日本ホリスティック医学協会/補完・代替医療

https://www.holistic-medicine.or.jp/column/column_category/article-column/cam/ 【コラム記事・研究会レポート コラム:補完・代替医療】より

「世界のホリスティックセラピー」に寄せて

2020/10/25

上野圭一 コラム

癒しの源流 ~過去に学び未来につなぐ

古来、人が病や苦しみにいたる原因は枚挙にいとまがない。苦の原因や動因は多種多様、千差万別である。したがって、おまじないから遺伝子治療・再生医療まで、人が苦を癒す方法の数々をほぼ無尽蔵に考案してきたとしてもふしぎではない。

数多ある癒しの技法の源流をたどっていけば、その多くは石器時代から今日まで、脈々としてつづいているシャーマニズムに行きつく。シャーマニズムは「エクスタシーのテクノロジー」(M・エリアーデ)であると同時に、「癒しのテクノロジー」でもあったのである。

万年単位で持続したシャーマニズム全盛時代にはほぼ原型が出揃っていた「精霊崇拝にもとづく、生存のための癒しの技法」の数々は、やがて精霊崇拝が後退して洗練されていき、理論化・体系化されて、インド、中国、チベット、イスラム、ギリシャ・ローマなどの、ローカル色豊かな伝統医療となり、さらに、衰退したギリシャ・ローマ医学を丹念に翻訳してきたイスラム圏のアラビア語文献をもとにして、ようやくヨーロッパで科学的・普遍的・グローバルな近代医学が誕生することになった。

科学性・普遍性の優越は、合理的整合性を最優先することによって獲得されたものだった。「精霊」など大自然の働きの見えない担い手たちの存在はおろか、それまで「プラーナ」(インド)、「気」(中国)、「ルン」「チーパ」「ベーケン」(チベット)、「バラカ」(イスラム)、「プネウマ」(ギリシャ)、「ルーアッハ」(ヘブライ)、「オレンダ」(北米先住民)、「マナ」(ポリネシア)などと呼ばれて重要視されていた「不可視の生命エネルギー」を等閑視した近代医学は、人間の全体性(身体性・精神性・霊性)のなかから、もっぱら目に見える身体性だけを対象にせざるをえないという限界を引きずったまま目ざましい発展をつづけてきた。いや、大鉈をふるって対象を限定したからこそ、旺盛に発展できたのだというべきかもしれない。

19世紀末、その限界を突破すべく、いったんは近代科学思想を身につけた人たちのなかから、近代医学にたいする対抗的な癒しのシステムが生まれた。それがホメオパシー、オステオパシー、アントロポゾフィー医学、ナチュロパシーなど、補完代替医療の優等生たちである。

そして20世紀の後半、長く日陰の存在を強いられていた伝承的な癒しの智慧を、持続可能な脱近代の実現を試みる対抗文化(カウンターカルチュア)が発掘しはじめ、「近代医学以外のあらゆる治療法・健康法」としての「補完代替療法」(CAM)が百花繚乱の様相を呈することになった。

「世界のホリスティックセラピー」が「古代シャーマニズム」という花芯を中心として咲き誇る花のデザインで表現されていることの理由はそこにある。だが、この百花繚乱の風景は同時に、「エビデンス」の欠如をめぐる百家争鳴の論戦場であり、また「ビジネスチャンス」をめぐって百鬼夜行する魔界の風景でもある。

ギリシャ・ローマ医学とイスラム医学の混交を背景として生まれた近代医学が「花」に突き刺さったメカニックな異物のように表現されていることにも理由がある。ラリー・ドッシー博士が近現代医学(西洋医学)の歴史を三期に分け、その誕生から現代の先端医療までつづいている西洋医学の最大の特徴としての第一期を「メカニカル」(機械的医学)と命名しているからである。第二期は「マインドボディ」(心身医学)、第三期は「ノンローカル」(非局在的医学)で、その両者とも医学界でそれなりの地位は占めているものの、「機械的医学」の勢力にくらべれば、まだ圧倒的にマイナーな存在のままだ。

ドッシー博士とも親交のあるアンドルー・ワイル博士は20世紀末、アリゾナ大学に世界初の本格的な統合医療の研究・教育・臨床施設を立ちあげた。ワイル博士の統合医療の定義は以下のとおりである。

<統合医療の定義>

●「病気」と「治療」ではなく「健康」と「治癒」に医療の力点を置く。

●患者を「故障した機械」としてではなく、「精神的・感情的・霊的な実在」として、 また「コミュニティの一員」として、「全人的」に診る。

●検査結果の数値だけではなく、患者の「ライフスタイル」(食習慣・運動習慣・ストレス対処法など)を診る。

●患者の他者との「人間関係」のありかたをはじめ、自然・社会・世界・神などの超越的存在・担当医との関係など、あらゆる「関係性」を重視する。

「健康と治癒」「全人的」「ライフスタイル」「関係性」という特徴的な四つのキーワードの背後に、つねに「スピリチュアリティ」(霊性)への視座がほの見えていることに留意していただきたい。「治癒」も、「精神的・感情的・霊的な実在」も、「ライフスタイル」にも、「関係性」にも、「目に見える身体性だけを対象にせざるをえない」という西洋医学=生物医学の限界を超えようとする強い意思を感じないだろうか?

ワイル博士の統合医療が提供する治療法には、原則的にドッシー博士がいう「第一期」から「第三期」までのほぼすべてのものが含まれる。「世界のホリスティックセラピー」の図でいえば、第二期の「リラクセーション」「呼吸法」「バイオフィードバック」「心理療法」から第三期の「手かざし療法」「心霊治療」といった「遠隔ヒーリング」までも安易に否定しない寛容な態度がうかがえる。

さて、このワイル博士の「統合医療」と「ホリスティック医学」はどのような関係にあるのか? これがわれわれに与えられた課題である。「統合医療はホリスティック医学に至る道程の橋頭堡である」と帯津先生は理想を語られた。とすれば、この「世界のホリスティックセラピー」以上に理想的な図を描く準備をしなければならない。次世代の若い人たちのなかから、その新しい図を描く人たちが出現することを期待したい。

◎文 上野 圭一 『HOLISTIC MAGAZINE 2013』より

上野 圭一 うえの・けいいち

翻訳家/鍼灸師/日本ホリスティック医学協会名誉顧問

世界の代替療法、ホリスティック医学を先駆的に研究。アンドルー・ワイル博士の一連の著書を始め、多くの書物の翻訳を手がけている。伊豆のリゾートホテルに私設図書館「癒しと憩いのライブラリー」を誕生させるための活動もしている。著書に『代替医療』(角川書店)、『私が治る12の力』(学陽書房)などがある。


代替療法家・セラピストの視点

2019/03/31

コラム

◎文・林サオダ(当協会理事)

「ホリスティック」という概念は、まだ十分に浸透しているとは言えませんが、一般の人が代替療法、統合医療、ホリスティックな医療という言葉から連想するのは、心身が一体であるとみなしたケアです。未病段階や回復期において、また医学的に治療中でも、併用して代替療法を利用する人達は着実に増えています。そこで、ここではホリスティック医療を目指す、代替療法家・セラピストについて考えてみたいと思います。

まず初めに、療法家やセラピストであっても、個人としての自分が、他者の援助者になる以前に、「ひとりの人間として、時には病み、精神的に苦しむこともあり、やがては死んでいく存在である」ということを認識することが大切です。ホリスティックとは、医療や健康のことだけを指すのではなく、生命全体の概念です。それをどのように捉えているかで、その人がもつ人間観・宇宙観が本人の全生活に表れ、当然職業生活にも反映されるからです。

また、代替療法家・セラピストがホリスティックな視点をもつためには、自分が軸足とするひとつのセラピーに習熟することはもちろん大事なことですが、他のセラピーや療法や医学に対する開かれた心と学びも大切です。

そして、実践のありかたについては個々様々ですが、ホリスティック医療には次のようなスタイルがあるということを紹介いたします。

1 セラピスト自身が、複数のセラピー・療法を習得して実践

自分が軸足とするメインの代替療法やアプローチ以外にも習得している複数の選択肢の中から、相談者が希望するセラピーを提供する。そのセラピーだけで、よい結果を得て終了していく場合もあれば、相手が抱えている問題が好転しつつも、先に進みにくい状況が起きた時に、本人の了解を得て、他の療法を導入、または併用する。

2 ネットワークによるホリスティックなケア

セラピスト自身は、自分の専門とする療法を提供し、相談者のニーズに応じて、他の治療家へ紹介していくという形のネットワークを構築して実践する。

3 医療機関におけるチーム医療に関わるセラピスト・代替療法家

ホリスティックな意識をもって診療を展開する医療施設にセラピストが参加し、医師を中心としたカンファレンスを通して、患者に各専門分野での関わりをもち、連携で活動する。

実際、上記1~3のどの方向性を目指すかで、さらに学ぶべきことや獲得すべき資質が自ずと明確になってくると思いますが、ホリスティックケアを利用するユーザーの希望と療法家・セラピストに求められる要素として、次のことを意識することも必要です。

<ユーザーの希望>                  <求められる要素>

●症状の軽減、あるいは治癒を希望           →有効な治療技術

●セラピーの選択権・決定権は本人が持つ        → 相手を尊重する姿勢と人間性

●異なる治療法を導入しても、その移行がスムース    →専門以外の療法に対する開かれた心

●ホリスティックなケアを受けた満足感・信頼感     →ホリスティックな人間観とライフスタイル

そして最終的には癒しの関係である、セラピストと相談者の関係においても、人と人、生命と生命が出会っているということが何よりも重要であり、 そのこと抜きにはホリスティックな“生命の癒し”は語れないでしょう。

会報誌『HOLISTIC News Letter Vol.71』より


代替療法の賢い利用法①

2009/03/31

コラム > 補完・代替医療

代替療法の賢い利用法

西洋医学は「生物医学」(Bio-Medicine)とも呼ばれ、生物学を基盤にしています。そして、生物学は科学 を、科学は物理学を基盤にしています。いうまでもなく、現代医学はあくまでも厳密な科学にあるのです。したがって「近代医学以外のすべての療法の総称であ る「代替医療」は、別の表現をすれば、「科学で立証されていない」「非科学的」な治療法の総称であるということができます。

現代では、西洋医学が発展すればするほど代替療法の種類が増えていくという傾向がみられます。その理由は生命という現象の複雑性にあります。科学が検証 しえた生命や精神の領域はほんの一部であり、まだ検証していない膨大な領域が残されているかぎり、直感や経験にもとづく「非科学的」な療法が陸続として出 現してくるのは当然のことなのです。

そこに代替療法の真骨頂があると同時に、代替療法の 陥穽もまた隠れています。もしかしたら科学的な医学よりもはるかに生命の本質に迫っているかもしれない思想にもとづく治療法も、営利目的や売名目的で行わ れている空疎な治療法も、「非科学的」であるという点では変わらず、宿命的同じ代替医療に分類されてしまうからです。すなわち、科学という普遍的な物差し ではかることのできない代替医療は玉石混合であり、宿命的に詐術がつけ入りやすい世界でもあるのです。

そこで、利用者(医 療利用者=患者)は数ある代替療法の中から適切なものを選択する眼力をもつ必要があります。アメリカの代替医療研究家、メアリー・モートンとマイケル・ モートン夫妻による著書「最高の代替医療を選ぶ5つのステップ」(未訳)では、その方法を次の5点に要約しています。

・どんな選択肢があるかを知る

・よさそうな代替療法についての情報を最大限に収集する

・情報に基づいて取捨選択する

・選んだ治療家に面接して、納得する

・その治療家とパートナーシップを築く

「情報の収集」「治療家との面接と納得」「パートナーシップ」 がキーワードです。

広告を見てよさそうだと思ったという理由だけで高価な代替医療に手を出すのはリスクが多すぎます。できるだけ情報を集め、取捨選択し、 選んだ治療家と直接会って(それが不可能なら、せめて治療を受けた経験のある人たちに会って、納得するまで話をする必要があるでしょう)、十分納得した ら、その治療家と信頼関係を築くこと、それが重要です。


代替療法の賢い利用法②

2020/05/24

コラム > 補完・代替医療

厚生労働省eJIM(イージム:「統合医療」情報発信サイト)に、補完療法、統合医療の利用を検討する際のポイント、注意点や「情報を見極めるための10カ条」などが、わかりやすくまとめられています。

情報の見極め方

出典:厚生労働省eJIM「統合医療」情報発信サイト

私たちはふだん、イメージで物事を判断しがちです。また、どんな人でも、精神的に不安定な時には、自分の信じたいことを信じたくなります。不安になると、いつもの冷静さを失ってしまうかもしれません。そんな時は、不安をやわらげてくれる情報に頼りたくなってしまうこともあるでしょう。

情報に接する時には、「本当かな?」と立ち止まって問いかけ、安易に答えを出さない・・・そうした思考の習慣を、これから身につけていきましょう。

そのような場面で役立つ「情報を見極めるための10か条」をご紹介します。

情報を見極めるための10か条

「その根拠は?」とたずねよう

情報のかたよりをチェックしよう

数字のトリックに注意しよう

出来事の「分母」を意識しよう

いくつかの原因を考えよう

因果関係を見定めよう

比較されていることを確かめよう

ネット情報の「うのみ」はやめよう

情報の出どころを確認しよう

物事の両面を見比べよう

10カ条の詳細を見る。https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/hint/index.html

「情報の見極め方」クイズ(10問)もあります。

https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/hint/quiz.html

https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/index.html

出典:厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』


おもな代替療法の解説

コラム > 補完・代替医療

おもな代替療法の解説

インド・中国医学

【アーユル ヴェーダ】

インドの伝統医学で、サンスクリット語で「生命の科学」という意味。体質(ドーシャ)を重視し、一人ひとりの体質に合わせた浄化法や食事法、薬草、マッ サージ、瞑想などを用いて健康維持や病気の治療を行なう

【ヨーガ】

アーユルヴェーダと並ぶインド伝統医学体系の1つ。心と体を統一 し、宇宙と合一するために、呼吸法、体位(アーサナ)、瞑想、生活 法などのテクニックを用いる。ハタ・ヨーガ、ラージャ・ヨーガなど数々の流派がある。

【漢  方】

中国伝統医学の手法の1つで、体質や体調などに応じて数種類の生薬(植物や動物など自然界の物質を用いた薬)を配合した「漢方薬」を服用する。「湯液(と うえき)」とも呼ばれ、本来は生薬を煎じて服用するが、エキス剤のかたちでも広く用いられている。

【鍼  灸】

漢方と同じく中国伝統医術の1つ。生命エネルギーである「気」の出入り口(ツボ)を鍼や灸で刺激し、気の流れを整えて症状の軽減、バランスの回復をめざ す。世界保健機構(WHO)や米国国立衛生研究所(NIH)でも科学的に効果が証明されている。

【気  功】

気の鍛錬(トレーニング)法の総称。調心(心の調整)、調息(呼吸の調整)、調身(姿勢の調整)の3つを整えることによって、心身(元気) を充実させ、治癒力を高め、健康を増進する。

●食養・栄養療法

【食事療法】

食事によって治癒力を高める方法の総称。特定の食事法のほか、生体へのダメージを減らし、修復する食事(農薬や添加物などの科学物質を避けるなど)をす る、ショウガやニンニクなど薬効のある食べ物をとる、などが基本となる。

【マクロビオテック】

中国の陰陽思想をもとに桜沢如一が開発した、独自の哲学に基づく食事・生活法。無農薬の穀物、土地でとれる旬の野菜、海草、伝統製法の味噌、醤油、自然塩 などを食べることで、自然のリズムに調和した健康な身体をつくる。「玄米菜食法」として知られる。

【ゲルソン療法】

マックス・ゲルソン医学博士が1930年代に開発した食事療法。当初は結核治療に用いられたが、現在はがんの退縮・再発予防に用いられる。大量の生野菜・ 果物ジュース、脂肪・動物性たんぱく質抜きの食事、およびコーヒー浣腸やひまし油浣腸などが特徴。

【健康食品・サプリメント】

「健康補助食品」「栄養補助食品」「機能性食品」などと呼ばれ、ビタミ ン・ミネラルをはじめ多くの種類がある。不足する栄養成分の補助のた めに用いられてきたが、積極的に病気の予防や治療手段として用いられたこともある。欧米では、1970年代に発展した分子栄養学によって、サプリメントの普及がさらに進んだ。

【絶食療法】

専門家の指導のもとに食事を断つことで、疲労状態にある胃腸や肝臓、すい臓などに、完全な安静と休養を与え、本来の自然治癒力・生命力 を呼び起こす療法。

●植物・自然療法

【アロマテラピー】

植物の芳香揮発成分、「精油(エッセンシャルオイル)」を用いる療法。精油の持つ殺菌消毒作用、免疫賦活作用など体への働き、抗うつ作用、鎮静作用など心への働きを、香りの吸入・マッサージによる皮膚呼吸など複数の経絡で取り入れ利用する。

【ハーブ医学】

中国の漢方薬同様、西洋で伝統的に使用されてきた薬草医学の体系。 ティー、チンキ剤、サプリメント、軟膏などの形で用いられ、アロマテラピー も広義のハーブ医学に含まれる。

●手技療法・ボディワーク

【アレクサンダー・テクニーク】

オーストラリアのF・M・アレクサンダーが、自ら原因不明の不調を改善した体験をもとに、開発したボディワーク。しみついた体のクセに気づき、「からだの使い方」を調整することで、心身のバランスを取り戻す。

【オステオパシー】

アメリカのA・T・スティル博士によって考案された手技療法の1つ。 筋骨格系のバランスを正し、脳脊髄液の循環を回復させることで、治癒力や免疫力を高め、健康に導くことをめざす。

【カイロプラクティック】

カナダ出身のD・D・パーマが創始した手技療法。脊椎のゆがみを矯正することで、神経系の働きを正常な状態に戻し、本来の自然治癒力を発揮させる。アメリ カでは正式な資格を持つ者のみが施術できる。

【クラニオセイクラル(頭蓋仙骨療法)】

アメリカのオステオパシー医W・G・サザーランドが開発した療法。 頭蓋骨と仙骨にソフトタッチで働きかけ、脳脊髄液の流れのバランスを回復し治癒力を活性化させる。

【指 圧】

おもに鍼灸のツボに対し、手指を用いて圧を加え、気(生命エネルギー)の流れをよくし、病気の予防・治療に役立てる方法。マッサージを加えることもある。

【整 体】

マニュピュレーションをはじめ野口晴哉が開発した「野口整体」、中国気功に基づいた気のバランスを整える「気功整体」、西洋の「カイロプラク ティック」などが含まれる。

【操 体】

医師橋本敬三が組み立てた健康法。人間にとって自然な身体の動きと、不自然な動きによって起きる身体の歪みをみきわめ、具体的な身体の動かし方によって歪 みのない身体を保つ方法。

【太極拳】

中国武術の1つ。陰陽変化の理に則ったもので、ゆるやかに円を描く動作が主。陳式・楊式などの大きく5つの流派がある。体内のバランスを取り戻して健康維 持、病気治療に役立てる。

【フェルデンクライス】

フランスの物理学者M・フェルデンクライスが開発したボディワーク・メソッド。体の動きを通して自然な自分を発見し、人間のあらゆる能力や機能を高める。

【ヘラ・ワーク】

元NASAの技術者J・ヘラーが提唱したボディーワーク。心身の両面から、体の構造的な歪みがどこからくるのかを探検し、自己発見をめざす心身統合的な方法。

【リフレクソロジー】

東西を問わず古来より用いられた健康法。足裏、手のひら、耳などにある全身の「反射ポイント」(ツボ)を刺激し、健康増進や治療に役立てる方法。日本では 「足裏マッサージ」として流布している。

【ロルフィング】

アメリカの生科学者アイダ・P・ロルフが開発した手技療法。深く働きかけるマッサージによって、骨や内臓、筋肉などを包む筋膜に働きかけ、硬直をゆるめる ことで、心身のバランスを回復させる。

●心理療法・心身相関的アプローチ

【心理療法】

心の悩みや問題の解決に用いられるほか、心と体のつながりに注目して、 症状の改善や病気予防にも利用される。

【演劇療法】

心理療法、芸術療法の1つ。場やメンバーのつながりの力に支えられて自 己を表出することで、気づきや治癒力の発露を期待する。心理劇(サイコド ラマ)など種々の技法がある。

【イメージ療法】

心と体の相関関係を利用し、イメージによって苦痛を軽減したり、治癒力を高 める療法。代表的ながんのイメージ療法として「サイモントン療法」がある。

【リラクセーション】

体と心の緊張をときほぐし、症状を和らげたり治癒力を回復させる。リラックス をうながすために、イメージ療法、呼吸法、自立訓練法など多くの方法が利用 される。

【バイオフィードバック療法】

血圧や脳波など自分では調節できない生理状態を電気信号に変換。フィード バックをコンピュータ画面上などで本人が確認できるようにし、意識的にそれら をコントロールすることで、自律神経系の症状改善に役立てる療法。

【音楽療法】

音楽を聴く、歌う、演奏することで健康の回復をはかり、創造的に生きる喜びを 分かち合うもので、病院における集団療法などでも用いられる。音そのものの もつ波動エネルギー的な働きを利用する「音療法」もある。

【絵画療法】

テーマをもとに、あるいは自由に絵を描き、自分自身を表現する心理療法の手 法の1つ。気分を開放しリラックスをもたらすだけでなく、自らの病気や人生につ いて気づきがもたらされる効用もある。

【催眠療法】

心理療法の1つ。セラピストの誘導によって深い意識状態におもむくことで、気づ きを得たり、生理状態に変化をもたらす。

【ダンス療法】

自由な動きや特定のダンスをすることで、自己を表出する療法。心理療法、芸術 療法の1つで、体の動きがもたらすバランスの回復、自分自身への気づきなど複 合的な作用が期待される。

【生きがい療法】

医師伊丹仁朗氏(岡山・すばるクリニック院長)が、日本独自の心理療法である森田療法の見地を生かして、ガン患者の再発防止や長期生存のために開発した療法。生きがいや笑いなどによる免疫能のアップを重視する。

【笑い療法】

米ジャーナリストのN・カズンズが、膠原病の治療に成功した体験をもとに考案した方法。免疫力が高まるなど、笑うことによる効果を利用する。

●エネルギー場に働きかける療法

【エネルギー療法】

人間の五感で通常感じられない生命エネルギー(気など)を、病気の治癒や改善に役立てる療法の総称。気功や鍼灸、ホメオパシー、セラピューティック・タッ チ、レイキなど多くの療法が含まれる。

【色彩療法】

色彩のもつ波長によって、人間の微細なエネルギーレベルに働きかけ、心身のバランスを回復させる療法。色彩光線をあてる方法、マッサージと組み合わせる方法などがある。

【スピリチュアル・ヒーリング】

イギリスで公認されている手かざし療法。病院やクリニックでも補助的に利用されている。

【セラピューティック・タッチ】

ニューヨーク大学看護学者のD・クリーガーが開発した療法。離れた場所から体に手をかざすことで、生命のエネルギーを調整し、症状の緩和に役立てる。

【バッチフラワーレメディー】

英国のバッチ博士が発見した38種類の花のエッセンス(レメディー)を使 う療法。エネルギー療法の1つで、花のエネルギーをうつし取った水を希釈して飲むことで、感情の深いレベル(エネルギーレベル)に働きかけ、バ ランスを取り戻す。

【波動療法】

波動共鳴器を使って、人体のエネルギー状態を読み取ることで、診断・治療に役立てる。必要なエネルギーをうつし取った水を飲用するほか、適切なホ メオパシーなどの薬の選択にも利用される。

【ホメオパシー】

19世紀にドイツ人医師、サムエル・ハーネマンが考案した自然治癒力に働きかける療法。健康な人に投与した場合、ある特定の疾患と同様の症状を引き起こす 自然の物質を、成分が検出できないレベルに徹底的に希釈した後、その病気の治療薬として使用する医療(「同種療法」とも呼ばれる)。

●さまざまな健康法

【温泉療法】

ドイツには「クア」(湯治場)が多く、医師の指導のもとに行われる医療保険が適用される温泉療法がある。日本でも温泉成分の薬理効果をはじめ、温熱効果、 リラクセーション効果などは古くから認められている。

【自彊術(じきょうじゅつ)】

1916年、中井房五郎氏によって創案された健康体操。たくみに「はずみ」や「反動」を利用して体を動かす31の動作で構成されており、硬くなった関節を ほぐし、歪んだ骨格を矯正し、血液の循環を活発にするとされる。

【西式健康法 】

1927年西勝造氏創始した健康法。断食、生食療法、皮膚及び内臓の排毒作用を高める温冷水浴や裸療法を推奨しており、六大法則として、平床寝台 、硬枕利用、金魚運動、毛管運動、合掌合蹠運動、背腹運動がある。

【真向法(まっこうほう)】

第一体操、第二体操、第三体操、第四体操の四つの体操で構成されていている。呼吸に合わせて姿勢のゆがみを調整し、身体をやわらかくして心と身体の健康を保つ。1日3分程度から、簡単に行えることが特徴。

【養生法】

食事や運動、リラクセーション、自然環境の中での生活を重視し、温泉や 鍼灸・指圧などの自然で伝統的な療法を生かして、自然治癒力を高める方法。

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<参考文献>

「自然治癒力を高める生き方」日本ホリスティック医学協会編著(コスモトゥーワン)

「ホリスティック医療のすすめ」岸原千雅子著(日本実業出版社)

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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