http://www.ucatv.ne.jp/~hotoku/bunnoshin/yorozu_contents.htm 【静塔文之進百物語】より
静塔文之進百物語・もくじ
平畑静塔という巨人
Ⅰ 一縷にて(思い出の名句)
一縷にて天上の凧とどまれり(緒言)
狂ひても母乳は白し蜂光る
徐々に徐々に月下の俘虜として進む
透きとほる時が去りゆく下り簗
我を遂に癩の踊の輪に投ず
ひろふ栗あらばいづくの果てまでも
他
Ⅱ 赤き薔薇落つ(戦争・戦後)
ジープより赤き薔薇落つ跳ねとびぬ
女学生なり枯野遠くに消えるまで
足袋の底記憶の嶽を踏むごとし
他
Ⅲ 老俥夫や(人の世・故郷・友)
老俥夫や酔はねばならぬ鹿の声
一本の道を微笑の金魚売
胸に挿すバラ悪霊の心臓部
雪国を川は流るるいつくしみ
他
Ⅳ 下り簗(下野国)
下り簗青竹の青流れ去る
雪を掻くがりがりがりと地表なり
火を焚きて美しく立つ泉番
枯麓落石であり墓である
他
Ⅴ 白壁に(精神科・宇都宮病院)
白壁に消えも入らずに毛糸編み
鳥銜へ去りぬ花野のわが言葉
精神科運動会天あけひろげ
毛虫焼く火を青天にささげゆく
黄落や或悲しみの受話器置く
夏雲へびくともせぬや狂へる陰
蛍火となり鉄門を洩れ出でし
梨の花とんで母屋の塵となる
他
Ⅵ 緋牡丹の(玄牝・エロス)
あねいもとなる緋牡丹のあねを剪る
いもとよりいとこ美し夏まつり
http://www.ucatv.ne.jp/~hotoku/bunnoshin/tyosakusyoukai.htm 【著作紹介】より
「静塔文之進百物語」 俳句と精神医学 近代文芸社 1999年
第一版、第二版、第三版
四十年間静塔に従った著者が見聞した希有な大人物の人生の極意
第一版序文 第二版序文 第三版序文
目次 後記
「アルコール症」 病院精神医学の四十年 メディカルジャーナル社 2003年
アルコール症困難患者の原因探求と治療
書評1 書評2
目次 後記
「時代」 (栃木県文芸家協会 総合文芸誌)に続「静塔文之進百物語」として多数掲載
続「静塔文之進百物語」 掲載俳句
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