冬苺

https://kigosai.sub.jp/001/archives/4165 【冬苺(ふゆいちご)三冬】より

【子季語】

寒苺、きんいちご

【解説】

バラ科の常緑の蔓性小灌木。夏の山地に白い五弁の花を咲かせ、 冬に赤い実が熟す。実は食用となる。冬に温室栽培される苺とは 区別する。

【科学的見解】

フユイチゴは、本州関東以西から九州に分布するバラ科の常緑つる性低木である。果実が冬に熟すため、冬の木苺という意味でその名が付けられた。似た種は多く存在し、ミヤマフユイチゴ、ホウロクイチゴ、オオフユイチゴ、コバノフユイチゴなどが知られている。(藤吉正明記)

おもひつゝ草にかがめば寒苺  杉田久女「杉田久女句集」


https://shop.sweetsvillage.com/blogs/knowledge/rubus-buergeri?srsltid=AfmBOopEENqSBtYmEqsuacu-YTj2PlOqvZoX9VW2cc7LihQSEfThO62C 【冬いちごとは】より

冬の訪れとともに登場する、ひときわ美味しい果物があることをご存知でしょうか。それは、"冬いちご"と呼ばれる最高級のいちごです。冬の特別な旬を迎え、一年で最も美味しいこの時期だけに収穫されるため、年間を通じて最も甘味と香りが凝縮された、贅沢な味わいを楽しむことができます。今回は、そんな冬いちごの魅力とともにその見分け方、楽しみ方等について詳しくご紹介していきます。

フユイチゴってどんな植物?

「フユイチゴ」という名前そのままに、冬季に赤い実をつける特異なイチゴが存在します。その品種は、アルビオンと呼ばれ、彩り鮮やかなビタミン玉が冬の冷え込む頃に最高の赤色を表します。

イチゴと言えば春の収穫が一般的なので、このフユイチゴは既成の概念を打ち破る一品と言えます。それは、寒冷期に合わせて成育管理を改良し、寒さにも耐えられるように開発されたからなのです。

このフユイチゴの秘密は、その大きなサイズと甘さです。アルビオン種は一部始終同じ硬さの果肉と微妙な酸味が特徴で、口中に広がる甘さは絶品です。また、その大きな果実と美しい形状から、華美なギフトや高級デザートにも最適です。

一年中美味しいイチゴを味わいたいという願いから生まれたフユイチゴは、甘さと視覚的魅力からギフトやデザートに人気があります。これまで春にしか体験できなかったイチゴの甘酸っぱさを冬でも堪能してみてはいかがでしょう。

フユイチゴの見た目

フユイチゴは深紅に色づき、その大きさは個々によって変わりますが、一般的には5センチ程度から10センチほどとなります。さらに、形状はやや丸みを帯びており、よく見ると微細なキラキラとした点々があることも特徴です。また、フユイチゴの表面には細かい毛が見られ、細部にまでこだわりが感じられます。

フユイチゴの一粒一粒はまるで赤い宝石のように輝き、神秘的な息吹を放つ美しさは見る者を虜にします。フユイチゴの大きな形状とその艶やかさはまるで小さなアートピースのようで、それらは昼間に光を受けると静かに輝き、その美しさは一層際立ちます。

どのフユイチゴも冷たさを帯びており、ひとつ触れるとその美しい宝石同様の輝きと共に、ひんやりとした感触が手に伝わります。これこそまさしく、冬季限定の特別な魅力と言えるでしょう。その美しい見た目から、贈り物としても非常に好評で、受け取った人を喜ばせるだけでなく、視覚的にも楽しむことができるのです。

フユイチゴの見た目はまさしく「冬の贅沢」、「冬季限定の宝石」に相応しいばかりの美しさと豪華さを持っています。その目を惹く美しさ、特有の風味と香りと共に、フユイチゴの見た目の豪華さに、誰もが引きつけられることでしょう。

フユイチゴの花言葉

フユイチゴの花言葉について語るとき、その素朴な美しさの中に隠された層深い意味を理解することで、この植物の持つ響きをより鮮やかに感じることができます。フユイチゴの花言葉は、「別れの悲しみ」を代表しています。冬の厳しさに耐えつつ花を咲かせるフユイチゴは、一見地味で小さく見えますが、その中には力強い生命力と、つつましいながらも堂々とした美しさが宿っています。

その不屈の強さを体現するように、花言葉でも「別れの悲しみ」を伝える役割を果たしています。しかしその一方で、別れを超える強さや、新しい始まりへの希望も想起させるメッセージでもあります。フユイチゴの花はその穏やかさと優雅さで、視覚的な魅力だけでなく、心を癒す存在としても親しまれています。この静かながらも力強いフユイチゴの花の魅力を理解すれば、「別れの悲しみもまた美しい一部と受け止められるだろう」と感じられます。その方が心から愛し、尊敬し、愛情を感じている相手へ、これからの未来を深く想像する際の贈り物にも適しています。

冬いちごとは

フユイチゴの生息地は?

フユイチゴの生息地とその特性について解説します。 主に北海道や東北地方の寒冷な山地に多く存在しますが、これらの地域だけでなく、海抜0メートルの沿岸部や山間部といった場所でも自生します。これは、フユイチゴが特に厳しい条件でも生き抜く驚異的な適応力を示しています。

フユイチゴは、その名の通り冬季に美味しく成熟するイチゴとして知られ、深い雪の下で力強く生長します。しかし、その生育能力は寒冷地に限定されていません。関東地方や中部地方でも、この植物の栽培が行われ、成功を収めています。これらの地域でのフユイチゴは、気候の温暖さから早春に果実を結び、甘酸っぱい味わいが楽しまれています。

フユイチゴがさまざまな地域で見つけることができる理由は、その高い適応力と、人々から愛される美味しさにあると言えます。これらは、自然の恵みと自己生存力の素晴らしい組み合わせを示しています。その鮮やかな赤い果実をそのまま味わい、その力強さと美味しさを体感してみてはいかがでしょうか。

フユイチゴの仲間

フユイチゴは、冬でも収穫できることで知られるイチゴの一種で、年間を通じて喜ばれます。その仲間には、「スキイチゴ」や「キイチゴ」などがあり、これらは冬でも新鮮な味を楽しむことができます。

「スキイチゴ」は特に人気で、その美味しさは冬季に尚更引き立つと言えるでしょう。これらのイチゴは、寒さが厳しく対策が必要な冬季に、飲食体験の一環として期待を裏切らない存在となっています。

「フユイチゴの仲間」は、季節や気温に依存せずにイチゴを味わうことを可能にし、その結果食文化に対し多大な貢献を果たしています。

現代の農業技術の発展により、これまで考えられなかった新たな品種の開発が進み、フユイチゴそしてその仲間による新たな可能性が広がりつつあります。

これらのフユイチゴの仲間は、美味しさだけでなく、厳しい寒さからも実を結び続ける強靭さを示しています。それらの特質と可能性は、これからも我々の食生活を豊かなものに続けてくれることでしょう。

冬いちごとは

フユイチゴの食べ方

寒く厳しい冬の季節にこそズドンと登場し、その豊かな甘みと風味で私たちを温めてくれるフユイチゴの美味しい食べ方を伝授します。

フユイチゴはキイチゴやノイチゴの仲間で、そのまま食べても美味。しかし、ただ食べるのではなくアレンジすることで味わい深さも上がります。一つ目は、素朴でとてもシンプルなデザート。フユイチゴを半分に切り、砂糖をふりかけ、数時間冷蔵庫で休ませる。そうすることでシロップが自然に生成され、スプーンですくって食べると、爽やかな甘さが口いっぱいに広がります。

また、彩り豊かなサラダに散りばめるだけでも、単調な一皿が華やかに生まれ変わります。甘いのに程良い酸味も持ち合わせたフユイチゴは、肉料理やチーズとも好相性。美味しさの合間にクセのない食事を引き立ててくれます。

そして、ずっしりとした果肉感が堪らないフユイチゴのジャム。砂糖と同量のフユイチゴをゆっくりと煮込むと、その色と深い味わいがパンだけでなくヨーグルトやケーキを引き立てます。

全て食べきれずに余ってしまったフユイチゴは、冷凍保存が可能。解凍後はそのまま食べても良し、ジュースやスムージーに混ぜ入れても良し。ゆったりと贅沢な時間を楽しみましょう。

ここまで紹介したように、さまざまな角度からフユイチゴを味わって欲しい。豊かな風味はそれ自体が、冬の寒さを忘れさせてくれるはずです。

フユイチゴの利用法

冬の美味味覚「フユイチゴ」を活かした多彩な使い方

フユイチゴは、その名の示す通り冬の季節に味わい深い実をつける特別な一種のイチゴです。地元の郷土料理から洗練されたパティスリーまで、これらの果実は多種多様な料理にフィットします。フユイチゴ特有の甘さと酸味が何にでも合います。

彼らの独特な風味を最大限に引き出す基本的な方法は、そのままフレッシュに食べることです。これにより、フユイチゴの素朴な甘さと酸味を直接楽しむ事ができます。さらに、少量の砂糖やヨーグルトを足すだけで、簡単さらにはヘルシーなデザートが完成します。それだけでなく、彼らの明るい赤色は視覚的にも美しい一品を作り出します。

さらに、ジャムやコンポートはフユイチゴを長期間保存し味わうのに最適です。これらはブレッド、ヨーグルト、パンケーキなどと一緒に楽しむことができます。

そして、フユイチゴを用いたケーキやパフェは見逃せません。ケーキのトッピングとして飾るだけではなく、生地に混ぜ込むことでイチゴの風味が堪能できます。

以上の様な方法で、フユイチゴはそのまま食べたり、様々なディッシュやデザートに利用したりと、冬の味覚を最大限に活用できる素晴らしい果物です。

また、フユイチゴはケーキの装飾にも使用できます。美しい赤色のフルーツはビジュアルも美しく、冬季では果物の供給が少ない時期には、有難いビタミン供給源になります。

フユイチゴリキュールの製作もお勧めです。良く洗った果実に氷砂糖とブランデーを適量加えるだけです。飲み口が良く、甘さもあるのでアペリティフとして適しています。

さらに、流れるようなフユイチゴの枝を使ってリースも作成可能です。ただし、枝にはとげが付いていますので、手袋を着用して作業をしてください。枝と果実を組み合わせて作るリースは、緑と赤のコントラストが美しいクリスマスカラーのデコレーションを作り出します。

まとめ

まとめとして、冬いちごは冬の訪れとともに一年で最も美味しく、甘味と香りが凝縮された特別なフルーツであり、その見分け方や楽しみ方を知ることで、より一層その魅力を満喫することができます。冷たい季節のほっこりとした時間を、この絶品のいちごで彩りましょう。


https://www.town.kumano.hiroshima.jp/www/contents/1167887869171/index.html 【フユイチゴ】より

 冬の山歩きをより楽しくしてくれるのが、この「冬苺」です。晩秋から冬にかけて熟し、「寒苺」とも呼ばれます。程よい甘さで爽やかな山の味です。よく熟れている実は、摘むとぽろっと取れます。真っ赤に熟したつぶが10個ほど集まっています。一粒が一つの実で、中に種が入っています。   

 南方系の木苺の仲間で、本州の関東以西、四国、九州に分布しています。常緑の小低木で、つるを伸ばして這い回り地面を覆っています。杉林や竹林、林緑などによく生えています。

葉は互生し、長さ幅とも5~10センチメートル。ぎざぎざの先はとげ状で、葉の裏や葉柄は多毛です。花は夏から秋にかけて、枝先や葉のわきに集まって咲きます。白色で直径1センチメートルほど。花びらは5枚で多数の雌しべ雄しべがあります。がくの外側に短毛が密生しています。

 ミヤマフユイチゴは、フユイチゴとよく似ていますが、葉の先がとがり、全体に毛が少なく、がくの外側はほぼ無毛です。つるにはトゲがあります。フユイチゴとの間に雑種ができるため中間的な型が見られます。 

 昔、苺というと木苺の仲間を指していました。天狗平と石嶽との間に、地元で苺谷と呼ぶ谷があります。フユイチゴやナガバモミジイチゴなど、木苺の多い谷だったのでしょう。


https://nissay-midori.jp/topics/details/1450 【《森の植物の歳時記》 [137] 【フユイチゴ(冬苺)】】より

冬の山道を歩く時、真っ赤に熟すフユイチゴを見つけて口にしたことはありませんか。

晩秋から初冬に熟すイチゴの意味です。

比較的日当たりの良い林床や林縁に生育します。

夏に咲く白い花は大きな葉の陰に隠れるように咲いて、気づくことは少ないのですが、冬に熟す果実は周りの草が枯れていることもあり、注目を集めます。

フユイチゴの実を夢中になって食べている子供さんを見かけました。「動かないのですよ」お母さんが笑っておられました。嬉しい体験だったのでしょうね。

普段食べているイチゴはオランダイチゴと言います。表面に黒い斑点があるのにお気づきでしょうか。痩果(そうか)と呼ばれ、種子です。食べているのは花托(かたく)と呼ばれる花の台になっている部分が肥大したものです。

一方、フユイチゴは花托の上に液果と呼ばれる種を含んだ果実が並び、その中に種子が入っています。

いずれにしても、人間を含めた動物は種子も一緒に食べてしまっていることになります。

冬の山道で見つけたら、ちょっとだけお味見をしてみませんか。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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