https://sumaiweb.jp/articles/230973 【「辛夷」読める?北国に春を告げる花。頭痛や鼻づまりの漢方薬として有名です】より
読めそうで読めない「辛夷」
名曲『北国の春』でも登場します。北国ではほかの木々より一足先に白い花をつけ、遅い春を告げます。
さて、何と読むでしょう。
この漢字からは想像できないけど、学名はマグノリア
確かに蕾が開くのを見ると、小さな子どものそれみたいかも!?
この漢字にもチャレンジ!
この漢字からは想像できないけど、学名はマグノリア
漢方薬の辛夷
漢字を見ると「辛い」という字と、昔の中国で東方の異民族を意味する「夷(えびす)」という字。ワイルドなイメージがありますが、とても可憐な花を咲かせます。
この樹木の総称の学名は、フランス・モンペリエ王立植物園の園長マニョールの名にちなみ「マグノリア」と言います(※1)。
漢方では、花のつぼみを乾燥させ、頭痛・鼻炎・鼻づまりの処方薬として使われます。ちなみに漢方薬での名称は同じ字ですが「シンイ」と読みます(※2)。
辛夷の字を見ても、イメージがわかないかもしれませんが、世界各地で親しまれている木です。
読み方、分かりましたか?
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確かに蕾が開くのを見ると、小さな子どものそれみたいかも!?
辛夷の花
正解は「こぶし」です。
なぜ、「こぶし」と読むかは諸説あります。
花が咲く前の蕾(つぼみ)の形が握りこぶしに似ているから。蕾から開花していく様子が小さな子どもの握りこぶしのように見えるといった蕾握りこぶし説が有力です。それ以外にも種子がぼこぼこした形をしていて、それがこぶしのように見えるからという説もあります。いすれにしても手を握った「こぶし」から来た名前のようです。
同じ時期に咲く辛夷とモクレン(木蓮)の違い、お分かりでしょうか?
同じモクレン科に属しますが、モクレンは中国原産の樹木です。一方、辛夷は日本原産の樹木。なので中国では外来の意味で「夷」の字が付いているんすね。
見分け方ですが、辛夷は白花のみで花弁は6枚。開花と芽吹きが近いので、花と葉の同時に見ることができます。
一方、モクレンは花弁が9枚。一般的には紫の花を指します(白い花は白モクレンと呼ぶ)。花は上向きに咲くので、地上にいる私たちは横からしか見ることができません。
※1 マグノリアはモクレン科の総称。辛夷はその後ろに学名となった和名が付き、マグノリア・コブシ(Magnolia kobus)という
※2 漢方薬の辛夷は、同じモクレン科モクレン属のハクモクレンもしくはモクレンを指す
https://hino-seiyaku.com/blog_crude_drug/flower/3_1.php 【コブシ(辛夷)【3月】】より
山の斜面に点々、鼻づまり解消に
春先、雑木の芽が膨らみ、斜面の林がうっすらと萌黄色に染まる様子は「山笑う」と表現される。この時期、里から見た山の斜面には白い花をたくさんつけた樹木が点々と見られ、コブシが開花したことを知る。普段気付かなかった所にもコブシの花を見つけ、意外にこの樹木が身近な山に多いことに驚く。木に近付けば、見上げるような高木に純白の大きな花が、青空をバックに無数ともいえるほど咲いている。花の径は六〜十センチほどで芳香があり、六枚の花弁は舌状に垂れ下がっている。
生薬名は【辛夷(しんい)】
生薬名は「辛夷」で、開花前の毛筆の筆先のような花蕾を採取し、それを日干ししたものである。鼻炎や蓄膿症の鼻づまりの症状に、乾燥した辛夷を煎じて使う。辛夷の主成分は、シトラールをはじめとする精油である。ヒトの体に対する辛夷の作用機序は、煎じ湯を飲む時に精袖が揮発して、その芳香が鼻腔粘膜に作用して鼻づまりを解消するものと思われる。
同属のタムシバ
ところで、市販されている日本産の辛夷のほとんどはコブシと同属のタムシバである。タムシバは北信地方の多雪地に多く、春先にコブシに似た花をつける。コブシの木は垂直に立ち上がり髙さ十五メートルほどの大木になるが、タムシバはやや斜めに立ち上がり樹高は十メートル以下である。タムシバは樹木全体が小ぶりで花数も少ないが、葉を噛むと独特な甘味と香りがする。
コブシ-3-blog.jpg
名の由来
コブシの名の由来は、秋に赤く実る果実の集まりが拳に似ることによる。辛夷は「辛い夷(えびす)」で、かじると強烈に辛く、赤みを帯びた果実を、赤ら顔の夷(未開人)に喩えたものではないだろうか。
Magnolia praecocissima モクレン科 モクレン属、別名●コブシハジカミ、ヤマアララギ、タウチザクラ、生薬名●辛夷
▼花期:三〜五月
【ミニ図鑑】モクレンと同じ科・同じ属で、花も一見似ている
出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)
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