原爆忌

https://ameblo.jp/114gokigen/entry-12757906487.html 【長崎忌】より

こんばんは。今日、長崎原爆の日に思い出す句は、彎曲し火傷し爆心地のマラソン 金子兜太

そして、泉あり子にピカドンを説明す 池田澄子 また、歳時記にあった、長崎出身の俳人 五島高資さんの句。 首上げて水光天に長崎忌 五島高資(長崎忌は秋の季語、水光は水面に反射する光)

******

「HIROSHIMA - ヒロシマ」を歌った西城秀樹さんが、20歳で歌った「平和で美しい国、信じあえる人ばかり」という詞で始まる「ケ・サラ」(Che Sara)。

歌詞は長崎忌とは関係ないけれど、平和な国であることを望むばかりの私・・・。


https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/234 【原爆忌と芸術平和学 -瓜生山歳時記#12】より  edited by尾池 和夫 高橋 保世

 原爆忌の傍題に原爆の日、広島忌、長崎忌がある。1945(昭和20)年8月6日、世界で初めて市街地の市民に向けて原子爆弾が投下された。最初の4か月間で13万人以上の人命が失われたと言われる。さらに8月9日、長崎の街の市民に向けて原子爆弾が投下され、6~7万人の人命が失われた。これら両日を原爆忌という。立秋が8月7日ごろだから、広島忌は夏の季語、長崎忌は秋の季語として詠む。広島忌には、広島市の平和記念公園で平和祈念式典が行われ、長崎忌には、長崎市を中心に全国的に平和祈願、核廃絶の呼びかけが行われる。

 原爆投下後72年の8月6日、平和祈念式典で松井一實広島市長が、7月に国連で採択された核兵器禁止条約に触れ、各国政府は「核兵器のない世界」に向けた取り組みをさらに前進させなければと述べた。日本はこの条約に不参加で、首相はこの日、この条約には触れなかった。

広島忌振るべき塩を探しをり  櫂 未知子

首上げて水光天に長崎忌  五島 高資

 東北芸術工科大学の建学の理念である「藝術立国」を柱として、芸術と平和、生命の尊さを学びつつ、人間としていかに生きるべきかを自ら考えるという「芸術平和学」が開講されている。この講義を創設した当時の宮島達男副学長は、大勢の人たちが芸術を学んだという誇りを胸に、地域社会のなかで文化と芸術がもつエッセンスを輝かせながら生きていくことができたら、平和で豊かな社会が生まれるだろうと言う。価値観も思想も違う人同士が、町内の盆踊で提灯の灯に集まってきて、一緒になって自然に踊りだすというのが文化と芸術の力であり、それが平和を生み出す原動力になり得ると彼は言う。

 同じ建学の理念を持つ京都造形芸術大学文明哲学研究所の田中勝准教授は、東北芸術工科大学での経験を活かしながら、瓜生山学園でも「芸術平和学」を展開しようとしている。彼は広島の被爆二世で、1973年に設立された日本平和学会の「平和と芸術分科会」の責任者である。平和の価値の創造のために芸術が果たす可能性は計り知れないと彼は言う。

草も木も空も大地も原爆忌  和夫

文明哲学研究所内のサークル「藝術平和山塾」メンバー、田中幸乃さん・八尋琴音さん・石山真帆さん。インドネシア芸術大学ジョグジャカルタ校・東北芸術工科大学の学生たちとコラボレーションしたTシャツを制作した(2017年8月14日瓜生山キャンパス能舞台にて撮影)

イラストは平和の象徴である折り鶴がモチーフになっている。描かれている「PEAK」の文字は「PEACE」「EARTH」「ART」「KUAD」の頭文字をとったもの。(2017年8月14日瓜生山キャンパス能舞台にて撮影)

[文:尾池和夫・写真:高橋保世・広報室(メインカット:2017年8月11日文明哲学研究所にて撮影 中央:松沢哲郎文明哲学研究所長・中央右:田中勝准教授)]


https://www.nikkei.com/article/DGXBZO33289160R00C11A8000000/ 【原爆忌と原発忌

俳句一口講座 広島忌】より           ◇

(たかだ・まさこ)1959年岐阜県生まれ。東京大文学部卒。主婦で2女の母。俳句結社「藍生」所属

今回の季語は「広島忌」、広島の「原爆忌」のことです。8月6日なので、季語として用いる場合は〈夏〉となります。

長崎の「原爆忌」は9日です。「長崎忌」とも呼びます。どちらも原爆忌なのですが、長崎のほうは〈秋〉の季語です。間に立秋が入るので、夏と秋になるわけです。

  広島忌振るべき塩を探しをり 櫂未知子  首上げて水光天に長崎忌 五島高資

  手がありて鉄棒つかむ原爆忌 奥坂まや

ただ、両「原爆忌」や「終戦日」には、季感を超越したものがあるでしょう。原爆投下から終戦にいたる経緯を考えれば、ひとつながりのものとして捉えるのが、あるいは是かもしれません。

歳時記によって、広島忌を夏の巻、長崎忌を秋の巻に収めていたり、原爆忌としてまとめて秋の巻に収めていたりするのは、そうした事情によります。なんらかの決断を下さなければ、本の形になりませんから。

お手元の歳時記にはどのように収められているでしょうか。

「終戦日」については、あくまで「敗戦日」だと主張する方もおられます。私は戦争を知らない世代ですが、だからこそ、それらの主張に対しては頭を垂れるほかありません。終戦忌、敗戦忌、八月十五日など、その日を表す語は一通りではありません。これらはいずれも〈秋〉の巻に収められています。

  終戦日妻子入れむと風呂洗ふ 秋元不死男  堪ふることいまは暑のみや終戦忌 及川 貞

  濡縁のとことん乾く敗戦日 宇多喜代子  敗戦記念日の手花火の垂れ玉よ 三橋敏雄

  正座してわれの八月十五日 齊藤美規

人によって気持ちは異なるでしょうし、同じ人でもその時と場合によって違う感情を抱くでしょう。それらに応じて、もっともふさわしいと思われる表現を、選びとっているのではないでしょうか。

天災に人災が加わった3.11の衝撃も、未来永劫褪(あ)せることはないでしょう。「原発忌」という新しい言葉も登場しています。ただ、この言葉が季語として定着するかどうかは、言葉の存在に見合っただけの作品が誕生するかどうかにかかっています。

言葉だけが先行することはありません。人の思いに強く裏打ちされ、普遍性をもったとき、季語が誕生します。バーチャルな言葉遊びではなく、日々の営みから生まれ出る根源的な作品を求め、かつ自らにも課したいと思います。

(高田 正子)

「初めての俳句・短歌」では、日本経済新聞土曜夕刊の連載「耳を澄まして あの歌この句」(社会面)に連動して、毎回、季節に合った写真に短歌や俳句を添えます。歌人の大辻隆弘さんと、俳人の高田正子さんが歌や句の背景、技法についてわかりやすく解説します。


https://tenki.jp/suppl/miyasaka/2016/08/06/14541.html 【折鶴にいのち吹き込む原爆忌―句と歌からあらためて平和を願う夏】より

8月6日に広島、8月9日に長崎が、被爆から71年となる「原爆の日」を迎えます。俳句の世界では、このふたつの日はほかに「広島忌」「長崎忌」「浦上忌」「平和祭」「爆心地」などの季語として、たくさんの人に追悼を込めて詠まれてきました。改めて平和の意味が問われるこの夏に、その作品の一部を思い出してみたいと思います。

弯曲し火傷し爆心地のマラソン 金子兜太     ※1

金子兜太(1919~)氏は、かつて長崎の爆心地の近くに住んでいました。一帯を歩き回り、次々に脳裏に現れた映像イメージをまとめながら字引を引き、この有名な句を完成させたそうです。

子を抱いて川に泳ぐや原爆忌 林徹       ※1

作者は広島在住だったそうですが、説明が無くとも、平和や不戦への想いが力強く想起される句ですね。この普遍性が俳句の素晴らしさなのでしょう。そんなふうにイメージ訴求に満ちた句を、いくつかご紹介します。

ひろしま忌空を残して人かはる 小原啄葉     ※1

電工のいちにち高し原爆忌 秋元不死男       ※2

手がありて鉄棒つかむ原爆忌 奥坂まや      ※2

原爆忌乾けば棘をもつタオル 横山房子       ※2

首上げて水光天に長崎忌 五島高資        ※2

ぴかどんを辞書に遺せし原爆忌 神田長春     ※2

立葵朱に咲き上る広島忌 金箱戈止夫       ※2

大空をつなぎ蝉鳴く原爆忌 大岳水一路      ※2

俳句だけではありません。短歌の作品もご紹介します。

原爆とふ死の灰とふ嘆くべき詞消えざらんわが国語辞典に 佐佐木信綱    ※3

白い虚空とどまり白き原子雲そのまぼろしにつづく死の町 近藤芳美      ※3

幾千の人のすみとほる聖歌のこゑ被爆の壁を祭壇として 木俣 修      ※3

木俣氏の歌には、「長崎浦上天主堂の原爆記念日の夜の弥撤を詠む。」と添えられています。

今年は5月に、オバマ大統領が現職のアメリカ大統領として、初めて被爆地・広島を訪問。広島市の平和記念公園で原爆死没者慰霊碑に献花し、広島と長崎を含む第二次世界大戦のすべての犠牲者らに、哀悼の意を示すスピーチを行いました。そしてオバマ大統領自らが折ったという折り鶴は、寄贈された広島平和記念資料館で、9日から8月末まで公開されます。

改めて、世界が平和に向かうことを願って止みません。

広島忌平和の鐘を撞く少女 吉田未灰      ※4

折鶴にいのち吹き込む原爆忌 平岡しづこ     ※4

<引用と参考文献>

※1 宇多 喜代子 (編集), 中原 道夫 (編集), 片山 由美子 (編集)『読んでわかる俳句 日本の歳時記 秋』小学館 (2014)

※2 角川学芸出版 (編集)『角川俳句大歳時記「秋」』角川書店 (2006)

※3 飯塚書店編集部 (著)『短歌表現辞典 生活・文化編』飯塚書店 (1998)

※4 廣瀬 直人 (監修), 松田 ひろむ (編集), 有馬 朗人『ザ・俳句十万人歳時記 夏 』第三書館 (2008)

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

0コメント

  • 1000 / 1000