https://kaorugaoka.jp/?p=5864 【月野ぽぽなさん(高36)待望の第一句集を刊行】より
7月31日(水)月野ぽぽな=木川実千代さん(高36)が左右社から第一句集『人のかたち』を刊行して、同窓会へご寄贈いただきました。月野さんは1992年にニューヨークに居を移して2002年から句作を開始。2004年に「海程」同人となって金子兜太に師事し、これまでに第28回現代俳句新人賞や第63回角川俳句賞を受賞した注目の俳人です。このたび待望の句集が出版されました。同窓会では来年6月に月野さんを日本にお招きしてクロスペンアカデミー講演会で講演をお願いする計画を進めています。生徒の皆さんに「月野ぽぽなはニューヨークに暮らして俳句という最短定型の民族詩を、日本人である自分の体(私は肉体とも身心とも言う)で消化しようとしている〈金子兜太〉」姿に触れてもらえたらと考えています。その講演を文字起こしし、さらに月野さんの俳句を加えて『薫ヶ丘ブックレット』を製作する予定です。
https://sectpoclit.com/ginkan-5/ 【神保町に銀漢亭があったころ【第5回】月野ぽぽな】より
もう一つの故郷
月野ぽぽな(「海原」同人)
2010年、故金子兜太師主宰『海程』全国大会に合わせて、在住の米国ニューヨーク市から信州箕輪町へ帰郷中の6月11日金曜日、私は飯田線に乗り込んだ。
目指すは神保町「銀漢亭」。マスターの伊藤伊那男さんは、俳号から伊那谷出身の方に違いないと信じ、いつかお会いしたいと願っていたのだ。
夕暮れ時を大通りから路地に入ると白い電飾看板が目に留まる。
店正面には深緑の木製の看板。硝子に木枠の扉を開けると、奥に細長い空間を照らす、青い数多のライトが天の川を思わせる。お客の談笑がさざ波のよう。
眼差し優しいマスターにご挨拶。
果たして信州駒ヶ根市ご出身の伊那男さんは同郷の私を歓迎してくださり、更に長野県立伊那北高等学校の後輩とわかると話は弾み、来店の俳人に次々とご紹介くださる。
「銀漢亭」は、広く豊かな俳縁への扉だった。
(2010年6月 初銀漢亭 伊那男さんと)
興奮冷めやらぬまま一旦信州に戻ってから日本を発ったのだが、米国到着後間も無く、現代俳句新人賞受賞の朗報を得た。
授賞式のため同年10月に再び帰国した際にも「銀漢亭」へ。すでに親しい多くの笑顔が「おかえり」と迎えてくださった。
この滞在中、初めての現地参加が叶ったのは、伊那男さん主宰の超結社句会「湯島句会」。路地にも多くの参加者が句稿を読み耽り、句会の熱気は「銀漢亭」から神保町界隈に溢れ出ていた。
多彩な俳句群と今をときめく俳人たちとの出会いとに、興奮と幸福感に満ちた一夜だった。
(2015年6月 帰国時の歓迎句会にて)
気付くと「銀漢亭」は、帰国の際には必ず訪れる、もう一つの故郷となっていた。
2018年1月、角川俳句賞授賞式のために帰国した際にも盛大にお祝いしてくださった。
俳句と伊那谷がもたらしてくれたご縁である伊那男さんへの感謝の念は尽きない。
「銀漢亭」にて恵まれた数々の俳縁と思い出の一つ一つは、輝きながら天の川を成して私を満たしている。もう一つの故郷は今も私の中にある。
(2018年1月 角川俳句賞受賞のお祝い会にて)
【執筆者プロフィール】
月野ぽぽな(つきの・ぽぽな)
1965年長野県生まれ。1992年より米国ニューヨーク市在住。2002年句作開始。2004年金子兜太主宰「海程」入会、2008年から終刊まで同人。2018年「海原」創刊同人。2010年から2013年終刊まで「湯島句会」参加。「豆の木」「青い地球」「ふらっと」参加。星の島句会代表。2010年第28回現代俳句新人賞、2017年第63回角川俳句賞受賞。
https://tokyominowakai.com/poponakadokawa/ 【松島出身の俳人、月野ぽぽなさんが角川俳句賞を受賞されました!】より
松島出身で、ニューヨークにて俳人として活躍されている月野ぽぽなさん(木川実千代(旧姓:日野)さん)が、「人のかたち」(50句)で、第63回角川俳句賞を受賞されました。
角川俳句賞は「俳句界の芥川賞」ともいわれ、俳人の登竜門として知られる歴史ある賞のひとつです。なお、ぽぽなさんの旧姓、日野でピンと来られた人もいるかもしれませんが、東京箕輪会の2代会長、日野久三郎さんは、彼女のおじさんだそうです。
月野ぽぽなさんの「人のかたち」のなかから、選考委員の仁平勝さんが選評のなかで紹介していた句を3つ紹介しておきます。
水かけて家壊すなり橡の花 一匹の芋虫にぎやかにすすむ
息止めて聖夜の肉に刃を入れる 〜月野ぽぽな「人のかたち」より〜
https://ameblo.jp/shiroshiro488/entry-12348833545.html 【月野ぽぽなさん 角川俳句賞受賞】より
月野さんは、箕輪町松島出身。
伊那北高校から信州大学教育学部に進み、教員(音楽教諭)となり諏訪、小諸の中学校で勤務。その後、結婚をされてピアニストの御主人とニューヨークへ。
旧姓日野さんが月野さんへ。ニューヨークの在住も25年。2002年からネット句会へ参加。角川俳句集は、まさに俳人の登竜門。未発表の50句が選考対象です。
月野さんは、ニューヨークから毎年投稿していたようです。受賞作品は「人のかたち」と題した1編です。今回は、1月23日の表彰式のため帰国。
受賞後、東京箕輪会の勧めもいただき、箕輪町まで帰京してくれました。
ビックリするやら、うれしいやら。さわやかなお人柄。
月野さんは、受賞について「とても嬉しい。俳句は私に様々なことをもたらし、いろいろな人にも出会うこともできました。これからも感謝の気持ちをもって、創作をしていきたい」と。
ご夫婦、お二人とも長野県出身。早く帰国をお願いしたいところ。これからの人生をどう描いていくのでしょうか。
(主な句ですが、)
まだ人のかたちで桜見ています いくたびも車窓に目覚め緑濃し
エーゲ海色の翼の扇風機 飛行機を追い越してゆく雁の列
冬に入る感情線を握りしめ 野に向かう鉄路の匂い春の雪
https://ina-dani.net/topics/detail/?id=50621 【月野ぽぽなさん角川賞を受賞】より
月野ぽぽなさん角川賞を受賞
箕輪町松島出身で現在、アメリカニューヨーク在住の俳人、月野ぽぽなさんが俳句界の芥川賞ともいわれる「角川俳句賞」を受賞しました。 30日は、月野さんが箕輪町役場を訪れ、白鳥政徳町長に受賞を報告しました。 月野さんが受賞した作品は、「人のかたち」と題した50句です。 月野さんは、信州大学教育学部を卒業後、県内の小中学校の教員を経て、ピアニストの夫とともに渡米しました。 インターネットで俳句の世界を知り、2002年から俳句づくりを始め2004年に俳人金子兜太さん主宰の俳人結社「海程」の会員となりました。 角川俳句賞は1955年に創設され、未発表の50句を対象とする公募による俳句の新人賞です。 また、俳句界の芥川賞ともいわれ、俳人の登竜門としても知られています。 句歴15年の月野さんは、毎年応募していて10回目にして初めての受賞となりました。 月野さんは、「感謝の気持ちを忘れず今後も創作活動を続けていきたい」と話していました。
0コメント