自我の成熟過程

Facebook清水 友邦さん投稿記事 「自我の成熟過程」

心理学者の河合隼雄教授は西洋と日本人の自我の成熟過程には違いがあると言っています。

西洋の昔話の多くは、英雄が怪物を退治して王女と結婚して幸福になりますが、日本の昔話はこの世ならぬ非日常的な世界に迷い込んだ男性の前に、突然美しい娘が現れて結ばれ豊かになります。が、しかし、決して覗くなという禁止事項を男が犯して、女性が去ってしまう話になっています。

日本の昔話は男性が受け身で、女性からプロポーズして結婚しています。西洋は男性からプロポーズしてハッピーエンドで終わりますが日本の昔話は、正体を知られてしまった女性が男性に離婚を言い渡して去っていく話が多いのです。

女性原理はすべてを包み込み、養い慈しみますが、否定的に働くと、子供を抱きしめて離さず、子供の自立をさまたげる悪い母となります。

その母子の一体感を破るのが父親です。

子供は父親の存在を通じて、「他者」の存在を知ることになります。

子供は母親との一体感の多幸な状態を出て、父という他者を通じて、社会のルールを守ってゆかねばなりません。

それを守らないときの父親は罰を与える怖い存在です。しかし、子供がルールを守るかぎり父は社会へ出てゆくための知識や技術を授け、教えてくれる存在です。

女性原理は融合し、男性原理は母子の一体からの分離を促します。

母性がすべての子供を平等に扱うのに対して、父性は子供をその能力や個性に応じて類別します。

日本人はまわりの人と同じ振る舞いをすることで安心し、まわりから目立ったり、異なったりする行動を好みません。

個性や自己主張よりも集団との調和や平衡状態の維持の方を優先するからです。

西洋と比較すると日本では、幼児がいつまでも母親に甘え続けることができます。

西洋の子供たちは、父親によって、精神的な乳離れが強要されて子供の自立が促されます。

心理学者の柏木恵子教授の報告によると、3~6歳の子どもの自己制御は年齢の上昇に伴って増加していくのに対して、日本人の自己主張は4歳半頃を境に停滞することを明らかにしています。

男児に比べて女児は自己抑制が高く、 欧米と比較して日本の子供は自己抑制が強いことが特徴であると言っています。

日本は「他人に迷惑をかけない子に育ってほしい」と思う母親が多く「従順」「行儀」「感情の抑制」が早く身につくことを期待し、アメリカの母親は「言語による自己主張」の期待をもっていました。

子供は集団と他者との関係の中で自己主張を発達させます。

◎いやなことはいやとはっきり言える。

◎自分の順番に他の子が割り込んできた時「いけない」私の番だと言える。

◎他の子供と自分の意見が違っていても臆せずに主張できる。

◎友達に意地悪されたくないことをされるといやと言える。

◎ひどい悪口を言われたりからかわれたりすると「やめて」と言える。抗議できる

◎友達と意見が違っていても惑わされずに自分のやりたいことをはっきりと言える。

◎入りたい遊びに自分から「入れて」と言える。

◎遊びたい玩具を友達が使っている時に「貸して」と言える。

◎遊びたい友達を自分から誘って遊べる。

◎自分のやりたい遊びに友達を誘って始められる。

◎してほしいこと、ほしいものをはっきりと大人に頼める。

◎状況に応じて行動を変えられる。

◎他の子と自分の意見が合わないときは折衷案をみつけられる。

◎遊び方や制作などに自分のアイデアを持ちどんどん実行できる。

◎自分なりの考えや意見を自分から述べることができる。

自己抑制だけでは健全ではなく自己主張の発達もなければバランスが取れません。

自己を抑えて他者との協調・同調だけに価値を置く母親の心理構造が、子供に影響を与え、同調圧力という日本の文化の特徴を、再生産しています。

西洋人の自我は男性原理が優位ですが日本は女性原理が優位な国です。

女性原理が優位な日本は責任をとる個人がいないので無責任体制に陥りやすくなります。

日本は責任をとる個人が存在しないので、集団による、責任の不明確な傾向に従って行動して失敗します。

そうして、失敗をしても、その失敗の原因を究明して責任者を明らかにしないので、日本は同様のパターンを何度も繰り返すのです。

私たちは社会に適応するために子供の頃に被った仮面を自分と思い込んでいます。

でもそれは本来の自分ではありません。

あるがままの自分ではない偽りの自分を演じ続けていると必ず機能不全が起きます。

その時に本当の自分に気づきます。

現在、世界も日本社会も個人の自我もゆらぎが起きています。

個人も世界も変容するチャンスです。


母親と子供は女性性の愛の力によって強く引きつけられています。

けれども子供が成長して思春期になると離れることが必要になります。

それも男性性という愛の力なのです。

思春期の子供に

両親とは異なる自分のアイデンティティーに気がついて

「私は誰か」という根源的な問いが生まれます。

その時に子供を離さない母親は自分の成長を脅かす巨大な怪物となって現れます。

母親は

お腹を壊していないか、

遅くまで起きていないか

学校に遅れないか

遊んでばかりいないか

怪我をしないか

子供に気を配りました。

子供は思春期になると

支配的で自分をコントロールし、

管理しようとする母親に反発を覚えます。

「いつまでも口出ししないで」

「自分のことは自分でできるわ」

「放って置いて」

子供に敵意を含んだ言葉を浴びせられると親はうろたえます。

親離れや子離れが必要だと頭で理解しても

自我が強固に確立してしまっている親は苦しみます。

子供と離れて暮らすことは

予測できない未来のことなので

保守的な自我にとって不安なのです。

子供が親の庇護から離れることはお互いの成長に必要なことです。

親も成長しなければならないのです。

先住民の社会では成人式というイニシエーションが行われていました。

それが現代社会では消滅して形骸化してしまっています。

いつまでも親に依存する中年の子ども

子どもに代わって親が結婚相手を探す代理婚活

親との関係性を絶ってしまう子供

家庭内暴力、拒食症、引きこもり、心身症

象徴的な親殺し、子殺しがいたるところで発生しています。

親としての役割を演じていた自我は死ななければなりません。

子供としての役割を演じていた自我は死ななければなりません。

親と子供の両方の自我は死ななければならないのです。

自我の死によって実存的変容を遂げて魂は再生されます。

子どもの自我が死に成人した自我を身につける移行、

共同体の仲間入りをはたす統合。

大人になるにはこのプロセスをたどります。

人類はおもちゃの取り合いで喧嘩する自己中心的な段階から

地球生命圏に責任を持つ成熟した大人に成長する時期に来ています。

ネットワークの発達によって人々の意識が結ばれると

民族、人種、思想、宗教の違いを超えた惑星意識が生まれます。

私達は成熟した大人に成長する通過儀礼の真最中なのです。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

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吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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