https://www.nagae-ph.com/products/detail/1668 【海金砂(カイキンシャ)の生薬情報】より
【生薬名】 海金砂(カイキンシャ)
【基 原】カニクサ科 Lygodiaceae 海金砂 Lygodium japonicum (Thunb.) Sw.(カニクサ) の成熟胞子。
【性 味】 味は甘、性は寒。(帰経:膀胱・小腸経)
【主成分】 多くの flavon 化合物。
【臨床応用】生薬分類は、利水滲湿薬。中薬の効能は利水通淋。海金砂は利水通淋でき、淋病を治療する常用薬である。
【用 量】 6〜12g
【コメント】 脾虚太過の全身浮腫にも用いられる。腎陰虚には使用しない。
※取り扱い上の注意
1.天然物(生薬)の性質上吸湿しやすいものがありますので、保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する原因になることがあります。
2.特に開封後は、湿気を避け、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。
3.本品には品質保持の目的で窒素ガス(不活性ガス)を封入しております。生薬の特質に応じて、脱酸素剤又は乾燥剤を封入している場合がございますので、一緒に煎じたり、食べたりしないようにご注意ください。
※上記内容は情報として掲載しております。
https://kayaku.jp/3432 【カニクサ】より
学名:Lygodium japonicum (Thunb.) Sw. 科名:カニクサ科 用部:胞子
用途:利尿 生薬名:海金砂(かいきんしゃ)
説明:
関東以西に自生する多年草のつる性シダで、別名をツルシノブという。他の植物に絡みつきながら繁殖するのが特徴である。京都近辺では、子供たちがカニを釣り上げるために使った植物でカニグサと呼び、のちにカニクサと呼ばれるようになった。近江地方では、胞子を叩き落して採取することからタタキグサともいう。胞子を海金砂(かいきんしゃ)と称し、利尿剤として服用する。
http://www2.kobe-c.ed.jp/shizen/shida/shida/03038.html 【カニクサ】より
-1枚の葉がどこまでのびるか、つるになってのびるシダである。-(9月)
昔、子ども達が、このつるでカニ釣りをしたことがあったということで、ついた名である。別名をツルシノブ・シャミセソヅルというが、ツルシノブという名は、葉がシノブの葉に似ていて、つる状に長くのびることから、また、シャミセンヅルという名ほ、このつるを三味線に使えそうだということからついたのだろう。
カニクサの根茎は、地中を長くはい、黒く、ごく細い毛をつけている。葉柄の基部は黒紫色で細いがかたい。つる状の地上部は木の枝や竹などにからまってはい上がり、数mの長さまでのびる。
一見したところ、そののびたつる状のものが茎であって、その茎がからまったようにみえるが、実はそれは全部が1枚の葉である。一枚の葉の中軸がどんどんのびていって羽片を出すのである。
同じように一つの葉がのびていくものにウラジロやコシダがある。ウラジロは、葉柄の頂端の左右両羽片のつけねに、褐色の鱗片でおおわれた小さい芽(休止芽の一種)のようなものがあるが、これが、翌年の春にのび出し、先端から左右に羽片が出て、新しいウラジロの葉ができる。このような繰り返しで毎年葉がのびていく。ウラジロと比べると全体が少し小がらなコシダは、葉の分かれ方がウラジロより複雑で、左右両羽片のつけねの休止芽にあたる位置から、二本の小葉柄が出て、それぞれの先端に同形の羽片が2方向へのびていく。これらのシダはいずれも、どこまでものびる可能性をもっている葉である。
カニクサの羽片は、次の羽片まで数十cmと間かくがあいて互生である。
見たところ対生しているようにとれるがそうではない。よく見ると、中軸からごく短い柄が出て、すぐその柄が2つに分かれ、さらに柄をのばしているのである。柄が2つに分かれるところには、ウラジロやコシダの休止芽に似た有毛の芽がみられる。この芽はのびることはない。
長くのびたカニクサの一つの葉には実葉と裸葉に相当する部分がそれぞれ分かれてできている。下部羽片は、裸葉にあたるところであり、上部のちぢれている羽片が胞子のう群のついた実葉にあたるところである。胞子のう群がつきはじめるころの実葉にあたるところの葉は、ちぢれていないが、胞子が熟していくにつれてちぢれていく。このようすは、葉の長さといい、広がりにおいてもかなり違うクマワラビの場合とたいへんよく似ているといえる。胞子のう
カニクサの胞子のう群にほ、辺縁に不規則な凹凸のある包膜がある。その包膜は胞子のう1個ずつについている。1個の包膜の中に1こしか入っていない胞子のう群というのは、胞子のうの数がもっとも少くなったもので、シダ植物の中でも例外的なものである。胞子のうの形も変わっていて、ラグビーのボール形で、環帯は一方の端にだけ集まり、帽子のようになっている。
神戸の市街地の石垣などにもよく生えている夏緑性のシダだが、民家近くの霜があたらないところでは、冬でも枯れない。
https://botanical.hatenadiary.com/entry/2018/06/23/105040 【カニクサ】より
以前住んでいた家の裏庭に2階に住む人のための外階段があったのだが、ある年気がつくと手すりに蔓植物が絡みついていた。
私の身長より高く、2mくらいはあっただろうか。
蔓の下の方の葉は切れ込みがあって細長く、羽のような形をしている。
そして上にいくにしたがって細かい葉になる。そのちりちりとした様子が、観葉植物のアジアンタムに少し似ている気がした。
当時リース作りをしていたので、試しに採取して乾かしてみると1日であっという間にカラカラになった。蔓にニュアンスがあり、作品に動きを与えてくれるのでそれ以来気に入りの素材となった。
はじめは名前も知らずに作品に使っていて、そのあまりの使い勝手の良さに、一体これは?!・・・という流れだったのではなかったか。
シダのような雰囲気なので、確か「蔓性 シダ」といった感じで検索したのだと思う。
そして初めて「カニクサ」という名前であることを知ったのだった。
今年の5月、リース作りを再開するまでしばらくの間、出先で時折見かけることがあっても、横目で眺めながら通り過ぎるだけの日々を送っていた。
ところが先日、手入れをさせてもらっている庭でドクダミを間引いていたら、下から不意にカニクサが現れた。
久しぶりだね。元気だった?!
そう声をかけたくなった。会えてとても嬉しかった。
2枝ほど持ち帰り乾かしてみると、梅雨なのに半日でおおかた乾いてしまう。
早速紫陽花やパンジーと共にリースに仕立ててみた。
リースの円から跳ねるように飛び出てているのがカニクサ。
カニクサがあるのとないのとでは雰囲気がだいぶ違う。
名前の由来は、子供がその蔓を使って蟹を釣ったから。
その程度の知識だけで、どんな植物なのか深くは知らなかった。
表面上の付き合いだけしてきた友人、そのバックボーンを知らずに過ごした時間が少しもったいなかったような・・・そんな気持になる。
カニクサはシダの仲間。
実は日本に生育している蔓性のシダというのは八重山諸島に生育するイリオモテシャミセンヅルとカニクサの2種類とのこと。
日本列島ではカニクサが唯一蔓性のシダなのだそうだ。
そしてこの蔓、実は茎ではなく葉っぱの真ん中にある主軸であり、蔓一本が一枚の葉であるという。
下の方の細長い葉も、上の方のちりちりと細かい葉も別の葉ではなく、それぞれが一枚の葉の一部という、ちょっと訳の分からない不思議な植物なのだった。
葉の形の違いは役割の違いらしく、ちりちりとした葉は裏に胞子がつく繁殖を目的とした「胞子葉」、下の方の細長い葉は光合成をし栄養を作る「栄養葉」ということだ。
夏から秋にかけて胞子葉を紙袋に入れ揉み、胞子だけを集めたものを「海金砂(カイキンシャ)」と呼ぶ。
これは淋病、利尿の薬になるとのこと。サソリの毒消しにも用いられるらしい。
カニクサ Lygodium japonicum カニクサ科
Lygodes はギリシャ語で「柔軟な」
英名 Japanese climbing fern (日本の巻きついて登るシダという意味)
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