榠樝の実

https://ameblo.jp/masanori819/entry-12202622308.html  【2016.09.22 一日一季語  榠樝の実 (かりんのみ《くわりんのみ》)】より

榠樝の実(かりんのみ《くわりんのみ》)【秋―植物―晩秋】

くわりんの実越えきし山の風のいろ   原裕

【傍題季語】

花梨の実(かりんのみ《くわりんのみ》)

【季語の本意】

榠樝は中国原産のバラ科の落葉高木です。秋になると長さ一〇~一五センチの楕円形の、黄色い果実をつけのます。完熟したかりんの果実は特有の芳香を有し、咳止めの効果もあることから健康によい果実として知られています。果肉は硬く、酸味と渋味があって生食には適していません。一般的には果実酒やハチミツ漬けなどに利用されています。

【日本への伝来】

かりんの原産地は中国で、古くから薬用や観賞用などとして利用されていました。平安時代までには日本に渡来していたといわれていて、中国と同様に鑑賞や薬用などに利用されていたようです。

中国の書物「本草綱目(1578年頃)」には、かりんの生薬は「榠櫨」の名で、「解酒(酔いさまし)や去痰(痰の除去)に効果がある」と記されています。

古代の中国宮廷の美女たちは花梨の実を衣装箪笥に入れて衣服に香りづけしたという記録もあるそうです。

【効能】

かりんはのどによいといわれていますが、これはかりんに含まれるアミグダリンとうい成分によるものです。アミグダリンは加水分解することでベンズアルデヒドという成分に変化します。このベンズアルデヒドには咳止めや抗炎症などの効果があるとされ、風邪予防やのどの痛みをやわらげる効果が期待できます。

【高級木材】

花梨は木材としても利用価値が高く、やや赤みを帯びた細やかな木目が美しく、堅いので、昔から床柱や高級家具の材料として用いられて来たということです。

【マルメロ】

カリンによく似た果実に「マルメロ」があります。

マルメロは、ヨーロッパではギリシャ・ローマ時代から栽培されていたようです。現在は南ヨーロッパ・アメリカ東部に多く栽培されています。日本には江戸時代前期に渡来したそうで。

両者の違いは、表面を触ってみてすべすべしているのがカリン、産毛があるのがマルメロというのが一番わかりやすい見分け方です。

柑橘類の皮で作る「マーマレード」は、もともとはマルメロの皮から作ったことからその名前がついたそうです。

小野嵐山の「本草綱目啓蒙(1803年頃)」のかりん(榠櫨)の項目には、「酸味と渋みがあって食べにくいので蜜を使ってお菓子にする。これをカセイタという」と記されています。ただしこの「カセイタ」とはかりんではなく、マルメロをつぶして砂糖と一緒に煮詰めたお菓子のことです。


https://parfum-satori.hatenablog.com/entry/chaenomeles_sinensis_1 【カリン(榠樝)か マルメロ】より

先日、生徒さんから、「家の庭にはカリンの木があって、その実をテーブルの上に置いておくとだんだんといい匂いがしてくる」という話を聞いたので、私もやってみようと思って拾いに行った。

寒いけどすっきりと晴れた青空に、ゴツゴツとした果実がたわわに実っている。いつもは地面にごろごろとたくさん転がっているのだが、お正月にきれいに片付けてしまったのか、この日はまったく落ちていない。

ようやく、ちょっと離れたところにひとつ見つけて持って帰った。ちょっといびつな、パパイヤを丸っこくしたような形。

果樹の木って、みているだけで豊かな気分になれるからとても好き。

表面はつるつるしており、手に持つと皮がベタベタする。

匂いはフローラルフルーティではあるが、よく熟れているからだろうか、思いがけずアルデヒドが強く、C-11 lenとか、マンダリンアルデヒドとか、またはローズアルバのような「脂っぽさ」が感じられる。

パクチーのようだというスタッフもいる。

7年前に新宿御苑で香りを嗅いだときは、まだ青い果実だったせいか、違った印象を持ったようだ。この匂いを「洋ナシのような、クリーミーな甘い柔らかいにおい」と表現している。 

植物の「カリン」には2種類あって、異なる漢字をあてる。

バラ科のカリン、榠樝(Pseudocydonia sinensis)と、マメ科のカリン、花梨(Pterocarpus indicus)とがある。

カリン(榠樝)は食用には適さないが、ジャムにしたりシロップに漬けたり、のどの薬として使われる。

また、近縁種にマルメロ(Marmelo)がある。音でわかるように、マーマレードの語源だそうだ。

この花はカリン(榠樝)と思っていたが、葉のへりがギザギザでないので、近縁種のマルメロかもしれない。

しかしその果実は、若いときからうぶ毛がなくてツルツルなので、やっぱりカリンなのかなと、調べるたびに、マルメロとカリンの違いがよくわからなくなってしまう。

名前はマルメロの方が、いかにもこっくりと甘そうな音で可愛い。

一方、マメ科の花梨(かりん)は木材として、高級な家具などに使われる。そういえば気にも留めていなかったが、「カリン材」などという表記を、家具売り場で見た覚えがある。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

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