https://ameblo.jp/kawaokaameba/entry-12478836643.html 【細谷喨々さんに少し興味が湧きまして「死にし患児の髪洗ひをり冬銀河(細谷喨々)」田中裕明・森賀まり】より
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🌏細谷喨々さんに少し興味が湧きまして調べてみました。
🌏死にし患児の髪洗ひをり冬銀河(細谷喨々)
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✏昨日の「癒しの一句」が細谷喨々さんの「凭(よ)られても患児(かんじ)の軽し初時雨」でしたが、この句から細谷さんの人となりが伺え、興味が湧きました。
やはり、お医者さんで相当有名な方のようです。本名は亮太さんで、「喨々」は俳号でした。
🔹1948年生まれですから、67歳。小児科医、文筆家。山形県生まれで、実家はやはり病院(医療法人社団ぶなの森・細谷医院)。
🔹東北大学を卒業し、聖路加国際病院小児科勤務、その間(1978-80年)テキサス大学M・D・アンダーソン病院がん研究所勤務し、聖路加国際病院小児科に復職され、現在副院長、小児科部長をされてます。専門は小児がん。
🔹俳句は、石川桂郎門。俳誌「一葦」(主宰=島谷征良)同人。『桜桃』『二日』などの句集を出されています。
🔹著書もたくさんあります。『川の見える病院から がんとたたかう子どもたちと』『医師としてできることできなかったこと 川の見える病院から』『いのちを見つめて』『ぼくのいのち』(永井泰子絵)『小児病棟の四季』『生きるために、一句』『医者が泣くということ』『生きようよ 死んじゃいけない人だから』など多数。
他に『日本の四季旬の一句』(坪内稔典、仁平勝共著)『小児がん チーム医療とトータル・ケア』(真部淳共著)など共編著・編集書多数。
翻訳書は『君と白血病 この1日を貴重な1日に』など多数。
✏細谷喨々さんの俳句。第2句集『二日』より。
★螢火の明滅脈を診るごとく ★颱風の中モルヒネの効いてゆく
★撫子や死を告げる息ととのへて ★死にし患児の髪洗ひをり冬銀河
★ハロウィンや病棟に魔女すれちがふ ★かぜの子に敬礼をしてかぜ心地
★赤ちやん健診ちんぽこばかりの小六月 ★聖樹据ゑて森のにほひの小児病棟
★へんろ道落椿ふまぬやうふまぬやう
やはり、仕事で対する子供さんを詠んだ句が多いです。またここに出てくる子供さんは小児がんなどの重篤な患者なのですよね。細谷さんは「患児」と呼んでます。
その他の収録句より。
★柿うましそれぞれが良き名を持ちて ★夏燕二十歳のやうにカレー喰ふ
★寝転んで臍のあたりを流れ星 ★十六夜はウィーンに見ん旅用意
★父よりの賀状もつとも字の多き ★父でゐる時の眼鏡や青簾
★きりきりと結はへて母の粽かな ★桂郎忌雨の「ぼるが」をのぞきたし
※「ぼるが」は、俳人の高島茂さんが創業した新宿の店です。
✏細谷さんの仕事ぶりを映画にしたものもあるようです。また医療関係や俳句番組などにもよく出られるそうですから今後気を付けていたいと思います。
※句集『二日』(ふらんす堂2007年9月出版2700円)
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🌏田中裕明・森賀まり著『癒しの一句』11/5。
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★水鳥の汀にて逢ふ約をせり(山本洋子)
<『癒しの一句』での解説> 掲出句はその水鳥の漂う汀で人と逢う約束をしたというのだ。そのひとはだれとも特定されていないが、恋の句のような味わいもある。この俳句の場合には、王朝和歌のように水鳥が不安の比喩として登場しているようにも読めよう。(『癒しの一句』より)
※山本洋子さんというお名前、どこかで聞いたことがあるなあ、と思っていましたら、昨年の俳人協会全国大会で我が兄弟子の小谷一夫さんの
★井戸のみを残せる生家牽牛花(小谷一夫)
を特選に採ってくれた方ですね。そして昨年の俳人協会長崎県支部大会で私の句を特選に採ってくれた小谷さんから、この句を書いた短冊をいただいたのでした。いやいや面白い。
※明日(11/6)の「癒しの一句」は、
★これを憎みこれをたぐりぬ枯かづら(手塚美佐)
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