ミラレパがどうしても気になったので もう一度伝記を 読んでみました。
ミラレパは母の求めに従って黒魔術を習得し(黒魔術は今も生きています。
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親族への復讐のため 故郷に大災害をもたらしました。
その悪業から解放されるために グルを求め マルパのもとを訪れました。
しかしマルパは ミラレパに呪術を行うことを二度命じ 大災害を引き起こさせミラレパに大呪術師という名を授けました。
私はこの時点でミラレパに魅力をなくしました。自分が解放されるために 無差別殺人も辞さなかったからです。悪業を償うのに 更なる悪業を犯すことが許されるのでしょうか?
マルパは犯した悪業を償い、殺されたものを蘇生さすことができれば真理を授けるといいます。そしてまるでシジフォスの神話を連想させる 苦役を課し続けました。
マルパの訓練に耐えかねた ミラレパは 師のもとを去り、一人の老人に
般若心経を読経し、その時 無一文のアルハトが教理のために死を選んだ話に心を惹かれます。(以後 ミラレパは何度も死を願います。)
同じページに 「マルパからは法の一かけらも与えられない」と記されています。
一方 インターネット情報では 三蔵法師とは 経典を漢訳した人々の尊称だが 一般的には 仏教の教文原典「般若心経」を天竺から持ち帰った玄奘を指すと
紹介されています。
般若心経がわかるミラレパが しかもマルパの妻からは マルパから伝授された瞑想法その他を 伝授されているにもかかわらず 法のひとかけらも与えられないと嘆くのはなぜなのでしょう?
ミラレパの求める法とは何なのでしょう。少なくとも般若心経では 自分の悪徳の罪は贖われないということです。
どうして マルパは自分のすべての財と労苦を 費やして得た法を 密儀としなければならないのでしょう?手に入れた宝を分かちあえば 真理が沢山の人に伝わり 宝がもっと輝くことになるのではないでしょうか?
ちょうどキャンドルライトサーヴィスのように 小さな光が伝播され 遂に暗闇が明けるが如くです。
灌頂のために すべての財(財がなければ命を)を捧げることを要求する姿にも驚きました。
更にマルパの妻が紹介した弟子ゴクドゥンは マルパと同じ戒律と教えを持っていると言われています。
その弟子も先ずミラレパに呪術を求め、成し終えれば灌頂を授ける約束をします。
ゴクドゥン(ゴクパ)とマルパの違いは ゴクパがミラレパの目前で 「殺した小動物を蘇生させたこと」、「殺した者たちの転生時の祝福を教えたこと」と言えると思います。
法のためには 無差別殺人行為も 善行とされています。
マルパ、ミラレパを祖とするチベット密教カギュ派においては 明らかに 現世軽視 自殺は罪であるが 法のための死は(持てる限りの財か、命) 救いそのものです。
新しい法を授ける条件として 法の伝播の妨害者たちを 改心させたいのであれば 法のための無差別殺人ではなく 妨害者たちへの宣教を果たす課題こそ 順当な修行ではないでしょうか?
しかし 法とは何でしょう?
ミラレパが僧として認可され 頭頂灌頂をうけて 許されたことは 洞窟での瞑想です。11箇月間 洞窟に閉じ篭って瞑想することが どうして悪業の救いになるのでしょう?むしろ塔を建てる苦役を忍んだ故に 悪業が許され、瞑想しながらの死が許されたと取れるのでしょうか?
この瞑想の背景に ミラレパが自殺をしようとしていたことが記されています。法のために命を投げ出すことを了解された故、洞窟に篭る(然も 出入口は閉ざされた状態で)ことが許されたとも受け取られます。
またマルパは 「罪を完全に浄化すれば 再び生まれる必要がなく、肉体的な体は永久に消滅して 完全に消え去っている(ニルヴァーナに達している)はず」と述べています。
しかもミラレパの弟子と言われるものは誰一人としてミラレパの死に立ち会っていません。
僧院に入ることは許されず 洞窟から洞窟に移動することのみが許された(家族に合うにも許可が必要。 許可を得て故郷を訪れると 母は貧困のうち亡くなり、妹は乞食となって放浪と記されています。)ミラレパが どうして弟子を得、乞食となって行方知れずになった妹が 洞窟で瞑想し続けるミラレパの居場所をどのようにして知り、婚約者と肉を持って尋ねることができたのか あまりにもの矛盾に読む意思を失います。
ミラレパが 洞窟で瞑想することで得たものは何でしょう?
普遍的無意識の叡智に触れることではないのでしょうか?
ミラレパの伝記を読むほどに 「ミラレパ・新実さん」と「法の名のもとに 無差別殺人をし、祝福された ミラレパ」が重なります。
ミラレパ・新実さんのインターネット資料
一連のオウム真理教事件で計11件で26人の殺人に関与したとして殺人罪などに問われている。死者26人は麻原彰晃の27人に次ぐ死者数である。
当初オウム真理教男性信者殺害事件では犯行後、茫然自失に陥り、後悔の念をあげたり、坂本堤弁護士一家殺害事件の際は実行犯の中では最も動揺し、精神的に不安定になった為、中川智正や端本悟とそれぞれ5日間独房に監禁され、麻原の説法を聞かされる等し、洗脳された。その後、数年間教団の自治省大臣を務め、信者の指導、監督、スパイ、拷問などを行っているうち、犯罪に対する抵抗感が薄れてきたとされる。凶悪化する一方で信者の殺害等では麻原に指示された苦痛を伴う方法を避け、殺害した者の転生を麻原に伺ったり、共犯者に対して犯行前に意志の確認を行ったり、犯行が未遂や中止などで死亡に至らなかった場合は安堵した
ミラレパに魅力をなくしたことをまるで裏付けてくれるかのようです。
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