https://www.otsuka.co.jp/nutraceutical/about/rehydration/water/ 【生命の源、「水」】より
身体の水の成分は、電解質(イオン)を含んだ海水によく似ています。私たちの身体を支える水について、その起源から体内に至るまで、その流れを見てみましょう。
水のはじまり
コピーが取れません
電解質(イオン)とは
身体をつくり、身体を動かす「電解質(イオン)」
身体の水分、つまり体液には「電解質(イオン)」が含まれています。電解質(イオン)とは、水に溶けると電気を通す物質のことです。電解質は水中では電気を帯びたイオンになり、電気を通すようになります。
この電解質(イオン)は、細胞の浸透圧を調節したり、筋肉細胞や神経細胞の働きに関わるなど、身体にとって重要な役割を果たしています。電解質(イオン)は少なすぎても多すぎても細胞や臓器の機能が低下し、命にかかわることがあります。
主な電解質(イオン)には、ナトリウムやクロール、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどがあります。これらは5大栄養素としてあげられるミネラルに属し、ミネラルは水に溶けると陽イオンと陰イオンに分かれます。例えば、塩化ナトリウム(NaCl)は、水に溶けるとナトリウムイオン(陽イオン)とクロールイオン(陰イオン)になります。
主な電解質(イオン)の役割
Na+ナトリウムイオン身体の水分量および浸透圧の調節、神経の伝達、筋肉の収縮など
K+カリウムイオン神経の伝達、筋肉の収縮、心臓の収縮など
Mg2+マグネシウムイオン筋肉の収縮、骨や歯をつくる、酵素の活性化など
Ca2+カルシウムイオン神経の伝達、筋肉の収縮、骨や歯をつくる、血液を固めるなど
Cl-クロールイオン身体の水分量および浸透圧の調節、胃酸の分泌など
身体と水分
身体の体重の60%は水分でできている
私たちの身体には、たくさんの水分が含まれていて、成人男性で体重の60%、新生児で約80%が「体液」とよばれる水分でできています。つまり、体重70kgの成人男性ならば、約42リットルもの水分を体内に蓄えていることになります。まさに人間は水でできているといってもよいでしょう。
体内の元素のうち、酸素、炭素、水素、窒素以外のもので身体に必要なものを無機質(ミネラル)と総称します。
体内を循環する水分「体液」の役割
飲料水などでとった水分は、腸から吸収され、血液などの「体液」になって全身をたえず循環しています。体液は、私たちの生命に関わる様々な役割を果たしています。それは、酸素や栄養分を細胞に届け、老廃物(体内のゴミ)を尿として排泄することです。そして体温が上がったときには、皮膚への血液の循環を増やし、汗を出して熱を逃がし、体温を一定に保ちます。
体液の役割
運搬 酸素や栄養分を身体中に運び、老廃物は体外へ出します。
体温調節 皮膚への血液の循環を増やし、汗を出して体温を一定に保ちます。
環境維持 新陳代謝がスムーズに行われるよう、体液の性状を一定に保ちます。
体液の流れ
体液の役割
まるで水が地球上で循環するように、体液はこのような働きによって、私たち人間の身体の中を循環し、生命を維持しているのです。
もしも身体の水分がなくなったら
体内の水分が2%失われると運動能力が低下
水分減少による運動能力の低下
出典:Yoshida et al. Eur J Appl Physiol, 2002, 87: 529-534
私たち人間は、暑いところでは皮膚の血管を拡げ血流量を増やし、汗をかくことで体温を調節しています。しかし、たくさんの汗をかくとそれだけ体液を失い、体液が少なくなって体温が上昇し、クルマでいえば「オーバーヒート」のような状態になります。
体内の水分が2%失われるとのどの渇きを感じ、運動能力が低下しはじめます。3%失われると、強いのどの渇き、ぼんやり、食欲不振などの症状がおこり、4~5%になると、疲労感や頭痛、めまいなどの脱水症状があらわれます。そして、10%以上になると、死にいたることもあります。人間にとって水分の摂取は、欠かすことができないとても大切なものなのです。
脱水量(初期体重の%)と脱水症状ないし徴候
水分減少率(体重に占める割合) 主な脱水症状
2% のどの渇き
3% 強い渇き、ぼんやりする、食欲不振
4% 皮膚の紅潮、イライラする、体温上昇、疲労困ぱい、尿量の減少と濃縮
5% 頭痛、熱にうだる感じ
8~10% 身体動揺、けいれん
20%以上 無尿、死亡
提供:森本武利
中野昭一編「スポーツ医科学」 第2章 体液・血液の働き.40頁,1999.
Adolph EF & Associates: Physiology of Man in the Desert. Hafner Pub Co, New York, p191, 1947.を参考に一部改変して作成
http://www.ginzado.ne.jp/~avec/ecojapan/mizu/mizu-seimei.html 【水は生命の源
水と生命の誕生】より
宇宙の起源は約150億年前に起こった大爆発(ビッグバン)であるという説があります。
そのビッグバンの際の膨大なエネルギーが物質化したものが天体であるとされています。
つまり宇宙の初めは物質がなく、エネルギーだけが存在しており、このエネルギーの固まりが
ものすごい勢いで膨張する過程で急激な温度変化が起こり、物質が生成したと考えるものです。
この物質が固まったものが天体であり、地球の創世なのです。
ビッグバンから100億年ほど経過した頃、銀河系の片隅で、ガスとチリが星雲をつくり、
なんらかのキッカケで急に収縮をはじめます。
これが原始太陽系です。
収縮の過程で、この星雲が自転運動をはじめ、この自転の過程で星雲がちぎれ飛び、
さらに金属鉄を大量に含んだ微惑星を形成します。
この微惑星同士が何度も衝突をくりかえし、太陽系に惑星が誕生しました。
地球の大気も惑星衝突の産物と言われています。
衝突の際、惑星に含まれていた水と炭酸ガスが蒸発して大気となり、
やがて地表の温度がさがるにつれ大気中の水蒸気が雨となって地上に降り注ぎ、原始の海が誕生したのです。
原始の海には、原始地球の大気に二酸化炭素、亜硫酸ガス、塩化ガスなどが多量に含まれていたと推定され
ています。
やがて大気中の成分が結びつき、簡単な有機物質が合成され、これが生命の源になったとされています。
(ソ連の生化学者オパ-リンの学説)
つまり、原始地球の大気に含まれていた水素、アンモニア、メタンなどと水蒸気が結びつき、簡単な有機結合が
行われたのです。この有機物質がしだいに発展し、個々の生命体になっていったのです。
この有機物質の誕生は水の中で行われました。
有機物質は大気中では長くとどまることができません。
太陽光線に含まれている紫外線が遺伝子のDNAを破壊してしまうため、
ごく単純なレベルでの"生物"は生存できないからです。
オパーリンの説によると、原始地球の海の水はもっと塩分濃度が低く、
こうして誕生した"原始的な生命体"を種々含む「最初のスープ」のようなものだったそうです。
原始地球の海は、酸化的大気をたっぷり溶かしこんだ雨が降り注ぎ、たまったものであったため、海水は大きく
酸性に傾いてたとされています。
たくさん存在する「スープ」の中で、さらに「原始生命体」が自然に結合し、より高度な生命に発展していったとい
うのが現在の有力な学説です。
原始生命体が誕生した時期がだいたい35億年前とされています。
32億年前には「藻類」が出現し、光合成によって酸素がつくり出され、それが海水にたまり、さらには大気中に
たまって、現在のような酸素の多い大気になっていきました。この頃に陸上動物が出現しています。
それまではすべての動物は海の中で生命を育んでいたわけです。
これが最初の生命誕生の過程であり、水が生命の源と呼ばれる理由なのです。
【参考文献】
「からだによい水地球によい水」:TOTO出版
日比谷国際クリニック院長鴨下一郎著
「暮しの中の水百科」:にっかん書房 江川隆進
「すぐに役立つ水の生活学」:けやき出版 松下和弘
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