草木瓜

https://www.city.noda.chiba.jp/shisei/1016739/1016740/kusakoho/kusazukan/1025579.html 【クサボケ(草木瓜)バラ科ボケ属クサボケの図鑑】よります

自生環境 林縁、野原、土手 など  原産地 日本在来

特徴

花木として栽培されるボケと同じ仲間で、見た目もよく似ていますが、れっきとした日本在来の野生種です。比較的日当たりのよい場所に生え、地下茎をのばして横に広がっていくため、しばしば群生します。

樹木ですが、樹高が1メートルを超えることはほとんどありません。また草刈りへの耐性が強く、他の草とともに根もとから刈られたとしても翌春には花を咲かせるほどです。花がとてもきれいで、よい香りのする果実ができますが、枝には鋭い刺があるので、手を出すときは注意が必要です。

花期は春で、枝いっぱいに朱色の花を咲かせます。栽培種のボケとは異なり、色のバリエーションはありませんが、ごくまれに白い花を咲かせたり、八重咲きになったりすることがあります。

クサボケの画像その1。花びらは朱色で5枚。花は春に咲く。

クサボケの画像その2。果実は秋に黄色く熟す。そのままだと硬くて酸っぱい。枝は草のように細いことが多い。枝には刺がある。

クサボケの画像その3。若葉は赤みを帯びる。葉先は丸みを帯びることが多い。葉の根もとに托葉が2枚。托葉。

果実はとても酸っぱい

クサボケの果実は直径3センチメートルほどで、秋になると黄色く熟しフルーティでとても良い香りがします。ただ残念ながら、果肉は硬く、とても酸っぱいため、生食には向きません。その代わり、焼酎や砂糖とともに漬けて果実酒にするととても美味しく、疲労回復にも効果があると言われています。そのこともあり、「しどみ」や「じなし」などと呼ばれ、古くから山菜として親しまれてきました。

市内の分布状況

市内全域に分布しますが、場所は限られます。比較的多いのは利根川や江戸川の堤防です。


https://www.yomeishu.co.jp/genkigenki/crudem/180329/index.html 【生薬ものしり事典67 春に梅のような花が咲く「クサボケ」】より

「和木瓜」の名で知られる生薬

厳しい冬を過ごしてくると、春の訪れが何よりも楽しみになります。この季節に里山を歩いていると、枯草の中に咲いている「クサボケ」の赤い花とよく出会います。通常は地を這うように枝を伸ばしているので、側に近付かないと気が付かない植物ですが、花の時期になると、精いっぱい伸ばした枝に、葉が芽を出すより早く、華麗な梅に似た赤い花が盛り上がるように咲きます。そこだけがまるで「春本番」といった雰囲気をかもし出しているのです。

クサボケは一般の花よりも花付がよいので、最近では鉢植えにしたり、花木、刈込物、生垣などの用途にも使われています。品種改良も進んで、白色の花や、斑入りの花なども生まれています。

クサボケは本州の中南部から九州にかけて、山野に普通に生えているバラ科の落葉小型低木です。茎の下部は横に伏し、高さは30cm前後、とげ状の小枝があり、葉は倒卵形、長さ2.5~5cm、巾1~1.7cmほどで、早春に葉よりも先に赤色の花が開きます。花には雄花と雌花がありますが、時には同じ株に雄花と雌花が付いたり、雌花しか咲かなかったりする株もあります。クサボケの花について飯沼慾斎が著した『草木図説・木部』(1865年)には、「全花と不全花の二つを具するものの如し。然るやまた『本草綱目啓蒙』(1803年)には、雌雄異株の如く説けり」とあるように、昔から雄花と雌花があることが分かっていたようです。

秋になると、花の数ほど実はならないものの、黄色く熟した径3~5cmの球形の果実がなります。果実はほのかなリンゴに似た香りがしますが、酸味が強く、そのまま食べることはできません。クサボケと類似した植物に、中国伝来の「ボケ」がありますが、高さが2mほどに成長し、果実も大型なので簡単に見分けられます。

植物名については、牧野富太郎博士が「日本名は草木瓜、ボケに似て小型の低木なのでクサと名付けた」と述べています。別名には「木瓜」「木桃」「毛介」などがあります。果実の酸味から、「酸梨」の漢字が当てられることもあります。学名はChaenomeles japonica、属名はchaino(開ける)+melon(リンゴ)で、熟した果実に裂け目ができることを意味しています。種小名は日本に産する植物であることを示しています。

クサボケ

クサボケは古くから薬用に使われてきました。青みのある果実を採取し、横切りにして乾燥したものを生薬名「和木瓜」といい、攪乱(かくらん)や暑気あたりに用いられました。また、熟した果実は薬用酒として疲労回復に利用されていました。

食用としては、青い実を塩漬けにしたり、黄色い果実を砂糖漬けにしたりすると、歯触りがよく美味です。

クサボケが詩歌の対象になるのは、明治以降です。

野に這ひて 草木瓜(クサボケ)の花 あかく咲く 昔のままの ふるさとの道

峯村国一

クサボケの花言葉は「一目惚れ」「平凡」「早熟」です。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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