https://www1.gifu-u.ac.jp/~forest/rilc/jimuintopics25.html 【彼岸花の咲く風景】より
今年の夏は雨が多く、夏らしい日も少なかったのではないかと思います。
9月に入り、残暑もさして厳しいとは言い難く、すっきりした青空の日が大変ありがたいです。それでも例年より、秋へ向かう速度は速いのか、木々の緑もその色が褪せてきた様に感じます。
秋分の日の頃、里山には「彼岸花」が咲きます。決して都会には咲かない花です。
全草が毒草でもあり、家に持ってくると火事になるとか言われることがあり、あまり好かれない花ではないかと思いますが、田圃のあぜ道や用水の法面に咲く景色は、初秋の風物詩だと思います。 何もないところに突然茎を出して花を咲かせ、その後葉が出るそうですが、私はあまり気づいたことがありません。秋のある一時期だけに咲く花というイメージが強いです。
ご存知の方も多いと思いますが、「彼岸花」は、お彼岸の頃に咲く花だからという意味と、 大変な毒草ではありますが、その地下の鱗茎にはたくさんの澱粉を含んでいるため、救荒作物とみなされて、これを食べたら、彼岸へ行く(死ぬ)ということで、その名がついたとも言われています。
救荒作物について解説した本として有名なものに、今の山形県の米沢藩の藩主 上杉鷹山が家臣に命じて刊行した「かてもの」という、いわゆる代用食になる植物についての手引書があります。これは刊行後、1832年の天明の大飢饉の時に、大いに活用され米沢藩では一人の餓死者も出さなかったということですから、当時の植物学の集大成の一つでもあったのでしょう。その中には、彼岸花は記載されていません。彼岸花は日本全国どこでも咲く花ですから、それがないということは、これは私の想像ですが、本当に最後の最後に食するものであり、うかつに食用には供さなかったのではないでしょうか。
(余談ですが、沖縄では、ソテツの実が同じく毒を持ちながらも救荒作物とされており「八重山嶋農務帳」には一軒につき20本は植えるべきであると記されています-「日本農書全集」34巻p153参照、又実際に、食物に困りソテツを食べざるを得なかった「ソテツ地獄」と呼ばれる時期がありました)
あぜ道に多いのは、その全草の持つ毒性故に、害虫を寄せ付けなかったから、堤防の多いのは、その地中にはミミズも住めない為、もぐらも寄せ付けない、よって堤防の強度が保たれる為、お墓に多いのは、昔は土葬であったため、墓を荒らすものを寄せ付けない為ということが言われています。
それが、今各地で見事な群生地となって、秋の花の名所となっています。ここ岐阜県では海津町の津屋川の土手に10万本の群生地があるそうです。それはそれで見事なのですが、田圃のあぜに咲く小さな群生は、昔からの里山の風景を思い出させてくれる風景で、これはこれで秋の空に映えて美しいと思いました。
https://ameblo.jp/yamato6113/entry-12531355280.html 【除草剤で色が消えた彼岸花】より
例年なら、彼岸の頃に花咲く彼岸花‥今年は酷暑が続いたせいか…今になって、やっと満開になってきました。私の村では、土手の草刈りの代わりに除草剤散布が普通になり、重ねて除草剤を使うところは、脱色彼岸花が見られます。
1年前、いつも聴くラジオ放送で、パーソナリティーがファンから届いた便りを読んでいました。土手でピンクの彼岸花を見つけたそうで、美しい花と褒めたたえていました。
「あほか!」と、思いました。除草剤の乱用を、褒めてはいけません。
私なら除草剤の脱色なのか、満開を過ぎた色褪せなのか分かるのですが分からない人の方が、圧倒的に多いという現実なのかな?
今年は残暑が続いたこともあって、記録的な開花遅れです。10月に入るとJAに依頼している稲の刈り取りが始まり、稲穂と彼岸花の写真が撮れるのも、あと数日です。
( 9月22日 撮影)
最近の少雨のせいと思うのですが、昨年は100輪以上も咲いた白花彼岸花の咲く花数が、今年は激減しています。彼岸花は、増え続ける野草と思っていたのに、こんなことは初めてです。
紅白の彼岸花…今が満開です。同じ土手には、八重咲彼岸花も植えています。
花開く前から、花の1部に色褪せが見られるのも…ちょっと気になります。
今日もこちらの最高気温予報は31度、晩夏が異常に長くあっという間に秋が過ぎ去る予感です。
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