https://news.1242.com/article/284896 【タケノコはなぜ漢字で「筍」と書くのか】より
タケノコはなぜ漢字で「筍」と書くのか ニッポン放送「羽田美智子のいってらっしゃい」
タケノコとは、イネ科の植物である「竹」の地下にある茎から、地上に伸びた若い芽のことです。一般的にタケノコと言えば、大型で厚みのある「孟宗竹」のことを指しますが、他にも食用となる種類はいくつかあります。例えば「淡竹(はちく)」や「真竹」、「根曲がり竹」などです。
そんなタケノコを食用としているのは、日本や中国、韓国、タイ、ミャンマーといった東南アジアの国です。
タケノコが軟らかくて美味しい状態でいられるのは、土から出て来たあとのわずかな期間です。土から頭の部分が出るか、出ないかの時期がいちばんの食べごろです。それ以上になると、タケノコは急に背を伸ばしながら、身を硬くして竹になって行きます。
「筍(たけのこ)」という漢字ですが、“竹かんむり”と“旬”の字でできています。「一旬」という言葉があり、これには「10日間」という意味があります。そんなところから「筍」という漢字は、「一旬で竹になる」という言葉が由来とされています。
実際に、竹は条件が整うと次々に伸び始め、1日に120センチ以上伸びたという記録もあるそうです。
https://www.tsuji.ac.jp/oishii/recipe/j_food/tamate/takenoko.html 【雨後の筍】より
〔雨がやんだあとに筍が続々と生えることから〕似たような物事が次々と現れ出ることのたとえ。竹の語源は丈(たけ)、高(たか)であるとされていて、筍は竹の地下茎から伸びた若い茎で「竹の子供」という意味である。
筍という漢字は竹冠に旬と書く。では旬と言うのはどれくらいの期間なのであろうか。ヒントは、一ヶ月を三つに分けるとそれぞれ上旬、中旬、下旬と呼ぶ。そう、旬の期間は十日間なのである。筍は土から顔を出して十日もすれば竹になってしまうので、この漢字が当てられたと言われている。
我々日本料理の料理人は、この旬を大切にして献立を考える。食材の旬は、その食材が一番美味しく、栄養もたっぷりな時期。しかも市場にたくさん出回っているため安価である。料理店は料理をお客様に食べていただいてお金を頂く商売なので、お昼のサービスタイムなどは原価をよく考えながら献立を立てることが大切なことなのである。
ところが、家庭の奥様方も家計を考えて安価な旬の材料で料理を作る。これではお父さんにとっては、昼食で食べた料理屋の料理と、家に帰ってお母さんが愛情たっぷりに作ってくれた夕食の料理が重なることがしばしばありうる。そこで料理屋では、時期をわずかにずらし、食材の旬を先取りして「はしり」と称したり、遅くして「なごり」と称することで、高級感を出したりする。筍などは、鹿児島で竹林の地表に熱線を敷きつめて、年末のまだ寒い時期に筍に春が来たと錯覚を起こさせ芽生えさせる、詐欺のような収穫なのである。 しかも、紙コップ大の筍が1本3千円もする高級材料になってしまう。また、京都の筍は、12月に「敷きわら」といってわらを竹林一面に敷きつめる。わらは冬に向かって保湿と保温の役目をすると同時に、有機肥料にもなる。さらに、「客土(きゃくど)」といって、休ませている竹林の土を切りくずしてわらの上に厚くおく。「客土」によって土が深くなり、筍はじっくりと育ち、5月の中旬まで「なごり」として高級料亭などに出荷される。
さて、日本で食用される筍の多くは孟宗竹(もうそうちく)である。この竹の名前の語源になった孟宗という人は、中国の「二十四孝」(※)の一人である。孟宗は幼くして父親を亡くし、病弱な母親の世話をしていた。その母親が、病気でもはや先が見えるような状態の中、「筍が食べたい。」と言った。季節は真冬で筍が生えているわけもないが、孟宗は雪の中を竹林で筍を捜し求め、鍬で地面を掘りつづけたが、なかなか筍は見つからない。疲れ果て、最後の力で鍬を入れると、小さな筍の穂先が目についた。この筍を丁寧に掘り出して母親に食べさせたところ、奇跡的に母親の病気が快復したと言い伝えられている。もし孟宗が「はしり」や「なごり」の筍の話を聞いたら、 びっくりして倒れてしまったかもしれない。
全国的にも良質の筍の産地として認知されている京都の筍の中でも、「白子(しろこ)」と呼ばれる、1kg5千円もする高級筍がある。「白子」は皮が白っぽい黄金色で、穂先は黄色く柔らかで、中身はやや透明感のある白色、肉質は柔らかく甘みがある。同じ竹林で採れても、一般的な黒っぽい皮の「黒子(くろこ)」と呼ばれる筍が1kg千円ぐらいで売られているから、その品質の違いは想像がつくだろう。「白子」と「黒子」には明確な基準はないが、同じ竹林でもより粘質でほどよく湿った土に、より白い筍ができるようだ。
筍は、地上に出るとあくがまわるので、「掘り鍬」という掘る部分が長いL字型をした専用の鍬を使い、地中にあるときに掘り出す。掘りたてのものは生で造りのように食べられるが、少し時間がたつと固くなり、あくが出てくるので、通常はできるだけ早くゆでる。皮の色が淡く大きい筍のほうが、えぐみも少なく、繊維も柔らかい。
筍をゆでる時は米糠と鷹の爪を加える。筍のあくの正体はホモゲンチジン酸と呼ばれる物質で、米糠を水に加えてゆでると、このホモゲンチジン酸が糠のでんぷん質に吸着される。また、糠の酵素が筍の組織を軟化し、でんぷん質が筍を覆って内部の成分を保護する働きもある。鷹の爪もえぐみを取る働きがあるとされる。なお、皮のままゆでるのは、皮に含まれる亜硫酸塩という物質が、繊維を柔らかくするためといわれている。
筍は香りが強いが味わいに乏しいので、かつお節の風味を十分きかせただしで煮る。さらに「追いがつお」といって、かつお節をひとにぎりガーゼに包んで、落し蓋のように材料の上にのせてこくを補ってやるとよい。また、酒を多めにきかせて、えぐみを和らげるとともにほのかな甘味を付けるようにするのもよい。
※二十四孝(にじゅうし‐こう)
中国の古今の孝子(孝行者)24人を選定したもの。
https://www.kyosyokuinzaidan.jp/column/mimiyori/takenoko.html 【タケノコ】より
成長力の強い竹は日本人の生活とはなじみが深く、いろいろと活用されてきました。その若芽である「タケノコ」も古くから食用とされています。そんな「タケノコ」の豆知識を紹介します。
1.タケノコについて
タケノコは、竹の地下茎の節から出る若芽です。漢字の「筍」は、地上に芽を出してから10日(一旬)ほどで竹になるといわれることに由来します。
日本で食用とされているものには、真竹(まだけ)、淡竹(はちく)、根曲がり竹(ねまがりだけ)などのタケノコがありますが、最も多く食用とされているのは、孟宗竹(もうそうちく)のタケノコです。国内の主な産地は本州、四国、九州などで、外国産としては中国などから水煮にしたものが輸入されています。
「孟宗竹」の名前は、中国二十四孝の一人である孟宗が、病気になった母親のために雪の中からタケノコを掘り当て、それを食べた母親が元気になった、という故事に由来するといわれています。
2.タケノコの選び方
タケノコは「朝掘ったら、その日のうちに食べろ」といわれるくらい鮮度が大切なものです。掘り出したばかりのものは生のまま食べることができるくらいえぐみがなく軟らかいのですが、時間がたつとアクが強くなりえぐみが増します。生のタケノコを購入するときは、なるべく新鮮なものを選び、できるだけ早く下ゆでをしてアクを抜く必要があります。
孟宗竹のタケノコの場合、ずんぐりとした形で重みがあり、皮の産毛がつやつやとしているものを選びましょう。切り口が白くてみずみずしいものが新鮮です。乾いて大きさの割に軽いもの、切り口が茶褐色に変色したものは鮮度が劣るので、避けた方がよいでしょう。なお、育ち過ぎたものは穂先が黄色から緑がかった色に変わり、えぐみが強くなります。
3.タケノコの切り方
繊維質のタケノコは根元になるほど硬くなるので、先端は大きめに、根元は薄く切ったり、細かく切ったりして食べやすくするのがコツです。一般に、煮物には横にやや厚めに切り、炒め物には縦に細切りすると、歯ざわりよく仕上がります。
また、タケノコの真ん中にすき間のある部分があります。縦に刻むときにはポロポロにならないようにするため、まず半分に切ってこのすき間部分を切り取り、そのあと、薄くスライスして千切りにします。
4.タケノコに含まれる成分
タケノコは、低カロリーでタンパク質を多く含み、ビタミンB1、B2のほか、食物繊維も多く含まれています。また、ゆでたタケノコのすき間のある部分によく見かける白い結晶のような物は、チロシンといわれるアミノ酸の一種で、老化防止などの効果があります。
タケノコに含まれるセルロースやリグニンといった多様な食物繊維は、便秘予防効果だけでなく、コレステロールの排出に効果があります。
また、豊富に含まれるカリウムは体内のナトリウムを排出する効果がありますので、高血圧の予防になります。
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