FacebookHiroshi Kaneiさん投稿記事
🦌京都・宝ヶ池の鹿が「全頭駆除される」という情報が拡散し、SNSがざわついています。
しかし実際には、この情報には“誇張”や“ミスリード”が混ざっていて、行政が公表しているのは「生態系保全と安全確保を目的とした捕獲」であり、「全頭即殺」という明確な表現はされていません。
それでも、多くの人が胸を痛め、不安を抱いたのは——
日本がいま、野生動物との関係を根本から見直す“岐路”に立っているからだと思います。
■鹿や熊、猿、猪、鳥ーー
本来、人と自然が調和してきたはずのこの国で、動物たちの姿が「問題」と呼ばれ、対策が「駆除」一択のようになってしまった理由は動物ではなく、これまで放置してきた“人間側の課題”が一気に表面化したという点です。
・山林の管理放棄・農地の減少と獣道の変化・冬の餌不足を生む気候変動
・開発による生息地の断片化・動物の行動変化(人間慣れ・都市部への進出)
これらが複雑に絡み合って、私たちの社会に大きなゆがみを生み、結果として動物と人間の距離が急激に崩れてしまいました。本当に必要なのは「駆除」ではなく、“共生のインフラ”を整えることです。
■海外ではすでに、
・野生動物専用の横断橋(グリーンブリッジ)・電気柵とAIカメラの組み合わせで人流を動物と分離・餌場の管理と森林再生・住民教育・観光者教育の徹底・地域単位の“人と動物の距離感マネジメント”こうしたシステムとしての共生策が当たり前になってきています。
日本でも少しずつ導入されていますが、まだまだ「緊急のトラブル → 駆除」という短期対応が中心です。
「問題が起きてから駆除」ではなく、“問題が起きない環境をつくる”という発想への転換が求められています。
今回の宝ヶ池の件で多くの人が心を痛めたのは、鹿だけの問題ではなく、未来の日本がどんな姿になるのかに対する不安の表れでもあるのだと思います。
この美しい国で、野生動物が消えていく未来を選ぶのか。それとも、知恵と技術を使って守りながら共に生きる道を選ぶのか。私たちは今、選択の地点にいます。
声を上げ、考え、学び、共有すること。それが、野生動物の命と、未来の生態系を守る力になります。問題意識を持ち、誤情報と事実を丁寧に見分け、「共生の道を探さなければ」と考える人が増えるほど、未来は確実に変わります✨
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■京都・宝ヶ池の鹿が「全頭駆除される」という情報について✔ 真実の部分:
京都市は「深泥池・宝ヶ池エリア」でニホンジカ(シカ)の捕獲を進めていることを公にしています。捕獲の目的として、市は「希少な植物(ミツガシワなど)の食害」「市街地へのシカの流出」「人身被害の懸念(角のあるオス鹿との接触)」などを挙げています。
京都市情報館(公式アカウント)も、「鹿捕獲に係る投稿が拡散していますが、本事業は…被害を防止するためのものです」と発表しています。
京都府の「令和7年度 ニホンジカ管理計画」でも、被害防止捕獲(=管理のための捕獲)を推進しており、「近年、生息密度が高い地域で捕獲を強化する」方針が示されています。
メディア報道によれば、およそ80頭のシカが対象とされており、すでに約40頭が捕獲されている、という情報があります。
✘ ただし、「全頭駆除(=殺す)」という表現には要注意:
京都市の公表資料では「捕獲(capture)」という言葉が使われており、「全頭を無条件に即殺(駆除=全員殺処分)」という書き方はされていません。
捕獲後どう扱われるか(移動、保護、生かす vs 殺処分する、という点)は、発信情報からは「全て殺す」と明確には書かれていない部分があります。
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この方針に強く反対し、「鹿を守ってほしい」「捕獲の中止または見直しを求めたい」という立場であれば、以下の先にアクションを取ることが考えられます。
●京都市 産業観光局 農林振興室
京都市の「深泥池・宝ヶ池ニホンジカ対策」のページで、連絡先が明記されています。
電話:075-222-3351、FAX:075-221-1253、メールも公開されています。
●京都市長(市役所)
駆除方針の根本に関わる行政責任者なので、公開書簡や意見提出を通じて市長宛に要望を出すという方法があります。
●地元の市議・区議
左京区(宝ヶ池は左京区)など地域を担当する議員への働きかけも効果的です。議員事務所や議会への請願を検討できます。
●市民・自然保護団体
野生動物保護や生態系保全を扱うNPO/市民団体と協力・連携し、署名活動や意見発信を行う。
●メディアへの発信
この問題をより多くの市民に知ってもらうために、新聞・ウェブメディア・SNSでの発信を通じて可視化する。
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