てのひらを一度上向け春耕す

岡田耕治・句集『使命』現代俳句協会

てのひらを一度上向け春耕す  岡田耕治


「てのひらを一度上向け」は春の気を感じる行為でしょうか


http://ruttiori2019.livedoor.blog/archives/25315288.html 【『俳句チャンネル』兼題「春耕」聞き書きです】より

今治五七五の『俳句チャンネル』~

オープニングナンバーは「予感/斉藤由貴」、『めぞん一刻』のじゃない方です。歌詞も書かれているんですね、素敵だなぁ~THE透明感

パーソナリティはかむつるさん、すずめさん、まりんさんのお三方。かむつるさん久しぶり

まずはお詫びから。前回「伊予柑」の時の投句メールが発掘されたそうで、「予感」は「伊予柑」の時のリクエストだったそうです。投句も紹介されました。

伊予柑の無骨一皮剥けば愛し  比良山

「伊予柑」、申し訳ないんですけど無骨っていうイメージがないんですよね。指でもスっと剥けるし。無骨と言えば夏蜜柑や八朔ではないかと思うのでゴメンナサイでした。

さて、ここから「春耕」!

春耕や地元の者も移住者も  比良山

分かりますねえ。最近、町興し協力隊さんとか耳にするんですが、もともといた地元の方も移住者も一緒になって春を耕す。いいねえ。いい一年が送れそうですよね。移住者の方たちが地域をも耕してくれるようなね。この頃はコロナ禍で、移住してくる人も増えてるということで。よく分かる句です。

春耕にほくほく頑固親父かな  司啓

頑固親父が「ほくほく」?俺の出番や!って?耕した土がじゃないんだね、「に」だもんね。よっぽど畑仕事が好きなんだね!もっと可愛く言ってあげてって気もするけど、普段は頑固親父なんだけどニコニコしてるよって微笑ましく見ている感じですね。

春耕や吾の畝曲がる経歴書  川越のしょび

これねえ・・・ちょっと分からない。「春耕」は春が来て固くなってる田んぼを梳き起こして柔らかくする、さあこれから耕作始めるよっていうのだと私は思ってたからね、掘り起こすまでで、「畝」まで作らない。「曲がる」が「畝」と「経歴書」両方なの?と思うんだけど、「経歴書」って変やなとか・・・「履歴書」だとしても、それが曲がるって意味が取りにくいし、どう繋がるのか・・・このへんがちょっと難しいかなと思いますね

ネクタイを手拭いへ変へ春耕す  花南天

これは分かりますね!退職したお父さんが、これからは農業一本だと。お父さんの意気込みが見えます。あるいは兼業農家かもね、お休みにはネクタイを手拭いに替えて。どちらにしても面白いですね、首に手拭い巻いて頑張ってる。

春耕の父に届けるカツサンド  小川めぐる

「カツサンド」いいねえ!「カツサンド」持ってきて欲しいわ。畦道に似合ってなくてカッコいい(笑)。馬力が出そうだね!確かに、昔から田仕事してる時に届けるものはあるんだけど大抵はおむすびがあんぱんでね。「カツサンド」って都会的で、娘さんが差し入れに小じゃれたカツサンド持ってってやるかって。微笑ましいですね。

春耕し前に目があった烏かな  はるかん

はるかんさん、難しい「かな」が詠嘆なのか、疑問なのか。「前」というのは「以前」?それとも「春耕前」?今から行こうかって時に目の前におる?疑問符がいっぱい出て来る、面白いのは面白いんですけど。田仕事に行く時、カラスやスズメと思わず目が合うことはあるかも知れないですけども、もう少しヒントがあっても良かったかなと。目のつけどころが面白いですよね、だんだんブっとんできたというか、若返ってきたんだね!やっぱり自転車で足腰鍛えてるから。

春耕や鳥海山の肌白く  曲がり尻尾

初めての方だと思うんですけど、いらっしゃいませ♪「鳥海山」は秋田の方で出羽富士と称される単独峰だそうです。綺麗な山なんですよ。周りに何にもなくて鳥海山だけがくっきりはっきり見えて。しかも活火山だから、綺麗ななだらかな形で。だからこれ、絵葉書みたいな感じではっきり景が浮かびます。「肌白く」は雪でしょうね、この時期はまだ裾野の方まで雪が残ってる。綺麗な絵が浮かびます。やれやれと背を伸ばすと鳥海山。綺麗だなあ。いい句ですね!

男の子春耕の畝踏んでみる  はな

耕した後の土がボコボコしている。しかも柔らかくてふんわりして。踏んでみたくなるんですよね!足跡つけてみたくなる、そういう景かなと。「男の子」と曖昧に言わず「孫」とか「子」とか、何歳とかはっきり書いた方がいいかも知れない。ご一考ください。「畝」が問題なら「土」でもいいと思います。

春耕をおむすび二つでは足りぬ  あんどーなつ

足りないよ~だからカツサンドがいるんだよ重労働なんだからね(笑)。春耕せんでも二つでは足りん(笑)。やっぱりカツサンドつけて欲しいよね(笑)。

春耕や神棚の水なみなみと  かつたろー。

神棚がどこにあるのか・・・ひょっとしたら畦道に設えてあるのか、家を出る時に豊作を願ったのかも知れない。祈りとか決意、期待感。いい句ですね。背すじが伸びる感じ。「なみなみ」がいいですね。これこそ春耕の前に拝んでいる感じです。

選者の一句

食つて寝て起きて笑つて耕せり  すずめ

ここで「まちぼうけ/日本合唱協会」(比良山さん、リクエスト有難うございます!ご希望のダークダックスのは残念乍ら音源がなかったそうです)を挟んで【天】の発表です!

かむつる「『鳥海山』かなぁ。くっきりはっきり景が見えてきた。色の対比、北国の春かっこいいな綺麗だなと」

すずめ「めぐるさんの『カツサンド』です。おむすびより『カツサンド』(笑)」

まりん「私はかつたろー。さんの・・・春耕と神事と合ってるような気がしました」

おおっ!久しぶりに割れてジャンケン対決!制したのはかむつるさん!!

ということで決定しました、

【天】春耕や鳥海山の肌白く  曲がり尻尾

曲がり尻尾さん、おめでとうございます~~~!「春耕」のもたらす黒々と豊かな土のイメージに対しての措辞がパキっと凛々しくて美しいです!!実は私も最初「山は水色・・・」と考えていてまとめきれなかったので、素晴らしいお手本を見せて頂いた思いです!「冬から春へ」という季節の移り変わりがよく分かりますし、何よりも清々しく誇らしい・・・!土地への愛が伝わってくるようで「鳥海山」という固有名詞が実に生きています。「鳥」も「海」も春に向かって動き出しているようで素敵・・・!

それから、まりんさん・つかっさん推しのかつたろー。さんの句も素敵でした!これも清々しくて気が引き締まって、「土」に対する「水」のイメージが素敵です。春を迎えた喜びがきらめいているよう。

私の「カツサンド」も好評で嬉しかったです。すずめさん・北村さんから推して頂けて舞い上がる~!時々、お父さんにお弁当届けに行ったなあって思い出したんですが、実は今仕事で早朝6時とか6時半からカツサンド作っていまして(笑)。これなら持って行くにも軽いし食べればガッツリ腹にたまるし食べた後手を洗わなくてもいいし良いことづくめなんではいないかと閃いたのでした(笑)。すずめさんに草刈正雄みたいなお父さんを想像してもらえて嬉しかったです

ローソンのカツサンド、分厚くて柔らかくてダンナにも大好評。皆さんもお立ち寄りのさいは是非ヨロシクです!!


コズミックホリステック医療・現代靈氣

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