Facebook玉井 昭彦さん投稿記事
10万人が一夜にして焼殺された東京大空襲は80年前の3月10日でした。
〈いつせいに柱の燃ゆる都かな〉 三橋敏雄
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(斜影の森から:46)幾多の都市に刻まれた「炎の記憶」 福島申二
没して10年になる作家の野坂昭如さんに「『終戦日記』を読む」という一冊があって、広島原爆のもたらした惨状を誌したこんなくだりがある。
〈軍港呉市は、爆風で屋根瓦がずり落ちた程度だったが、只ならぬ状況に、陸軍の中隊が斥候を出し、夕刻帰りついた兵士は、ただ一言、「広島、ありません」と報告。上官になぐられている〉
一つの都市が灰燼に帰したすさまじい破壊。それが凝縮された「広島、ありません」の一言は、木訥ゆえに真に迫って忘れがたい。兵士の動転と、報告を聞いた上官の狼狽が目に浮かぶ。
そんな言葉を先ごろ、破壊し尽くされたガザの上空からの映像を見て、痛く思い起こした。容赦ない空爆の果てに、かつての街は一面のがれきで灰色に平たくなっていた(トランプ氏はそれを「解体現場」と言ったが)。
思えば20世紀このかた、人は空からの非人道を幾たび繰り返してきただろう。炎の記憶は世界の幾多の都市に刻まれている。80年前の今頃には敗色濃い日本とドイツへの激しい空爆があった。3月には東京が灼かれ、先立つ2月には古都ドレスデンが炎上した。
空爆下のドレスデンに、若き日の米作家カート・ヴォネガットが捕虜兵としていたことは、よく知られている。
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〈わたし自身、たくさんの女生徒が給水塔のなかで生きたままゆでられ、死んだのを見ていますが、それはわたしの同国人――悪と戦っていることを誇りにしていた人びとの手で、行われたものなのです〉
ヴォネガットの代表作の一つ「スローターハウス5」(伊藤典夫訳)の中で、作家自身を投影した主人公が語るドレスデン空襲の体験である。
ヴォネガットら捕虜兵は深い地下室にいて生き延びた。やっと地上に出ると〈そこに見るドレスデンは、鉱物以外に何もない月の表面を思わせた〉。彼らは遺体の収容を命じられる。
小説はSF的な衣装をまとう。奔放で軽妙な語り口に重い底意を潜ませた稀有な戦争文学である。〈フランク・シナトラやジョン・ウェインが出てくる小説にはしない〉の言葉どおりヒロイズムは徹底して退けられている。
同名の映画は1972年、名匠ジョージ・ロイ・ヒル監督の下でつくられた。「明日に向って撃て!」や「スティング」を手がけた人だ。小説にほぼ忠実に、ストーリーの推進力をあえて消すかのように挿話を交錯させる。いわば「反・物語」であり、そうすることでヒューマニズムとは到底相いれぬ戦争の諸相を抑制的に表していく。
「戦争のむなしさ」を奏でる低い音は、しかしはっきり聞こえてくる。
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上空の攻撃者に勲功をもたらし、地上の市民には周到に計算された死をもたらす。都市爆撃の冷酷を、廃墟に立ったヴォネガットは小説にこう書く。
〈この市にいた人間は何者であろうと、すべて死を受容すべきだったのであり、いまそこに動くものは本来の計画の小さな手抜かりでしかないということだ〉。まさに真を突いている。
たとえば米軍は、日本への空襲に先だって、ヒノキに似た建材を用意して家具や畳まで忠実に再現した長屋街を造り、木材の含水率や雨戸の開閉まで調整して攻撃実験を行ったという。
〈いつせいに柱の燃ゆる都かな〉
これは東京大空襲を詠んだとされる俳人三橋敏雄の代表句である。炎に巻かれて一夜で10万もの人が落命した。
第2次大戦、ベトナム戦争といった惨事をへて、21世紀は無人機やミサイルが殺意を運ぶ。倫理を押しやるように、「ピンポイント」をまやかしの免罪符として、遠くから破壊し殺傷する技術ばかりが鋭利になっている。武器を研いでは戦を繰り返し、殺したり殺されたりする用に人をあててきた歴史と、人はいつか決別できるだろうか。
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ふくしましんじ 元朝日新聞編集委員。2007~16年に天声人語を執筆。
https://ooikomon.blogspot.com/2021/08/blog-post_11.html 【三橋敏雄「いつせいに柱の燃ゆる都かな」(増補新装版『証言・昭和の俳句』より)・・・】
黒田杏子編『増補新装版 証言・昭和の俳句』(コールサック社)、その黒田杏子「増補新装版あとがき」に、
およそ20年前に出ました角川選書『証言・昭和の俳句』(上・下巻)は好評を博しました。「俳句」に連載された13名のロングインタビューをまとめたもの。(中略)
このたびの増補新装版にはあらたに現在この国の第一線でご活躍中の皆様から書き下ろし四千字の玉稿を頂いております。
とある。その活躍中の人とは、五十嵐秀彦・井口時男・宇多喜代子・恩田侑布子・神野紗希・齋藤愼爾・坂本宮尾・下重曉子・関悦史・高野ムツオ・筑紫磐井・対馬康子・寺井谷子・中野利子・夏井いつき・仁平勝・星野高士・山下知津子・横澤放川の20名である。当時の「俳句」編集長は海野謙四郎。この新たに書き下ろされた論考には、時代のながれた分だけ、見通しの良くなった部分もある。さしずめ、ほぼ20歳下の関悦史「グランドホテルのまぼろし」では、「グランドホテルは消えた。/その間際の光芒として本書は残されたのである」と結んでいる。ここでは、仁平勝「少年と老人の文学ー三橋敏雄について」で、愚生を登場させていただいているので、引用するが、あらためて、仁平勝の記憶力に脱帽している。
あるとき私と大井恒行が国立の「ロージナ」という喫茶店にいたら、そこに三橋さんが高屋窓秋さんと一緒に入ってきた(三橋さんがまだ八王子に住んでいるころで、高屋さんは国立に住んでいた)。私たちは立ち上がって挨拶し、三橋さんも軽く会釈されて奥のほうの席に着いたが、やがて三橋さんたちが先に店を出て行った。するとしばらして三橋さんから「ロージナ」に電話があり、私たちは近くの居酒屋に呼ばれたのである。
愚生が覚えているのはここまでで、以下は、仁平勝の言である。
(中略)そこで話した内容を二つほど覚えている。一つは自慢話になるが、私はすこし前に「俳句研究」で、そのころ発表された〈戦争と畳の上の団扇かな〉の句を採り上げ、「畳の上の団扇」という日常の風景にリアルな「戦争」の像がある。といった評を書いていた(初めて総合誌に書いた文章である)。それを三橋さんが「あの句を正しく読んでもらえた」と褒めてくれたのである。
もう一つは、三橋さんが私たちにいろいろ俳句の話をしながら、「俳句は少年と老人の文学だよ」と言ったことだ。私も大井恒行も三十代半ばだったから、「じゃあ、我々はどうしたらいいんですか?」とツッコミを入れたように記憶しているが、この言葉は印象に残った。
とある。もう一か所、「俳句空間」(1992年2月号、特集・西東三鬼のいる風景)で三橋敏雄インタビューを仁平勝にお願いしている部分がある。じつは、「俳句空間」(弘栄堂書店版)では「さらば、昭和俳句」(1989年、平成元年・第8号)で三橋敏雄インタビュー(阿部鬼九男)では「戦中俳句」について聞いている。この「「さらば昭和俳句」のインタビューは、他に、阿波野青畝「昭和初期のホトトギス」(聞き手・宇多喜代子)・古沢太穂「プロレタリア俳句」(聞き手・谷山花猿)・金子兜太「社会性俳句~前衛俳句」・(聞き手・夏石番矢)を行っている。つまり、そののち、ほぼ14年を経て、証言・昭和俳句のインタビューは実現している。その内容の重厚さでは、質量とも角川「俳句」のものであることは止むを得ない。
ともあれ、以下に、本書収載の一人一句を挙げておこう。
ひとづまにゑんどうやはらかく煮えぬ 桂 信子
暗闇の眼玉濡らさず泳ぐなり 鈴木六林男
甚平や一誌持たねば仰がれず 草間時彦
湾曲し火傷し爆心地のマラソン 金子兜太
成人の日をくろがねのラッセル車 成田千空
心太みじかき箸を使ひけり 古舘曹人
虹二重神も恋愛したまへり 津田清子
白蓮白シャツ彼我ひるがえり内灘へ 古沢太穂
塩田に百日筋目つけ通し 沢木欣一
ひばり野に父なる額うちわられ 佐藤鬼房
凧なにもて死なむあがるべし 中村苑子
母の忌の花火いくつも上がりけり 深見けん二
あやまちはくりかへします秋の暮 三橋敏雄
Facebook清水 正博さん投稿記事
サラ・シャンティ通信 2025年3月号 建国以来250年ぶりのトランプ革命
今まで生きていて良かった事が起こりました。トランプ氏が大統領になったおかげで、これから4年間で世界がどう変わるかを見て楽しめるからです。アメリカによる中南米植民地支配の悪行を知って反米になり、イルミナティやDS、CIAによる世界支配を見てきた私にとって、アメリカの悪行を終わらそうとするトランプ氏が、2度の暗殺未遂を生き延びて大統領選を勝利した事は嬉しい事でした。そして初日から大量の大統領令に署名し、バイデン前政権の政策の大転換を行ないました。
二人のケネディの暗殺、キング牧師やマルコムXの暗殺など犯人探しが行われない変な国でしたが、その事も明らかにされそうです。 日本もマスコミが安倍元首相の暗殺の黒幕について詳しく報道しないのも同じ裏があるのでしょう。ウクライナやパレスチナでの戦争が絶えないのもアメリカの民主党政権は軍事産業と深い関わりがあるからと云われています。医療についても「アメリカ人は長い間、公衆衛生の欺瞞、誤報、偽情報を拡散してきた食品産業複合体と製薬会社に押しつぶされてきた」とトランプ氏は云っています。
911の4機の飛行機がハイジャックされての同時多発テロによる高層ビル破壊はイスラム過激派が起こしたことだと世界中の人は信じていますが、トランプ氏も自作自演だと云っていたそうです。私は事故直後からイスラム諸国との対立を起こすための自作自演だと思いましたので、友人のきくちゆみさんが翻訳した自作自演説の本やDVDの販売を手伝い、911真相究明講演会を何度も開催しました。 今でも資料として持っていますので、興味の ある方にお貸しします。
その後アメリカはアフガニスタンやイラクをテロ支援国として攻め込んで大量の殺人を行い、現在もウクライナやパレスチナに係っています。戦後の日本の文化を破壊するGHQのマッカーサーによる支配の中の3S政策にどっぷり洗脳されていた私は、1966年にメキシコへ行くまでフォークソングやカントリーウエスタンのクラブ活動に夢中でアメリカ大好きだったのです。ところが帰国後はアメリカ大嫌いになりキューバの支援活動をするほど反米になったのです。でも世界や社会を見る目が変わり、人生に大変役立っているのですから面白いものです。
100年以上も世界を支配してきたイルミナティDSの存在を暴露し、アメリカ人や世界の人を目覚めさせた反グローバリストのトランプ氏は、選挙を圧勝して大革命を成し遂げようとする歴史的な英雄ですから、面白い時代になりそうです。アメリカを変えようとするトランプ氏の登場で、ウクライナやパレスチナ問題もあっさり解決しようとしていますし、イーロンマスクやRFケネディJrのような過激な保守的価値観を持った実行力のある人達を大臣に採用して大改革を始めていますが、日本の政治家もマスコミも変わらざるを得ない影響を受けることになりそうです。
しかし、こうした事を理解できないアメリカの国民にはトランプは気が狂っているという宣伝を信じる人も多いようですからトランプ氏暗殺はまだ起こるかもしれません。そして民主党が復活して、DSの支配が復活する可能性があるのです。日本でも医療を信じて疑わない人たちが8割近くいてワクチンを打ち、製薬会社がその代金をDSに支払っているという現実を変えてほしいですね。
人間には自然治癒力があり、どんな病気も自分で治せると信じていますから、切断した指を再生し、肺気腫から腰や膝の痛み、アキレス腱炎なども自分で治してきました。トライアスロンや杖道、修験道、瞑想など般若心経を唱えながらしてきたことが自然治癒力を引きだす力になったのだと思っています。内海聡の「医学不要論」もありますし、五木寛之や天台宗や禅宗のお坊さんのように医者に行かない人は沢山いますので、病院や医療とは上手に付き合って行きたいものです。
追伸:神谷さんの参政党CGSの対談「突き進むトランプ政権 アメリカに起こる「革命」|ロバート・D・エルドリッヂ」をご覧ください。建国以来250年ぶりの大改革だとする面白いお話で、聞いていて良い時代が来そうだとおもいました。
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