ちゝはゝのしきりにこひし雉の声

http://www2.yamanashi-ken.ac.jp/~itoyo/basho/oinokobumi/oino31.htm  【高 野

ちゝはゝのしきりにこひし雉の声 芭蕉(笈の小文・春・貞享五)】 より

高野山にあって雉子の声を聞いていると、今は亡き父母を恋う気持ちがつのるばかりである、という意。芭蕉が高野山に詣でたのは四十五歳の三月(陽暦四月下旬)。前月中旬には伊賀の実家に帰り、亡父三十三回忌法要を営んでいた。高野山は空海が開いた真言宗の霊地で、芭蕉は〈此の処は多くの人のかたみの集まれる所にして、我が先祖の〔鬢髪〕をはじめ、したしくなつかしきかぎりの白骨も、このうちにこそおもひこめつれと、袂もせきあへず、そゞろにこぼるゝなみだをとゞめかねて〉(卓池『柏青舎聞書』)と、その際の心情を吐露する。「思う」ということ、これはできそうでできない詩作の要諦のひとつ。詠作の背景に、「山鳥のほろほろと鳴く声きけば父かとぞ思ふ母かとぞ思ふ」(伝行基・玉葉・釈教)、「子を思ふきじはなみだのほろろ哉」(山之井)が指摘されている。


https://note.com/forestchild/n/nf2c32de557c2 【「父母のしきりに恋し、雉子(きじ)の声」松尾芭蕉   国鳥・・・】より

・今春はいつもの春と違っていました。通常は窓を開けるとチェーンソーや草刈り機の音が聞こえ、土をつけたトラクターが町道をぬかるんだ土を付けたままのタイヤで行き来しています。

気温が20℃になってので「藍草」植え替えを始めました。堪能したナガミヒナゲシの種が落ちる前に片付けて草を刈っていました。(帰化植物)

・雉(♀)が卵を温めていたのですね。気配や音を我慢して耐えていたかのように飛び立っていってしまいました。悪いことをしました。

愛媛での言い伝え「山火事があって、鎮火した後にキジがうずくまっていた。キジの羽は真っ黒に焦げてさらに近づくと飛び立った。後に卵が5個残されていた」 親鳥が卵を守る話はよく聞きます。

温めていた親鳥が帰ってくるわけもなく、夕方家の前を慌てて通り過ぎたキジ二羽・・・きっと見に来たのでしょうがその後、しばらく「ケェーン ケェーン」と何度も鳴き続けながら暗くなりました。

絵本になるようです。意外も卵は直に土の上です。カラスは簡単ですが枝や光った素材で木の上に、スズメはフワフワした優しい資材を運んでいます。キジは飛び方も下手で重そうです。ドッコイショ!的です。

・そのような環境のところで簡単な炉を作り周囲の植物で自然素材の糸を染め織機に掛けて布を織っています。仕事です。

浮世離れしています。

・キジの卵は大きいと鶏ほど小さいとウズラの卵ほどサイズが決まっていません。この度はその中間6個ありました。市場価格は25~30円

プリンを作るとか卵かけご飯とか・・・いろいろな調理の仕方も検索すると出てきますが個人的には野生のものは肉も心配です。

春先は4~6羽を連れて道を横切る親鳥の姿を見かけます。どの世界でもやはり子育ては母親の役目らしく、精一杯周囲を注視して全員を見守っている姿は桃太郎の絵本の世界にもある日本人には身近な鳥のイメージで「国鳥」に選定された理由でしょうか。

最近はジビエ(フランス語)天然の野生鳥・獣を食肉を食する店も聞きます。

この度の自粛で木の葉も輝いて見えます。自然は蘇っています。


https://kannonyama.hatenadiary.org/entries/2007/04/27 【父母の しきりに恋し 雉子の声 芭蕉】 より

 今日はただ夢中でデコポンの下草刈りをしていたのですが、「ハザカケ」で草を刈った瞬間「キキー」と鳴いて、足元から何かが飛び立ったんです!

 雉(キジ)だったんです。

 こっちもビックリしましたが、雉の方がもっとビックリしたと思います。なんせ相手は何十倍もの大きさなんですから。

 なぜそんな直前まで雉はその場を離れなかったのか。それは卵を温めていたからなんです。人間が怖かっただろうにそんな直前まで卵を守った雉に感激です。卵はなんと10個もありました。雉の卵を見たのは初めてだったので、新鮮でした。

 でも卵が無事で、良かったです。

 周りの草を半分程度刈ってしまったので、彼女は戻ってくるのかなぁと心配だったのですが、しばらくして行ってみると、ちゃんと卵を温めていました。

 さすがお母ちゃんですね。

 少し見づらいですが、彼女はしっかりと卵を温めております。

 昔10年ほど前、雉の保護をしているとかで卵を見つけたら役所が取りに来て孵化をさせる取り組みがあったらしいので、今でもやっているのか役所に聞いてみますと、「今はその取り組みは行っていないが保護する事は大切なので見守ってあげてください」とのことでした。

 一万円札の絵柄にもなった国鳥の雉。孵化日数はだいたい25日程度らしいので、これからしばらく彼女を見守っていきたいと思っています。

 ↓デコポンの樹に他の鳥の巣も見つけましたが、これはもう巣立った後でした。


http://sogyusha.org/ruidai/01_spring/kiji.html  【雉(きじ、きぎす)、雉子(きじ、きぎす)、雉笛(きじぶえ)】 より

雉、雉子ともに「きじ」「きぎす」の二様の読みがある。「きぎす」は「きじ」の古名。

雉の雄は大きな声で、鋭く「ケンケン」と鳴く。雌の小さく鳴く声は「ホロホロ」と表現される。古来、雉は子への愛情が強いと言われ、「焼野の雉(きぎす)夜の鶴」は子供を一生懸命に守ることをいう諺。江戸時代の俳句にはこの諺を踏まえたものが多い。

 雉笛は雉子猟で雉子を誘い出すための笛。雄笛と雌笛がある。

子を思ふ雉子は涙のほろろかな   松永貞徳

春の野に何よけんけん雉子の声   西山宗因

父母のしきりに恋し雉子の声   松尾芭蕉

蛇食ふと聞けばおそろし雉子の声   松尾芭蕉

(注)古来、よく知られた句だが、現代的な評価は低い。

ひばり鳴く中の拍子や雉子の声   松尾芭蕉

片岡に雉子の蹴り合う羽音かな   杉山杉風

滝壺もひしげと雉のほろろかな   向井去来

(訳)雉の鳴き声は鋭い。滝の落ちる音ばかりか、滝壺を押しつぶすほどだ。

磯山や波にうちこむ雉子の声   椎本才麿

美しき顔かく雉子の蹴爪かな   宝井其角

聞くは誰ぞみねのあらしや雉子の声   上島鬼貫

菜の花のあけぼの寒し雉子の声   横井也有

雉子羽うつて琴の緒きれし夕(べ)哉   榎本星布尼

(訳)夕方、琴を弾いている。バサッと雉子の羽音がして、その瞬間、琴の糸が切れた。

耳遠いことでもあるか雉子の声   加賀千代女

ふじ橋のまだゆれやまずきじの声   溝口素丸

(注)ふじ橋は藤の蔓(つる)で作った吊り橋。

遅き日や雉の下りゐる橋の上   与謝蕪村

兀(はげ)山や何にかくれて雉の声   与謝蕪村

亀山へ通ふ大工やきじの声   与謝蕪村

河内女の宿にゐぬ日や雉の声   与謝蕪村

鍬(くわ)の刃にはねだす石やきじの声   堀麦水

(注)鍬の刃の当りぐあいによって、地中の石が跳ねだすことがある。

雉子鳴くや持ちこたへたる朝ぐもり   堀麦水

ほろほろと欠ける岨(そば)ありきじの声   大島蓼太

(注)岨(そば、そわ)は、崖、切り立った斜面。

朝日さす野面を走る雉かな   高桑闌更

草による駒驚かす雉子かな   高桑闌更

曙や里はくだかけ野は雉子   高桑闌更

(注)「くだかけ」は鶏のこと。

雉子啼いて裏なき町と知られけり   高桑闌更

(訳)街道まで雉の鳴き声が聞えてきた。家並が続いているが、裏に家はないのだろう。

砂山やきじ啼きめぐり啼き崩す   高桑闌更

背のひくき木瓜(ぼけ)に身を置く雉子かな   黒柳召波

山里や屋根へ来て啼く雉子の声   三浦樗良

雉鳴くやけふも人なき関を守る   吉分太魯

人の親やけ野の雉子うちにける   加藤暁台

(訳)人間の親(猟をする人)が焼野の雉子を撃った。

三弦の川舟過ぎて雉の声   加藤暁台

夜をこめて関屋にさむし雉子の声   加藤暁台

雉子の尾の飛ぶさにみたる野風かな   加舎白雄

きじ啼て嵐の野土けぶるかな   加舎白雄

日や暮るる尾をうちかひて枝の雉   加舎白雄

鹿垣に番(つがい)かけ込むきぎすかな   加舎白雄

雉子一羽起ちて辛夷の夜明けかな   加舎白雄

雉子啼いて後は鍬打つ光かな   松岡青蘿

きじ鳴くや暮を限りの舟わたし   高井几董

三井寺の鐘はくるるに雉子の声   高井几董

虹の根に雉子なく雨の晴間かな   高井几董

岡うつりしては又なくきぎす哉   井上士朗

魚提げて松山ゆけばきじの声   夏目成美

鶯の日はくれにけりきじの声   岩間乙二

野のけしき年々雉子の遠音かな   成田蒼虬

昼過ぎや命投げ出す雉子の声   成田蒼虬

雉子雲雀(ひばり)啼くや十歩の杖のうち   成田蒼虬

きじ啼くや永い居酒も一しまひ   成田蒼虬

朝雉子のはしり出でたり二尊院   成田蒼虬

朝きじの歩行(あるい)て下る小坂かな   成田蒼虬

夜は山へ帰ると見えてきじの声   成田蒼虬

苅あとのするどき篠やきじの声   成田蒼虬

大筵(むしろ)雉を鳴せて置きにけり   小林一茶

うす墨の夕暮過ぎや雉の声   小林一茶

山雉子や何に見とれてけろりくわん   小林一茶

(注)けろりくわん(けろりかん)は「けろり」を強調する語。

雉の子を籠にとりたる茶摘かな   夏目吟江

山陰の田も乾いたか雉子の声   桜井梅室

小昼時野に人絶えて雉の声   桜井梅室

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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