https://weathernews.jp/s/topics/202304/270225/ 【モンシロチョウやアゲハチョウ、春と夏で模様や大きさが変わる?】より
季節が春から初夏へ向かい、道端に咲く花の数が多くなると、チョウを見かける機会が増えてきます。今年もお天気のいい日は外に出て、モンシロチョウやアゲハチョウに出会いたいですね。
ところで、身近なチョウであるモンシロチョウやアゲハチョウは、春と夏で見た目が違うことをご存知ですか? なぜそうなるのか、チョウの生態に詳しい大阪市立自然史博物館の学芸員、長田庸平(おさだ・ようへい)さんに伺いました。
チョウとはどんな生き物なのか?
チョウ(蝶)とガ(蛾)は同類だと聞いたことがありますが、あらためてチョウとはどんな生き物なのでしょうか。
「チョウは、ガと同じ鱗翅目(りんしもく)の昆虫です。鱗翅目は、翅(はね)に鱗粉(りんぷん)があり、成虫は口吻(こうふん)を持ちます。口吻は花の蜜や樹液を吸うための管のようなものです。ほとんどのチョウが口吻を持っているのに対し、ガには口吻を持たないものもあります。
数としてはチョウよりもガのほうが圧倒的に多く、ほとんど草食性ですが、肉食性の種もいます」(長田さん)
チョウの1年の生活は?
モンシロチョウやアゲハチョウの、1年の生活はどうなっているのでしょうか。
「チョウは、卵→幼虫→サナギ→成虫という完全変態を繰り返し、この一連のまとまりを一世代と呼びます。
モンシロチョウやアゲハチョウの場合、春型は4~5月に産卵し、卵が孵化(ふか)して成虫に羽化(うか)するまで1ヵ月ほどかかります。羽化とは、サナギから成虫になって飛び立つことです。
秋に産卵された卵は、孵化したら晩秋にサナギにまで成長し、サナギのまま翌春まで越冬します」(長田さん)
いつ産卵されるかによって、すぐにチョウになるか、サナギのまま越冬するかが決まるのですね。1年でどのくらい世代を繰り返すのでしょうか?
「サナギで越冬する期間を含めて、モンシロチョウやアゲハチョウは年に3~4回ほど世代を繰り返します。かなり、成長のスピードが速いといえるでしょう」(長田さん)
チョウの春型と夏型の違い
チョウは春と夏以降で見た目が違うそうですが、どう違うのでしょうか。
「春型は、越冬世代です。越冬したサナギが羽化して飛び立つのが春なので、春型と呼ばれます。夏型は、越冬しません。一連の変態を経て夏のうちに飛び立つので、夏型と呼ばれます。
春型のチョウと夏型のチョウは、見た目が違います。大まかに言うと、春型は小型で明るい色、夏型は大型で黒っぽい色、という違いです。
モンシロチョウの春型は小型で黒い紋が小さく、ほとんど黒い紋がない成虫もいます。夏型はより大型で、黒い紋がはっきりしています。アゲハチョウも春型は小型で、色彩は明るめです。それが夏型になると大型で黒い部分が目立つようになります」(長田さん)
今頃見られるチョウは春型、初夏以降に見られるチョウは夏型、ということになります。
散歩のときなどに、大きさや色合いがどれくらい違うか、観察してみるのもおもしろいかもしれません。
https://blog.goo.ne.jp/k514/e/219e933e3361539784b379200fd3a530 【短い命を精一杯生きる 小さな虫・夏の蝶(成蝶) のいろいろ】より
日本人の平均寿命(2021現在) は、男性82歳・女性88歳で 男女合わせた平均寿命は 85歳ぐらいと言われる。国や地域によって、平均寿命には大きな差異がある。その国や地域の風土、気候や食事などと生活様式の違いによるのかも知れません。
我々 人間の寿命は、他の動物たちに比べ長い方なのかも知れませんが、小さな生きものの虫や蝶の寿命(成虫の一生)は、概ね相当短いと思われます。虫や蝶の命(一生) を、卵、幼虫、蛹でいる期間を別にして成虫でいる期間を その虫たちの寿命として、その代表”蝶”を見てみたい。
よく見られるアゲハ蝶類や 主に夏季に見られる国蝶のオオムラサキは、サイズ的には”大型”蝶ですが、夏蝶の多くは 小さな体のものが多い。ミドリシジミやゴマシジミなどのいわゆるシジミチョウ類やヒカゲ蝶類など。モンキチョウやウスバキチョウおよびヒョウモンチョウなども 夏に多く見られます。
夏の蝶たちの寿命は、押なべて一ヵ月。カラスアゲハやクロアゲハなども、夏に生まれて夏のうちに死ぬ、春のモンシロチョウなどの命も大体2~3週間だが、テングチョウやタテハ蝶類や渡り蝶のアサギマダラなどの寿命は、4~6カ月位と長い。
長命の代表 渡り蝶のヒメアカタテハは、例えば成蝶になったアフリカはモロッコからフランスやイギリスあたりまで、1~2ヵかけて500km~1000km 渡る。
わが国に多いアサギマダラも一ヵ月500km ほど移動飛翔し 食草にありつく。
このアサギマダラの食草(成蝶)は フジバカマやヒヨドリバナやスナビキソウ。ヒメアカタテハなどタテハ系の蝶類の食草は 薬草(ハーブ)系の花蜜を食する。
小さな蝶たちよ! 夏を精一杯生きてくれ!・・・ガンバレ! 明日は 山の日。
http://egarasuhaiku.blog.fc2.com/blog-entry-528.html 【夏の蝶】より
野に在りて詠まむ 命のほのほ在りて 詠まむとす 夏の蝶は、そよ風に吹かれるまま舞っている。そのように見える、のである。蝶にとっては、灼熱の世界なのであろう。
真っ向からの陽射しも、直撃して来る暑さも・・・しかして避けようも無いこの世の無常も。
夏の蝶は、一手に引き受けている。きっと、韃靼海峡を渡るよりも厳しい生き様なのだ。
夏の蝶は、群れない。ほぼほぼ一頭で、舞う。時に二頭で、パドドゥを舞う事もある。
灼熱の、バレリーナと讃えておきたい。
煉獄にあって、だがしかし夏の蝶は生き抜いてゆく。
夏の蝶 風にのり灼熱の中夏の蝶 荒 野人
https://sectpoclit.com/natsunocho/ 【【夏の季語=三夏(5月~7月)】夏の蝶】より
「夏蝶」ともいう。「揚羽蝶」「黒揚羽」など。
「梅雨」の時期の蝶は「梅雨の蝶」「梅雨蝶」と呼び分ける。
単に「蝶」と呼べば春の季語。秋なら「秋の蝶」、冬ならば「冬の蝶」となる。
【夏の蝶(上五)】
夏の蝶一路緑樹に御苑かな 松根東洋城
夏の蝶日かげ日なたと飛びにけり 高浜虚子
【夏の蝶(下五)】
山の子に翅きしきしと夏の蝶 秋元不死男
礎石よりけぶらひ立てつ夏の蝶 原裕
【その他】
乱心のごとき真夏の蝶を見よ 阿波野青畝
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