https://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/2960 【うつくしい ことば まど・みちお】より
たのしそうに 口にしあっている
ーともだち
という うつくしい ことばを ともだちで ないものには しらんぷり しておこうよ
という いみにして… しみじみ つぶやきあっている
ーにくしん
という しみじみした ことばを あかの たにんなどは ほっとこうよ という いみにして…
谷川俊太郎・編『まど・みちお詩集』(岩波文庫、2017年)より
◆「ともだち」も「にくしん」も、〈そうでない者たち〉を蚊帳の外に置いたままにするというのが前提になっているのだろう。
したがって、彼らの間で交わされることばは、彼ら以外の人々にとって、開かれたことばではなく、触れようとすれば棘で傷つける鉄条網のように、しばしば排除や敵意をむき出しにする。
内輪の人々の親密さと反比例するみたいにして。
〈しらんぷり〉や〈ほっとく〉のが文字通りなら、害は少ないはずなのに、大人の世界や、国と国同士の場合は、鉄条網だけでは満足せず、それを通り越してミサイルやドローンを仕掛けてくるから始末に負えない。
NHKアーカイブス【#あの人から365の言葉】#まど・みちお (詩人)
1909-2014 命日2月28日
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人間はなぜ詩を書くのか 人間はなぜ息をするのか 息をしないと死んでしまいます
私は詩を書かないと死んでしまうほどでは ございませんけども
息の次に大事なものがあります「言葉」でございます
それがどうしても出てくるのでございます
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詩人、まど・みちお。童謡「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」「一ねんせいになったら」などの作詞で知られる。
明治42年、山口県に生まれる。5歳の時、父親の仕事で家族が台湾へ移り住み、ひとりだけ祖父の元に残された。その時のさみしさや孤独が、詩作の原点となったという。10歳で家族のいる台湾へ移住。25歳の時、雑誌に投稿した童謡の詩が北原白秋に認められ、童謡の詩の創作に本格的に取り組み始める。昭和18年に徴兵され、フィリピン、インドネシアなどを転戦。シンガポールで終戦を迎える。童謡「ぞうさん」の歌詞を書いたのは昭和26年。NHKのラジオで放送され全国に広まった。その後も、独自の感性で「生きること」「存在すること」の不思議と尊さを詩にしていく。
戦後50年近くたって出版した全詩集では、戦時中に書いた戦争協力詩もあえて収め、そのあとがきのすべてを割いて謝罪の言葉を綴った。85歳で児童文学のノーベル賞と言われる国際アンデルセン賞を受賞。100歳を過ぎても詩作を続けた。やさしく深い言葉に込められた、まっすぐな思いが語られる。
#あの人に会いたい 動画はこちらから
https://www.nhk.or.jp/.../special/today/365words/0227/
http://kuri-ma.seesaa.net/article/390169325.html 【詩人が一人星になった?! まどみちお「なぜ詩を書くのか?!」『けしゴム』 】より
★「死んだ」男性、遺体袋の中で目を覚ます 米国
三日月&宵の明星
人間はなぜ詩を書くんか。 人間はなぜ息をするんか。息をしないと死んでしまいます。
私は、詩を書かないと死んでしまう ……ほどではございませんけども(笑)、
息の次に大事なものがあります。言葉でございます。そういうものが どうしても出てくるのでございます。
◇
詩人のまどみちおさんが、104歳で亡くなりました。
「ぞうさん」「一ねんせいになったら」「やぎさんゆうびん」「ふしぎなポケット」など、世代を越えて愛される作品を遺されました。
トップに掲載したのは、生前のインタビューの言葉です。
まどみちおさんの詩は、本当に素晴らしいものが多いのですが、今日は、数年前に、FaceBookで小学生の作った詩だと誤解され拡散してしまったというエピソードがある「けしゴム」を紹介します。
本当に分かりやすい言葉で書いてあるけれど、とても温かい詩です。
◇
「 けしゴム 」 まど・みちお
自分が 書きちがえたのでもないが いそいそと けす
自分が書いた ウソでもないが いそいそと けす
自分がよごした よごれでもないが いそいそと けす
そして けすたびにけっきょく 自分がちびていってきえて なくなってしまう
いそいそと いそいそと 正しいと 思ったことだけを ほんとうと 思ったことだけを
美しいと 思ったことだけを 自分のかわりのように のこしておいて
http://kuri-ma.seesaa.net/article/390244255.html 【頭は宇宙の果てを指差す?! まどみちお『頭と足』 詩人が一人星になった2 】より
★【特集】米アカデミー賞、歴代受賞者を一挙紹介
すばる
昨日に引き続き、まどみちおさん特集、今日は毛利衛さんがスペースシャトルで紹介していた詩を紹介します。
◇
『頭と足』 まどみちお
生きものが 立っているとき その頭は きっと 宇宙のはてを ゆびさしています
なんおくまんの 生きものが なんおくまんの ところに 立っていたと しても…
針山に さされた まち針たちの つまみのように めいめいに はなればなれに
宇宙のはての ぼうぼうを… けれども そのときにも 足だけは みんな 地球の おなじ中心を ゆびさしています おかあさあん…と 声かぎり よんで まるで とりかえしの つかない所へ とんで行こうとする 頭を ひきとめて もらいたいかのように
◇
科学者ではないのに、真実を捉えていることに、宇宙の専門家である毛利さんも驚かれたようですが、物事を極めている人ほど、まどみちおさんの詩の優れた点に、感銘を受けるのかもしれません。
物事の究極をつかむ、真実の言葉にとてもパワーを感じます。
「針山にさされたまち針」はとても分かりやすいイメージで、視覚的にも面白い。
地球の引力に守られて立っている私たち。母なる地球のおかげです。
「おかあさあん」と呼ぶ感じもいいです。
シンプルで優しい言葉を通してつづられる詩。宇宙の愛のようなものを感じさせてくれます。
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