https://enraku.com/blog/?p=4520 【衝羽根空木(ツクバネウツギ) スイカズラ科】より
<清楚な純白の花>
衝羽根空木(ツクバネウツギ)は、宇奈月の落葉樹林の中に見られるスイカズラ科の落葉低木でよく分岐します。
6月ごろ、新梢の先に黄白色で筒状鐘型の花を2個付けます。
初夏を告げる花で内部には橙色の網目の模様があり、その純白さは清楚な雰囲気を漂わせています。
葉は、卵状楕円形で対生します。
箆形で5個の額は、花が終わった後も果実の下に残って衝羽根の形になり、樹枝が空木に似ているところから和名がつけられました。
https://ameblo.jp/yujyaku/entry-12529873325.html 【息長きアベリアに吹く秋の風】より
息長きアベリアに吹く秋の風( いきながき あべりあにふく あきのかぜ )
今日取り上げる花は、6月頃から花が咲きだし、今も咲き続けている花木である。名前は「アベリア」というが、名前は知らなくても大概の人は、どこかで見たことのある花だと思う。
というのは、花期が長いこともあり、かなり前から低木の街路樹として、あるいは公園樹としてよく植えられているからである。
本日の掲句は、その「アベリア」が、夏の初め頃から咲きだし、秋風の吹く今も咲いていると感心して詠んだ句である。「アベリア」は夏の季語なので、下五に秋の季語「秋の風」をおいて秋の句とした。
尚、念のため過去の句を調べると、以下の類句を詠んでいた。
アベリアの花息長く香る秋
どちらがいいかは、今後判断するとして当面は両方残しておきたい。
ところで、「アベリア」は4音で覚えやすいが、外国名を覚えるのが苦手という人は、「間の抜けたアベマリア」と覚えるとよい。(マリア様への失礼はお許しのほどを)
和名は、「花園衝羽根空木(はなぞのつくばねうつぎ)」という。枝振りが空木(うつぎ)のようで、 花の散った後が衝羽根(つくばね:羽根つきの羽根)に似ており、沢山の花をつけることから「花園」を冠してつけられたそうだ。
何とも長たらしい名前だが、上記にように分解して覚えれば何とか覚えられるだろう。「花衝羽根空木」ともいうが、「衝羽根空木」という花木が別にあるので「花園」「花」を省くことはできない。
因みに、「アベリア」「花園衝羽根空木」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① 今日もまた香る花園衝羽根空木
② アベリアの蜜の甘きに黒揚羽
③ 熊蜂の花園衝羽根空木咲く
①は、和名の「花園」「衝羽根」の楽しげな響きを活かした句。
②は、黒揚羽がアベリアの花から花へと忙しなく飛び回って吸蜜している様子を詠んだ。
③は、②と同様に花から花へと飛び回っている熊蜂を見て詠んだ。この句では「熊蜂の花園」「花園衝羽根空木」の「花園」の重なりを意識した。
「アベリア(花園衝羽根空木)」は、スイカズラ科ツクバネウツギ属の低木。原産地は、東アジア、メキシコなど。大正時代に渡来したそうだが、普及し出したのは1960年代以降だとのこと。
花期は6月~11月と極めて長い。小さな釣鐘型の白い花を木全体に多数つける。花を散らしつつ次々と新しい花を咲かす。花は、非常に強く甘い匂いを放つ。
尚、「アベリア」「花園衝羽根空木」の俳句は、花そのものが普及し出してから日が浅いためかまだ少ない。参考になるものが見つからなかったので、参考句は割愛する。
https://yujyaku.blog.fc2.com/blog-entry-1214.html 【熊蜂の花園衝羽根空木咲く】より
■ 熊蜂の花園衝羽根空木咲く
( くまばちの はなぞのつくばね うつぎさく )
花園衝羽根空木(はなぞのつくばねうつぎ)とは、アベリアの和名である。この花木は低木で、木全体に白い花をつけ、香りも良く、花期も長いせいか、街路樹や公園樹として良く見かける。
先日行った疏水沿いの遊歩道にも、この花木がたくさん植えてあり、周囲に甘い香りを振りまいていた。近くへ寄ってみると、大きな熊蜂(くまばち)2匹が吸蜜していて、花から花へと大変忙しなく飛び回っていた。
本日の掲句は、そんな様子を詠んだ句。2匹の熊蜂が広い花園を楽しげに飛び回っている情景に合うように、敢えて和名の花園衝羽根空木で詠んでみた。アベリアは夏の季語なので、花園衝羽根空木もそれに準じて使用。
ところで、洋名、和名がある場合、どれを使うべきか。「花園衝羽根空木」は長いので敬遠されがちだが、この花の姿をよく表しており、掲句の場合は、その名前を生かすために使った。
一方、アベリアは短くて覚えやすい。これを、「間の抜けたアベマリア」という人もいるが、「間の抜けた」は別として何か敬虔な響きがある。だから、この名前で詠まれることも多い。
どれを使うかは、やはり、その名前の意味と響きを句にどう生かすかを考慮して決めることになろう。因みに、これまでは、以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① 今日もまた香る花園衝羽根空木
② アベリアの蜜の甘きに黒揚羽
③ アベリアの花息長く香る秋
①は、和名の「花園」「衝羽根」の楽しげな響きを活かした句。②は、本日の掲句と似ているが、黒揚羽にはアベリアという柔らかな響きがあっている感じがした。③は、秋になっても咲いているアベリアを詠んだもの。ここで和名を使うと冗長になる。
アベリアは、スイカズラ科ツクバネウツギ属の低木。原産地は、東アジア、メキシコなど。大正時代に渡来したそうだが、普及し出したのは1960年代以降だとのこと。小さな釣鐘型の花を木全体に多数つけ、非常に強く甘い匂いを放つ。花期は6月~11月と極めて長い。
和名の花園衝羽根空木は、枝振りが空木(うつぎ)のようで、 花の散った後が衝羽根(つくばね:羽根つきの羽根)に似ているという「衝羽根空木」という花木があり、その園芸品種で沢山の花をつけることから「花園」をそれ冠してつけられたそうだ。
尚、アベリア、花園衝羽根空木の俳句は、普及され出してから日が浅いためか、まだ少ないようなので、参考句は割愛する。
https://yujyaku.blog.fc2.com/blog-entry-736.html 【賑やかに箱根空木の咲く川辺】より
■ 賑やかに箱根空木の咲く川辺
( にぎやかに はこねうつぎの さくかわべ )
よく行く疏水べりに「箱根空木(はこねうつぎ)」が植えてあって、今年も木全体に沢山の花をつけた。
花の色はいくつも混じっているが、これは、最初に白い花が咲き、それがピンク、紅色へと変化するためで、違った色の花が咲くわけではない。
本日の掲句は、その様子を詠んだものだが、いろいろな色の花が混じっていることを「賑やかに」と表現した。「箱根空木の花」は夏の季語。
ところで、「○○空木」というように空木の名の付く植物は非常に多く、以前その名前を連ねて以下の句詠んだ。
○ 箱根 谷 梅花 桜の空木かな
( はこね たに ばいか さくらの うつぎかな )
○ 空木咲く 丸葉 衝羽根 更紗 姫
( うつぎさく まるば つくばね さらさ ひめ )
この二句には、全部で九種類の空木が盛り込まれている。この他にも、自分がまだ確認できてないものもあり、恐らくこの倍ぐらいはあるのではないかと思われる。
以下の記事に、これらの花の概要を写真ともに掲載しているので、興味のある方は、ぜひ一度ご覧いただきたい。
「空木尽くし」(2014年5月22日記事) ← クリック
箱根空木は、スイカズラ科タニウツギ属の植物で日本原産。花期は5〜6月頃で漏斗状の花を咲かせる。別名には紅空木(べにうつぎ)、咲き分け空木(さきわけうつぎ)、源平空木(げんぺいうつぎ)などがある。
箱根に多いので名付けられたと言われていたが、誤認のようで、当地にはわずかしか自生していないとのこと。同属の二色(錦)空木に酷似する。
尚、「卯の花」の異名を持つ「空木」はユキノシタ科で、「箱根空木」とは別科別属の植物である。
「空木」で詠んだ句はままあるが、「箱根空木」で詠んだ句はほとんどない。以下には、ネットで見つけた句をいくつか参考まで掲載した。
【箱根空木の参考句】
箱根空木咲く餞別の絹沓下 (塚本邦雄)
気のせいか箱根空木に雨ぽつり (高澤良一)
富士見えぬ峠の箱根空木かな (土屋勝)
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