ムー大陸の中心は沖縄?

Facebook長堀 優さん投稿記事「ムー大陸の中心は沖縄?」

 八幡書店の書籍・古書目録が、毎月私のもとに送られてくるのですが、ついに「失われたムー大陸」という本を探し出し手に入れることができました。

 この本は、一九二六年、かつてインドに駐屯していた元英国陸軍大佐ジェームズ・チャーチワードにより著されました。

 チャーチワードは超古代、太平洋上にあったムーという大陸が、火山の活動により一夜にして海中に没したという、いわゆる「ムー大陸伝説」を、この本を通じて世に広めたのです。

 彼は、インドで古い寺院の院主である老僧と出会い、古代文字の読み方を習ったことをきっかけにして、その後五〇年をかけ、世界中を旅行し、古代文字の彫られた円板や事実の収集に努めました。

 そして、ロマンに満ちたムー大陸の物語を紡ぎあげたのです。

 伝承では、豊かで美しい熱帯の国であるムー帝国の人口は、約六四〇〇万人だったと伝えられています。時代を考えれば、信じがたいほどの数です。

 しかし、今から約一万二〇〇〇年前、このムーを突然の大地震と噴火が襲い、帝国全体が海底に沈んでしまったというのです。

 チャーチワードによれば、ムーの下の地盤には、爆発性のガスが充満した空洞があり、このガスの圧力で岩盤に割れ目が生じたのが沈没のきっかけとなったといいます。

 そのガスが空中へ逃げ出したことにより生じた地下の大空洞が崩壊し、ムーは海中に没してしまったのです。

 そのムーの名残が、太平洋全体に散らばっている島々というのです。

 与那国島沖の海底遺跡調査で知られる木村政昭・琉球大名誉教授は、太平洋のど真ん中にあったという大きな大陸については、地質学的知見からその存在を否定しています。

 しかしながら、太平洋の西部地域に限れば、7万~2万年前に広大な陸域があったことは、海洋学的にも認められると述べます。

 なぜかといえば、その当時は最終氷期に入った頃であり、海水が凍結して海面が低下していたために、日本と朝鮮半島、中国大陸はもちろん、マレー半島からフィリピンの島々を包含する広大な陸地が存在したと考えられているからです(写真をご参照ください)。

 しかし、2万年以降の地球温暖化と地殻変動により、氷が溶け海面が上昇し、全体にこの地域は水没していったのです。

 とりわけ、トカラ諸島、沖縄から八重山諸島にかけての地域は、大きく陥没したと考えられています。

 なぜなら、この地域は火山の連なりであり、地下には巨大なマグマ溜まりがあるからです。

 つまり、木村氏が「琉球古陸」と呼ぶこの地域は、火山の噴火によってこのマグマ溜まりが解消されると、大きな陥没が起こる可能性があるわけです。

 木村氏は、火山の噴火による「琉球古陸」の沈没は実際に起こり、一万8000~4000年前以降をピークに、長さ1200キロ、幅100キロにわたる大規模な地域の段階的な陥没を起こしていたと考えています。

 たいへん興味深いことに、この時期は、ムー大陸を世に紹介したチャーチワードが指摘するムー水没の時期と重なっています。

 チャーチワードは、大変動の原因として、爆発性ガスが充満する地下の空洞の陥没を挙げていました。

 この空洞を八重山の火山群のマグマ溜まりとすれば、「琉球古陸」水没のメカニズムも、チャーチワードの語る説とぴたり重なります。

 つまり、木村説によれば、ムーの中心は、沖縄ということになってくるのです。

 とは言え、現在までに発見されている与那国島沖の海底遺跡を被う生物化石の年代を測定すると(炭素14 年代測定法、ベリリウム10 年代測定法)、いずれも2000年前より新しいものであるといいます(木村政昭著「新説 ムー大陸沈没」より)。

 この鑑定が正しいのであれば、海底遺跡は、チャーチワードが伝えるムー大陸の大規模陥没より、相当に新しい時期に建造されたことになり、ムー伝説とは関係ないということになります。

 この点について、チャーチワードは注目すべき記述を残しています。

 ロシアの考古学者P・K・コズロフ教授の地質学調査隊に加わったチャーチワードは、シベリア東部全域にわたり、数千年前に起きた恐ろしい大洪水の痕跡を発見しています。

 この地域からは、氷河の跡が全くみられなかったことから、大洪水はほとんど岩盤を露出するまでに表土を洗い流したと考えられるそうです。

 そうであるなら、シベリアと沖縄は離れているとは言え、この大洪水が日本にも少なからぬ影響をあたえ、ある時期の琉球地方の遺跡を根こそぎ流し去ったという可能性も否定はできません。

 じつは、木村氏も、与那国島沖海底遺跡近辺の分析では、6000~5000年前より古い石灰岩は、なぜか、ずっとさかのぼって3万~2万年前より古いものしか出土していないと指摘しています。

 ある時期の地層がごっそり消失しているというこの事実は、ひょっとしたら、チャーチワードが伝える大洪水の痕跡を示すものであるのかもしれません。

 考古学的な調査や古文書の研究のさらなる進展が待たれるところです。

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