http://gotomingei.web.fc2.com/yurai.html 【五島ばらもん凧の由来】 より
五島ばらもん凧
五島の数あるばらもん凧の中で唯一の長崎県伝統的工芸品の指定を頂いたばらもん凧です。
ばらもん凧とは五島の方言で、「ばらか」に由来し、「荒々しく 向こう見ず」、「活発で元気がいい」と言う意味に用いられています。
日本列島の、西端に位置している五島列島の福江島に古くから作り伝えられたのが、このばらもん凧であります。
絵柄は鬼が真正面から兜をくわえこんだ姿で敵に後姿を見せぬ勇者の姿を表現しています。
このばらもん凧の特徴として絵柄の中にクルスの形があり、隠れキリシタンの島、あるいは八幡船の基地として、歴史をもつ五島であるだけにその特徴及び、出所は不明であるが興味深いものがあります。
男の子の初節句(旧3月3日)に我が子を思う親が作り、天高く揚げながら凧の上部に付けられた「うなり」で独特の唸声をだし、子供の厄を払い無事成長と立身出世、家内安全を祈願しました
現在では、子供の名前をデザインに加えて、インテリアに使われるなど縁起の良い魔除け凧として好評を博しております。
長崎県伝統的工芸品とは
長崎県伝統的工芸品指定書とは、平成3年に告示された「長崎県伝統的工芸品産業振興対策要綱」にもとづき長崎県知事が指定いたします。
五島ばらもん凧は、平成5年5月21日に長崎県伝統的工芸品の指定を受けております。
長崎べっ甲や佐世保独楽、長崎ハタ、五島サンゴなども含まれています。
◆先代の工芸士 野原 権太郎
昭和 2年 五島市奥浦町生まれ。
昭和40年 友人の勧めで凧作りを開業、空港通り店開店。
平成 5年 先代製作の五島ばらもん凧が、長崎県伝統的工芸品の指定を受ける。
全国の物産展などに参加しながら、五島ばらもん凧の実演販売にて五島の郷土品発展に
尽力。
仕事の傍ら、小中学校などで凧の製作指導をして講演では凧作りに限らず五島の歴史文
化、戦時中の話など講話する。
平成24年1月 永眠
~凧作りのきっかけは~ 野原 権太郎氏談
凧作りは、父親の手作りということが習わしであったが、早くに父親を亡くしていたた
め、友人の父親が作るのを見ておぼえ、小学校の頃にはもう一人で作っていました。
商売への転機は昭和40年頃、福江空港の開港の際に五島の島を代表するような商品が
ないものかとの依頼に答えようと、五島ばらもん凧の復元にあたったことがきっかけ
で、現在の商売にいたっております。
平成5年には、長崎県伝統的工芸品の指定を受けることができましたが、凧作りを創め
て40年となった今でもやはり、満足のできる凧ができたと思えず、次にはもっといい
凧を描きたいと日々追及しております。
子供たちが親になったとき、その子供たちにこの伝統を受け継いでもらえたらうれしいですね。
0コメント