https://yujyaku.blog.fc2.com/blog-entry-475.html 【夏めけば川辺に赤花夕化粧 】より
■ 夏めけば川辺に赤花夕化粧 ( なつめけば かわべに あかばな ゆうげしょう )
周囲は新緑に覆われ、だんだんと夏らしくなってきた。
そんなおり、近くの疏水べりを散歩していると、その岸壁に「赤花夕化粧(あかばなゆうげしょう)」が多くの花を咲かせているのが目に入ってきた。
もうそんな時期なんだなと改めて感じ、詠んだのが本日の掲句である。「夏めけば」は、夏の季語の「夏めく」の已然形。
ところで、「夕化粧」と聞いて、「白粉花(おしろいばな)」(最後の写真)を思い浮かべられた方もいるのではないだろうか。
「赤花夕化粧」の本来の名は「夕化粧」なのだが、「白粉花」の別称として一般によく知られるようになり、それと区別するため、「赤花」を付けて呼称されるようになったそうだ。
また、季語の混乱を避けるためか、「赤花夕化粧」は季語になっていない。従って、俳句では「夕化粧」というと「白粉花」をさし、秋の季語に分類される。
「赤花夕化粧」としては、不本意かもしれないが、誰かが有名になれば、誰かが割を食うのも世の習い。ここは、こらえて受け入れるしかない。
因みに、「赤花夕化粧」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。
川風も涼し赤花夕化粧
同じ疏水べりで、この花を見て詠んだ句。 石垣の僅かな隙間に根をはり、水面すれすれに咲いていた。本句では「涼し」が夏の季語。
「赤花夕化粧」こと「夕化粧」は、アカバナ科マツヨイグサ属の多年草。原産地は南米から北米南部。日本には明治時代に鑑賞用として渡来し、後に関東地方から西で野生化した。
花期は4月~9月。花は4弁で、直径1~1.5cm。花色は、薄紅色が主だが、白色のものもある。
名前は、午後遅くに、艶っぽい色の花を咲かすことからつけられたそうだが、実際には、昼間でも開花した花をよく見かける。
尚、白粉花の別称の「夕化粧」を詠んだ句はあるが、「赤花夕化粧」を詠んだ句は見当たらないので、参考句は「夏めく」を詠んだ句を掲載した。
【夏めくの参考句】
山水に夏めく蕗の広葉かげ (飯田蛇笏)
鳥光り飛んで夏めく空の雲 (石塚友二)
路にさらす老人の顔夏めく日 (飯田龍太)
ゆくほどに夏めく風の岬かな (倉田紘文)
犬吠の夏めく怒濤見んと来し (大津希水)
http://blog.livedoor.jp/nara_suimeishi/archives/51934047.html 【ユウゲショウは俳句に詠まれているか?】より
<眼福亭>
6月の初め猪名川町銀山でユウゲショウ(夕化粧)を見つけた。ユウゲショウという色っぽい名前を付けられたこの花は明治時代に観賞用に持ち込まれたもの。原産地は南米から北米南部とのこと。花の直径は1~1.5㎝で花弁は4枚、雄蕊8本、雌蕊の柱頭は4つに分かれる。花弁の桃色に濃い赤紫の筋が入り、芯は黄緑と色彩に富んでいる。
このような優雅な名前の花は、渡来種であっても俳句に詠まれているかもしれない。インターネットで検索してみると、一つのブログ[1]に7句が集められていたが、ほとんどは本来の夕方の化粧ばかり。植物のユウゲショウであると思われるのは「夕化粧そろそろ蚊遣焚く用意」の一句のみ。
ややこしいことにオシロイバナの別名もユウゲショウで、こちらは南米原産で江戸時代初めに渡来。オシロイバナと区別するために写真の花はアカバナユウゲショウともよばれる。花の季節で分別しようと調べてみたら、アカバナユウゲショウは5~9月、オシロイバナは6~10月と重なっていて、「蚊遣り焚く」の句はどちらにも適合してしまう。ならば、自分で詠むのが一番確か。そこで一句、
夕化粧咲くや銀山ほととぎす
https://ameblo.jp/cornerstone1289/entry-11525577589.html 【夕化粧】より
昨夜、上の画像をUPしてから、図鑑を繰っていると、「アカバナユウゲショウ」(赤花夕化粧)の項に行きあたった。
草丈20~60センチ。原野、道端。20年くらい前から(図鑑の発行年2006年)急速に広がり出すと書かれている。根ぎわから多数の茎が出て株立ち、葉は卵がたで、ふちは波うちとなっている。まず間違いはなさそう。
朝、館長さんと家の前で出会ったので、この花が咲いている所へ案内。もう一度実物を確認した。
たまたま家の主さんがおられたので、花の名前を紹介するとともに、庭の中にも繁茂しているのをみせてもらった。
主さんは、私に見覚えがあるらしく、そういえば、この辺りで(怪しげな身なりで、とは言わなかったが、うろうろと{もいわなかった})よくカメラ撮影なさってますねえ、とご挨拶。(すぐちかくにアカシアの木がある)。
午後8時、街灯のない場所ゆえ、フラッシュ利用で撮影。
暗闇の中では、咲いているのも閉じているのもあるように見える。
ユウゲショウ(夕化粧、学名: Oenothera rosea[1])は、アカバナ科マツヨイグサ属の多年草。オシロイバナの通称と紛らわしいのでアカバナユウゲショウ(赤花夕化粧)と呼ぶこともある[2]。
和名の由来は、午後遅くに開花して、艶っぽい花色を持つことからとされるが、実際には昼間でも開花した花を見られる。
「夕化粧」を季語として利用した句に何度かお目にかかっている気がしたが、ウィキペディアの解説を見て納得。白粉花(オシロイバナ)を夕化粧と呼ぶのである。そこで区別するために、赤花ないし紅花夕化粧となった(らしい)。有力な花卸売商か、市場関係者が名付けるのであろう。
だからしばらくは、東京と大阪では呼び名が異なることもあるだろう。
ダチュラは呼び名を変えた方がいいということは、このブログで提案した。今時のダチュラは「朝鮮朝顔」ではない。下向きに咲く花である。
諸葛菜を花大根と呼ぶのも紛らわしい。「大根の花」は白く、「花大根」は青紫花。
夕化粧で、俳句検索。
夏衿や紅引くだけの夕化粧 浅田 伊賀子 秋の日の鏡にさせば夕化粧 後藤夜半
2句しか出てこない。どちらも季語(花)としての夕化粧ではない。
(続俳句検索 2007年版)で検索
小芸者の蚊遣も焚かず夕化粧 蚊遣 正岡子規 講武所に蚊遣も焚かず夕化粧 蚊遣 正岡子規
夏衿や紅引くだけの夕化粧 浅田伊賀子 裏木戸は開けてあります夕化粧 郡山とし子
夕化粧そろそろ蚊遣焚く用意 後藤比奈夫 めんない千鳥
5句。
重なりがあるが、「裏木戸」の句は、オシロイバナのようである。
ホトトギスの歳時記、その他の歳時記とも、白粉花の別称として、「夕化粧」を挙げていない。
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