http://www.moguragames.com/entry/rain-parade/ 【これが新感覚”ワルふざけ・シミュレーター”、その名も『レインパレード: イタズラ雲の冒険 !』である!】より
むかし、むかし……。
ある教会で、幸せなカップルの結婚式が行われていました。
牧師の問いに、2人は互いの愛を確認し合います。
そして今、誓いのキスが……
……交わされるはずでしたが、上空に現れた雲が雨を降らし、2人と牧師はずぶ濡れ。
さらに来賓にも雲は雨を降らし始め、式場大パニック。
そんな訳で、幸せな結婚式はメチャクチャのグチャグチャにされちゃたのでした。
「ぬはははは!リア充、ざまあみやがれ!!」(♪ちゃんちゃん)
「なんて酷いことを!」「この鬼畜め!」「人でなし!」などとの叫びと怒号が聞こえてきそうだが、一連の出来事はこれより紹介するインディーゲーム『レインパレード: イタズラ雲の冒険 !』の一幕である。
ちなみに正確なストーリーではないのであしからず。そちらは近々後述する。
https://www.youtube.com/watch?v=SObQMFxRb38
本作は2021年4月15日にNintendo Switch、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam)向けに発売されたスラップスティックコメディ”アクション”ゲーム。
またの呼び名で「シャーデンフロイデ・シミュレーター」である。
▲なんか凄いことが書かれているが、気にしてはならない。
なんのこっちゃだが、ひとまず「ワルふざけ・シミュレーター」とでも覚えておけばよい。ちなみにXbox Series X|SおよびXbox One版はマイクロソフトの定額サービス「Xbox Game Pass」の対象だ。サービス会員であれば、無料でダウンロードできちゃうぞ。
伝説の”あの場所”求めて、小さな雲がイタズラ三昧の旅へ!
前述とは全く違う意味でむかし、むかし。
ある場所に小さな雲が居た。
雲の名前は「クラウディ」。胸に大きな夢を抱いた雲だ。
雲たちには空を自在に飛び回り、好き勝手に何にでも雨を降らす自由がある。
そんな雲たちの間で語り継がれている昔話があった。クラウディはある日、その昔話の中で語られる”伝説の場所”が実在するのかどうかを確かめるため、リュックに何かしらを詰め込んで、フワフワと世界を巡る旅に出たのである。
昔話で語られる伝説の場所。
それは多くの謎に包まれ、数々の童話と言い伝えを残す”宇宙の針”が刺さった大都市。
シアトルである!
疑問の数々が雨あられのゲリラ豪雨なオープニングだが、ゲーム中で説明される通りである。「そういうものなのだから仕方がない」ということで何卒、ご了承いただきたい。そもそも書いている筆者もよく分かっていません。(いいのか、それで。)
とにもかくにも、ゲーム内容の紹介に移ろう。基本的にはステージクリア方式で進行するアクションゲームとなる。プレイヤーは主人公のクラウディになって、伝説の大都市「シアトル」を目指し、50ものステージを巡っていく。
各ステージのクリア条件は「ミッション」の達成。「ミッション」は「★」の付いたメインとそれが付けられていないサブの2種類があり、この内のメインを全て成功させると次のステージが解禁される仕組みだ。サブは無視しても問題ないが、やり遂げれば”ご褒美”が得られる。どんなご褒美なのか興味があったり、完全な形でのクリアを達成したい思いがあるのなら、ぜひ挑戦してみよう。
気になる「ミッション」の詳細は端的に言って”イタズラ”だ。ターゲットに指定された対象の真上から雨を降らし、びしょ濡れにしたり、パニックを起こさせるなりしていく。
改めて紹介するが、前述の幸せいっぱいの結婚式は数あるステージのひとつ。ここを例にすれば、「新郎新婦」の頭上に雨を降らしてびしょ濡れにするのがメインミッションになっている。そして、来賓にも雨を降らしてずぶ濡れにさせたり、式場の椅子を全て倒して、メチャクチャのグチャグチャにするのがサブミッション。可能であれば、達成して欲しい類のミッションということである。
基本的にはこのような形で各ステージは構成されている。そして、プレイヤーはクラウディを動かして、雨を降らしながらミッションに指定されたイタズラを行っていけばいいのだ。
アクションゲームとしては単純で分かりやすい作り。操作も(Nintendo Switch版の場合)コントロールスティックでクラウディの移動、Aボタンで雨を降らすの簡単設計で、複雑の”ふ”の字もない取っ付きやすさ重視のものになっている。
なお、最初は雨だけだが、ゲームが進むと「雷」、「雪」、「竜巻」を降らしたり、発生させられるようになる。これらの発動も基本、それぞれに対応したボタンを押すだけの簡単設計。解禁も段階的に行われていく方式で、それぞれの効果と特徴も理解しやすい気配りが図られている。そして、これと同時に過激なイタズラも可能になっていく感じである。
諸々のことから「なるほど、それゆえの”ワルふざけ”か」と、察せたでしょうか。
▲『Untitled Goose Game ~いたずらガチョウがやって来た!~』
ゲームコンセプトとしては、穴にあれこれ落としまくる『DONUT COUNTY』、2020年度GOTYに輝きし偉大なガチョウさんが活躍する『Untitled Goose Game ~いたずらガチョウがやって来た!~』に近く、公式もその2作と毛色の似た作品であることを紹介している。
そして、魅力も明瞭である。
空前絶後にして、抱腹絶倒のイタズラフィーバーである。
もはやこれはワルふざけではない!日常への暴虐だ!
そもそも、幸せな結婚式を台無しにする時点でかなりのヤバさだが、これで序の口。本編ではそれ以上に度肝を抜くイタズラ(ミッション)が続出するのだ。
一例を紹介すると、
倉庫内に灯油を撒き散らして点火したのち、爆発炎上させる!
酸性雨を降らし、作物や農業道具を台無しにさせる!
ゾンビ災害を起こして、街をメチャクチャにする!
恐竜に天誅!
……などである。もはやイタズラどころではない。完全な破壊工作、犯罪と言われても止む無しのミッションてんこ盛りなのである。さらに一部のステージでは……
ブロック崩しが始まったり。(※玉は人間)
メタルでエスピオナージなステルスゲームが始まったりする。
他に怪盗のように美術品の強奪に挑戦するステージも。
これらの例からも分かるように、とにかくステージごとのバリエーションの幅がもの凄い。どこにおいても唯一無二のネタが登場しては、ここでしか味わえない展開(という名のイタズラ)が繰り広げられる個性付けが図られているのである。
そのため、本編を進めていくのがとんでもなく楽しい。決まって独自のネタが出てくるのもあって、「次は何をやるのだろう?」との期待が絶えず、先へ先へと進めていきたくなってしまうのだ。しかも、本作が秀逸なのはステージごとにどんなイタズラ(ミッション)をするのかが開始直前まで分からないことである。
本編は全体マップ上でクラウディを動かし、ステージを選んで始める形式で進行するのだが、この情報欄にはステージの名前とミッションの進捗情報しか表示されない。どんなイタズラをするのか分かるのは、ステージに入った後なのだ。
一見すると不便な仕様だが、このおかげで何が待ち受けるか分からないドキドキ感が演出されている。実際、この仕様を逆手に取ったマップの情報と一致しないステージが多数あり、プレイヤーに想定外の衝撃(※笑撃とも言う)を提供してくるのだ。
▲なんのこっちゃ……?
この何の変哲もないステージに入ってみたら、とんでもないことが始まった時の驚きと腹筋への刺激度合いたるや、筆舌に尽くしがたい。こんなビックリ箱感覚のまとめ方が全ステージで炸裂していて、プレイヤーをこれでもかと言わんばかりに楽しませてくるのだ。
ステージ詳細を隠す工夫自体はさして斬新ではないが、イタズラをテーマにした本作ではその圧倒的な親和性が炸裂している。それもあって、最初から最後まで全く飽きることもなければ、刺激も弱まることなく進めていける魅力が引き立っている。
ゲームとしての遊び応えも抜群。ステージによっては雨を降らすタイミングを図るなど細かなテクニックが試されたり、時にはパズル的な発想が必要になるなど、なかなか攻略し甲斐のある構成になっている。
特にサブミッションは一筋縄ではいかぬものばかりで、完全な攻略を目指す場合は相応の試行錯誤が必須。さらに、ステージによっては雨を降らしてはいけない対象が設定されたり、限りのある水を使って対象を濡らすことに挑む展開も用意されている。極め付けに敵の攻撃を避けながらゴールを目指すという、ほとんどアクションゲームでしかないものも。
ネタのバリエーションの豊富さと過激さが先行しがちだが、このようにアクションゲームとしても考え抜かれていて、確かなやり応えを感じ取れる内容にまとめられているのだ。それもまた、プレイヤーに驚きを提供する要素のひとつ。主にゲームに慣れ親しんだ人ならば、このネタ優先と見せかけ、遊び応えがある作りには唸らされると同時に、本作が決してネタだけのゲームではないことを実感させられるはずだ。
アクションゲームは何よりもバラエティ豊かな展開を用意してこそ、最初から最後まで刺激が持続し、印象深い内容になる。本作はそういったアクションゲームの魂に当たる部分が驚くほど理解されており、その名とは裏腹過ぎる濃い内容が味わえる。
イタズラのハチャメチャさだけでも十分興味を持ちやすい魅力があるが、遊べばその先にゲームとしての確かな面白さがあることもよく分かる。
なので、繰り返しになるが、本作に対してネタだけのゲームという認識をお持ちなら、ぜひ騙されたと思って本編をプレイしてみていただきたい。これまで書いたことは誇張ではない、これは立派なアクションゲームであることを思い知らされること間違いなしだ。
まあ、ネタもネタで相応にインパクト抜群なのは否定しないが。
あ、こちらのクラウディはクラウドのクラウディでございます。
こんな着せ替え機能もあっちゃったりするのですよ。
勢い任せな所もあるが、全編やりたい放題の姿勢が痛快な良作
ただ、豊富ゆえの難点も。それは一発ネタが結構あること。前述の通り、本作には50ものステージが用意されているのだが、その一部は秒単位でクリアできてしまう短いものになっている。そのため、総数とは対照的にエンディングまで要する時間も早くて2時間程度と短め。
さらに一発ネタステージは出来もイマイチ。面白いものもあるが、多くはそれなら無理にステージにしなくていいでしょ、と言いたくなるものになっている。中でもネタバレになってしまうが、一切クラウディを動かさず、放置するステージはあまりにやっつけ仕事過ぎる上、ゲームとしても成り立っていなくて酷い。50ものステージを用意するという目標を掲げ、入れ込んだ結果なのかもしれないが、そんな残念の極みなものが混ざってしまうのなら、数を絞り込んで洗練させる方向でまとめて欲しかったと思うところだ。
また、サブミッションも特に後半のステージに用意されたものは面倒臭く、作業的なものが目立つ。とは言え前述の通り、サブミッションは基本は無視で問題なし。メインミッションの攻略だけに絞ったプレイスタイルなら、関連する不満は軽減できるので、もしプレイ中に違和感を抱いた時は、全無視するのをおすすめしたいところだ。
ボリュームも本編だけなら前述の通り短めなのだが、サブミッションの完全攻略などやり込み要素は豊富。クリア後にはナウでホットな「ニューゲームプラス」も解禁され、新たなミッションが追加されたステージを楽しめるようになる。
追加されるミッションも捻りと悪意を込めたものになっているので、もし、あっという間にクリアしてしまって物足りなく感じてしまった時は挑戦してみて欲しい。
勢い任せに作った部分から生じた粗もあるが、作品全体の完成度は非常に良い。ここまでのスクリーンショットの通りだが、工作風のグラフィックも味わい深い仕上がりだ。
また、雨を降らせた時に見せる人間たちのリアクションも愉快、かつ効果音も適度に仰々しくて、イタズラする楽しさを大いに刺激する。謎多き最終目的地「シアトル」を目指すストーリーも珍妙の極み。また、そんな「シアトル」の街に近づく寸前に挑戦することになるステージにも驚くこと間違いなし。その時ばかりは、イタズラし放題で悪の権化みたいになっていたクラウディがヒーローに見えちゃう……かも。
「シャーデンフロイデ・シミュレーター」こと「ワルふざけ・シミュレーター」の異名に相応しい、度肝を抜くイタズラとそれを決める快感、そして沢山の驚きと遊びが詰まった本作。難易度も優しめ、操作も簡単と幅広いプレイヤーにおすすめできる良作に仕上がっているので、PCのほか、Nintendo SwitchやXbox Series X|S、Xbox Oneをお持ちの方はぜひプレイいただきたい。雲になって自由を飛び回り、イタズラを謳歌しちゃいましょう。
だが、偉大な力には偉大な責務が伴うのを忘れるなよ!(忘れてもいいです)
あと、イマドキの課金要素は一切ないですよ!(これ大事)
おしまい。(仮)
一指李承憲@ILCHIjp
偉大な創造は冒険なしにはありえません。安定を願うなら、新しいことをしたり、未知の世界に足を踏み入れるようなことはあきらめたほうがいいでしょう。冒険と挑戦なしに、得られるものはありません。世界の多くの偉大な創造は、ときには生命をかけた冒険の中で実現したのです。
FacebookHiroshi Kaneiさん投稿記事·
■「冒険が足りないと、良い大人になれないよ」カッコイイ大人は たいてい冒険しています。
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若者よ、旅に出なさい。まだパスポートを持ってないなら、今すぐ作りなさい。
夏になったら、バックパックを背負って、デリー・サイゴン・バンコク・ケニヤに行き、ショックを受け、そして感動しなさい。
食べたことのない料理を食べ、面白い人と出逢い、冒険に出て、危険から身を守りなさい。
帰ってきたら自分の国が違って見えるでしょう。首相も違う人に見えるでしょう。
誰であっても、音楽、文化、食べ物、水資源について見方が変わるでしょう。
シャワーを浴びる時間も短くなるでしょう。
「Globalization(グローバリゼーション)」の本当の意味もわかってくるはずです。
それはトム・フリードマンが言った『フラット化する世界』ではありません。
地球の気候の変化と環境破壊が決して嘘ではないこともわかるでしょう。
ある人の一日は、バケツ4杯分の水のために20km歩くだけで終わります。
あなたのフライトの向こうには、どんな本も先生も決して教えてくれない『授業』が待っています。
多くの人は、帰ってきた時に初めて全てがはっきりし、頭の上に電球が浮かぶのです。
---ヘンリー・ロリンズ
***
■「若い者が無謀なことをしないで、何をしろというのだ」
ユーコン川の貸しカヌー屋のオーナー・スコットから
「20年前は日本の冒険好きの若者たちがたくさん来ていた。みんな貧乏で金がなかったが、エネルギッシュだった。それが最近は、ばったり来なくなった。来るのは年寄りばかりだ。日本の青年たちはどこにいったんだ?」と聞かれ、
著者は憤ります。
「どこにもいかない。じっと家にいる。日本人が変わったんだ。」
「親たちが悪いんだろう。面倒の見すぎ、世話の焼きすぎ、過保護だ。すべてのものを危ないといって禁止している。外で走るのも、野原や川原で遊ぶのも全部禁止だ。親たちはたいてい子離れをしていない。青年は幼児のまま何一つ経験しないで大きくなる。」
「いつでも遊びに励め。人生には締め切りがあるのだ。」
「ユーコン川を筏で下る」野田知佑(著)
***
イギリスの作家ディック・フランシスは、彼の著作の中でこういっている。
「一国を滅ぼすのに、若い世代に危険を冒すことは ばかげていると教え込むくらい手っ取り早い方法はない」
(『飛越』菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)
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親の側もどんどん過保護になって危ないとこへ近づいちゃいけないって、子供を冒険から遠ざけるようになるんだ。
つまり、自然に触れることからね。
日本からトムソーヤがいなくなっちゃった。
そういう風潮があったわけだよ。
そういう風潮がどんどんふくらんで、知識偏重、体験軽視っていう、教育システムを作ってくわけだね。
だけどそういう教育現場を、おかしいと思う先生方もいた。
こういう先生は学校の現場から白眼視されて、どんどん潰されて行くんだけどね。
--- 倉本聰
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1983年 ミネソタ・アウトワード・バウンド・スクールにて 植村直己(42歳)
君たちに僕の考えを話そう 僕らが子どもの頃 目に映る世界は新鮮で、すべてが新しかった
やりたいことは何でもできた ところが年をとってくると疲れてくる 人々はあきらめ、みんな落ち着いてしまう 世界の美しさを見ようとしなくなってしまう 大部分の人は、夢を失っていくんだよ でも、僕はいつまでも子供の心を失わずに この世を生きようと思う
不思議なもの、すべての美しいものを 見るためにも…
いいかい、君たちはやろうと思えば何でもできる 僕と別れた後も、そのことを思い出してほしい やろうと思えば何でもできるんだ
***
The biggest adventure you can take is to live the life of your dreams.
あなたができる最も大きな冒険とは、あなたの夢の人生を生きることだ。
The world is a book, and those who do not travel read only one page.
世界は本であり、旅をしない人々はたった1ページしか読まない。
Man cannot discover new oceans unless he has the courage to lose sight of the shore.
陸地を見失う勇気なくして、人は新しい海を発見することはできない。
Life was made for good friends and great adventure.
人生は、良き友人と素晴らしい冒険のために創られた。
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