シロツメクサ

https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000039904 【四つ葉のクローバーができるしくみ(原因、確率など)が知りたい】より

質問(Question)

四つ葉のクローバーができるしくみ(原因、確率など)が知りたい。

回答(Answer)

1 原因

所蔵図書・雑誌には記述が見あたらなかったが、同様の質問に専門家が答えた下記2件の情報を紹介する。2件とも植物発生遺伝学研究者の塚谷裕一氏が回答。

①「ののちゃんのふしぎ玉手箱」(『朝日新聞 2005年3月5日』夕刊6面)に「四つ葉のクローバーはなぜ四つ葉なの?」という質問が掲載されており「原基という葉の赤ちゃんや遺伝子に異変が起きている」と説明がある。

②日本植物生理学会のウェブサイト( http://www.jspp.org/  2007/06/19最終確認) 内の「みんなのひろば」に質問コーナーがあり、「四葉のクローバーと突然変異について」という質問が掲載されている。

四つ葉のクローバーの発生理由として、以下2通りの説明があり。葉の原基(げんき)は「非常にデリケート」で、「その部分が踏まれたりして傷ついたり、あるいは逆に栄養が多すぎたりすると」発生する。また、園芸店などで売られている高い確率で四つ葉になる品種は「突然変異のため、3つ1セットにする仕組みそのものが変化してしまったもの」と記述あり。

2 確率

自然界における確率について確認できる資料は見あたらなかった。

園芸用の品種については、四つ葉が比較的多い品種という「クロバツメクサ」は「四つ葉が鉢植えの1~2割」(『読売新聞 2006.2.21』朝刊39面)、「鉢植えの1割程度が四つ葉で、日差しが強くなるこれからの季節は、もっと増えるという」(『読売新聞 2005.4.8』朝刊23面)などの取材記事があった。

内容は確認していないが、「シロツメクサ」の多様性(葉が多い性質)についての博士論文とその所蔵情報を参考までに紹介した。

小原繁男(オバラシゲオ)「Trifolium repens L.における多様性形質の研究」

(授与大学名:北海道大学 授与年:1981 授与学位:農学博士 国会図書館所蔵)

回答プロセス(Answering process)

植物関係NDC分類〈47〉の図鑑および読み物を〈クローバー〉〈シロツメクサ〉で調べるが、四つ葉のクローバーに関する記述は見あたらず。

《NDL-OPAC(雑索)》を〈四つ葉〉〈クローバー〉で検索、所蔵雑誌記事にあたるが記述なし。

《Google》を〈四つ葉〉〈クローバー〉で検索、関連記述のあるサイト数件および朝日新聞の質問コーナーの記事がヒットする。その回答者塚谷裕一氏の著書で所蔵資料にもあたるが記述なし。

※『牧野新日本植物図鑑 改訂増補』(北隆館 1989)より「Trifolium repens L.」の和名は「シロツメクサ」。


https://www.kodomonokagaku.com/read/hatena/5134/ 【四つ葉のクローバーはなんでできるの? またどういうところで見つかりますか?】より

成長点に傷がつくと、小葉の枚数が増えることがある

クローバーは、正式にはシロツメクサ(白詰草)という名前のヨーロッパ原産のマメ科植物で、江戸時代に日本に渡来しました。当時、オランダからガラス製品などを持ち込む際に、乾燥したクローバーの花を保護材として箱に詰めていましたが、そこから種子がこぼれて増えたので、この名前がついたとされています。

通常、クローバーの小葉(1枚の葉を構成する小さな葉)は3枚ですが、極まれに4枚以上の枚数のものが見つかることがあります。なかなか見つからないので、四つ葉のクローバー(小葉が4枚の葉)は、幸福のシンボルとしてよく知られています。

通常3枚の小葉が4枚になった四つ葉のクローバー。

本来3枚の小葉が4枚になる理由は、いろいろな可能性がありますが、人や動物に踏まれたり、濃い肥料がかかったりする物理化学的な刺激により、葉のもととなる極小さな成長点に、傷がつくことで、1枚の小葉が2枚に分かれることが考えられます。四つ葉になる可能性は、1万分の1程度の確率だとされていますので、見つかりにくいのですが、人や動物などに踏まれやすい場所では比較的高い確率で見つかるはずです。クローバーは夜になると葉を閉じるので、明るいうちに探しましょう!

(千葉大学園芸学部 丸尾 達)


https://mainichi.jp/maisho/articles/20160110/kei/00s/00s/010000c 【四つ葉のクローバーはどうしてできる?】より

突然変異とつぜんへんいや傷きずが原因げんいん

 Q 四よつ葉ばのクローバーはどうしてできるの?(福島県本宮市ふくしまけんもとみやし・小しょう6・小林結衣こばやしゆいさん)

 A 公園こうえんなどに行いくとつい探さがしたくなってしまう「四よつ葉ばのクローバー」。みなさんは見みつけたことはありますか? ふつう、クローバーの葉はは3枚まいですが、ごくたまに葉はが4枚まいの「四よつ葉ば」があります。どうして四よつ葉ばができるのか東京都立神代植物公園植物多様性とうきょうとりつじんだいしょくぶつこうえんしょくぶつたようせいセンター事務長じむちょうの照井進介てるいしんすけさん(34)に聞ききました。

 クローバーはエンドウマメなどと同おなじマメ科かで、茎くきの一部いちぶや根ねが冬ふゆになっても枯かれない多年草たねんそうです。そのため一年中いちねんじゅう、野原のはらなどで見みることができます。茎くきや葉はが成長せいちょうするのは春はるから夏なつにかけてで、茎くきは地面じめんをはうように約やく15〜20センチメートル伸のびます。伸のびた茎くきには顕微鏡けんびきょうでないと見みえないくらい小ちいさい「原基げんき」という葉はっぱの赤あかちゃんができます。この部分ぶぶんが人ひとに踏ふまれるなどして傷きずがついてしまうと本来ほんらいきれいに3枚まいに分わかれる葉はの枚数まいすうが変かわってしまいます。葉はについた傷きずを1枚まいの葉はに入いれた切きり込こみと考かんがえると、半分はんぶんに分わかれたそれぞれが独立どくりつした1枚まいの葉はになるようなイメージです。

 もう一ひとつの原因げんいんは遺伝いでんです。通常つうじょう3枚まいの葉はになる遺伝子いでんし(親おやから子こへと、いろいろな細胞さいぼうの形かたちや役割やくわりを伝つたえる設計図せっけいずのようなもの)が、突然変異とつぜんへんいして4枚まいになってしまったものです。突然変異とつぜんへんいとは、遺伝情報いでんじょうほうの一部いちぶに変化へんかが起おこり、親おやになかった新あたらしい形質けいしつができることです。茎自体くきじたいが突然変異とつぜんへんいすると同おなじ茎くきに生うまれてくる葉はは4枚まいになることが多おおくなります。「突然変異とつぜんへんいする遺伝子いでんしについては解明かいめいされていないことが多おおく、ヨーロッパなどでは研究けんきゅうが続つづけられています」と照井てるいさんは話はなします。

 「四よつ葉ばのクローバー」は見みつけると幸しあわせになれるといわれます。照井てるいさんは「四よつ葉ばが見みつかる確率かくりつは低ひくく、なかなか見みつからないので、見みつけたときにうれしいと感かんじることが幸しあわせなのでは」と話はなしていました。【大熊真里子おおくままりこ】


https://ultimei.hatenablog.com/entry/clover-bud-deformity 【【夏休みの自由研究】奇形化したクローバーのつぼみの観察】より

奇形化したクローバーのつぼみの観察およびその変異についての考察

要旨

シロツメクサ(以下「クローバー」)のつぼみから葉が生える変異体(以下「観察対象」)が生じたので、その経過を観察することにした。 通常、クローバーのつぼみは複数の花冠・花弁が集まった構成となるが、観察対象のつぼみでは花弁と葉が混在し、花弁の一部が葉に置き換わったような構成となっていた。 つぼみに生じた葉は、茎から分岐した正常な葉と同様に、ある程度の長さになるまで葉柄を伸ばしつつ成長した。 観察対象は、発生以降1ヶ月ほど成長を続けた後、根本側から徐々に茶褐色に変化して枯死に向かい、通常のつぼみと同様の経過を辿った。 つぼみに花弁と葉が混在する以外の異常は認められなかった。

観察内容と観察結果

以下の観察対象を1ヶ月強の期間に渡り適宜撮影することにより観察した。 観察対象と観察機材を固定しておくことが出来なかったため、定点観察は出来なかった。

観察対象

関東圏で一般的に自生しているクローバーを採取して、自宅にて栽培したもの。 詳細な品種・分類は不詳。 四つ葉や五つ葉など、4枚以上の小葉を持つ葉をつけることが多い多葉型の個体。

栽培環境は、日中は日差しの入る窓際・夜間は電球色LED光源下に置き、1日あたり朝晩2回潅水・朝1回葉水を実施。 観察期間中に肥料等の追肥は行っていない。

観察結果

観察期間は2017-07-21/2017-08-24。 奇形化したつぼみを発見した日から、枯死しはじめるまでの期間、観察を行った。 以下はその経過。 (フルサイズは画像のリンク先で閲覧可能)

(略)

観察開始以降、葉の数は増えたが、花弁の数は増えなかった。

枯死し始める。

これ以降はつぼみ全体が枯れていくことが見込まれることから、この時点を以って観察終了とした。

このように、つぼみから葉が生じた点を除くと他に異常はなく、発生から枯死までは典型的なクローバーの葉・つぼみと同じ経過を辿った。

考察

今回観察対象としたクローバーは、4枚以上の小葉を持つ葉をつけることが多く、過去には五つ葉・六つ葉などを生じたことがあった(付録1)ほか、つぼみの花柄二本が融合した状態で伸びる帯化が生じたこともあった(付録2)。 これらのことから、観察対象は奇形化しやすい、つまり形態形成に異常を起こしやすい個体である可能性が考えられる。 観察対象と同様の環境で栽培している他の園芸品種のクローバーでは形態形成に目立った異常が起きないことからも、環境要因による異常よりも、この個体に特有の形質である可能性の方が高いと考えられる。

一方で、多様体を生じやすい個体でありながら、つぼみから生じた葉はすべて小葉が3枚の正常な葉であり、多様体が一切生じなかった点が興味深い。 過去の観察から、多様体は日当たりや栄養状態がよい場合に生じやすいという傾向が見て取れたが、つぼみから生じた葉はすべて一本の花柄を共有した状態であることから通常の葉よりも栄養状態が悪くなっていることが予想され、それにより多様体を生じる余地が無かったのではないかと考えられる。

今回は外形的な観察のみを行ったため、異常が起きる要因や機序についてははっきりしない。 種が生じる個所で葉が生じたという状況から、本来種子として形成されるはずの組織が、その途中で異常により"発芽した"ような状態になった可能性について考えたが、つぼみからは発生した葉はすべて本葉で、子葉は発生しなかったことから、この可能性は否定されると思われる。

一方で、花弁の一部が葉になったという状況から、形成段階の途中で花の原基が葉に変異したと考えたところ、花弁や雄しべなど花の組織の形成や奇形花の形成過程を説明するABCモデルと同様のモデルによって今回観察した異常の形成過程も説明可能ではないかと思われる。

いずれにせよ、今回観察した異常はホメオティック変異ではないかということを暫定的な結論とし、植物形態学等の分野の知識を得ることによって理解を深めることを今後の課題としたい。

付録

付録1.クローバーの多様体

今回の観察対象とは観念的には別個の株ではあるものの、観察対象はこの株より挿し芽によって株分けした個体であるため遺伝的には同一の個体となる。

付録2.帯化したクローバーのつぼみ

付録1と同様に株分けした株。

参考文献

帯化 Wikipedia

四つ葉のクローバー Wikipedia

ABCモデル Wikipedia

四つ葉のクローバーができるしくみ(原因、確率など)が知りたい。 レファレンス協同データベース

6-2. 花=シュートの先端 - 植物形態学 福岡教育大学 理科教育講座 福原 達人

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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