奇跡のごとく入れ替わる透明な景のうちに 菊は雪となり雪もやがて消える

時代の超克を連想させます。

https://www.weblio.jp/wkpja/content/%E8%BF%91%E4%BB%A3%E3%81%AE%E8%B6%85%E5%85%8B_%E8%BF%91%E4%BB%A3%E3%81%AE%E8%B6%85%E5%85%8B%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81 【近代の超克】より

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/14 04:23 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

この特集をまとめ、単行本が1943年に創元社で刊行された。竹内好による同タイトルの批判論文(1959年)もある。

経緯

「知的協力会議」と銘打ったこのシンポジウムは、対米英開戦という時局のもと、明治時代以降の日本文化に多大な影響を与えてきた西洋文化の総括と超克を標榜して1942年7月、河上徹太郎を司会として2日間にわたり行われた[注釈 1]。

『文学界』の同年9月号にはシンポジウムに参加した西谷啓治・諸井三郎・津村秀夫・吉満義彦の論文が、10月号には亀井勝一郎・林房雄・三好達治・鈴木成高・中村光夫の論文、およびシンポジウム記録が掲載された(このうち事後に書かれた三好・中村のものを除く論文は、事前に執筆されシンポジウムで検討に供されたものである)。これらは翌1943年7月には同名タイトルの単行書として創元社より刊行されたが、この際、鈴木の論文は外され、代わりに当初未掲載であった下村寅太郎・菊池正士の論文、および司会の河上による「結語」が新たに収録されている(論文タイトルなどは後出)[注釈 2]。

参加者

参加者の大半は京都学派(「世界史の哲学」派)の哲学者、旧『日本浪曼派』同人・『文学界』同人の文学者・文芸評論家により構成されていた。なお役職名は当時のものであり、論文タイトルは1943年創元社版に収録されたものを記した。

西谷啓治 - 京都学派の哲学者。京都帝国大学助教授。論文「「近代の超克」私論」を執筆。

諸井三郎 - 音楽評論家。東洋音楽学校・東京高等音楽院講師。論文「吾々の立場から」を執筆。

鈴木成高 - 京都学派の西洋史家。京都帝大助教授。

菊池正士 - 物理学者。大阪帝国大学教授。論文「科学の超克について」を執筆

下村寅太郎 - 京都学派の科学史家。東京文理科大学教授。論文「近代の超克の方向」を執筆。

吉満義彦 - 哲学者・カトリック神学者。東京帝国大学講師。論文「近代超克の神学的根拠」を執筆。

小林秀雄 - 文学界同人の文芸評論家。明治大学教授。

亀井勝一郎 - かつて日本浪曼派に参加し、文学界同人の文芸評論家。論文「現代精神に関する覚書」を執筆。

林房雄 - 文学界同人の文芸評論家。論文「勤王の心」を執筆。

三好達治 - 文学界同人の詩人。明大講師。論文「略記」を執筆。

津村秀夫 - 映画評論家。朝日新聞記者。文部省専門委員。論文「何を破るべきか」を執筆。

中村光夫 - 文学界同人の文芸評論家。論文「「近代」への疑惑」を執筆[1]。

河上徹太郎 - 文学界同人の文芸評論家。論文「「近代の超克」結語」を執筆。

評価

大東亜戦争開戦の直後に開かれたこのシンポジウムは、戦争遂行とファシズムを思想的に支持したものとして戦後の日本で批判された[2][3]。

第二次世界大戦後、竹内好は『近代日本思想史講座』第7巻(筑摩書房より1959年刊)に、論文「近代の超克」を寄稿し、当時はほとんど忘れ去られていたこのシンポジウムを批判的に検討し日本思想史の問題として全面的に総括することを提起した。

戦時下における「近代の超克」の論議は、これに対して戦後早い時期から批判的立場にあった小田切秀雄により「軍国主義支配体制の「総力戦」の有機的な一部分たる「思想戦」の一翼をなしつつ、近代的、民主主義的な思想体系や生活的諸要求やの絶滅のために行われた思想的カンパニアである」と総括された。竹内好は先述の同名論文においてこの定義に基本的には同意しつつも、それは「イデオロギイ裁断」的な外在的批判であるとし、真の意味で「近代の超克」を批判するためには、それが「総力戦の論理をつくりかえる意図を少なくとも出発点において含んでいた」「思想形成の最後の試み」であったにもかかわらず、結果として思想破壊に終わり無惨に失敗したことを踏まえなければならないと述べ、失敗の理由を「戦争(大東亜戦争)の二重性格(対欧米戦争の面とアジア侵略戦争の面)が腑分けされなかった」点に求めた。[要出典]

参考文献

『近代の超克』 冨山房百科文庫、初版1979年 ISBN 4572001235

1943年の創元社版に、松本健一「解題」、竹内好の同名論文を併録。

竹内好『近代の超克』筑摩書房「筑摩叢書」、1983年。関連論考も収録

廣松渉『〈近代の超克〉論-昭和思想史への一断想』朝日出版社、1980年/講談社学術文庫、1989年

孫歌『竹内好という問い』岩波書店、2005年

子安宣邦『「近代の超克」とは何か』青土社、2008年

石塚正英・工藤豊編『近代の超克 永久革命』理想社、2009年

酒井直樹・磯前順一編『「近代の超克」と京都学派』以文社、2010年

菅原潤『「近代の超克」再考』晃洋書房、2011年

鈴木貞美『近代の超克 その戦前・戦中・戦後』作品社、2015年


https://mishimasha.com/books/gendai.html 【現代の超克】より

現代の超克 中島岳志・若松英輔(著)

内容

現代日本の混迷を救うため、気鋭の政治哲学者、批評家の二人が挑んだ、全身全霊の対話。

柳宗悦、ガンディー、小林秀雄、福田恆存、『近代の超克』...

今こそ、名著の声を聴け!

この本をめぐる私たちの対話から浮かび上がってきたのは、神の問題、霊性、科学や歴史の問題という、日本人が近代に置き去りにしてきてしまったものたちでした。そしてそれらは、iPSの技術や原発の問題など現代的なさまざまな問題と、分かちがたく結びついています。近代を「読む」とは、置き去りにしてきたことをもう一度捉え直すことであり、そこを読み解くことができなければ、現代的な問題を解くこともまたできないのです。

――プロローグより――

本書で「読む」主な本

『南無阿弥陀仏』『新編 美の法門』(柳宗悦)

『ガンディー 獄中からの手紙』(ガンディー)

『モオツァルト・無常という事』(小林秀雄)

『人間・この劇的なるもの』(福田恆存)

『近代の超克』(河上徹太郎、西谷啓治、鈴木成高、吉満義彦ほか)

著者情報

中島岳志・若松英輔(なかじま・たけし、わかまつ・えいすけ)

中島岳志(なかじま・たけし)

1975年、大阪府生まれ。北海道大学大学院法学研究科准教授。大阪外国語大学でヒンディー語を専攻。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。専門は南アジア地域研究、近代思想史。著書に、『中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義』(白水社、大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞大賞受賞)、『秋葉原事件―加藤智大の軌跡』(朝日文庫)、『血盟団事件』(文藝春秋)、『アジア主義 ―その先の近代へ』(潮出版社)等多数。

若松英輔(わかまつ・えいすけ)

1968年、新潟県生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。批評家、思想家。「越知保夫とその時代」で第14回三田文学新人賞受賞。著書に、『井筒俊彦―叡知の哲学』( 慶應義塾大学出版会)、『魂にふれる―大震災と、生きている死者』(トランスビュー)、『岡倉天心「茶の本」を読む』(岩波現代文庫)、『涙のしずくに洗われて咲きいづるもの』『君の悲しみが美しいから僕は手紙を書いた』(以上、河出書房新社)等多数。

関連ニュース

【6/20(土)】 土井善晴さん×中島岳志さん対談「一汁一菜と利他 ~料理から考えるコロナ時代の生き方」開催のお知らせ

ミシマガ情報

目次

プロローグ

第一章 民衆と美 柳宗悦『南無阿弥陀仏』『美の法門』を読む

 民衆と「ことば」

 民の力

 美と宗教、そして政治

 個であることと伝統

第二章 近代と政治 ~『ガンディー 獄中からの手紙』を読む~

 ダルマとトポス

 愛と罪

 死者のデモクラシー

 積極的な受け身

第三章 「死者」を生きる ~小林秀雄と福田恆存を読む~

 W『モオツァルト・無常という事』

 N『人間・この劇的なるもの』

 N・W「死者」を生きる

第四章 近代の問い 〜『近代の超克』を読む〜

 神の問題

 霊性の問題

 科学の問題

 歴史の問題

あとがき

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

0コメント

  • 1000 / 1000