追悼・山本奈良夫の俳句

https://kiku575.blog.fc2.com/blog-entry-2088.html 【追悼・山本奈良夫の俳句】より

2021/06/07■追悼・山本奈良夫の俳句

2020-8-19 (1)

俳句を通じて 長いつきあいの ごく親しい友人山本奈良夫さんが69歳で 他界して1ヶ月

突然のお別れを受け止めきれず 1ヶ月の時間を待った人はみな死ぬということを思い知る5月でした

2021-5-8  AM8:45  五島富江町から 息子さんの電話あり 奈良夫さんが大動脈解離で急逝したと突然の訃報に 仰天・・・・俳句を愛し熱く語る同志を失くしました

奈良夫さん20代からの長いお付き合いで  残念無念・・・・・人の縁を大事にする熱い男に沢山の愛をいただきました感謝と合掌m(__)m

■書き留めて 保留しておいた 山本奈良夫俳句をUPします

■俳人・山本奈良夫(長崎県五島市富江町にて出生) 昭和26年9月18日生 令和 3 年5月 7日没(享年69歳) 俳誌『土曜』 『海程』に参加

俳人U宛てに来た手紙に 最近の病状が詳しく書かれていました U氏は毎日10句製造  毎月300句ほどを句集『包』として数人に配布 21年目に突入 奈良夫さんに『包』が郵送されると即 長文の感想や 実生活の様子 「只狩句会報」なども 数枚に書き送ってくれていました

2021-4-19  の診察記録「手紙からコピー」

2021-4-22 着 奈良夫さんの手紙(最終) (1)

※月1回 五島福江島(上の町公民館)で「只狩句会」に参加

  直近の奈良夫さんの俳句

第135回・只狩句会(2021-3-20) 5名参加 ※山本奈良夫4句

手の甲にどっと桜の咲きにけり      手の甲にマリア観音凍えけり

身の程を知らぬ木の芽のふくらむ音か   木の芽ふくらむ大気どんどこふくらむよ

■第136回・只狩句会(2021-4-17) 5名参加 ※山本奈良夫4句

うぐいすに野仏眼ありにけり    鶯やチャペルの鐘にまぎれこむ

新緑が踝に沁む病気かな     東風吹かば妻くるぶしに羽が欲し

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2018年春 前立腺癌が発覚 落ち込んでいたので俳句で元気を取り戻していただきたく

DA句会への 特別参加(俳句だけ載せる)をお願いし30句届きました

第113回 DA句会(2018/9/8-9)  ■兼題二十句 山本奈良夫

*万緑ただならずそれから姉は晴れ女      *キリストの隠れ家目印は螢

*秋暑し示談を嫌う父である          *大漁の音充ちて戻り鰹かな

*柿の音して離れゆく感情だ          *唐突に祭の重さでスの音す

*ふつうより異端に与す鰯焼く         *葉月から見られてる巾着構造

*彼岸花と鳴きあう時間聖堂裏         *がらんどうの音で彎曲五島列島

*交合もキッスもとんと秋の暮         *グライダーのくせに蜻蛉より飛びやがる

*露台ありあれよこれよと種吐けり     *長崎市滑石ナメシに友あり本当になめらか

*葉月の坂の活水高校吹奏楽部ふりかえる     *不知火の生死の境あいまいに

*風草から町の鶏鳴はじまれり         *修正液で癌は消せない癌人間

*オオミズアオは蛾であるうらうらゆらら   *四年二組白髪太郎と遊んでる

■自由十句 山本奈良夫

*人間に原子炉皇居には狸の溜糞場        *木も石も空蝉も鳴く爆心地

*爆心標へ蟻のあし音溶けゆけり         *空蝉の容量ほどの平和かな

*核兵器は楽器じゃないからゆれるから      *菜の花から飛びたっている乳房かな

*合歓の花背後てふ文字あらわにす        *舟虫の瞳いつから海の色

*千手観音踵は今日も行方知れず         *野仏の乳房にほれて秋の暮

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海程句集・海程創刊20周年記念アンソロジ (昭和57年7月24日発行)

奈良夫さん20代の俳句群 写真を添付します

■海程184(昭和57年 7月号)

 海程新人賞受賞 のページを撮影しました

■大井恒行の日日彼是:

山本奈良夫「裸木や余白はすべて谷佳紀」(「つぐみ」NO.193より)・・ 

■山本奈良夫追悼2句 

 突然の空木は白きあまりにも イネ科 

 蝶暴れ激辛五月の別れなり


https://ooikomon.blogspot.com/2020/05/no.html 【山本奈良夫「裸木や余白はすべて谷佳紀」(「つぐみ」NO.193より)・・】より

 「つぐみ」NO.193(編集発行・つはこ江津)の「俳句交流」の山本奈良夫の句に、故・谷佳紀を偲んだ句があった。奈良夫の句「裸木や余白すべては谷佳紀」の「余白」は、谷佳紀の句集名でもあったように記憶している(違っていたら許されよ・・)。その句と同時掲載のミニ・エッセイに、

 昭和55年、新宿駅小田急デパート前を谷佳紀さんと歩いていた。「ねぇ、もし『海程』が主宰誌になったらどうする!?」と私。「辞める」と谷さん、「だよね」と私。昭和60年『海程』が主宰誌となり、谷さんも私も辞めた。昭和57年『海程』20周年記念大会以来会っていない。言葉が裏切ってぶっ飛ぶことを俳句形式に希った谷さん。(もう五年です小春のお墓皆子様/佳紀)、(先生のご遺体梅の強い今日/佳紀)みたいな追悼句が書けなくてごめんね。

 とあった。「海程」が金子兜太主宰誌になったとき、同時に、原満三寿や大石雄介等、当時の「海程」の中心メンバーの幾人かが辞めている。だが、谷佳紀は兜太の晩年に「海程」に復帰している。同誌同号より、山本奈良夫と「豈」同人でもある、わたなべ柊の句を以下に挙げておきたい。

    あいびきの途中で老いる乳房かな  奈良夫

    きらめいて”星降る二月″新開地    柊

★閑話休題・・関根道豊「モナリザの微笑みいづこ夏マスク」(こんちえると」第30号)・・・

「こんちえると」第30号(版元/牛歩書屋主人・関根どうほう)の副題というか、同誌のめざしているところが、「私と時代を視つめ 生きている証しを詠む/詠みと読みの協奏/いのちの一句募集」とあり、師系・大牧広とある。本号の特集は「大牧広・一周忌に偲ぶ」である。主な記事は「大牧広句集『午後』ー特集 今日の俳句叢書」(角川「俳句」平成8年5月号よりの抜粋、引用)からの再掲載。林翔「未だ夕暮ならず」、成田千空・飯島晴子・岡井省仁・中原道夫・矢島渚男らの「『午後』の一句」。中原・矢島以外は、その人自身が懐かしく偲ばれる鬼籍に入られている。全体に何やかやと詰め込んだ感じであるが、ここでは、「こんちえると広場」のこども「俳句コーナー」の一人一句を挙げておこう。

   えんぴつは3Bがすきかしわもち   若林潤(二年生)

   ねこがきたとても楽しい毎日だ   松原明莉(あかり)(四年生) 

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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