https://www.1101.com/earthball_moon/2021-09-17.html 【地球と月と、宇宙のふしぎ】より
ほぼ日のアースボール、こんどはアプリで「月」に大変身! 月の表も裏もまるっと見られて、アポロ船の着陸ポイントも写真付きでたのしめる新コンテンツです。
監修は天文学者の渡部潤一先生。
そもそも月ってどうやってできたの? なんで月には表と裏があるの? 太陽系って最後どうなっちゃうの? 月のきほんから宇宙のふしぎまで、いろいろ先生に教えていただきます。
聞き手は「ほぼ日」稲崎です。
02 どうやって月は生まれたの?
──基本的なところなんですが、そもそも月ってどうやって生まれたんですか?
渡部
月がどうやってできたかは、まだはっきりとわかっていません。いまでもいろんな説があるんです。
──例えばどんな説があるんでしょうか。
渡部
昔からの説は3つあります。ひとつは、原始の地球がいまより速いスピードでまわっていた頃、その遠心力で赤道部分の一部が飛び出して月になったという親子説。
ふたつめは、同じように地球が誕生した頃、近くで同じような天体ができ、それがちょっと小さかったので月になったという兄弟説。
そして3つめは、別のところでできた月が、たまたま地球の軌道に近づき、地球の重力によって捕らえられた捕獲説。これは他人説ともいいます。
──親子説、兄弟説、他人説。
渡部
その3つの説は昔からあるのですが、どれも決定打にかけていたんです。
そこでいろいろ考えられた末、最近よくいわれるのが「巨大衝突説」です。
地球ができたばっかりの頃、地球よりもちょっと小さめの天体が地球をかするようにぶつかり、粉々に砕け散るという出来事があったと。で、その破片が地球のまわりで「周惑星円盤」というものになり‥‥。
──周惑星円盤というのは?
渡部
「土星のわっか」のようなものです。
──わっか。なるほど。
渡部
巨大衝突で飛び散ったガスや塵、小天体からなる土星のような円盤が地球のまわりにつくられ、それがだんだん衝突・集積・合体して月になっていったんじゃないか、と。
いま、専門家の中では、この説がいちばん有力視されています。
──それほどの巨大衝突が、ほんとうに地球にあったんでしょうか?
渡部
大昔っていうとヘンだけど、46億年前はそういう巨大衝突があちこちであったんだと思います。だって、そういうことがないと惑星のサイズも大きくならないですから。
天王星という惑星があるでしょう。あれ、自転軸が98度傾いている天体なんです。
ほとんど横倒しになりながら太陽のまわりをまわっているわけですが、あれも巨大衝突が何回かあって、自転軸がずれたんじゃないかっていわれてます。
──あの、ヘンなことを聞きますが、そういう巨大衝突がこの先、地球に起こりうる確率というのは‥‥。
渡部
太陽系はだいぶんきれいになっちゃったんで、そういう意味では、巨大な天体同士がぶつかることはもう考えられないでしょうね。
──おー、それはいいニュースですね。
渡部
あ、でも。
──でも?
渡部
いや、恐竜の絶滅が6500万年前ですが、きっかけは天体衝突といわれてますよね。
だから、5キロ、10キロの天体が数千万年単位でぶつかることは、確率的にいえば十分にあるでしょうね。
──確率的にはある?!
渡部
ま、確率的にいえばね。
──と、ということは、映画みたいに大きな隕石が地球にドカーンみたいなことが!!
渡部
まあまあ、落ちついてください。
──どうなんでしょうか‥‥。
渡部
まず、小惑星と呼ばれる小さな天体。100メートルから10メートルという小さなレベルのものまで含めると、現在、太陽系の中だけで80万個ぐらいは見つかっています。
──80万個!
渡部
ただ、いまの科学であれば、相手の天体さえ見つかれば、その軌道はほぼ正確に計算できます。そして、それらの軌道を計算するかぎり、向こう100年から200年、地球にぶつかるものはひとつもありません。
──ひとつもない。
渡部
現時点ではひとつもありません。
──でも、まだ見つかってないものが、急に見つかる可能性はあるわけですよね。
渡部
その通りです。仮にぶつかるものが発見されたらどうするかは、やっぱり考えておく必要はあります。
われわれ人類は知恵がありますので、恐竜のように受け身のままではいけない。
実際、そういう回避の策を研究している人たちも大勢いらっしゃいます。
「プラネタリー・ディフェンス」という分野で、ようするに「地球防衛」ですよね。
──はぁぁ、そんな研究分野もあるんですね。
渡部
飛行機なんかもそうですが、たった一度の事故が大惨事になりますので、絶対に事故が起きないようにさまざまな技術投資をしています。
そういうものと比較すると、地球防衛の備えはまだまだ十分じゃないという先生もいて、
国連の場でもプラネタリー・ディフェンスがようやく議論されはじめています。
──隕石が降ってきたら、もう国とか関係なくなりますよね。
渡部
2013年2月だったかな。ロシアのチェリャビンスクという町に、20メートルサイズの小天体が降ってきたことがあったんです。
──20メートル! けっこう大きくないですか?
渡部
そのときは大気圏でかなり燃えてすごく小さくなった上、湖に落下したので町への直接的な被害はあまりありませんでした。
途中でバラバラになって町に落下した破片は、大きくても1センチくらいだったと思います。
ただ、隕石そのものじゃなく、その隕石が空中をマッハで飛ぶときに発するソニックブーム(衝撃波)によって、ガラスが割れたりドアが飛んだりして1000人以上の方がケガをするという、そういう被害はあったそうです。
──ひえぇぇ、空を飛ぶだけで‥‥。でも、20メートルクラスの隕石なら大気圏がかなり守ってくれるんですね。地球に空気があってよかった。
渡部
その点、大気のない月では小さな天体でも燃え尽きず、秒速数十キロというスピードで月面にそのままぶつかります。
月のクレーターというのは、そうやって隕石の衝突でできたものです。
──月のボコボコしたところは、ぜんぶ隕石が落ちた跡ってことなんですね。
次へ
こんどは「月」になります! 月の表も裏もばっちりのぞけて、アポロの着陸ポイントもわかって、月の地名や地形なんかも調べられます。
Facebook相田 公弘さん投稿記事
今日は「望遠鏡の日」だそうです。
1608年10月2日にオランダの眼鏡技師ハンス・リッペルスハイが望遠鏡を発明し、特許を申請する為にオランダの国会に書類を提示したことが由来となっています。
リッペルスハイの望遠鏡は凹凸2枚のレンズを組み合わせただけの簡素なもので、その原理があまりにも単純で誰にでも作れそうだったことと、既にこのような仕組みが多くの人に知られていることから、特許は受理されませんでした。
しかし、彼は、その理論を推し進め双眼鏡も発明しました。
ガリレオはこの特許申請の翌年である1609年の5月にわずか1日で望遠鏡を作成して、さっそく天体観測を行い、木星の衛星を3つ発見、その後見つけたもう1つの衛星と併せ、これらの衛星はガリレオ衛星と呼ばれています。
【星の雑学】
☆金星は一日が長く一年が短い
我々地球に住む人間にとって24時間が1日で365日が1年であることは常識ですが、たとえば金星は1日の方が長くて1年の方が短いそうです。そもそも地球の1日については、地球自体が1周をするいわゆる自転を目安にして定められていて、1年に関しては太陽の周りを1周する公転が目安となっています。
もちろん他の星は地球と大きさも違えば、太陽の周りを一周する速度も違うわけですから、自転と公転の周期も違ってきます。
金星については自転をするのに243日かかり、公転をするのには225日かかります。
つまり、金星では地球でいう自転(1日)よりも公転(1年)の方が短いという現象が起こっていることがわかります。
☆お酒をまき散らしている星がある
数えきれないほどの星が宇宙には存在してますが、それぞれの星にはどんな成分が存在するかも宇宙の研究対象の一つです。
そんな数多の星の中にはアルコール飲料に含まれるエチルアルコールをを放出している星があります。
それは「ラブジョイ彗星」という星で2014年8月に発見されました。
太陽に最も接近した時には、なんと1秒間にワイン500本分ものエチルアルコールを放出しています。
またラブジョイ彗星には糖類も観測されています。
これらの成分は生命誕生に必要な有機物であることから、彗星は地球上に有機分子を運んできた源ではないかという説も考えられているようです。
0コメント