Facebook永田 満徳俳句大学投句欄さん投稿記事
依田さんのお天気検定! 〜 11月29日=いい肉の日 〜
※朝日放送(全国版)の「依田さんのお天気検定」で、11月29日=いい肉の日に因んだ【肉】の問題。
そこで、けさは、こんな問題です。
Q、日本俳句協会が認める「きごさい歳時記」には春夏秋冬の季語が分類されています。
次の肉に関する言葉の内、冬の季語はどれでしょう?
焼肉 と思う方は… 青
焼鳥 と思う方は… 赤
焼豚 と思う方は… 緑
※「一般社団法人 日本俳句協会」がお墨付きを与える立場で放送されました。
日本俳句協会副会長・理事 永田満徳
なぜ俳句大学のお墨付きではないのでしょう?
https://blog.goo.ne.jp/mitunori_n/e/d812e9ccddefd52ed96cfaf08fc0aa7c 【これまでの国際俳句についての試み!】より
これまでの国際俳句についての試み!
◆Facebookグループの「Haiku Column」(俳句大学国際俳句学部投句欄)投句された「Today' KIGO」から言えることは「常識は守ることではなく、破ることである」ということである。
◆KIGO(季語)は日本独特なもので、季節のない国の人々が、KIGO(季語)のあるHAIKUを創ることは困難だという常識は覆りつつあり、季節のない国からも「KIGOのあるHAIKU」が多く投句されてきており、俳句は「KIGOの詩」という認識が世界で広まっている。
【国際俳句の試み】本題
俳句大学国際俳句学部では、2015年10月に国際俳句交流のFacebookグループ「Haiku Column」を立ち上げ、私は代表として、また、向瀬美音氏は主宰として「Haiku Column」を管理している。
現在、参加メンバーは2023年9月27日現在、3059人を越え、一日の投句数も100句に及ぶ。瞬時に交流できるFacebookという国際情報ネットワークの恩恵を受けているのも特色である。国籍もフランス、イタリア、イギリス、ルーマニア、ハンガリー、チュニジア、アルジェリア、モロッコ、アメリア、インドネシア、中国、台湾と多様である。使われている言語は三ヶ国語で、フランス語、イタリア語は向瀬氏、英語は中野千秋氏が翻訳を担当している。
人種、国籍を問わず投句を受け入れていることから、その「人道主義的」スタンスが広く支持されており、HAIKUによる国際文化交流が国際平和に繋がることを痛感する毎日である。
⚫️国際俳句改革の必要性
俳句は日本の伝統的な詩の一つである。今では世界各地域の言語文化という場で世界化し、また、進化している国際的な文学形式である。現代の世界俳句では、三行書きで、無季(自由季)のHAIKUが優勢であることは否定しようがない事実である。しかし、俳句実作者の立場からすると、俳句の型と本質から外れているように思われる。
それは、三行書きにしただけの俳句は形式のみで、三行詩(散文詩)的なHAIKUが標準になっていることがあげられる。HAIKUは三行書きなりという定型意識が強い。それは俳句の型と俳句の特性に対する共通認識が形成されていないからであるからです。
そこで、世界に通用する「HAIKUとは何か」を明確にするために、「Haiku Column」において、俳句の本質であり、かつ型である「切れ」と「取合せ」を取り入れた「二行俳句」を提唱した。
①〔7つの俳句の規則〕
取組み:まず、「切れ」と「取合せ」を基本とした「7つの俳句の規則」〔7rules of Haiku〕を例句とともに提示した。
〔国際俳句の「7つの規則」〕〔向瀬美音訳〕
1.【取り合わせ】 【TORIAWASE】
〔例句〕永田満徳 〔Example〕Mitsunori Nagata
春近し near spring
HAIKU講座は二ヵ国語 lecture of HAIKU in two linguages
2.【切れ】 【only one cut】
〔例句〕永田満徳 〔Example〕Mitsunori Nagata
オートバイ motorbyke on an autumnal path
落葉の道を広げたる whirlwind of dead leaves
3.【季語】 【season word(KIGO)】
〔例句〕永田満徳 〔Example〕Mitsunori Nagata
百夜より一夜尊し one night more precious than hundred nighat
クリスマス christmas
4.【今を読む・瞬間を切り取る】【catch the monent, tell now】
〔例句〕永田満徳 〔Example〕Mitsunori Nagata
春の雷 spring thunder
小言のやうに鳴り始む beginning like scording
5.【具体的な物に託す】 【use the concrete object】
〔例句〕永田満徳 〔Example〕Mitsunori Nagata
肌よりも髪に付く雨 the rain dropping on hair not on skin
アマリリス amaryllis
6.【省略】 【omissions】
〔例句〕永田満徳 〔Example〕Mitsunori Nagata
良夜なり relaxed night
音を立てざる砂時計 sandglass without sound
7.【用言は少なく】 【avoid verbs,adjevtives, adjective verbs as much as possible】
〔例句〕永田満徳 〔Example〕Mitsunori Nagata
春昼や spring afternoon
エンドレスなるオルゴール endless music box
結果:「Haiku Column」では、最初、説明的で観念的な句が多かったが、「7つの規則」を提示して以来、形容詞、動詞などが減り、具体的なものに託した表現を基調とし、省略された俳句が多くなった。
②〔季語の提示〕
取組み:二つのパターンの二行俳句(取合せ)を提唱しました。
・一行目はKIGO(季語)と二行目はKIGO(季語)とは関係のない言葉。
・または一行目はKIGO(季語)とは関係のない言葉と二行目はKIGO(季語)。
結果:この二つのパターンの二行俳句によって、季重なりはもちろんのこと、無季語による評価の困難さが解消され、さらにメンバーの句が日本の俳句に近くなっている。
そして、この二つのパターンの二行俳句は国際俳句作家にとって俳句の本質を踏まえたHAIKUが作りやすいという点では大いに効果がある。
③〔和訳の工夫〕
向瀬美音氏は日本語訳の改善に着手している。五七五の17音の和訳はこれまでの比較的に長いセンテンスのHAIKUをただ端に、無理に日本の俳句の五七五の17音にすることではない。これらの取り組みによって省略の効き短くなったセンテンスの原句を五七五の17音にしても何ら違和感なくなってきていることを示すことにある。
ここにおいてこそ、五七五の17音の和訳がHAIKUの真価を再現するものであり、国際俳句の定型化に一歩近づくための有効な手立てであることを強調しておきたい。
さらに、美音氏は「国際歳時記」〔夏〕では原句も五七五訳も一行に統一している。もちろん、切れのマーク「 ー 」を入れ、切れと取合わせのある句であることを示しました。
〔例〕
カーテンは洗ひ立てなり夏はじめ
una tenda appena lavata – inizio d’estate
a freshly washed curtain – early summer
ダニエラ ミッソ/Daniela Misso (イタリア/Italy)
④〔機関誌の発行〕
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行した。12月20日発行の2号では91人が参加した。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数える。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版した。そして、6号を2020年12月に出版した。
◆また、2020年3月1日には「国際歳時記」の第1段として【春】、2022年6月には【冬・新年】を出版しました。「HAIKU」6号と「歳時記」春・冬・新年は原句の内容を損なうことなく五七五に訳出している。
⑤ 月刊「俳句界」掲載
※2021年の『俳句界』10月号から、優秀な作品が揃って来たので、1ページ増えて、3ページに渡って掲載している。
※2020年12月号から作者の国名を入れ、世界から投句されていることを示している。
〔資料〕
「国際俳句についての試みの例」
【「俳句界」R4.5月号】より
Haiku Column(俳句大学)今月の秀句
永田満徳選評・向瀬美音選訳(仏・伊)・中野千秋訳(英)
【今月の秀句(monthly excellent Haikus)】 (Facebook「Haiku Column」より)
※
Agnese Giallongo (Italy)
〇
lucciole -
una speranza per l' Ucraina tutta al buio
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
La luce della 'houtaru' (lucciola) è anche destinata a portare fortuna. La lucciola che brilla nel "buio" del cambiamento forzato dello status quo da parte della Russia è la stessa "speranza dell'Ucraina". È una frase che risuona in tutto il mondo, poiché esprime la speranza che il disastroso campo di battaglia causato dall'invasione russa dell'Ucraina sia portato a termine il più presto possibile.
アグネーゼ ジアロンゴ (イタリア)
〇
ほうたるや闇にウクライナの希望
〔永田満徳評〕
「ほうたる」(螢)の光は幸運を呼び寄せる意味もある。ロシアの力による現状変更を強引に進める「闇」の中で光る螢は「ウクライナの希望」そのものである。ロシア軍のウクライナ侵攻による悲惨な戦場の様子を見るにつけ、一刻も早く終息してほしいと願う気持が込められていて、世界の共感を呼ぶ句である。。
※
Olfa Kchouk Bouhadida( Tunisia)
〇
tulipes noires ~
la nature en deuil à Kiev
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Kiev est la capitale de l'Ukraine. L'Ukraine est un pays de plaines, de steppes et de plateaux fertiles, traversé par les fleuves Dnepr, Donets et Dniester, et riche en nature. La Tulipe noire représente la tragédie de l'invasion russe en Ukraine, et la phrase "La nature de Kiev est en deuil" est profondément émouvante.
オルファ クチュク ブハディダ(チュニジア)
〇
黒きチューリップキエフの自然は喪に服す
〔永田満徳評〕
「キエフ」はウクライナの首都。ウクライナの国土は肥沃な平原、草原、高原で占められ、ドニエプル川、ドネツ川、ドニエステル川が横切っており、自然豊かである。「黒きチューリップ」がロシア軍のウクライナ侵攻による悲劇を代弁していて、「キエフの自然は喪に服す」という措辞は深い感銘を与える。
※
Angela Giordano (Italy)
〇
urban warfare ...
a daisy blossoms inside a crack
guerriglia urbana...
una margherita sboccia dentro una crepa
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
'Urban warfare' leaves cities in ruins. Strategic bombing of cities is followed by civilian casualties. Russian forces attack indiscriminately in various parts of the country, even involving large numbers of civilians. The poem touches the reader's heart by comparing the Ukrainian people to the 'hina chrysanthemum', which is treated as a weed in Europe, and by expressing the feeling that one cannot help but wish for a strong recovery.
アンジェラ ジオルダーノ(イタリア)
〇
市街戦亀裂より咲く雛菊よ
〔永田満徳評〕
「市街戦」は都市を廃墟同然にする。都市への戦略爆撃に次いで、市民への被害を発生させる。ロシア軍は大勢の民間人を巻き込むこともいとわず各地で無差別に攻撃している。ヨーロッパでは雑草扱いの「雛菊」にウクライナの人々をなぞらえ、力強い復興を願わずにはいられない気持を詠んでいて、読む者の心を打つ。
【今月の秀句(monthly excellent Haikus)】(Facebook「Haiku Column」より)
〔ウクライナ特集〕
ウクライナ侵攻に対する各国の俳人の投句を見るのつけ、俳句という短詩形が持つ「伝達性」と「記録性」、「慰撫の力」とを改めて思う。(永田満徳)
※
Gabriella De Masi (Italy)
〇
ucraina -
la primavera esplode tra le macerie
ガブリエラ デ マシ (イタリア)
〇
ウクライナ春は瓦礫に爆発す
※
Paul Callus(Malta)
〇
sunflowers of hope -
a nation oppressed but not subdued
ポール カルス(マルタ)
〇
向日葵や屈服をせぬ国のある
※
Carmen Baschieri(Italy)
〇
ghiaccio sottile
la pace sulla Terra un'utopia
thin ice
peace on earth is a utopia
カルメン バシエリ(イタリア)
〇
薄氷や平和といふはユートピア
※
Feten Fourti (Tunisia)
〇
sale cette guerre
boue de printemps
フテン フルティ(チュニジア)
〇
春の泥汚き戦争ありにけり
※
Nuky Kristijno (Indonesia)
〇
not a single butterfly in sight
cry of war
ナッキー クリスティジーノ(インドネシア)
〇
戦争や蝶の一つも見当たらず
※
Imelda Senn(Switzerland)
〇
bourgeons de printemps
les discussions politiques n'ont point porté de fruits
イメルダ セン(スイス)
〇
実りなき政治論争木の芽張る
※
Rachida Jerbi(Tunisia)
〇
matin de printemps ~
les mimosas explosent les bombes aussi
ラチダ ジェルビ(チュニジア)
〇
爆弾もミモザも爆発春あけぼの
※
Mudher Iraqman(Iraq)
〇
tambours de guerre -
les oiseaux gazouillent pour le vide
ムドハー イラクマン(イラク)
〇
戦争の太鼓や虚しき囀り
【今月の季語(Kigo of this month)】(Facebook「Haiku Column」より)
※
【 朧月 おぼろづき oborozuki / hazy moon / lune voilée 】
Hervé Jayol (France)
〇
lune voilée
nuit effrayante dans la forêt des pins noirs
エルベ ジャヨル(フランス)
〇
朧月黒松の森の夜の怖さ
※
Christina Chin(Malaysia)
〇
hazy moon
my footsteps and I
クリスティーナ チン(マレーシア)
〇
自らの足音連れて朧月
【 バレンタインデー ばれんたいんでー barentainde(-) / Valentine’s Day / la Saint-Valentin 】
Nuky Kristijno(Indonesia)
〇
sealed with red lipstick lips
my Valentine’s card for you
ナッキー クリスティジーノ(インドネシア)
〇
封印の口紅バレンタインカード
※
Souad Hajri(Tunisia)
〇
Saint-Valentin ~
coeurs rouges sur vitrines enfarinées
スアド ハジリ(チュニジア)
〇
バレンタインデー真つ白き窓に赤きハート
【燕来る つばめくる tsubamekuru / swallow coming / hirondelle retour 】
Olfa Kchouk Bouhadida(Tunisia)
〇
rrivée de l'hirondelle ~
la maison au bord de mer attend la famille
オルファ クチュク ブハディダ(チュニジア)
〇
燕来る浜辺の家は家族待ち
※
Cello Muse(France)
〇
lettre parfumée de l'amoureuse ~
hirondelles dans le ciel
セロ ミュゼ(フランス)
〇
燕来る香りの付きしラブレター
【薔薇の芽 ばらのめ baranome / bud of rose / bouton de rose 】
タンポポ 亜仁寿(Indonesia)
〇
rosebud
baby's hand slowly opens
タンポポ 亜仁寿(インドネシア)
〇
薔薇の芽やゆつくり開く赤子の手
※
Rina Darsa(Indonesia)
〇
bud of rose
a baby clenching fist while sleeping
リナ ダルサ(インドネシア)
〇
薔薇の芽やこぶしを握り眠る嬰
華文俳句【俳句界】2022,5月号
永田満徳選評・洪郁芬選訳
※
夫婿三代相似的穿著
春節
〇
雨靈
〔永田満徳評論〕
春節是從陰曆的正月元日持續到正月五日。台灣的原住民有民族服裝和傳統衣著,於每年定例的活動或祭典中穿著。大年初二是已經出嫁的女兒回娘家的日子。這首俳句描寫家人三代聚集一起,穿著相似的衣服,大夥兒一同慶祝新年的情景。春節中相聚,能聯絡感情,使家庭關係親密。而本俳句也勾勒出重視傳統的台灣習俗,饒富趣味。
三代の揃ひの服やお正月
〇
雨靈
〔永田満徳評〕
春節は旧暦正月の元日から5日までを指す。台湾の原住民族には民族衣装・伝統衣装があり、行事やお祭りのときに着用する。2日は嫁いだ娘が実家に帰る習慣がある。「三代」の親族がうち揃い、「揃ひの服」を着て、正月を祝っている情景であろう。「春節」に集う家族の絆が窺え、また伝統を重んじる台湾の習俗が描き出されて、興味深い。
※
裝滿星星的石滬
桜鯛
〇
胡同
〔永田満徳評論〕
「石滬」是一種利用潮汐的傳統陷阱式漁法,在退潮時捕捉殘留於石滬的魚。心型的石滬是很普遍的,然而,如果魚群裡參雜了一尾「櫻鯛」,一天的風景就有所不同了! 試圖用手去捕捉時,逃跑的櫻鯛五顏六色的輝映著月光,美麗的粉紅鱗片閃閃發亮,伴隨著四周灑在水面上的星光點點。
桜鯛星いつぱいの石滬
〇
胡同
〔永田満徳評〕
「石滬(シーフー)」は潮の満ち引きを利用した仕掛け。潮が引いた時に石滬のなかに取り残された魚を捕まえる。石滬はハート型が一般的であるが、その中に「桜鯛」が混じっていたのである。手づかみで捕えようとすると、逃げ回る桜鯛の色鮮やかで、きれいなピンク色に染まった鱗のきらめきとともに、水面に映った星のきらめきが美しく切り取られている。
※
父親初戀的記憶
櫻花
〇
明月
〔永田満徳評論〕
屬於亞熱帶的台灣,櫻花季大約是一月下旬至三月中旬之間。島上栽植的櫻花種類,除了從日治時期以來的品種之外,還有台灣特有的櫻樹,和日本與台灣混種的櫻花樹。作者賞櫻,忽然想到父親的初戀,和種種關於櫻花的回憶。藉由與櫻花的兩項對照組合,思索父親的羅曼史,也是思念父親的一種表現,並使我們窺見親子之間的緊密聯繫。
初恋の父の記憶や桜花
〇
明月
〔永田満徳評〕
亜熱帯の台湾では、桜の見ごろは1月下旬から3月中旬である。台湾固有のものから日本統治時代に植樹されたものや日本と台湾の掛け合わせの品種が見られる。「桜」を見て、「父」の「初恋」と「桜」にまつわる話を想い出したのだろう。桜との取合せによって、父のロマンに心を寄せ、父を偲んでいる子の姿が浮かび上がってくる。親子の絆の強さを詠んでいて、心温まる。
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