自然との対話

一指李承憲@ILCHIjp

瞑想に適した山には周囲によい樹木が多いものです。自分が木を見ているのではなく樹木が自分をみていると思って樹木に集中してみましょう。人と対話をするとき、自分の考えで頭がいっぱいになっていると相手の話はまったく耳に入りません。樹木と交流するときも自分を空っぽにして木を感じてみましょう


http://miyakoshinpo.com/news.cgi?no=8896&continue=on 【「自然と対話」、カママ嶺公園で吟行会】 より

 10月11~13日の日程で開催される市文化協会主催の第8回市民総合文化祭を前に、 同協会文芸部会 (新城美津枝会長) が22日、 カママ嶺公園で市民を対象に俳句吟行会を開いた。 多くの愛好者が参加し、 自然を散策しながら自由な感性で俳句を詠んでいった。 また作品を批評し合う合評会も開き、 それぞれの句に意見を述べ合い俳句力を磨いた。

 吟行会、 合評会は同文化祭のプレイベントに位置付けられ、 俳句の底辺拡大を目的に初めて催された。

 開会式で新城会長は 「ここから見える景色を詠んでたくさんの方が文化祭に作品を応募してほしい」 とあいさつ。 市文化協会の大城裕子会長は 「日本古来のリズムを大切に守り、 自然との対話の中で生まれた言葉で俳句を詠んでほしい」 と呼びかけた。

 はじめに、 市文化協会の佐渡山政子副会長が公園内に点在する句碑、 歌碑について説明。 その後、 参加者らは思いおもいに公園内を散策しながら景色や木々、 花々、 鳥などを観察し、 俳句を詠んでいた。 この日寄せられた句は同文化祭会場に展示される予定。

 同文芸部会では、 市民から短歌、 俳句を募集している。 作品は同文化祭で展示される。 短歌、 俳句とも1人各1点ずつ。 締め切りは29日まで。 下地農村環境改善センター (電話、 FAX0980・76・6708) まで持参、 またはFAXで送信すること。


http://syllabus.sc.kogakuin.ac.jp/syllabus/daigaku/2005/1D31/1420.html 【作家とその世界(Works of Literary Giants)】より

2単位永野 宏志 非常勤講師

<授業のねらい及び具体的な達成目標>

後期のテーマは<俳句とエコロジー>である。

世界を「花鳥風月」の絶えざるモード変換として捉えていた時代の記憶を伝えるジャンルとして、俳句は、情報とモノにイメージを縛り付けられ、消費の渦に巻き込まれる現代の私たちにどう関わるのか。このような問いから、前期のスロー化した俳句世界を前提とし、エコロジーという現代的な課題を、俳句を通じて考えてゆく。

近代に至るまで、人は自然と交渉しながら生きてきた。英語で耕すcultivateという言葉と文化cultureという言葉が同根のように、ヒトが作り出す文化は、自然との対話が必須だった。だが近代以降、機械などの発達により、自然を排除して人間中心の社会が急速に作られるようになる。すると自然との対話は希薄になり、世界はのっぺりした空間で切り分けられ、移り行く世界は固定され、動くものは心理という新たな闇に封じ込められる。

しかし、人間世界から追いやられ、生命としてではなく資源として扱われ、貶められた自然が、環境問題として私たちの前に突きつけられる現代、自然と対話をする技術も、新たに編み出す必要があるのではないだろうか。心理を伝えることが少なく、顔を描くことの苦手な俳句というジャンルが伝えるのは、自然とこの私との交渉、環境との対話、そこに出来する多様な感覚である。

ここから、俳句というツールを用いながら、現代の私たちが自らの身の丈によって、心理という密室空間に閉じこもる近代的時空から抜け出て、モード変換を繰り返す多様な環境世界とこの私を関係付ける技法を身につけるよう一歩踏み出したい。

<授業計画>

第1回~第3回

編集(エディット・モンタージュ)論

俳句は世界の編集であり、われわれが世界と思っているイメージも切り貼りで継ぎはぎの編集であることを俳句表現の知覚と行為から考える。

第4回~第6回 生きた世界の知覚論(1) -天使の知覚-

知覚によって編集される世界の第一のタイプ。視覚を中心とした写真的な表現について、写真と俳句を対比しながら考察する。

第7回~第9回 生きた世界の知覚論(2) -盲者の知覚-

知覚によって編集される世界の第二のタイプ。聴覚と触覚を中心とした追悼イメージの表現について、映画と俳句を対比しながら考察する。

第10回~第12回 生きた世界の知覚論(3) -愚者の知覚-

知覚によって編集される世界の第三のタイプ。五感を混交した転倒する子どもやピエロのイメージについて、映像表現の限界と関連しつつ考察する。

第13回 写生(バイオグラフィー・ライヴ)論

生きた世界を表現するとはどういうことかを、歩くことと近くの関係や世界音楽と関連させて考察する。

<成績評価方法及び水準>

講義は、毎回テーマごと例にした俳句をもとに、後半に、受講生が所定の用紙に俳句を5句以上実作し、その中で優れていると思う俳句に○をつけ、その説明を書いて提出し各回の出席とする。作品の少ない者、書けない者については欠席扱いとする。

その回のテーマに即した俳句を5句以上創作したものを毎回の平常点とし、期末試験では、自作の俳句とその注釈、そしてそれにふさわしい俳画をその場で製作し、両者(毎回の創作俳句と期末試験の俳画)を合計して60点以上の者に単位を認めることとする。講義を欠席した場合は1回につき5点ずつの減点を目安とする。

<教科書>

金子兜太監修『声に出して味わう日本の名俳句100選』(中経出版)

<参考書>

夏石番矢『世界俳句入門』(沖積舎)、水原秋桜子他『カラー図説 日本大歳時記』(講談社)、『KNOTS The Anthology of Southeastern European Haiku Poetry』、松岡正剛『花鳥風月の科学』(中公文庫)、山下一海・川名大編『俳句の本』(朝日出版社)、北川透『詩的レトリック入門』(思潮社)、河本英夫『メタモルフォーゼ』(河出書房新社)、辻信一『スロー・イズ・ビューティフル』(平凡社ライブラリー)、下川耿史編『環境史年表 明治大正』『同 昭和平成』(河出書房新社)

<オフィスアワー>

八王子校舎で、授業終了後10分ほど。

<学生へのメッセージ>

これまでの消費するだけの受身一辺倒の側から、作る側への積極的転換のきっかけとしてもらいたい。

ただ生きることの美しさを実感し、個々の創造/想像力の多様な広がりを養うことを期待する。

<備考>

例年とは異なり、本年度は通年でテーマを深化させながら講義をインタラクティヴに進行してゆく予定なので、可能であれば、前期も併せて履修していただきたい。


https://www.honda.co.jp/kanichi/back_No/kanichi37/essay.html 【自然への挨拶】より

秋の夕暮れどき、倉敷の町を掘割に沿って歩いています。水辺には萩が咲いていて、その花が地面にこぼれおちている。掘割の水にこぼれかかるものもあって、その花びらが透きとおった水面をゆっくりと流れています。

地面にそのまま落ちる萩の姿は美しいですが、風があれば風に、水があれば水にこぼれていく萩の、たおやかでしなやかな様子にも心が打たれます。

萩の花を、俳句ではさまざまに表現します。もつれている姿は「乱れ萩」。花びらが散るさまは「こぼれ萩」。ただ「萩の花」とひとことでは片づけない。季節や自然のうつろいに合わせてこまやかに表現する日本人の感性、繊細さをいいなあと私は思うのです。

そんな日本人の心から生まれた俳句は、自然とは切っても切れないもの。俳句を詠むことは自然への挨拶です。たとえば、私が水を詠むことは水への挨拶。見返りを求めることもなく、私たちに生命の恵みを与えてくれる水に対して、私の句の中で感謝の気持ちをこめて、ありがたさ、美しさをとどめておく。

桜を詠むときも同様です。桜の花が開いているのはわずか2週間ですが、その短い間に、桜は私たちにつかの間の喜びを与えてくれます。そのことに感謝して俳句を詠むことで、桜から私たちへの一方行な関係を双方向に変えることができます。いつかは散ってしまう桜の美しさを17文字という器に移すことで、その命を永遠にとどめておける。300年前に松尾芭蕉が眺めて美しいと思った桜を、今の私たちが見ることはできないけれど、芭蕉の詠んだ俳句の中では、桜の命が次の時代にも生きています。

俳句とは、時空を超えた自然との対話なのだと思います。だから私は「きれいだなあ」と思うもうひとつ向こうにあるものを見ようとします。そして、句を詠ませてもらううた人として、自然に感謝しつつ自然を守っていかなければと思うのです。

まゆずみ まどか

俳人。神奈川県生まれ。1994年『B面の夏』50句で第40回角川俳句奨励賞を受賞。女性だけの俳句結社「月刊ヘップバーン」代表。1999年北スペイン・サンチャゴ巡礼道を踏破したのに続き、2001年8月より韓国釜山からソウルを走破中(「韓国俳句紀行」として読売新聞にて連載中)。

2002年5月、句集『京都の恋』にて第2回山本健吉文学賞受賞。

主な句集に『B面の夏』『花ごろも』。主な著書として

『ら・ら・ら「奥の細道」』『星の旅人』『聖夜の朝』

NHK教育テレビ『ハングル講座』出演中。日韓文化交流会議委員、文化審議会委員なども務めている。


コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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