「食べ物は薬」

https://www.kigusuri.com/kampo/nikaido/nikaido004-14.html 【二階堂先生の「食べ物は薬」】より

トチノキ - 古代から利用された食糧源植物 学名:Aesculus turbinata Blume

科名:トチノキ科(Hippocastanaceae)  英名:japanese horse-chestnut

別名:栃、橡、栃の木、天師栗、七葉樹、ウマグリ(馬栗)、クリトチ

日本全国各地の山地に見られる日本特産の落葉高木で、高さは30mに達するものもあります。渓流沿いなど湿気のある肥沃なところを好んで育ちます。栃木県の県木としても知られています。

葉は大きく、長い葉柄の先に倒卵形をした5〜7枚の小葉を掌状に付け、葉縁には鋸歯が見られ、裏面には柔らかい毛があります。初夏に枝先に穂状花序を出し、白〜薄紅色をした小さな花の集合体で、蜜蜂が好んで訪れる蜜源花としても知られています。

果実は直径4cm位で、ほぼ球形の黄褐色をしており、秋になって熟して来ると果皮は3裂して大きさ、形などがクリに似た赤褐色で光沢のある種子が出てきます。一般にこの種子が「栃の実」と呼ばれています。「栃の実」すなわち種子には多量のデンプンが含有されているので、茹でて皮をむき、数日間水で晒したのち、木灰を加え熱湯を注ぎ渋抜きを十分に行います。これを洗ってから蒸し、もち米と一緒に搗き「栃餅」として食べたり、粥にして食用とします。ただし、サポニンなどの有毒物質を含み苦味も強いので、十分なアク抜き(精製)をしないと下痢、胃腸炎や脱水症状になることがあるので注意が必要です。こうしたことから栃の実は栗より劣るという意味で馬栗との別名が付けられ、英名もこれに由来しています。

材は木目がきれいで、緻密で軟らかく加工が容易なため、色々な面で利用され、特に室内の装飾的な部分で使われます。

トは十(とう)、チは千(せん)を表すことから沢山の実がなる木からトチの木、トチノキと名付けられ、毎年安定して沢山の実が収穫を期待できる木で、戦後の食糧難の時には大切な食糧源(救荒植物)とされました。また古代の人々も食料としたようで古墳から発掘されています。竹節人参の基原植物であるトチバニンジンの葉は、このトチノキの葉とよく似ていることから名づけられたと言われています。

樹皮にはカテコールタンニン(4〜9%)やクマリン配糖体を含有しており、種子には多量のデンプンと共にトリテルペンサポニンやアロインが含有されています。

樹皮は皮のなめし剤として用いたり、煎汁を下痢、痔、子宮出血に内服したり、凍傷やしもやけ等に塗布して用いられます。葉の若芽から出る粘液をそのまま塗って寄生性の皮膚病やたむしなどに用います。種子の皮には殺虫作用があるとされ、種子の乾燥粉末を民間薬として胃病の時に飲んだり、米と練ってしもやけに塗ったりして用います。種子にはサポニンが入っているので石鹸代わりに用いたり、焼酎に漬けこんだ種子を焼いて油で練って塗り薬として用います。

マロニエの名で知られているものは近縁種のセイヨウトチノキAesculus hippocastanum でパリの街路樹として有名です。セイヨウトチノキエキスは痔の治療効果が知られており、医薬品(内服薬)として使われています。その他に北米原産のアカバナトチノキや、セイヨウトチノキとアカバナトチノキとの雑種であるベニバナトチノキなどがあります。日本で街路樹とされているのは園芸種であるベニバナトチノキか、トチノキがほとんどとされています。


https://www.tonehoken.or.jp/chuo-hospital/region/kenkou/2018/kenkou_201804.html 【薬と食品】より

利根中央病院 薬剤部長 大竹 美恵子

薬を飲む時、何に注意をしていますか?飲む錠数や飲む時間は必ず確認していると思います。薬と薬の飲み合わせにも注意している方も多いと思います。本当に、それだけで大丈夫でしょうか?

今回は薬と食品の関係についてお話しします。

薬と食品の相互作用

薬を飲むときは、水や白湯で飲んでいますか?これには科学的な理由があります。

薬と食品には食べ合わせ・飲み合わせの悪いものがあり、 その危険を知らずに服用してしまうと、逆に健康を害する場合があるからです。

ここでは、代表的な危険な飲み合わせを紹介します。

①グレープフルーツ 

グレープフルーツの果肉に含まれる成分が、肝臓での薬の解毒を妨害して、薬の血中濃度を上昇させてしまいます。結果として薬が効きすぎてしまい、血圧が下がりすぎたり、頭痛、めまいなどの症状を引き起こすことがあります。この相互作用はグレープフルーツ摂取後、数日間持続します。

他の柑橘類では、ブンタン・スウィーティー・ハッサク・晩白柚・夏ミカン・ダイダイなども相互作用が発現しやすく、オレンジ・レモン・みかんは相互作用発現の可能性は低いです。

②納豆・緑黄色野菜

納豆や緑黄色野菜はビタミンKを多く含んでいます。ビタミンKは、出血した時に血液を固めて止血する因子を活性化します血液の抗凝固剤(固まらないようにする薬)はビタミンKにより薬の効きが悪くなってしまいます。

同じ大豆製品である豆腐、味噌に関しては、ビタミンKの含量は少ないです。

③牛乳

抗生剤の成分と牛乳のカルシウムが結合してしまい、薬の作用が低下してしまいます。

また、大量の牛乳とキャベジンなどのアルカリ性制酸剤を同時に飲むと、腸からのカルシウムの吸収がよくなりすぎ、頭痛やめまい、吐き気・嘔吐、食欲不振、脱力感、無気力、倦怠感などの症状があらわれます。

スポーツドリンクもカルシウムなどの多くのミネラル成分を含んでいますので注意しましょう。

④カフェイン

カフェインはコーヒー、紅茶、緑茶などに多く含まれています。また、薬の成分でカフェインが含まれている薬もあり、一緒に飲むとカフェインの取りすぎで興奮して眠れなくなることがあります。

⑤アルコール

薬を服用しているときにアルコールを飲むと、薬の効果が強くなったり弱くなったりすることがあり、副作用も出やすくなることがあります。  

また、ある種の抗生剤はアルコールの分解を抑える働きがあるので、お酒に酔ったときの症状が強く現れることもあります。

睡眠薬や精神的な緊張を和らげる薬などは、アルコールと一緒に飲むと効果が非常に強くなってしまいます。

⑥チーズ

チーズにはチラミンという物質が含まれています。チラミンは血圧を上げる働きがあります。チラミンを含む食品を食べても、ふだんは体の中で別の物質に解毒されるので、症状があらわれることはありません。しかし、抗結核薬などの薬がチラミンの分解を妨害するため、チラミン中毒(顔面紅潮、頭痛、急激な血圧上昇など)を起こすことがあります。

チーズはチラミンの含有量が特に多い食品ですが、チーズ以外のチラミンの含有量が多い食品はニシン、たらこ、サラミ、ソーセージ、ビール、ワインなどです。

以上、薬と食品の飲み合わせについて述べましたが、全ての薬が該当するわけではありません。注意して欲しい薬は医薬品情報提供書などで注意喚起していますので、必ず目を通して下さい。

医薬品情報提供書とは

薬局で薬を受け取ったときに、薬と一緒に渡される薬の説明書のことです。調剤した薬の名前、用法用量、服用上の注意や副作用などの注意事項、その他薬剤師が必要だと思った事項が記載されています。

食物アレルギーと薬

薬の中には食物の成分を含んでいるものがあります。このような薬を食物アレルギーのある方が使用してしまうとアレルギー症状が出てしまう可能性があるため使用できません。

卵、牛乳・乳製品、大豆、牛肉、豚肉、落花生、小麦、ゴマ、果物、ゼラチンにアレルギーがある方は、薬によるアレルギーを引き起こさないためにも診察を受けるときに必ず申し出て下さい。

薬と正しく付き合いましょう

薬もコンビニエンスストアで簡単に買えるようになりました。しかし、その手軽さが健康被害につながってしまうこともあります。

健康な生活を送るためにも医薬品情報提供書やお薬手帳を活用し薬の情報を管理しておくこと、わからないことがあればかかりつけの医師や薬剤師に相談し、薬と正しく付き合いましょう。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

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吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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