薪能


老松に通ふ風あり薪能  高資

篝火に舞ふ羽衣や五月山  高資

「全国山城サミット in 佐野」唐沢山城薪能

小林由美様よりご招待を賜りました。小林様は金春流能楽師であり、羽衣「序の舞」を舞われました。参議院議員・渡辺喜美氏、佐野市長・岡部正英氏、ドクター中松氏など各界の名士も多く参集され大盛会となりました。

山城の泉に空や夏木立  高資

もののふの命や空に湧く泉  高資

湛へたる泉に城を枕かな  高資

凪ぎわたる関東平野や北斎忌  高資

風の香や野に岬なす三毳山  高資

東京を見届けて散る松葉かな  高資

城壁に沁みる日の斑や青葉闇  高資

老松に通ふ風あり薪能  高資

篝火に舞ふ羽衣や五月山  高資


https://shirobito.jp/article/208 【【イベントレポート】「第24回 全国山城サミット in 佐野」[前編](栃木県佐野市/唐沢山城)】より

関東では珍しい石垣の山城である唐沢山城

気持ちの良い秋晴れに恵まれた2017年11月最後の週末、栃木県佐野市で「全国山城サミット」が開催された。2002年、竹田城(兵庫県朝来市)で第1回山城サミットが開催されてから、今回で24回目を数える。「全国山城サミット連絡協議会」に参加する自治体と山城は年々増えており、今回の開催時点で98団体155城が加盟。毎年秋に開催される山城サミットは、城ファンにはすっかりお馴染みのイベントとなった。

開催場所となった佐野市には、「続日本100名城」にも選ばれている唐沢山城がある。当地の国衆だった佐野氏の居城で、関東支配を目論んで侵攻してくる上杉謙信とは、幾度も籠城戦が戦われた。その後秀吉の政権下では先進の築造技術が導入され、東国の城では珍しい石垣の山城へと変貌を遂げる。唐沢山城から南を望むとだだっ広い関東平野を一望することができ、遠く東京スカイツリーや富士山も望むことができるという。

全国山城サミット in 佐野、佐野市文化会館

1日目の会場となった佐野市文化会館

全国山城サミット in 佐野,会場ロビー、幟

会場ロビーには佐野市内の城の幟が立ち並ぶ

山城サミット1日目は、レンガ造りが美しい佐野市文化会館で開催。オープニングコンサートや開会セレモニーに続いて、竹田城と太田金山城(群馬県太田市)の事例発表、宮武正登先生(佐賀大学教授)の基調提言が行われた。竹田城では登城者の増大にともなう対策について、太田金山城では市民やボランティア団体との関わりについて話がされ、宮武先生からは、唐沢山城は織豊期の石垣と東国の山城の融合という歴史的意義があるので、その〝個性〟を活かした整備・活用を進めるべきという提言があった。山城を訪問するだけでは、整備のあり方や観光客の受け入れ方といった点にはなかなか思い至らない。山城サミットならではの内容だといえるだろう。

全国山城サミット in 佐野

1500人の会場が2階席までほぼ満員となった

山城は〝悶絶〟してしまうほどおもしろい!

続いて登場した千田嘉博先生(奈良大学教授)の記念講演のタイトルは、「世界の城、日本の城、そして唐沢山城の魅力」。千田先生自身が「これ以上、大上段に構えたタイトルはないでしょう」と冗談めかしたとおりの壮大なテーマで、紀元前の古代エジプト文明やギリシャ文明以降の、人類史における城郭の変遷を追うというもの。何千年も前の城に、すでに横矢や枡形といった日本の城と同じ発想があったことに驚かされる。千田先生からは、そうした人類史上の城の発展の延長上に唐沢山城も位置づけることができ、まさに「世界に誇るべき山城」であると結ばれた。タイトル通りの壮大な講演であった。

唐沢山城、本丸北西側、石垣、高石垣

唐沢山城本丸北西側の石垣。関東の山城では屈指の高石垣である

その後は、宮武先生、千田先生に落語家の春風亭昇太師匠とアーティストのダイアモンド☆ユカイさんを交えてのパネルディスカッションが開かれた。佐野ブランド大使であり、今回の山城サミットでは「侍大将」を名乗るダイアモンド☆ユカイさんは、歴史への興味から城跡も巡るようになったが、まだ山城の魅力には気づけていないという。そんなユカイさんに、昇太師匠が説得を試みる。

昇太「山城は城全体が残っているので、どんな城だったか想像しやすいんです。技巧的な山城を見ると、思わず悶絶しちゃう(笑)」。ユカイ「その悶絶するポイントを深く聞きたいですね」。昇太「今日も唐沢山城の堀切を見て悶絶しましたよ! 非常に手が込んでいて、執念深く築いている。どんなつらいことがあったんだろうって、当時のことを想像しちゃう」。千田「(謙信に何度も攻められて)よっぽどつらかったんでしょうね。誰も信じられない!みたいな(笑)」。ユカイ「なるほど、堀ひとつにも物語があるんですね〜」。

全国山城サミット in 佐野

パネルディスカッションは笑いの絶えない和やかなムードに

話題は、関東平野における佐野の位置づけ、関東ではなぜ土の城が多いのか、山城と信仰の関係など多岐に及び、最後は「山城は地域に誇りを持つ良い材料になる。唐沢山城のことをもっと地元の人に愛してもらいたいし、自慢してもらいたい」という昇太師匠の言葉で締められた。唐沢山城の多様な魅力に光が当てられた1日目だった。

https://shirobito.jp/article/209 【【イベントレポート】「第24回 全国山城サミット in 佐野」[後編](栃木県佐野市/唐沢山城)】より

唐沢山城、全国山城サミット in 佐野

多くの来城者を紅葉が迎えてくれた

特別見学会では普段は見られない境内の石垣を見学

「第24回 全国山城サミット in 佐野」の2日目、今日も青空が広がる晴天となった。2日目の会場は唐沢山城。山頂の駐車場は数に限りがあるため、駅とインターチェンジのそばに特設駐車場が設けられ、城までのシャトルバスが運行された。

朝9時、山域一帯に響きわたる秀郷太鼓の演奏でオープニングを迎えると、城はすぐにお祭り騒ぎとなった。グルメコーナーでは佐野名物の「いもフライ」や「佐野ラーメン」のブースが並び、物販コーナーではゆかりの土産品や地酒が次々と売られていく。イケメン武将隊やゆるキャラの「さのまる」も登場し、あちこちで撮影会が開かれていた。

唐沢山城、全国山城サミット in 佐野、さのまる

特別仕様の足軽スタイルで城のあちこちに登場した「さのまる」。撮影の合図は「い・も・フ・ラ・イ!」

もちろん、主役はお城である。午前中には前日の講演にも出演した千田嘉博先生と宮武正登先生が見どころを案内する、特別見学会が開催。予約者限定のイベントだが、予約はわずか数日で定員に達したという。それでも参加者多数となったため、急遽グループ分けして見学会を行うことになった。

唐沢山城、全国山城サミット in 佐野、高石垣、宮武先生

高石垣を前にその見どころを説明する宮武先生

唐沢山城、全国山城サミット in 佐野、本殿背後、石垣

普段は絶対に入れない本殿背後の石垣を見学。貴重な機会だった

唐沢山城最大の見どころである高石垣からはじまり、二の丸・本丸・武者詰めへと先生方の生の解説を聞きながら、実際の遺構を見ることができるというのはたいへんぜいたくな時間だ。さらに見学会参加者は、普段は立ち入り禁止の唐沢山神社の境内にも入ることができた。神社は本丸に建てられているのだが、境内のため通常は見ることができない本丸石垣と搦手側の虎口を見学することができたのだ。今年の山城サミットのために、主要な曲輪は木々の伐採が行われ、遺構が見やすく整備されていた。唐沢山神社の関係者は「木々が切られて、綺麗な紅葉が見られるようになりました。これも山城サミットのおかげですね」と話す。

唐沢山城、全国山城サミット in 佐野

2日合わせて5000人と予想されていた来城者は、倍の1万人を超えたという

中世の城と近世の城が融合している

この日は二の丸、三の丸、升形にも特設ステージとブースが設置されて、多彩なイベントや子ども向けの体験会などが開かれた。

二の丸の特設ステージでは、郷土芸能やダイアモンド☆ユカイさんのミニライブなどのほかに、千田先生と宮武先生の座談会が開催。座談会の冒頭で、「これは絶景ですねぇ。この場所なら3時間は話せる(笑)」と2人が驚いていたとおり、特設ステージは本丸の虎口や石垣と向かい合う絶好の位置に設置された。参加者は遺構を目の当たりにし、時にペンライトで照射された石垣を確認しながら座談会が進められたのである。

唐沢山城、全国山城サミット in 佐野、トークショー

あふれるほど人が集まった千田先生と宮武先生のトークショー。先生に促されるままに、左の石垣をみたり、背後の鏡石を見たり・・・

唐沢山城、全国山城サミット in 佐野、二の丸、郷土芸能

二の丸の特設会場で行われた地元高校生による郷土芸能

唐沢山城といえば関東の山城では屈指の高石垣が見どころだが、本丸の大手の方向に高石垣と大きな鏡石が設置されている一方で、本丸の裏手にあたる武者詰側は中世から続く土の遺構が残されている。「佐野氏は豊臣政権に従い、最新の築城技術を導入して石垣の山城へと変貌を遂げたが、一方で在来の国衆としての意地と自負があった。その意地と自負が、土の遺構が残されている理由なのではないか」という宮武先生の解説は示唆に富んでいる。唐沢山城が史跡として貴重なのは、土の城から石垣の城へと「変貌」したという点だけではなく、土の城と石垣の城が「融合」しているという点にある。そこにどれほど佐野氏の矜恃が介在したのか——城好きならずとも歴史ロマンが膨らむところであろう。

さて、「全国山城サミット in 佐野」のメイン会場は佐野市文化会館と唐沢山城だったが、市内のさまざまな会場や城跡で催しが行われ、ボランティアによるガイドがされていた。

佐野市内にある阿曽沼城跡(浅沼町)を訪ねてみた。かつては東西約180m、南北約230mの平城だったが、城跡は浅沼八幡宮と住宅地に変わっており、わずか一辺の横堀と土塁が残存しているのみである。ただし、この横堀と土塁が素晴らしい。木々が伐採されている上に、綺麗に草刈りがされている。パネルディスカッションでの昇太師匠の発言ではないが、山城ファンであればこの横堀だけで「悶絶」するほどだ。

浅沼八幡宮、阿曽沼城、全国山城サミット in 佐野

浅沼八幡宮として残る阿曽沼城跡。築城は源平合戦の時代までさかのぼる

阿曽沼城跡、全国山城サミット in 佐野

草刈りされた横堀。このように大切に保存されているというだけで、城ファンには嬉しい

現地でガイドをしてくれたボランティアに話を聞くと、神社の氏子会の面々が定期的に横堀の整備を行っているのだという。さらに説明チラシに掲載されていた家系図を手に、城と土地の歴史をこと細かに説明してくれた。「城を築いた阿曽沼氏は藤原秀郷を始祖とする由緒ある佐野氏の一族。しかも阿曽沼城は『吾妻鏡』にも記されています。それが、この地域の自慢なんですよ!」。山城サミットの2日間で、阿曽沼城跡にはおよそ100人の来城者があったという。

地域の誇りが山城とともに残されている。こうした小さな城で出会いがあるのも、サミットの魅力だろう。2018年の山城サミットは、9月22〜24日、月山富田城を抱く島根県朝来市で開催される。今から楽しみだ。


小林由美さんと雲巌寺にいます。

2016年11月19日 · 栃木県 大田原市 ·

常世より通ふ風あり薪能  高資

https://hiromihasegawa.com/column/culture/unganji/  【栃木県大田原市 雲巌寺「能と楽の夕べ」】より

栃木県大田原市 雲巌寺「能と楽の夕べ」

11月5日(日)は、金春流能楽師 政木哲司さんのご一行に随伴させていただき、栃木県大田原市にある雲巌寺で開催された「能と楽の夕べ」で、薪能の撮影させていただきました。

お囃子や大衆歌謡や講談、栃木方言作家さんによるトークショーなど、盛りだくさんの芸能を皆さまが興味深く楽しんでいらしたのがとても印象的でした。

また、今回の催しは「薪能」なのでお能の前には厳かな火入れ式も。

そして、お能では装束と面をつけた状態での「敦盛」、面をつけての「羽衣」、そして最後に「融」を。

私は表から裏から撮影させていただきましたが、本堂を背にした暮れゆく日差しの中での能や仕舞は、特別な趣がありました。

政木さん、雨宮さん、乙黒さん、お世話になった沢山の皆さま、本当にありがとうございました。

今回の面は、現地近くにお住まいになっている面を打って十余年の方の作品でした。素晴らしい面でした。

撮影, 文化/カルチャー カルチャー, 伝統文化, 写真撮影, 能楽


https://www.sankei.com/article/20161118-ASQ5IBVSBFNNRDJQJYGUEK2L44/ 【「聖域で伝統文化に触れて」 あす大田原・雲巌寺で初の薪能】より

 禅宗4大道場の一つ、雲巌寺(大田原市雲岩寺)で19日、薪能が開かれる。同寺での薪能は初めてで、狂言や能舞、小中高校生を対象にした能楽体験などが予定されている。主催者の市民グループは「いにしえから守り継がれてきた聖域、雲巌寺で子供たちに日本の伝統文化に触れてほしい」としている。

 市内で能のイベントを開いている市民グループ「夢の郷づくり研究会」(五月女昌巳会長)が「伝統文化を通して地域活性化につなげたい」と企画。地元の同市須賀川地区の住民グループ「やみぞあづまっぺ協議会」と共催する。

 午後5時50分、寺の修行僧による火入れ式で始まり、狂言「柿山伏」、能舞「羽衣序の舞」が上演される。能舞の開演を告げる能奉行は、同寺住職の原宗明(そうみょう)老師が務める。

 また、開演前には、同協議会が商品化し、原老師が名づけた北限の紅茶「雲巌の静謐(せいひつ)」が無料で振る舞われ、能の解説、能楽体験も予定されている。入場無料。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

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