生物多様性

Facebook・小早川 智さん投稿記事 『医食同源』

「医」の前に「食」があり、「食」の前に「農」があり、「農」の前に「土(微生物)」がある。

毎日の“食べ物“があなたの身体をつくり、毎日の“言葉“があなたの心をつくる。

あなたの食事こそ、あなたへの最高の薬である。


https://www.yanmar.com/jp/agri/agri_plus/soil/articles/02.html  【Vol.2 土壌微生物の世界植物の生育環境を決める生物多様性】 より

土壌には多種多様な微生物が存在し、その数は1グラムの土壌に約100~1000万にもなるといわれています(表1)。

(表1)土壌微生物の生体量   

       種類           大きさ            生体量(kg/10a) 

土壌微生物  細菌(バクテリア)   2~3μ程度            40~500

      放線菌        菌糸の太さ0.5~1.0μ程度       40~500

      糸状菌        菌糸の太さ5~10μ程度        100~1,500

       藻類     肉眼では確認できないもの~数mm程度    1~50

土壌動物   線虫        0.2~2.0mm程度            1~15

      ミミズ       0.2~数cm程度             10~150

※1μ(ミクロン)=0.001mm

(図1)土壌微生物の種類

そして、土壌微生物は、自ら相手の微生物の生育を阻害する物質を生産し、スペースを取りあったり、エサを奪い合ったりしながら拮抗します。

一方、お互いに共存するものもあり、増減を繰り返すことで種類と個体数のバランスを保っています。

これを土壌微生物の多様性といいます。

多様性が失われ、バランスが崩れた土壌は、植物の病害や生育不良を招きます。多様性を保つことは、良好な生育環境をつくる上で大切なことです。

私たち人間の腸内細菌も同様に、多様性のバランスが保たれることで健康が維持されています。

そこでVol.2では、土壌微生物の働きと病害の回避方法、有機物の正しい利用による生育環境の作り方について解説します。

土壌微生物の拮抗と共存

(図2)細菌と糸状菌の共存(左)と拮抗(右)

【2011 ペタタン・サゴンら】

(図2)は、糸状菌をシャーレの中心に接種・培養し、土壌から採取した2つの細菌を4ヶ所に植えつけたものです。

共存を示す左の写真では、糸状菌と細菌の間に関係がなく、細菌は糸状菌に接して生育しています。一方、拮抗を示す右の写真では4点に接種した細菌により、糸状菌の生育が阻止されたように観察されます。

これは阻止円とよばれ、細菌が糸状菌を溶かす物質、または生育を阻害する物質を出し、糸状菌の生育が抑制されていることを示します。

このように微生物の世界では、共存と拮抗のバランスの上に成り立っているのです。

連作障害と土壌微生物

連作障害の要因には、①土壌養分の消耗②物理性の悪化③毒素(アレロパシー)などが挙げられます。しかし、これらは養分補給や耕うんなどにより改善し、解決できるため、現代農業においては、大きな問題となっていません。

現在、一般的な連作障害の多くは、同じ作物をつくり続けた結果、土壌微生物の多様性が崩れ、増殖した病原菌によって引き起こされています。

なぜこのような現象が起こるのでしょうか。

通常、植物は根から養分を分泌しているため、根の周囲1~2ミリの根圏では大量の微生物が活発に動いています。そのため、病害菌が侵入する余地がなく、病害に対する抵抗力を持っています。

また、最近では、植物体内に生息し病害に抵抗する機能を持つ微生物である「エンドファイト」の存在もわかってきました。「エンド」は体内、「ファイト」は植物を意味し、窒素や糖分などをやりとりしながら共生し、植物の免疫機能を活性化させるとの報告があり、今後の研究が期待されます。

しかし、特定の作物の栽培と収穫は、残渣に残る特定の病原菌が増大し、根圏微生物のバランスで防ぎきれずに発病にいたります。これが連作障害のメカニズムです。

土壌微生物の特性を活かした連作障害対策

連作障害対策は、さまざまな研究が進んでおり、農薬を使わずに土壌病害を抑制する技術も積極的に利用されています。これを「生物的防除法」といいます。次にその典型的な例を紹介します。

①インゲン萎黄病(フザリウム)に効果的なキチンの投入

インゲン萎黄病は、増殖したフザリウム菌が根からインゲンの体内に侵入することで、道管が詰まり萎れる病害です。このフザリウム菌に対し、エビやカニ殻に含まれるキチンの施用が効果的です。

(表2)は、前作で病害が発生した土壌にカニ殻を投入し、連作障害を低減した事例です。フザリウムはその多くが病気の原因である糸状菌です。キチン質を持つカニ殻を施用すると、キチンを分解する能力を持つ微生物が増加し、フザリウムをエサとすることでフザリウムが減少しました。

これは、フザリウム(糸状菌)の細胞壁がキチンでできているため、キチン分解菌の増殖により、フザリウムが溶解され、改善された結果です。

また、キチンの投入後、放線菌も増殖します。

この放線菌は、キチンを分解する酵素を持ち、さらにストレプトマイシンなどの抗生物質を生産します。これが、糸状菌(フザリウム)の活性を一層抑制するのです。

(略)

https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3517.html 【生物多様性とは?その重要性と保全について】より

「生物多様性(Biological Diversity)」とは、簡単に言うと、地球上の生物が、バラエティに富んでいること...つまり、複雑で多様な生態系そのものを示す言葉です。

しかし今、自然環境の悪化に伴い、この生物の多様性が、これまでにない早さで刻一刻と失われつつあります。これは、私たち自身が、人類を含めた多くの生命にとって欠かすことの出来ない命の土台である生物多様性を自ら壊していることに他なりません。

WWFは、生物多様性の保全を目指した自然保護プロジェクトを、世界各地で展開しています。

生物多様性とは?

地球上の生命、その中には、ヒトやトラやパンダ、イネやコムギ、大腸菌、さまざまなバクテリアまで、多様な姿の生物が含まれています。この生きものたちの、命のつながりを、「生物多様性」と呼んでいます。

これらの生きものはどれを取ってみても、自分一人、ただ一種だけで生きていくことはできません。

多くの生命は他のたくさんの生物と直接かかわり、初めて生きていくことができるのです。

このかかわりをたどっていけば、地球上に生きている生きものたちが、全て直接的・間接的につながり合い、壮大な生命の環を織り成していることが分かります。

「生物多様性」は、この地球という一つの環境そのものであり、そこに息づく生命の全てを意味する言葉に他なりません。

長い歴史の中で

人類は、他の多くの生命と、地球という環境を分かち合って生きています。

そして、多くの恩恵を「資源」として、さまざまな生きものたちから得て暮らしています。

きれいな空気を呼吸するためには、光合成をする植物が必要です。

体の中には、大腸菌などがいてくれないと、生きていけません。

海や森からの恵み、清浄な水、土の力、安定した気候、全てが「生物多様性」の恩恵として、もたらされています。

人は、生命が生み出すものを食べ、それを着、生命のバランスが保たれることによって維持されている、地球環境の中で生活している、と言っても過言ではありません。

もちろん、その生物たちは、人間のためだけに存在しているのではありません。

それらの生命の多くは、人間の利害とは関係なく、この世界に生まれ、生存してきました。

その歴史は、地球上に最初の生命が誕生した、40億年も昔に始まり、世代を重ね、親から子へと引き継がれながら、進化の道のりをたどってきました。

「生物多様性」とは、単に動植物の種類が多いということだけを意味するものではなく、この長い歴史と、その中で育まれてきた生きものの相互のつながりをも、指し示す言葉なのです。

今なぜ「生物多様性」なのか

数十億年の長きにわたって受け継がれ、形作られてきた、生物の多様性。

しかし、「生物多様性=Biodiversity」という言葉が生まれたのは、ごく最近のことです。

この言葉は1985年、2つの言葉「生物的な=biological」と「多様性=diversity」を組み合わせた形で作られました。

以来、この言葉は、世界の政治家や科学者、生命の科学的探究に心を寄せる人や、環境保全を考える多くの人たちによって、支持され、使われるようになります。

その背景にあったのは、地球環境の未来に対する危機感からでした。

20世紀後半から、世界の各地、とりわけ自然が豊かに残っていた途上国地域を中心に、急激に進み始めた、さまざまな自然破壊が、世界全体をも脅かしかねない「環境問題」を引き起こしてきたためです。

地球の環境問題。それはまさに、人類自身が自然環境を改変し、多くの生物を減少・絶滅に追い込み、地球の「生物多様性」を大きく損なおうとする、世界規模の問題です。

「生物多様性」という言葉が広く使われるようになった背景には、この問題と、地球環境の現状とをより広く、深く認識し、解決していこうとする人たちの、強い意識があったのです。

多様な地球の自然

生物の多様性とは、ただ生きものの数や種数が多ければいい、というものではありません。多様性の価値は、さまざまな景観がこの地球上に存在していること、そのものにあるのです。

多様な地球の自然

生物多様性の重要性

世界的な問題になりつつある、生物多様性の破壊。

生物の多様性が、一人ひとりの生活に、どのようにかかわっているのかを実感するのは難しいかもしれません。それでも生物多様性が、私たち人類の生存に大きくかかわっていることは、まぎれもない事実です。

生態系サービス

この地球上のあらゆる環境は、あらゆる自然によって、形作られたもの。

その中には、動物、植物、土、といった、多くの要素が含まれており、普段食べている魚や貝、紙や建材などになる木材、生きる上で欠かせない清浄な水や大気など、さまざまな資源がここから生み出されています。

森や海の環境は、地球の気温や気候を安定させる大きな役割も果たしており、時には災害の被害を小さくする、防波堤の役割も果たしてくれます。

たとえば、2004年に起きた、スマトラ島沖地震の際には、海辺にマングローブの林や健全なサンゴ礁が残っていた地域では、それらの自然が津波のエネルギーを吸収してくれたため、被害が少なくて済みました。

IUCN(国際自然保護連合)の試算によれば、生態系がもたらしているこれらのサービスを、経済的価値に換算してみると、1年あたりの価格は33兆ドル(約3,040兆円)。

最も豊かな国であるアメリカのGDP(国内総生産)が14兆ドル、世界全体のGDPが約60兆ドルであることを考えると、私たちがどれほど大きな恩恵を受けているかが分かります。

健康と医療への恩恵

保健や医療に関しても、生物多様性が果たしている役割があります。

人類の医療を支える医薬品の成分には、5万種から7万種もの植物からもたらされた物質が貢献しています。

また、世界規模地球環境概況第4版(Global Environment Outlook4)によれば、海の生物から抽出される成分で作られた抗がん剤は、年間最大10億ドルの利益を生み出すほどに利用されているほか、世界の薬草の取引も、2001年の1年で430億ドルに達したされています。

そして、多様な自然環境の中には、まだ発見されていないさまざまな物質も、数多く存在していると考えられています。

これらが発見されれば、現代の医療が解決できていない、さまざまな難病が、いずれ治療できるようになるかもしれません。

しかし今、このさまざまな恵みが、広く失われようとしています。

近年の人類による環境の搾取は、生物多様性が持っている自然の回復力、生産力を、25%も上回る規模で資源を消費させ、一気に枯渇させようとしています。

それは、私たち人類が生物多様性から受けている恩恵を、自ら失うことであり、未来の可能性を閉ざしてしまうことでもあります。

生物多様性の価値

これらのように、生物の多様性が、人類にもたらしてくれている恩恵は、実にさまざまです。

しかし、生物多様性の重要性を考える時に、忘れてはいけないことがあります。

それは、生物多様性というものが、つまりは地球上のあらゆる生命が、「人間のためだけに存在しているわけではない」ということです。

ヒトは、何が、いくら分の経済的価値があるのか、といった「自分たちの視点」で、物事の意味を語りがちです。

しかし、生物多様性という一つの大きな世界を考えるとき、その視点だけで意味の軽重を問うべきではありません。

生物多様性条約が作られた時、その前文の原案には、次のような文章がありました。

「人類が他の生物と共に地球を分かち合っていることを認め、それらの生物が人類に対する利益とは関係なく存在していることを受け入れる」

この文章は、最終的に削除されてしまいましたが、これは人類が、地球上の生命の一員として、決して忘れてはいけない一条であるといえます。

生物多様性の危機

まだまだ未知の多様性の世界

熱帯林の生物多様性の豊かさについて、このような話があります。

1980年、中米パナマの熱帯雨林で調査をしていた生物学者たちは、飛び上がるほど驚くような事実に遭遇しました。

雨林に自生する19本の樹木を調べてみたところ、1,200種ものカブトムシが見つかり、しかもその8割が、これまで存在が知られていなかった、新種だったのです。

森全体に視野を広げてみたとき、そこには一体どれくらいの未知の生物が息づいているのか、想像することすら、容易ではありません。

このことは、次の事実を物語っています。

「人類は、自分が暮らすこの地球という星に、どれくらいの種数の生物が生きているのか、ということよりも、宇宙にどれだけの星があるか、という事の方を、よほどよく知っている」。(WRI)

毎年毎年1,000~1万種が絶滅している!?

生物多様性の世界が、どれくらい奥深く、謎に満ちているかは、パナマの森での出来事から約40年が経った今も、変わることがありません。

現在までに、科学的に認知され、名前がつけられている野生生物の数は、アフリカゾウからシロアリ、さらに小さな藻類などの生きものまで含め、約140万~180万種。

しかし、予想される未知の生物の種を含めた種数は、実に1,000万種にのぼるといわれ、最大では1億種に届くのではないかという推定もあります。

そして毎年、その数全体の0.01%~0.1%が、絶滅していると科学者は警告しています。

仮に全生物の種数が1,000万種だとしたら、毎年1,000種から1万種の生物が、この地球上から姿を消している、ということです。

もちろん、長い地球の歴史の中では、恐竜などをはじめとする、生物の大絶滅が幾度も起きてきました。

しかし、現代に起きている種の絶滅、生物多様性の喪失が過去の大絶滅と決定的に違うのは、生物が絶滅するスピードが圧倒的に速い、という点です。

その速さは、人間が関与しない状態で生物が絶滅する場合の、1,000倍から1万倍になるといわれています。

これらの数値は、科学的に算出されたものですが、いずれも幅があり、まだ正確とはいえない面があります。

それでも今、この世界で起きている生物多様性の喪失が、きわめて大規模で、深刻であることに、間違いはありません。

危機にさらされる地球の生物多様性

その危機が急激に大きなものとなったのは、20世紀以降の100年間です。一体何が、生物多様性を脅かしているのでしょうか。その要因は、大きく4つ挙げられます。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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