Facebook・兼井 浩さん投稿記事
いっぽんの木から、森がうまれる ひとつの笑顔が、友情をはぐくむ
ひとつの救いの手が、魂を動かす ひとつの言葉が、夢をかたち作る
いっぽんのろうそくが、暗闇に光をあたえる ひとつの笑いが、憂鬱をはねとばす
ひとつの希望が、心をおどらせる ひとつのふれあいが、やさしさを示す
ひとりの人生が、変化をもたらす
そんなひとりに・・・ そんなひとつに・・・
https://ichigoichina.jp/kanji/4/%E5%B7%B4 【巴】 より
の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
「巴」は「トモエ」の響きでしばしば名前に使われる漢字です。一字だけで「トモエ」と読める漢字として重宝され、最近では音読みの「ハ」の響きを用いて名付けに使われることもあるようです。見慣れない漢字でもあるので、どんな意味や願いを込められるのか気になりますね。「巴」を使った名付けのポイントをご説明します。
「巴」漢字の読みや画数の基本情報
画数 4画 音読 ハ 訓読 ともえ 名乗り とも
意味
1. うずまき。うずまくもの
2. ともえ。鞆(とも)に描かれた絵。その模様
3. 中国の地名
由来/
成り立ち 身を丸めているヘビを描いたのが「巴」。
説明の仕方 「色」の上部の「ク」をなくした字。「ともえ」
「巴」の意味や由来は?
太鼓に描かれた三つ巴
「巴」は、この漢字が作られた中国ではもともと身を丸めているヘビを描いた字だと言われています。そのため、「ヘビ」そのものや、そのヘビの様子をもとに生まれた「うずまき」などの意味で使われていました。
一方で、古代の日本では弓を射るときに、弾いた弦が左手首に当たるのを防ぐ「鞆(トモ)」という道具がありました。この「鞆」の丸みをおびた形を絵にしたものを「鞆絵(トモエ)」と呼び、漢字が中国から日本に伝わったタイミングで「巴」の丸い字面と「鞆絵」の形が似ていたことから「巴(トモエ)」の読みが当てられました。こうして、「鞆絵」の模様、別名「巴紋(ともえもん)」の意味で広く定着し、本来の「ヘビ」の意味ではあまり使われていません。
この「巴紋」の形から派生して、柔道には「巴投げ」という技があったり、三者が絡み合って対立することを「三つ巴」と呼んだりするようになりました。
「トモエ」の一文字名前で重宝される「巴」
「トモエ」は女の名前として聞きなれた響きです。多くは、その響きに対して「朋絵」や「友恵」のように「トモ」「エ」の響きをもつ漢字を組み合わせて当てられるなか、「巴」は一字で「トモエ」と読める漢字として重宝されています。
また、「トモエ」を縮めた「トモ」の響きで巴美(トモミ)や巴恵(トモエ)、巴寧(トモネ)など、音読みの「ハ」の響きで巴菜(ハナ)や巴瑠(ハル)、彩巴(アヤハ)と使われることもあります。
男の子の場合は「トモ」の響きを活かして巴樹(トモキ)や巴明(トモアキ)、「ハ」の響きで巴琉斗(ハルト)や巴瑠輝(ハルキ)などが考えられますよ。
女性の魅力を感じる「巴」
「巴」は普段の生活で見慣れない漢字なので、どんな願いや想いを名前に込められるのかピンとこない人も多いのではないでしょうか。せっかくなら、我が子なりの想いの込もった名前を考えてあげたいですね。
まず「巴紋」から考えていきます。この模様は、「鞆絵」から生まれた日本で独自に定着した模様で、古くから生活の一部に溶け込んでいました。たとえば、模様が水の渦巻く様子と似ていることからここから、火災除けとして古い建物の瓦に描かれたり、神社やお寺で用いられたりしていました。「和」を感じさせると同時に「神聖」で「清らか」な印象も与えてくれ、「日本的な美しさを表現した子に」「協調性のある子に」と願いを込められます。
次に、「巴」の字を使った歴史上の人物に「巴御前(トモエゴゼン)」という女性がいます(現実にはいなかったとする説もある)。「美しい容姿」をしているにも関わらず「武者としての才能」も兼ね備え、まさに「才色兼備」という言葉が似合う人物でした。この名前を知っていたことで「巴」を名前に使いたい、と考えた人もいるのではないでしょうか?「美しさと才能をもった魅力的な人に成長してほしい」と願いを込めることができますね。
ほかにも「うずまき」の意味から「渦の中心」と重ねて「影響力のある人に」と想いを込めることもできますよ。
普段の生活ではあまり馴染みのない「巴」。意味や由来をしっかりと理解して、素敵な名前を赤ちゃんに贈ってあげてくださいね。
【組み合わせて使われる漢字】
巴美(トモミ)
巴恵(トモエ)
巴寧(トモネ)
巴菜(ハナ)
彩巴(アヤハ) など
巴樹(トモキ)
巴明(トモアキ)
巴琉斗(ハルト) など
https://www.the-noh.com/jp/plays/data/program_049.html 【巴(ともえ)】
演目のあらすじ
木曽の僧が都に上る途上、琵琶湖のほとりの粟津が原というところに差し掛かります。そこで神前に参拝に来た女と出会いますが、女が涙を流しているので不審に思い、理由を尋ねます。女は古歌を引き、神前で涙を流すのは不思議なことではないと述べ、僧が木曽の出だと知るや、粟津が原の祭神は、木曽義仲(源義仲:1154〜1184)であると教えて供養を勧めます。そして、自分が亡者であることを明かし、消えてしまいます。
僧はお参りにきた近在の里の人(所の者)から、義仲と巴の物語を聞き出し、先の女の亡者が巴だと確信を深めます。
夜になり、僧が経を読み、亡くなった人の供養をしていると、先ほどの女が武者姿で現れます。女は巴の霊であることを知らせ、主君の義仲と最期を共に出来なかった恨みが執心に残っていると訴えます。そして義仲との合戦の日々や、義仲の最期と自らの身の振り方を克明に描き、執心を弔うよう僧に願って去って行くのでした。
みどころ
戦場を駆ける女武者、というと何とも勇ましい女丈夫のイメージが浮かびます。けれど能のなかで巴は、主君の木曽義仲を一途に慕い、愛し、その真っ直ぐな思いをひたすらに訴える一人の女として描かれます。確かに戦場での鬼神のような強さ、逞しさも見せますが、かえってそれは、巴の深い思いを際立たせます。
前半の静かな始まりと問答によるほのめかしから一転、後半は強吟、弱吟が交錯し、緩急、変化に富む素晴らしい謡が展開されます。そしてシテは決して派手に動かず、多少の立ち回りを除いては目立った舞いもなく、能らしく短く練られた所作を連ねます。そのすべてが、巴の哀しい運命と心情を切々と描き出して、彼女の色々の思いが、濃淡細かく観る者、聴く人の心に迫ります。
不思議なことに、この「巴」という曲は、もちろん心に響く度合いに違いはありますが、練達者のレベルの高い舞台、修業途上の演者の若々しい演技、あるいは素人が懸命に謡う素謡や連吟と、いつどれを見聞きしても泣けます。まして謡を習い、自分で謡えるならば、巴の哀切に身を切られないことはないでしょう。それほどの力のある曲ですから、名手の上手な能に出会う機会があったら、本当に幸せなことです。
▼ 演目STORY PAPER:巴
演目ストーリーの現代語訳、あらすじ、みどころなどをPDFで公開しています。能の公演にお出かけの際は、ぜひプリントアウトしてご活用ください。
pdf[巴:ストーリーPDF:453KB]
巴PDF見本
the能ドットコムの「巴」現代語訳、あらすじ、みどころは、作成にあたって主に右の文献を参照しています。書名をクリックするとリンク先で購入することができます。 | 『日本古典文学大系 謡曲集下』横道萬里雄・表章 校注 岩波書店
『能楽手帖』権藤芳一 著 駸々堂
『能楽ハンドブック』戸井田道三 監修・小林保治 編 三省堂
『能への招待 II』藤城繼夫 文 亀田邦平 写真 わんや書店
『能・狂言事典』西野春雄・羽田昶 編集委員 平凡社
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