雀蛤(すずめはまぐり)となる

https://mainichi.jp/articles/20241019/ddm/001/070/124000c 【俳句の秋の季語で…】より

 俳句の秋の季語で風変わりなものに「雀蛤(すずめはまぐり)となる」という言葉がある。元々は中国から伝わった七十二候という季節の区切りに由来し、10月の中ごろにあたる。寒い時期にスズメは海でハマグリに化け、少なくなるという俗信だ。一説には両者の色や模様が似ていることからの連想という

▲私たちに最も身近な野鳥、スズメが現実に減っているとの警鐘である。環境省と日本自然保護協会による里地里山の調査報告書によると、スズメの個体数は年3・6%減っていた。このまま長期間減り続ければ、絶滅危惧種の判定基準に達するおそれがあるという

▲20年にわたる、全国のボランティアの協力を得たモニター調査でわかった。鳥類ではスズメの他、セグロセキレイのように農地、草地など開けた場所を繁殖期に使う鳥の減少が目立っている

▲開けた場所の鳥たちは、気温が急上昇した2015年以降の減少が顕著である。報告書は、土地利用の変化や気候変動が影響した可能性を指摘している。今回の調査では身近な鳥類の15%、チョウ類の33%で個体数が年3・5%以上のペースで減っていた。国民になじみ深いチョウのオオムラサキは年10%減というのだから深刻な状況だ

▲童話「舌切りスズメ」では、スズメをこらしめた欲深いおばあさんが「つづら」を開けると化け物が現れ、腰を抜かしてしまう

▲10月も関東などで高温の日が続いた。それまであたり前な存在だったスズメを通勤時、改めて見直す。危険信号は、私たちへの警告でもある。


https://ameblo.jp/geneva-77/entry-12705832901.html 【「俳句なのだ!」―「雀が蛤になる!?」という季語】より

雀が蛤になる!? 季語にはたまに「なに、これ?」という珍しいのがありまして、さしずめこの「雀蛤(はまぐり)となる」もイチオシの部類ではないでしょうか。

こういう季語を使った句に出会うと、チャレンジするというその心意気に敬服します。

櫂未知子さんの句です。▶雀蛤と化して食はれけるかも 解釈は『増殖する俳句歳時記』から清水哲男さんです。                        

見つけたっ、珍季語句。このところいささか理屈っぽくなっていたので、理屈抜きで楽しめる句を探していたら、掲句にぶつかった。季語は「雀蛤と化す(なる)」で秋。

もはやほとんどの歳時記から姿を消している季語であり、ついぞ実作を見かけたこともない。

手元の辞書に、こうある。「雀海中(かいちゅう)[=海・大水(たいすい)・水]に入(い)って

蛤(はまぐり)となる(「国語‐晋語九」による)。物がよく変化することのたとえ。

古くから中国で信じられていた俗信で、雀が晩秋に海辺に群れて騒ぐところから、蛤になるものと考えたものという」。日常的にはあくまでも「たとえ」として諺的に使われてきた言葉なのだが、これを作者がいわば「実話」として扱ったところに、楽しさが出た。

あたら蛤なんぞにならなければ、食われることもなかったろうに……。ほんとに、そうだなあ。たまには、こうやって俳句を遊んでみるのも精神衛生には良いですね。

ちなみに、この季語で夏目漱石が「蛤とならざるをいたみ菊の露」と詠んでいる。

ついに蛤になるに至らず死んだ雀を悼んだ句だ。死骸を白菊の根元に埋めてやったという。

しかし、これも「たとえ」ではなく「実話」としての扱いである。

現代俳人では、たとえば加藤静夫に「木登りの木も減り雀蛤に」があるが、これまた「木」と「雀」がイメージ的に結びついていることから、どちらかと言うとやはり「実話」色が濃い。

どなたか、諺的な「たとえ」の意味でチャレンジしてみてください。『蒙古斑』(2000)所収。(清水哲男)

季語がユニークだけに「雀蛤」の句もまたユニークです。そしてこんなところで漱石の句に出会うとは思いませんでしたが雀の死に心動かされ、丁寧に葬ると同時に追悼句まで詠むとは、さすが大作家です。

この季語で一句と私も半時ばかり悩みましたができませんでした。(笑)

いつかは詠んでみたいと思います。

       *   *   *

ところで、話は全く違うのですが、今年の夏・秋は天候不順が続きました。

植栽のシンボルツリーである金木犀も時期になっても香ってこなくて、すっかりあきらめていました。それが、今朝がたのことですが、なんと、蕾をびっしりつけていることが分かりました。👍もうすぐ香ってくるでしょう。※剪定された枝です。👇

少し遅れたけれど、季節をちゃんと刻んでいるって自然はほんとに偉大です。

ペースメーカーみたいに、助けられているんだな、私たち…。

・・・・・・・・・*

お付き合いいただきありがとうございました🍏


https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/29482 【2021/11/07【三山春秋】雀(すずめ)は海に入り蛤(はまぐり)に…】より

 ▼雀(すずめ)は海に入り蛤(はまぐり)になる、という。ありえない話だが、古く中国では寒さが増すころ人里から姿を消す雀の色や模様が蛤と似ているためこう言われた。「雀蛤となる」は晩秋の季語である。村上鬼城は〈蛤に雀の斑(ふ)あり哀れかな〉と詠んでいる

 ▼実際、雀はカラスやヘビといった天敵を避けて人里に暮らし、秋には稲穂の実る農村部に移ると鳥類研究者、三上修さんの『スズメの謎』(誠文堂新光社)で読んだ。最も身近な鳥ながら知らないことが多い

 ▼数えきれないほどと思っていた生息数も考えを改めた方が良さそうだ。およそ20年間で大きく減っていたと環境省などが発表した。1947の観測地点で1990年代は約3万1千羽確認されたのに今回は約2万1千羽だった

 ▼このペースで減り続けると将来絶滅危惧種に指定される可能性もあるという。開けた農地を好むが、作物が穀類から野菜に変化したことなどが原因とみられている

 ▼三上さんは著書で、現代の住宅は気密性が高く屋根や戸袋に巣を作れないこと、土が露出した空き地や公園が減り餌を採りにくくなったことも一因と推測する。身近な鳥ゆえに私たちの生活の変化に影響されたのか

 ▼きょうは立冬。暦の上では秋から冬に移り、雀も田畑に餌がなくなるため街に帰るという。寒風の中、全身の羽毛を膨らませて電線に身を寄せ合う姿がいつまで見られるか、少し心配になった。



コズミックホリステック医療・現代靈氣

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