる」は、弾力あるもの、例えばゼリーやプリン、小動物が細かく震える様子。「ぽろぽろ」は涙をぽろぽろこぼすなど。「ぴりぴり」に比べ何か丸みを帯び柔らかく中間的である。
個別言語的な音象徴では、清音・濁音・半濁音で意味の対立が見られる。かさかさ/がさがさ、かたかた/がたがた、きらきら/ぎらぎら、さらさら/ざらざら、とくとく/どくどくなど。元来、日本語では濁音は、「悪いイメージ」として使われてきた。また、やまとことばには濁音で始まる言葉はなかったという。というわけかサラサラとザラザラの例一つとっても、濁音のオノマトペ、多分に悪玉的、悪いイメージがついて回る。
日本語のオノマトペは実に多種多様でかつ、似たようなものがいくつからある例も多い。例えば、ニコニコ/ニッコリ/ニコッ/ニコリ。これらをケースケースで微妙に使い分けている。だから場面によっては使い方がふさわしくない例も出て来る場合も。
これも上の『擬音・擬態語辞典』によれば、「にこにこ」は、微笑みが反復されたり長く続いたりするのに対し、「にこ」「にこっ」「にこり」は微笑みが一回的で短時間である時に使う。また、「にこり」は声を出さずに、うれしそうな微笑を一回浮かべる様子。「にっこり」は「にこり」より笑顔が鮮明で、その分、うれしさの程度が大きい、と出ている。「彼女は金メダルを手にニッコリしながら観客席に愛想を振りまいた」。
オノマトペ、記録の残るところ、表記は漢字だが古事記や万葉集の時代からあるようである。 「古事記」(712年)に。神さま(イザナギ・イザナミ)が日本列島をこしらえるため、塩に矛をさしてかき混ぜるときに「こをろこをろ」と音を立てる。現代で言えば「カラカラ」に近い音とか。
古い時代に使われたオノマトペで現代では使われていないものも多い。また流行語のように次ぎから次ぎと新しいオノマトペが生まれている。近代現代、特定の人が言ったり書いたりしたことから、当節はテレビやコミックから広まったものも多い。また俳句や短歌に登場することも。
例えば、文学・芸能人が創始(?)した例が、『オノマトピア』(桜井順著・岩波現代文庫)に紹介されている。良く知られ使われているものをいくつか。
大橋巨泉:ボインボイン 岡本かの子:ざっくり 小田実:チョボチョボ
葛原しげる:ぎんぎんぎらぎら 坂口安吾:ジロリ 林真理子:ルンルン 水木しげる:ゲゲゲ 但し、これはほんの一例。
オノマトペと言えば、私は宮澤賢治の「風の又三郎」の冒頭の部分、「どっどどどどうど どどうど どどう青いくるみも吹きとばせ すっぱいかりんも吹きとばせ どっどど どどうど どどうど どどう」のフレーズを思い起こすが、風の又三郎だけでなく彼の全作品の中で、実にたくさんのオノマトペが効果的に使われているようだ。
先述の『オノマトピア』のまえがきに出ているのだが――、「ピッカピカの一年生」。CMのコピーだろうか。一年生坊主のゲンキ、シアワセ、ハシャギぶりを、ボーシ、カバン、ヒトミの輝きをピッカピッカを使わずに、これだけイキイキ、あなた表現できますか? というわけである。ほかのどんなコトバを持って来ても、ピッカピカにはかなわないだろうと…。
日本は世界に冠たるオノマトペ大国だというようなことをどこかで読んだことがある。オノマトペについてますます興味が湧くところである。
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