終い弘法

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20211221/2000055485.html 【京都 東寺 ことし最後の縁日「終い弘法」にぎわう】より

弘法大師ゆかりの京都の東寺で、1年を締めくくることし最後の縁日、「終い弘法」が開かれています。

京都市南区にある世界遺産の東寺では、弘法大師の月命日にあたる毎月21日に縁日が開かれていて、このうち12月の縁日は、「終い弘法」と呼ばれています。

主催者によりますと、新型コロナの影響で21日に出店したのは、例年の6割ほどのおよそ800店にとどまったということですが、境内には大勢の人が訪れ、正月を前に、松飾りや漬物、餅などを買い求めていました。

また、来年のえとの「とら」の置物などを扱う店もあり、境内は師走のにぎわいを見せていました。

京都府久御山町から子どもと一緒に訪れた50代の男性は、「漬物を買いに来ました。他の月の弘法市と比べてにぎわいを感じました」と話していました。

また、京都市内から訪れた70代の夫婦は、「正月用の冬野菜をたくさん買いました。見て回るのは楽しいです」と話していました。

「終い弘法」は21日午後4時ごろまで開かれています。


https://media.mk-group.co.jp/entry/toji-shimaikobo/ 【東寺弘法市は毎月21日!12月の「終い弘法」は京都の年末の風物詩】より

京都の年末の風物詩といえば、12月21日に開催される東寺の「終い弘法(しまいこうぼう)」。

毎月21日に行なわれている弘法市ですが、一年間で最も賑わうのが終い弘法です。

終い弘法では、いつものように骨董品などを求める人に加え、正月準備の品を求める人も集まり、東寺の境内は寒さも吹き飛ぶくらいの大賑わいになります。

2021年の弘法市は新型コロナの影響で何度も中止を余儀なくされましたが、2021年12月21日(火)の終い弘法は無事開催されました。

弘法市の歴史

真言宗の開祖であり、東寺を真言密教の拠点として発展させた弘法大師こと空海は、承和2年(835年)3月21日1に入定(にゅうじょう)しました。

東寺では、弘法大師が入定たした日に、開祖の供養を行う法会(ほうえ)である「御影供(みえく)」を行うようになりました。

当初は3月21日だけでしたが、延応元年(1239年)からは、毎月21日に行われるようになり、多くの人々が御影供の参詣に訪れるようになりました。

もともと国営の鎮護国家を祈る寺院として誕生した東寺でしたが、弘法大師信仰の高まりもあって庶民の信仰によって支えられる寺院へと変貌していったのです。

終い弘法

やがて御影供に訪れる大勢の参詣者を相手に、境内で簡単な食事やお茶を提供する茶店が出るようになりました。今の弘法市の原形の誕生です。

江戸時代になると、茶店だけではなく、様々な商品を扱う露店が多数出るようになり、今のような賑やかな弘法市へと発展していきました。

1799年刊行 秋里籬嶌「都林泉名勝圖會」(国立国会図書館デジタルコレクションより)1799年刊行 秋里籬嶌「都林泉名勝圖會」(国立国会図書館デジタルコレクションより)

今では、毎月21日に行われる弘法市では毎回1,200~1,300もの露店が出店されるようになりました。

1799年に刊行された秋里籬嶌(あきさと りとう)の京都ガイドである「都林泉名勝圖會(みやこりんせんめいしょずえ)」でも、多くの参詣者でにぎわう東寺の御影供が描かれています。植木屋や食事を出す露店が見えます。

年間12回行われる弘法市ですが、毎年1月21日は「初弘法」、12月21日は「終い弘法(しまいこうぼう)」といわれ、一段と盛り上がります。

弘法大師の祥月命日である3月21日を新暦換算した4月21日には、「正御影供(しょうみえく)」が行われます。

御影堂が御開帳され、弘法大師像をお参りすることができます。

また灌頂院(かんじょういん)の敷地内にある閼伽井(あかい)に絵馬が掲げられます。

とはいえ、4月の弘法市はそれほど混雑するわけではありません。

やはり、12月の終い弘法がもっとも賑わい、ついで1月の初弘法がにぎわいます。弘法市が弘法大師信仰にとどまらない京都の年末年始の行事へと成長していったことが見て取れます。

終い弘法

弘法市は、雨天決行です。大荒れの天気でさえなければ、雨や雪でも開催されます。

ただし、露店なので雨だと出店されないお店もあります。

骨董品・古美術品なので、濡れては困る商品も多く、売られる品数も減ってしまいます。

お客さんの数も雨だとかなり減ります。近年では2015年の終い弘法が雨に見舞われました。

しかし、雨だからこそ掘り出しものに出会えるかもしれません。雨の日こそチャンスあり。

弘法市の露店が出店されるのは、金堂の南側と講堂・金堂の西側、食堂の周囲、慶賀門の西側、北大門~北総門の櫛笥通り(くしげどおり)です。

言い換えると、有料区域と塀で囲まれた区域以外の全域です。

ところ狭しとたくさんの露店が並びます。

その他の空きスペースは、出店者の自動車が並んでいます。

さらに境内からあふれ出て九条通り北側や、東寺道の両側などにも露店が並びます。

東寺への入り口は、北総門・北大門、慶賀門、南大門と弘法市のときのみ開かれる南大門の西側の出入り口です。

壬生通りから御影堂経由のルートもあります。

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