金子兜太 定住漂泊の時代

https://minamiyoko3734.amebaownd.com/posts/16376582  【金子兜太の〈現在〉 : 定住漂泊 / 齋藤愼爾 編集】


https://blog.goo.ne.jp/satyclub14/e/f6e9a1769143ae525c267f5441d4da32 【金子兜太 定住漂泊の時代】 より

 休日割引で混む高速道路のニュースが流れるゴールデンウイーク。自宅で黒田杏子著「金子兜太 養生訓」を読み、またあわせて「酒やめようか どの本能と遊ぼうか」金子兜太著も読み、本の旅としました。

 俳人(自称俳童、壮俳、老俳?)の金子兜太先生は、五十代を過ぎて、ご自分を「荒凡夫」:(自由な平凡な男)と呼び、アミニズムの評価に至り、定住漂泊という人生観を獲得したそうです。現代、働き盛りの世代を中心に三万人以上もの人が一年に自殺しているのも憂え、兜太先生はこう語ります。

 「定住漂泊」は体験を通しての私の発見であり、生き方のひとつの提案です。とどめがたき漂泊心を、定住者こそエネルギーに、バネにしろということです。

 定住状態にいて、自分の内なるこの漂泊の心情をいかに温めていくか。温めるだけでは生きる力にはならんかもしれんから、この漂泊心情をテコにして、何かを定住の状態の中に築き上げていく。漂泊の心情というものを抑え込んで、それを創作のエネルギーにして具体的なものを作り上げていく。そういうふうに考えていかないといかん。

 現代のいま、日常漂泊のひろがりを見る。都市住民はもちろん、農山村住民も流魄の日常に面しているわけだが、その自分に気づかぬまま、しだいに日常漂泊のなかに入っていく。相応の物質があり、日々を糊塗しうる小歓楽があり、ささやかな愛憎があれば、それが流魄を癒すというのであろうか。それだけに、定住漂泊者のみが、もがき、あせり、喚び、そして、ときに確然と無に立ち、ときにひょうひょうと<自然>に帰してゆくばかりである。だから、彼らの屹立じたいが、まことに孤立的なのだ。

 そして「金子兜太 養生訓」の本の最後に「最後に金子兜太先生に学ぶ生き方 そのまとめ」でつぎの十三ヶ条が記されておりました。

☆長生きしようと発心する。

☆元気でなにか創造的なことに打ち込む。

☆老醜をさらすまいと心がける。

☆自分の心と体を整える努力を重ねる。

☆かかりつけの医師、ゆきつけの店を大切に、深い友情の絆で結び合う。

☆父母・兄弟姉妹・子ども・孫それぞれに信頼と敬愛を深めつつ年を重ねる。

☆妻(夫)は最大の理解者・批評家としてともに連帯して歩む。

☆友人は宝。老若男女の友を大切に。

☆任侠精神(強きをくじき)とボランティア精神(世のため人のため)を忘れない。

☆日記を毎日つける。

☆ユーモアを心がける。

☆生きてこの世に在る日々を楽しむ。

☆土の恵みを忘れない。土に足をつけてものを考えることを大切に。

(以上、引用が長くなり、引用部分についてはなるべく正確にとこころがけましたが、意を尽くせない部分もあろうかとも思いますので、詳しくは著作本体をご覧頂きますようお願いします。)

 明治以来の日本の近代化が制度的にも文化的にも疲労し、グロバールな経済の波にも翻弄され、地球規模の環境リスクが喧伝されて、なにか閉塞感が色濃い昨今、兜太先生の荒凡夫・アミニズム・定住漂泊の思想は、時代を生き抜く生きた知恵を私たち後の世代、とりわけ都市定住者に与えてくれるかもしれないと思った次第です。


http://yuki-yamashita.cocolog-nifty.com/blog/2019/03/post-6df6.html 【金子兜太一周忌 講演会「兜太俳句と『定住漂泊』の思想」、献茶会。】より

星溪園積翠閣にて金子兜太一周忌としての講演会「兜太俳句と『定住漂泊』の思想」。全国から兜太門下生や兜太ファンが集まり会場は満席。現代俳句協会や「海原」(海程)の方々も。前面には「利根川と荒川の間雷遊ぶ」の色紙額を掲げて。俳句論でありながらも、それ以上に思想論の色合い濃くさせながら。私自身にとり、本当に貴重な機会となりました。

献茶も美しき兜太づくし。お茶会では現代俳句協会顧問の安西篤さん、同協会・「海原」同人で若手俳人の代表者である田中亜美さんと御一緒しました。お二人は遠方から熊谷にお越しになり、私の講演会にも参加されました。何と恐縮なことでしょう。本当、兜太さんが私に与えてくれたプレゼントに思えてなりません。

熊谷市奈良地区の歴史からヴァイニング・棚澤慶治へ。愛染堂・愛染明王から金子兜太と定住漂泊の思想へ。ある意味、孤軍奮闘感もあり準備は色々大変でしたが、自分も楽しみ多くの方々と共有することができる。総じてそれぞれが素敵なダブルヘッダーでした。星溪園立礼席で安西篤さんと。掛軸もなんと幸いに偶然ながら青鮫。感謝と御礼。





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