https://kigosai.sub.jp/001/archives/15295 【花篝(はなかがり) 晩春】より
【子季語】 花雪洞
【解説】
夜桜の風情を引き立てるため、花の下でたかれる篝火のこと。ゆらめく炎に照り映える花の姿は、凄艶かつ幽玄を極める。落花が火に映しだされ、時に篝火に散り込み燃えるさまはひときわ美しい。京都円山公園の篝火が代表的。
【例句】
燃え出づるあちらこちらの花篝
日野草城「青芝」
https://izbooks.securesite.jp/hinoB61.html 【【火の歳時記】第24回 「花篝」】 より
十日ほど日本を離れていた。この時期に海外へ出ると、帰ってくる頃には花の見頃を過ぎているのが常だが、今年は成田から都内へ向かう途中、咲いている桜をほとんど見ないのに驚いた。思えば、東京近辺では昔は桜といえば入学式を飾る花だった。ようやく散り始めた桜の花びらを浴びながら、新入生は初めての校門をくぐったものである。それがここ数年、花どきは三月下旬になってしまっていた。今年は久々に四月の桜をゆっくり楽しめそうである。
桜の開花が遅れたのは予想外の低温が続いたことによるが、南欧で真夏のような日差しを浴びてきた身には寒さが堪えた。天気予報などでは花冷えといっているが、たいして花も咲いていないのに花冷えというのもしっくりしない。花冷えというのはやはり、ある程度の花があってこそのものであろう。満開となってからでも午後から急に日が翳ったりすると、身にしみるような冷えを感じることがある。そんな日は夜ともなると身震いするほどである。夜桜見物は寒さを覚悟しておかなければならない。
夜桜に欠かせないのが花篝である。近ごろはなんでもライトアップ流行りだが、桜はやはり篝火が似合う。
円山の空は濁れる花篝 鈴鹿野風呂
花篝といえばまず、京都東山の円山公園である。祗園の夜桜を演出するものとして欠かすことはできない。
燃え出づるあちらこちらの花篝 日野草城
前回の薪能も実際に火を燃やすのではなく、篝火型の照明だったりするところもあって興醒めだが、花篝は火の粉が飛び散るような篝火であってこそのものである。
つねに一二片そのために花篝 鷹羽狩行
咲いているところを照らすばかりではなく、散る花を照らすものであるというのが新鮮な一句。それもどっと散るのではなく、一二片ずつであるところが美しい。
くべ足して暗みたりけり花篝 西村和子
生の火ならではである。新たな薪を加えたことによってしばし暗くなるが、勢いを取り戻してさらに燃え盛る様子を思わせる。
https://kyotoryoko.com/weeping-cherry/ 【2022 京都・円山公園「祇園しだれ桜」ライトアップと篝火のご案内 weeping cherry KYOTO】より
京都・円山公園・祇園枝垂桜と篝火
🌸 京都「祇園しだれ桜」円山公園
2022年のご案内
✨ ライトアップ
期間 2022年3月25日~4月10日
時間 日没~22:00
🔥 篝火
3月29日~4月7日 予定
京都・円山公園・祇園枝垂桜と篝火
名勝「円山公園」は、八坂神社の東隣の奥にずっと広がっていて、しだれ桜、染井吉野、八重桜など、約630本の桜があります。
京都・円山公園・祇園枝垂桜と篝火
公園の中央にある大きな「祇園しだれ桜」が咲く頃になると、ライトアップされ、見頃の頃には、しだれ桜の周りや公園内に、数か所「篝火」が焚かれます。
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