https://www.shigei.or.jp/herbgarden/album/yuugesho/album_yuugesho.html 【ユウゲショウ/アカバナユウゲショウ(アカバナ科) Oenothera rosea】より
ピンク色の花は可愛らしいが、栽培からの逸出により、世界各地で野生化している強健な外来種でもある。 葉は長さ1~6cm程度の楕円形~卵状披針形。葉の縁は全縁か浅い鋸歯があり、ゆるやかに波うつ。
ユウゲショウはアカバナユウゲショウとも呼ばれ、アメリカ大陸(熱帯地域)原産の外来(帰化)植物で、日本国内では、主に関東以西の市街地や荒れ地、耕作地周辺など日当たりが良く、乾燥気味の場所で見られる多年草です。世界の暖温帯地域に広く帰化しており、日本には明治時代に観賞用の園芸植物として持ち込まれたものが逸出(逃げ出し)、野生化したとされます。
花は5~9月頃にかけ、茎上部の葉腋に直径1.5~2cmほどの淡紅色の4弁の花を多数咲かせます。花弁には赤色の筋があり、柱頭(雌しべの先端)は大きく4裂して平開します。葉は長さ1~6cm、幅1~2cm程度の楕円形~卵状披針形で、葉の縁はゆるやかに波うち、ほぼ全縁か、波型の浅い鋸歯があります。若い葉の表裏にはまばらに白毛がありますが、しばらくすると葉脈上を除いてはほぼ無毛となります。高さ10~60cmほどになる茎には白色の毛が生えており、特に日当たりの良い場所などでは、しばしば赤色となります。根はそれほど長くはないものの、太いゴボウ状となり、良く乾燥に耐えます。庭などに意図せず侵入した場合には、茎を持って引き抜こうとしても、なかなか引き抜けず、根がちぎれて残った場合には根から再生するため、厄介な雑草となります。花後にできる果実は、同属のツキミソウ O. tetraptera などと同様、4つの大きな稜とその間に低い稜の8稜がある、長さ1cm程度、直径5mm程度の卵型の蒴果(果実が割れて種子を散布する)で、果実が雨などで濡れると4つに大きく裂けて平開し、雨の水滴の衝撃などによって種子を散布する、「雨滴散布」型の果実です。
茎には白色の毛が生え、日当たりの良い場所などではしばしば赤色となる。(緑色の場合もある) 地下の根は太く、ゴボウ状となり、良く乾燥に耐える。茎を持って根まで引き抜くことは難しい。
本種は「アカバナユウゲショウ」とも呼ばれ、その名で掲載している植物図鑑も多くありますが、最近ではどちらかというと単に「ユウゲショウ」として、「アカバナ…」を別名としている図鑑の方が多いようです。ちなみに「アカバナ」とは、本種の花色が赤いことを意味するのではなく、花の色や形が、同じアカバナ科の在来種、アカバナ Epilobium pyrricholophum に似ていることに由来するようです。白花品も時折見られますが、白花品が「ユウゲショウ」というわけではありません。
果実は雨などで濡れると大きく4裂して平開し、雨粒の衝撃で種子が散布される。 同じアカバナ科の在来種、アカバナ。花がこのアカバナに似ているので、「アカバナ…」の名がついた。
また、「ユウゲショウ」とは「夕化粧」の意味ですが、これはオシロイバナの別名であるとも、マツヨイグサの仲間の別名であるとも言われます。マツヨイグサの仲間の花は、夕方に咲いて朝にはしぼみますが、オシロイバナの花も、マツヨイグサの仲間よりは開花が早いものの、夕方頃に開花し、翌日の午前中にはしぼみます。どちらが正しい、というわけではなく、どちらも夕方に咲く花として、「夕化粧」と呼ばれたのかもしれません。それでは、「ユウゲショウ」の名を持つ本種の花も夕方に咲く…と思われがちですが、観察をしてみると、通常、開花するのは明け方頃で、日中開花して夕方頃にしぼむ、一日花のようです。植物の開花は、時期や気候によって、多少ずれたり延びたりしますので、夕方に咲くことがないとは言い切れませんが、命名の根拠としては弱そうです。「アカバナ」に似て、「ユウゲショウ(マツヨイグサ類)」と同属の花なので「アカバナユウゲショウ」とされたと考えるのが適当かもしれません。「花は夕方に咲く」としてある植物図鑑もありますが、これは和名からの思い込みによる、誤解であろうと思われます。
参考文献:清水健美 編.2003.日本の帰化植物.p.148. 平凡社./清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七 編・著.2001..日本帰化植物写真図鑑. p.212.全国農村教育協会./門田裕一 監修.2013.増補改訂新版 野に咲く花.p.319.山と渓谷社.
(2017.6.25)
花が夕方頃に開花するので、ユウゲショウの別名を持つオシロイバナ。マツヨイグサ類も同じ別名を持つ。 開花の様子のインターバル撮影(撮影:2017年6月2日)。開花は明け方頃であることが分かる。
facebook垣内 暎惠さん投稿記事
赤花夕化粧が今朝、開花した。自宅の庭に手入していない鉢から健気に咲いた。
小さい可愛らしい花。植物は強い。季節が来れば、水が行き届いていれば(昨日の雨のお陰)。私を迎えてくれる。華やかさはないけれど、そこが私にぴったりする野の花たち。
カタバミ、ニワゼキショウ、スミレも彩を見せてくれる。ありがとう❣
facebookHiromi Yanoさん投稿記事【ユウゲショウ】※夕化粧
和名の由来は、午後遅くに開花して、艶っぽい花色を持つことからとされるが、実際には昼間でも開花した花を見られる。オシロイバナの通称と紛らわしいので、アカバナユウゲショウ(赤花夕化粧)と呼ぶこともある。
https://blog.goo.ne.jp/hanano800/e/dc3b8abf9334c4f8fed8a8b4bc382183 【ユウゲショウ ~形態や名前の由来~】より
こちらでは基本的な形態や生態、名前の由来などについて載せています。
ユウゲショウ(夕化粧) <学名:Oenothera rosea L'Her. ex Aiton> アカバナ科 マツヨイグサ属 多年草
北米南部から南米原産。明治時代に観賞用として移入されたものが本州の関東地方から西に帰化し野生化している。
道端や空き地でもよく見かける。茎は叢生し高さ20~60cm葉は長さ3~5cm、幅1~2cmの披針形~卵状披針形で、互生。ふちは波打ち、波状の浅い鋸歯がある。花期は5~9月。上部の葉腋に直径約1cmの淡紅色の花をつける。花弁はまるくて紅色の脈が目立つ。柱頭は4裂して平開し、大きくよく目立つ。雄しべは8個で葯は白色。時に白花が見られます。
隣町でこんな色の花も見かけました。数年前に我が家の近くで見かけたものと同じタイプのようです。
★ 粘着糸 ★
小さい花の中をよく見ると、花粉が納豆のように糸を引いているような感じに見えます。実際に花粉を指につけると、糸を引いているのがよく分かります。ネバネバした感じはありません。さらっとしています。これは「粘着糸」と言うもので,花粉に長い糸状のものがついているのです。より多くの花粉を運んでもらうため、この糸で花に来た虫に花粉を絡みつかせようとしている知恵なのです。拡大してみましょう。同じ粘着糸をもつものに、同じ仲間のマツヨイグサ類やツツジの仲間があります。花粉を観察してみるのも面白いです。
★ 雨滴散布 ★
果実はさく果で、上部が膨らんだこん棒のような形で8稜が目立ち、断面は八角形。
↑ こん棒状の若い果実が写っています。
熟すと先端から4裂する。雨に濡れると開き、中の種子が流れていきます。雨滴散布と呼ばれるタイプの散布方法です。
━ 乾燥すると閉じ、濡れるとまた開きます。これを繰り返すことで、あちこちに種子が運ばれていきます。 ━
フデリンドウなども「雨滴散布」をする 植物で果実は日射しがある時(乾燥している時)には閉じていて、水(雨)に濡れると開き、雨水を利用して種子を散布するのです。
雨滴散布の記事 ⇒ ◎
日射しを独占できる春に花を咲かせ、梅雨時の雨を利用して種子を散布する
自力で動くことのできない植物の良く出来た仕組みに今更ながら驚かされます。
★ 名の由来 ★
ユウゲショウという和名の由来は、「夕方、化粧したように咲く花」ということです。午後遅くに開花して、艶っぽい花色を持つことからとされます。実際には昼間でも開花した花を見られます。{昼間から咲いている個体がほとんどで、夕方になるとしぼんでしまうものさえあるのです。マツヨイグサ属が総じて夜咲きであることや、帰化する段階で花が昼咲きに変化したことによる説もありますが、いずれも推測の域を出ていません。} とも出ていました。
一秋の勤める会社の駐車場にも生えているのですが朝の出社時(7:30頃)には綺麗に咲いていますが、帰り(19:00頃)には開いていません。夕方というより夜の開花ですね。
開花時間を調べてみるのも面白そうですね。
━ 別名:アカバナユウゲショウ ━
別の科の花にオシロイバナ(白粉花)があり、夕方から開花するため
その花の別名がユウゲショウ(夕化粧)と呼ばれます。オシロイバナの夕化粧と区別するために、アカバナユウゲショウ(赤花夕化粧)とも呼ばれるようになりました。
https://sumire500.blog.fc2.com/blog-entry-455.html 【ユウゲショウ ~帰化植物として~】より
帰化植物としてのユウゲショウの生態などを紹介します。
ひかえめで愛らしい花といった印象ですが裏腹に、花期が長くたくましい生命力を持っています。
北米南部から南米を原産とする帰化植物で、明治時代に観賞用として移入されたものが主に本州の関東地方から西に広く帰化し野生化している。道端や空き地等いろいろな場所でよく見かける。根はひげ根で、主根を持たない細い根が多数ついています。
また根茎という太い地下茎をもっているものもあり、これを地中に伸ばしてどんどん広がっていきます。根茎を全て取り除くことは難しく、畑や空き地などで繁殖してしまうと厄介な存在になってしまいます。
茎は叢生し高さ20~60cmになる。
葉は互生、長さ3~5cmの披針形~卵状披針形で、ふちは波打ち、波状の浅い鋸歯がある。
花期は5~9月。直径約1cmの淡紅色の花をつける。花弁はまるく、紅色の脈が目立つ。
熟した果実は、雨に濡れると開き、種子が飛び散る。
0コメント