https://ameblo.jp/yujyaku/entry-12722521033.html 【お社に雪ぬくぬくと寒椿】より
お社に雪ぬくぬくと寒椿
( おやしろに ゆきぬくぬくと かんつばき )
今朝目が覚めると、窓のすりガラスが白くなっていたので、雪かと思い窓から外を見ると、かなり積もっていた。また、雪は止むこともなく、ちらちらと降っていた。
朝の日課を終え、9時過ぎにカメラを持って近辺を散策したが、人の通らない道で雪の厚さを確認すると20cm弱。こちらの感覚では大雪である。
本日の掲句は、その散策の途中で、ある神社を訪れた時に見た「椿」の花を見て詠んだ句である。赤い「椿」の花を、白い綿のような「雪」が覆った光景は、寒いというよりもぬくぬくと温かい感じがした。
*お社(おやしろ):神を奉ってある神殿や建物などを丁寧に言う言い回し。
尚、下五の「寒椿(かんつばき)」は、特定品種を示すものでなく、俳句では冬季に咲く「椿」の総称で、「冬椿(ふゆつばき)」ともいい、冬の季語になっている。掲句では「雪」も冬の季語なので季重なり。
ところで、「山茶花」と「椿」はどう違うのか。本ブログでも何回か記載したことがあるが、復習の意味で以下に再掲した。(これらは一般的な違いであり、当てはまらないものも結構ある。)
(1)山茶花は、秋~冬にかけて花を咲かせる。一方、椿は、早春に花を咲かせる。ただし、山茶花には春咲きの春山茶花があり、椿には冬咲きの寒椿がある。
(2)山茶花は、花びらがばらばらになって散る。椿の花は花ごと首から落ちる。
(3)山茶花の葉柄や若枝などには繊毛が生えているが、椿は無毛である。
(4)山茶花の葉にはぎざぎざが目立つ。椿の葉にはぎざぎざがなく表面が光っている。
話は戻って、「寒椿」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① お社の甍に見ゆる寒椿
② 寒椿ちょっと控えてしとやかに
③ 山茶花と替わる頃合い寒椿
①は、本日の掲句と同じ神社で見た椿を詠んだもの。その時は、雪が降っておらず、特に神社の瓦屋根=甍(いらか)に注目して詠んだ。
②は、山茶花と較べ、控え目で淑やかな感じがする寒椿の印象を詠んだ。
③は、冬の終盤に詠んだ句。冬を代表する「山茶花」の花は終わりを迎え、様々な椿の花が咲き始めている様子を詠んだ。
「寒椿」あるいは「冬椿」を使った句は非常に多い。以下には、ネットで見つけた句からいくつか選んで掲載した。(過去に掲載したものを除く。)
【寒椿、冬椿の参考句】
鶴とほく翔けて返らず冬椿 (水原秋櫻子)
汐入りの池あたたかし寒椿 (中村汀女)
冬椿仰ぎて伊豆の寺にあり (深見けん二)
古への道のこと問ふ寒椿 (道山昭爾)
寒椿落ちて崖うつ怒濤音 (河本好恵)
https://kowkinsblog1973.fc2.net/blog-entry-926.html?fbclid=IwY2xjawIEHwlleHRuA2FlbQIxMAABHRIT0n9bvTgRsdfU00dnWonyfE52PbOCwrSDw-CBKz2A0gMaAbtp-N2lXg_aem_INZa3M4KoRH2VvG74qGMRQ 【「冬椿のしずく」】より
山の雨やみ冬椿濃かりけり
( 柴田 白葉女 )
和歌三首
遊行寺に天女の彫刻みつけては その見下ろせる街の後先
詩の神冬天の雲ながしては 猫も蟻も花もゆれたり
出発の朝の泪のありしこと 忘れる峠の汗のきらめき
俳句七句
冬靄の森の深さにひそむもの 寒月や瞑目しても蜜の色
雨粒をキラとのせたり冬椿 寒椿のぬれて光れる路地の裏
冬椿のしずくに映る宇宙かな 古暦友の情けを数えけり
あしたには街も光れる小夜時雨
( 以上、「冬椿のしずく」、)
BGMとしてお楽しみ下さい
皆々様の上質な生活にお役立て下さい。
「特別YOUTUBE動画7本」
私の祈りの姿です。
~編集後記~
皆々様、お元気ですか?。一月も終盤です。二月には「立春」が控えております。
先日、夜に雨が降った後の、早朝の、藤沢の「新林公園」という場所を訪れ、写真を撮りました。雨の後の晴れの明け方の森です。森は濡れていて、マイナスイオンが濃く立ち込めます。明るみを増してゆく空のしたで、森には靄がたちこめ、なんとも神秘的な風景です。冷えた空気と森の匂い、土の匂い、シットリとした、風景の中に、白い冬椿も、濡れています。
今年の冬は、雨の日が少なく、乾燥がつよい日々ですが、その分、なんだか森の木々が、この湿り気を喜んでいるような気がして、私も嬉しく、また、朝靄の神秘的な森の姿に、心が鎮まる感慨を覚えました。
この、和歌と俳句の朗詠は、いかがでしょうか?。創作の喜びを実感する今日このごろでございます。
どうぞ、皆々様の御意見・御感想をこのブログのコメント欄にお寄せ下さい。宜しくお願い申し上げます。
あ~う~わ~ あ~う~わ~ あ~う~わ~
とほかみえみため~ あいふへもおすし~
あ~お~う~え~い~
天皇弥栄・世界平和・万民豊楽を、誠心を込めてお祈り申し上げます。
合掌・感謝・浩欣。
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