https://ameblo.jp/about-art/entry-12131434242.html 【浦島太郎と君が代と蓬莱山】より
こんにちはー( ゚∀゚)ノモイ!
今日は、「水-神秘のかたち」展の備忘録にも書いた不老不死の古来理想郷「蓬莱山」に関連して、ちょっと自分にとって驚きの発見があったのでメモ。
繋がりそうな点と点を取り急ぎ整理したいだけの長文書き殴りなもので、そっ閉じまたは背面ストライプのタロイモでもどうぞ ( ・ิω・)ノิิิマユゲドーゾ
Kuniyoshi Station 38
歌川国芳 [Public domain or Public domain], via Wikimedia Commons
『竹取物語』や『浦島太郎』にも繋がりが見られる蓬莱山。
展覧会メモを書き終えてから、お子様用の古典の本で『浦島太郎』を改めて読んでみたところ、私の知らない結末が目に飛び込んできました。
読んだのは『室町物語草子集』バージョンの浦島さん。物語後半部分を紹介したもの。
おなじみのとおり、禁断の玉手箱を開けてお爺さんになってしまった浦島さんですが、その続きがあって…
その後、浦島は鶴に生まれ、亀に戯れをなし、朝夕遊び戯れ給ひける
浦島さん、鶴に変身しとる…!!∑(゜Д゜ノ)ノ
しかもその後に記された歌が…
君が代は 千代に八千代を さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで 苔のむすまで
きっ、君が代ォッッ!?∑(゜Д゜ノ)ノ
こんな謎めいた物語に君が代が書かれてたなんて私は今まで知らなかった(゚д゚)
本の解説では、「このお話を読んだみなさんが末長く…」という感じの訳だったけど、たとえば乙姫が浦島宛てに詠んだ歌として読むと…ある意味すごく怖いんですけど((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
太郎さん、ずっと一緒だよ。千代に八千代に、ずぅーーっと…ね(◞≼◎≽◟◞౪◟◞≼◎≽◟)ウフフフみたいな。(´Д⊂ヽコワイヨー
これに載ってた浦島読んだ↓
読んでおきたい日本の古典 [ 中西進 ]
読んでおきたい日本の古典 [ 中西進 ]
「君が代」自体は、平安時代『古今和歌集』にある歌のひとつで(“わが君は”で始まる型)、“君が代は”で始まる型に変化したものは鎌倉時代の『和漢朗詠集』が最も古いそうだ。
ちなみに国歌としてこの歌が引用されたのは、薩摩琵琶の「蓬莱山」からとのこと。ここにも蓬莱山だ( ゚∀゚)ノィョ―ゥ
んでこの歌は、鎌倉~室町期頃からおめでたい歌・祝いごとの歌として色々な歌集に収録されるようになったそうだから、「なぜ浦島に君が代!?」と驚いたけど、ちょうどこの歌が広く使われていた頃だったことを考えると、そのよくある当時の作例のひとつだったのかもしれない。
しかし、めでたい歌として用いられていたと踏まえるほど、浦島が鶴に変身して亀(=乙姫?)と千代に八千代にって、現代の自分の感覚からするとバッドエンドからかなりの急カーブでハッピー展開って感じで、えナニコレめでたしでいいの?もいさんポカン顔( ゚д゚)
当時の感覚からすれば、諸々はどうあれ最終的に鶴になるって縁起いいことなの?
でも結局鶴になるのなら、なぜ玉手箱で爺さんにさせる必要があったのか?そもそも玉手箱からして謎だよね。もう、ますますなんなんだ浦島太郎ってヽ((◎д◎ ))ゝ
Urashima Taro handscroll from Bodleian Library 9
By 不明 (The Bodleian Library, Oxford) [CC BY 4.0], via Wikimedia Commons
少し調べてみて思ったのは、浦島が竜宮で過ごしていた間の地上時間があの箱の中に封じられてて、浦島が地上に帰るならそれを返さなければならなかったけど、箱を開けたら一気に時間を取り戻して老化→死亡となってしまうので「開けるな」と乙姫は言った。
でも万が一開けてしまった時の救済措置として、鶴に変身する魔法みたいのも仕込んでおいたのではないか。
そう考えるのが(疑問点全て解消はできないけど)自分的には目下しっくりきた。
うーん、ロマンティックすぎ?でもヤンデレ乙姫よりはいいかなって(◞≼◎≽◟◞౪◟◞≼◎≽◟)イッショダヨ…
あと、自然と人をあまり区別してこなかった日本の昔話には、異類と結婚する話「異類婚姻譚」も多くある。が、往々にして破局を迎える結末で、「見るな」のタブーを犯すのも典型パターン。
浦島太郎と乙姫(=亀?神?亀仙人?)もそうした定型のひとつといえるようだ。
このあたりも海彦山彦なんかと共通してるんかな。(参考:アカウミガメとアオウミガメ)
By Internet Archive Book Images [No restrictions], via Wikimedia Commons
浦島太郎においての蓬莱山にも気になる点がいくつか。
浦島太郎にはバージョンがいくつかある。最初に登場する文献は『日本書紀』をはじめ、『丹後国風土記』、『万葉集』巻九といった8世紀の書物。
現代にも語られているバージョンの原型は、室町時代『御伽草子』の出現以降で、乙姫や宝箱の登場、初期では蓬莱山だったのが竜宮[1]に変化、私が読んだ鶴亀バージョン[2]などがある。
んで、鶴って白いじゃないですかタンチョウ
展覧会で見た蓬莱山の解説には「そこでは鳥獣は悉く白く」ってあったんですが、浦島が鶴という白い鳥になったことと蓬莱山とは何か関係あるんだろうか?蓬莱山の住人になったとさ、みたいな。
あと、玉手箱を開けて爺さんになった浦島だけど、白髪=鶴髪ともかかってるの?
と、白髪が白い羽根になっていくウラシマン変身シーンを想像しながらウィキ見てたら、鶴になった浦島が蓬莱山へ行くバージョンなんてのもあるみたい。
室町以降の『御伽草子』系の一部に浦島説話の変形版があり、以下のように結末を結ぶ。
“浦島は鶴になり、蓬莱の山にあひをなす。亀は甲に三せきのいわゐ(苔)をそなへ、万代を経しと也。(中略、両者は)夫婦の明神になり給ふ”
一説に、ここから「亀は万年の齢を経、鶴は千代をや重ぬらん」と謡う能楽『鶴亀』などに受け継がれ、さらに、鶴亀を縁起物とする習俗がひろがったとする。
Japanese Fairy Book - Ozaki - P034
Kakuzō Fujiyama [Public domain], via Wikimedia Commons
竜宮/蓬莱山に行くと時間がゆっくり流れる、あるいは止まる。永遠とも思える時を暮らせる。
代わりに現世の時間、現身を箱に閉じ込めておくのだとしたら、それは死んでることでもあるようで、蓬莱山は不老不死の理想郷だそうだけど、永遠に生きることと死ぬことが裏表にも思えてなんだかゾッとくるのはこの世の人間だからかな?
不老不死を求める物語例とのつながりや、西洋のユートピアとの違いなどともまた考えてみたい。
蔡國強の蓬莱山。裏側はハリボテになっている。
蓬莱山 蔡國強と大地の芸術祭の15年 Amazonより
…調べるほどドツボにハマっていく浦島太郎。
とにかくいろんなバージョンの浦島や関連する文献を読み比べてみないといけなそう。そのためにはもっと自分で原文読めるようにもならないとだめそうだし、アホの子が思いつきで手を出していい話じゃなかったことはよくわかった。恐るべし浦島オワタ
浦島について調べてるうちに既に4時間くらい私も浦島ってる。マジ恐るべし。疲れて「祝いの歌」が「呪いの歌」に空目してきたしもう限界寝る。
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