櫓の役割

https://www.touken-world.jp/tips/49171/ 【櫓・門/ホームメイト】

櫓・門

城郭防衛の要となっていた「櫓」(やぐら)や「門」には、先人達の知恵と工夫が詰まっています。櫓と門は切っても切り離せない関係にあり、城の正面玄関となる「大手門」(おおてもん)は、格式と防御力の高さが重要視されていました。江戸時代の城郭には、両脇に石垣を伴い、上層が櫓となった強固な「櫓門」が多く採用されていたことから、その重要性が分かるとのこと。

ここでは、櫓や門が生まれた経緯や、その名称と種類をご紹介します。歴女ならではのこだわりの視点で、個性豊かな櫓・門の隠れた面白さを見付けてみましょう。

櫓とは

城好きな歴女の方なら、「櫓」(やぐら)の発祥にも興味があるのではないでしょうか。

古代より存在した櫓は、主に見張り台として使われ、「曲輪」(くるわ:石垣や堀などで囲まれた城の1区画)の隅や門の周辺などに多く建てられました。

中世までの書物には、射撃をするための建物である「矢倉」、または「矢蔵」と表記されており、「矢を収納しておく倉」や、「矢の座」(やのざ:矢を射るための高い場所)を語源と考える説が有力です。

櫓の種類

平櫓

櫓には「平櫓」(ひらやぐら)、「二重櫓」(にじゅうやぐら)、「三重櫓」(さんじゅうやぐら)があります。家であれば、平屋建、2階建、3階建のイメージです。

一重の平櫓では高さがないため、櫓本来の監視の役割では使えませんが、城壁のない場所において、天守や別の櫓に繋げる壁の代わりとして建てられました。

平櫓の例として、「松江城」(島根県)のように、天守に接続した櫓は「付櫓」(つけやぐら)と言い、「江戸城」(東京都)の「伏見櫓」で見られるように、他の櫓や城門に接続した形式を「続櫓」(つづきやぐら)と言います。

この平櫓が、壁のように長くなったのが「多門櫓」(たもんやぐら:多聞櫓とも書く)です。大和国(現在の奈良県)の戦国大名松永久秀(まつながひさひで)が居城としていた「多聞城」に長屋形式の櫓を建てたことから、その名が付けられたと言われています。

多門櫓は、本丸のまわりや重要な城門に建つ「隅櫓」(すみやぐら)をつなぐ櫓として建てられ、本来土塀である部分を櫓にすることで、戦いのときには兵を配備して防御力を高めるという目的がありました。

多聞櫓にはいくつもの種類があり、続櫓の他にも、天守や隅櫓をつなぐ短い多聞櫓は「渡櫓」(わたりやぐら)、門の上に建てる形式を「櫓門」(やぐらもん)と呼んで区別しています。

二重櫓

近世の城では、土塀越しに敵の様子を窺うにはちょうど良い高さとなるため、二重櫓が主流でした。

普段は武器庫としても使われ、戦いのときには本丸の四隅の櫓にのぼって敵を監視し、矢や鉄砲で攻撃。戦いの多かった時代には、石垣に取り付いて迫る敵に対抗するため、矢や鉄砲を放つための窓や石落としなどを付けた櫓もありました。

これらの櫓にも、天守と同様に、1階または2階の屋根に「入母屋破風」(いりもやはふ)を備えた「望楼型」(ぼうろうがた)と、破風のない「層塔型」(そうとうがた)があり、サイズや形状もバラエティに富み、見た目も様々。

「岡山城」(岡山県)西の丸「西手櫓」では、1階と2階が同じ大きさに積みあがっている「重箱櫓」が見られ、「金沢城」(石川県)では菱型をした「菱櫓」が見られます。

他にも、「大阪城」(大阪府)の「乾櫓」(いぬいやぐら)のように、正面からは大きな櫓が建っているように見えますが実はL字型になった櫓や、「名古屋城」(愛知県)の「東南隅櫓」(とうなんすみやぐら)のように、外からは二重に見えても内部は3階建てになっている櫓まで存在するのです。城好きの歴女の皆さんなら、きっとこの奥深い櫓の世界に魅了されることでしょう。

岡山城

刀剣や甲冑(鎧兜)を観ることができる城郭を地域別に検索できます。

大阪城

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三重櫓

櫓のなかでも最大で最高格式とされているのは、「御三階」(ごさんがい)とも呼ばれる三重櫓です。三重櫓は、焼失などによって天守のなくなった城において、天守の代用のために建てられました。

なぜ天守の代わりに、天守のような櫓を設けることにしたのでしょうか。それは、1615年(元和元年)に「武家諸法度」によって、天守の新築や建物の修繕などが細かく制約されるようになったからです。各地の大名は、その厳しい規制をかいくぐるために、天守風の大きな櫓を作りました。

この様式は、「弘前城」(青森県)をはじめ、「江戸城富士見櫓」、徳川時代の「大坂城」、「姫路城」(兵庫県)、「福山城」(広島県)、「高松城」(香川県)、「熊本城」(熊本県)、岡山城などで見られます。

明石城 巽櫓

全国に現存している櫓は約100棟。大きな城であればひとつの城につき60~80棟もの櫓があったとのことですから、そのバラエティの豊富さに納得できます。それでは、これだけ多くの櫓をどのように呼び、区別していたのでしょうか。

曲輪の角を利用して建てられた櫓を「隅櫓」と言いますが、隅櫓には「十干十二支」(じっかんじゅうにし)で表す「二十四方位」にちなんだ名前が付けられました。

例えば、現存する櫓では、弘前城の二の丸「辰巳櫓」(たつみやぐら)、「未申櫓」(ひつじさるやぐら)、「丑寅櫓」(うしとらやぐら)、「明石城」(兵庫県)の「巽櫓」(たつみやぐら)、「坤櫓」(ひつじさるやぐら)など。東西南北の方位(十六方位)で表した、「二条城」(京都府)の東南隅櫓、「西南隅櫓」、名古屋城の西南隅櫓、東南隅櫓、「西北隅櫓」などもあります。

または、「いノ櫓」、「ろノ櫓」や、「一番櫓」、「二番櫓」といった呼び方など、分かりやすく番号をふる場合もありました。

他にも「虎櫓」、「狸櫓」といった動物の名前、「日比谷櫓」、「備中櫓」など地名を付けた櫓もあり、「伏見城」(京都府)から移築されたと言われる江戸城の伏見櫓のように起源を名前にする場合もあります。櫓は倉庫としても使われていましたが、「鉄砲櫓」、「煙硝櫓」(えんしょうやぐら)、「具足櫓」(ぐそくやぐら)、「塩櫓」(しおやぐら)、「干飯櫓」(ほしいやぐら)など、貯蔵した物の名前が付くこともあったのです。

特別な呼び方をする櫓としては、太鼓や鐘を撞き時刻を知らせた「太鼓櫓」(鐘櫓)、参陣する兵を大将が見る「着到櫓」(ちゃくとうやぐら)、海を監視するための「潮見櫓」、籠城するときに兵のための台所となる「台所櫓」、風流人の城主が季節を愛でるために設けた「月見櫓」、「涼櫓」(すずみやぐら)など、挙げれば切りがありません。

さらには、織田信長が「千貫の褒美を与えてでも攻め落としたい」と望んだことから名付けられたと言われる大阪城の「千貫櫓」(せんがんやぐら)など、櫓の名前ひとつを取っても、自由に付けていたことが分かります。

(略)


https://heisei-ikai.or.jp/column/defense-mechanism/ 【ストレスから心を守る防衛機制とは?心の成熟度に合わせた4種類を紹介】より

https://www.youtube.com/watch?v=5BcBIBKBf3M

防衛機制とは、ストレスに対処するための無意識的な心の働きです。

ストレスから自分を守り、心身のバランスを保つものであり、さまざまな種類があります。しかし、防衛機制は不健康的なパターンから成熟したものまでがあり、心の成熟度によって異なります。

成熟した防衛機制を活用していくことで、柔軟にストレスに対処できるようになるでしょう。

今回は、ストレスマネジメントにも有効な防衛機制の考え方について解説します。リワークでも重要なストレス対処の方法について理解し、ストレス対応力をアップさせましょう。

防衛機制とは?

防衛機制とは、不快な感情を弱めたり、避けたりすることで精神的な安定を保つ心の働きのことです。

不快な感情には、不安や憂うつ感、罪悪感や恥などの自分にとって受け入れがたい感情が含まれます。

「○○したい」という欲求があっても、いつでも叶えられるとは限りません。

例えば、「仕事で認められたい」と思い、必死に働いたのに、他の同僚の方が評価がよかったとします。

頑張った自分を恥ずかしく思ってしまうかもしれませんし、同僚を疎ましく感じることもあるでしょう。

そういった受け入れがたい気持ちに直面することを避けて、「ろくな会社じゃない」と合理化したり、無理に忘れようとしたりするのが防衛機制です。

ストレス対処と防衛機制の関係性は?

ストレス対処と防衛機制の関係性は?

防衛機制は、傷付いた心を安定させる働きがあり、誰にでも認められます。

しかし、特定の防衛機制が何度も繰り返し用いられると、メンタル不調につながりやすい性格が形成されることがあります。

ただ、防衛機制は無意識的に用いているものなので、あまり意識されません。そのため、ストレス対処においては、自分がどのような防衛機制を用いているかを理解することが大切なのです。

防衛機制の種類とは?

防衛機制はいくつものパターンがありますが、アメリカの心理学者であるジョージ・E・ヴァイラントにより、以下の4つに分類されています。

病理的防衛  未熟な防衛  神経症的防衛   成熟した防衛

上記の4つの段階は、心の成熟度によって活用する防衛機制が発達していくことをあらわしています。

①~③の段階は、繰り返し用いるとメンタル不調や対人関係上のトラブルにつながりやすい防衛機制です。

④の成熟した防衛機制は、豊かな人生を送るために意識的に行うものです。

ストレスに柔軟に対処するためには、①~③に挙げられるような不健康的な防衛機制のパターンに気づくことが大切といえます。

そして、④の成熟したパターンを意識的に用いていくとよいでしょう。

①~③を不健康的なパターン、④を成熟したパターンとして、防衛機制の種類を解説します。

不健康的な防衛機制:3つの段階がある

不健康的な防衛機制は、3つの段階があり、下の段階であるほど、子どもっぽい反応の仕方であるといえます。それぞれの防衛機制について解説します。

病理的防衛

病理的防衛は、最も未熟な防衛機制であり、5歳以下の子どもによくみられるようなパターンです。一例としては、以下のような防衛機制があります。

病理的防衛の一例

防衛機制 説明 具体例

否認 受け入れがたい事実に心を閉ざしてなかったことにする アルコールに依存しているのに「自分は病気ではない」と受け入れない

分裂・理想化 良いところ、もしくは悪いところしか見ないようにする 短所がいくつもあるのに「あの人は欠点のない自分の理想の人だ」と言う

躁的防衛 ネガティブな気持ちを感じないよう、過度に明るく振る舞ったり、攻撃的になったりする 大切な人が亡くなったとき、無理やり仕事を入れて考えないようにする

未熟な防衛

未熟な防衛は、15歳ごろまでにみられる防衛機制です。短期的には苦しい気持ちを和らげるものですが、繰り返し用いると対人関係上のトラブルにつながる可能性があります。

未熟な防衛の一例

防衛機制 説明 具体例

退行 受け入れがたい状況に直面したときに、前の発達段階に戻り幼い対応をする 失恋のショックから部屋に閉じこもる、泣きじゃくって取り乱すなど子どもっぽい対応をする

投影 受け入れがたい自分の気持ちを、他人が持っているものとする 実際は自分が避けているのに「あの人は自分が嫌いで避けている」と考える

解離 ネガティブな記憶が一時的に抜けてしまう パートナーと喧嘩したときの記憶があまりない

神経症的防衛

神経症的防衛は、大人になっても比較的よくみられる防衛機制で、生活に支障を及ぼさないことも多いでしょう。

しかし、繰り返し用いられると無意識的にストレスをためてしまったり、問題を避けてしまったりすることがあります。

神経症的防衛の一例

防衛機制 説明 具体例

抑圧 受け入れがたい気持ちを忘れる いじめやパワハラの経験を具体的には覚えていない

反動形成 ストレスを受けている方向とは逆方向の行動や態度を取る 実際は嫌いなのに、「○○さんは理想の上司だ」と言う

合理化 ネガティブな状況に理由をつけて気持ちを落ち着かせる 他人が優遇されているのを見て「こんなところで認められても意味がない」と開き直る

ストレス解消に役立つ「成熟した防衛機制」

成熟した防衛機制は、豊かな人生を送るために、ストレス状況に対処していくものです。

受け入れがたい感情を無意識的に避けるのではなく、感情を感じながら意識的に対処していくことが特徴だといえます。

成熟した防衛の一例

防衛機制 説明 具体例

抑制 ネガティブな感情や考えが生じていることを感じながら、それを抑制して目の前の状況に対応する プレゼンで緊張して「失敗したらどうしよう」と不安になるが、資料の説明に全力を尽くす

昇華 怒りや不安などのネガティブな感情や欲求を社会的に認められやすい形に変える 嫌いな人への怒りをエネルギーにして仕事に精を出す

先取り 将来を見越して先に対策を打っておく 「どこかで失敗するものだろう」と考えておく

働く上で防衛機制をうまく活かすには

防衛機制

防衛機制の種類をいくつか紹介しましたが、働く上ではどのようなところに役立つのでしょうか。

自分のストレス対処パターンに気づく

防衛機制を理解することで、自分のストレス対処パターンに気付けます。

防衛機制で生じる対処は、多くは無意識的なものです。知らないまま繰り返し用いることで心身のバランスを崩す原因となってしまうことがあります。

ストレスにつながるような対処パターンを繰り返し用いていないか、チェックすることが大切です。

防衛機制を意識するときに重要なのが、「成熟度」です。

神経症的防衛の「抑圧」と成熟した防衛の「抑制」は、受け入れがたい感情を感じないようにするという点では似ています。

しかし、抑制は感情を感じつつもとらわれない態度でいるのに対し、抑圧は無理に感じないようにするという違いがあります。

嫌な出来事に直面したときの対処として、どちらを用いているかを一度振り返って考えてみましょう。

対人関係上のトラブルを分析できる

防衛機制を理解すると、対人関係上のトラブルを分析するために役立ちます。

相手から過剰な怒りをぶつけられるとき、病理的防衛や未熟な防衛によって生じている行動という場合があります。

叱責されたり、敵意を向けられたりすると、「自分が悪いのでは…」と自信を失ってしまいかねません。

防衛機制の働きで生じているかもしれないと考えると、自分のせいではないと思えることが増えるでしょう。

例えば、忙しくしている上司が仕事の遅い部下に対して過度に叱責する場合、「投影」が働いている可能性があります。

「忙しくても文句を言わずに頑張っているのに、部下ときたら…」と感じ、過度に怒ってしまうのです。

忙しいことに対する怒りを「管理職なのだから」と感じないようにして、部下の方へ移し替えているのだといえるでしょう。

このように、防衛機制の働きを理解しておくと、周囲から過度に怒られたり、敵意を向けられたりする理由が分かりやすくなります。

防衛機制は自分の心を守るためのプロセス

防衛機制は、ストレス状況に対して心の安定を守るための無意識的なプロセスです。無意識的に繰り返し用いていると、生活の中で何らかの支障が及ぶ場合があるため、どの防衛機制を用いているかに気付いておくことが大切です。

無意識的なストレス対処パターンに気付き、健康な防衛機制に置き換えて、ストレスを軽減していきましょう。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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