https://withplace.info/archives/2168 【日々是好日の意味と禅の心とは】 より
お稽古でお茶杓の銘に困った時、とりあえず「好日」と名づけたりします。
「日々是好日」は、「ひびこれこうじつ」「にちにちこれこうにち」などと読みますが、いったいどういう意味なのでしょうか。
禅語って何?
禅語は複数の中国仏教の書物の中の禅僧の語録、または中国の皇帝の逸話などから取った言葉です。
碧巌録、虚堂録、臨済録、無門関、漢書、その他様々な文献の中から薀蓄のある禅語が取り出されています。
墨蹟
例えば、碧巌録からは「南北東西活路通」、虚堂録からは「看々盡臘月」、無門関からは「主人公」、漢書からは「山呼万歳声」が挙げられます。
禅語を掛軸にしたのはいつごろから?
室町時代には、茶席にかける軸は唐絵、仏絵であり、人物、花鳥、山水などといったものでした。
それが、現在のような形になったのは、村田珠光以降だといわれています。
珠光は室町時代の茶人で、利休の師匠である武野紹鴎の先生のそのまた上の先生に当たり、大徳寺の一休禅師に師事し、悟りを開き印可の証を授かりました。
その時一休禅師からいただいた、宋の禅僧である圜悟禅師の墨蹟を茶席の床に掛けたのが始まりといいます。
日々是好日はどこから来たか
それでは、よく耳にするなじみの深い「日々是好日」はどこから来ているのでしょうか。
この言葉は、唐の末期から五大十国の時代に生きた、雲門文偃(うんもんぶんえん)禅師の言葉(雲門広録)から来ています。
雲門禅師の生きた唐の時代はまさに禅宗が盛んになり、様々な唐の文化が華開いた時期でありましたが、その後の五大十国時代は、宋の時代までの混乱の時代でもありました。
雲門禅師は大変聡明な人で、一度経典を読めば二度は読まずにすんだと言います。
その雲門禅師が、ある日弟子たちとの問答で「十五日前のことはあなたたちに問いません。では十五日後はどうなっているか一言で答えなさい」
と尋ねられたとき、弟子の誰も答えられなかったので、雲門禅師が自らこう答えられました。「日々是好日」
日々是好日の意味を考える
生きていると毎日色々な気持ちの変化があります。電車が遅れて会社に遅刻して最悪、会社で嫌なことを言われて頭に来た、今日食べたランチでデザートをおまけしてくれてラッキーなど、ジェットコースターのように感情が動きます。
けれども、電車がもし遅れなかったらどこかで乱暴な人とぶつかってもっと嫌な思いをしていたかもしれないし、会社で嫌なことを言われても、自分も誰かに同じようなことをしていたと思い当たり、人にきつい物言いをするのをやめようと思うかもしれません。
目の前で起こったことだけに憤慨していたら、常に感情に振り回されることになりますが、今自分に起こっていることが、今の自分にとって最善のことであると考えれば、今日も明日も、一年後の今日も、十五年後の今日も変わらず最善の日であるのだと思ます。
まとめ
禅語の意味にはどう解釈していいのかわからないものがあります。本やネットで調べてみても、微妙に解釈が違っていたりして正解があるようにも無いようにも見えます。
受け取る人の成熟度や生き方、精神性によって様々な解釈があり、それでいいのではないかと思っています。
今日捉えた禅語の意味と一年後同じ禅語を見たときでは、心に響くものが違うかもしれませんが、それがその人の心の成長の証であるのだと思います。
https://withplace.info/archives/1440 【一期一会の意味を簡単に説明してみた】 より
一期一会の季節ですね。桜が咲き、温かい季節になってきました。
入学式、入社式、歓迎会、お花見など、“一期一会”を体験する機会が一番多いのが4月なのではないでしょうか。出会えてうれしい、この出会いを大切にしたい。
そんな想いが含まれている“一期一会”の由来を振り返ろうと思います。
そして、日本の伝統とも深くかかわる言葉“一期一会”を英語やフランス語でどのように表現したら海外の人につたえられるかについても少し考えてみました。
茶道 一期一会 意味 由来
一期一会は、“茶会に臨む際には、その機会は二度と繰り返されることのない、一生に一度の出会いであるということを心得て、亭主・客ともに互いに誠意を尽くす心構えを意味する”(Wikipedia引用)という考え方から産まれました。
利休の弟子である山上宗二の書いた「山上宗二記」という茶道具の秘伝書に、
「一期に一度の会」とあり、ここから“一期一会”の会語は茶道の言葉になったといいます。
そして、江戸時代には、井伊直弼が、「茶の湯一会集」において、自身の茶道の一番の心得として“一期一会”を用いたことから、広く知られるようになりました。
一期一会と聞くと、初対面の人に会った時に使うイメージが強くあります。
しかし、それ以外にも、日常生活の中でも使ってもらいたいと思う場面があります。
それは、自分の周りにいる大切な家族、友人などに会った時です。
“今日、家族や友人と会っているこの時間は、今までに一度も経験しなかったものであり、今後も訪れることがない時間です。”
人々は日々成長していきます、今日の私と明日の私は違いますし、家族や友人も同じです。
今この瞬間は二度と来ない、その時間を大切に過ごすという意味を含んでいることも頭の片隅に置いてみてください。
一期一会は、大きな変化のない日常に変化を与えてくれる言葉なのかもしれないと思いました。
海外に行ったときに、素敵な出会いが訪れて、一期一会したくなることはありませんか?
私は、あなたに会えてとてもうれしいですし、この出会いを大切にしたいです。
ということを伝える時に、日本には“一期一会”ということわざがあることも伝えたくなってしまいます。
使い方はさまざま
簡単に、英語とフランス語で“一期一会”を表現するものを探してみました。
フランス語の場合は、①②の2つ、英語の場合は、③、④の2つになります。
少し説明が足りないところもあるかもしれませんが、シンプルで伝えやすい文章だと思いました。
une rencontre, une occasion.
ひとつの出会い、ひとつの機会 (直訳)
La seule occasion, une rencontre
ひとつの出会い、唯一の機会
The only chance and once’s encounter
唯一のチャンスと一つの出会い
One encounter, one occasion
一つの出会い、一つの機会
最後に、一期一会という言葉は茶道をはじめそれ以外のところにも広がっていった言葉でした。人と人がつながること、会話することをもっと豊かにするための心構えのような
“一期一会”という言葉を胸に、自分の近くにいる人たちを大切にできたらいいなと思いました。
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