http://shimanosanpo.com/42/42_shinkamigoto_wakamatsu_ryuuguko00/index.htm 【龍宮小島】より
長崎県 新上五島町にある龍宮小島(りゅうぐうこじま)。面積0.01平方キロメートル、標高62メートル 面積は面積計算ソフトで算出したおおよそ)無人島。
若松島の北西にある日島の、北西約100メートル沖合に浮かぶ。
近年の歴史の研究では、この島が、日本神話に関係あるのではないかといわれている。
山幸彦がめざした龍宮が、龍宮小島であり、龍宮小島が信仰の対象だったのではということだ。
https://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/chiiki/seikatu/miyazaki101/shinwa_densho/055.html 【海幸彦と山幸彦】より
●最も詩情豊かな物語
古事記の中でも、海幸と山幸の神話は、最も詩情豊かな物語である。この神話は一般に釣り針型神話と呼ばれていて、インドネシアやメラネシア地方にも類似の神話があることが知られている。
高天原(たかまがはら)から降臨したニニギノミコトは、笠沙(かささ)の御前(みさき)という、現在の宮崎市木花と伝えられるところまで来た。そこでオオヤマズミノカミの娘・コノハナサクヤヒメに出会う。その美しさにひかれ、コノハナと結婚する。天津神と国津神の交流である。
コノハナは3人の御子を産む。物語に登場するのは、兄のホデリ(海幸)と弟・ホオリ(山幸)で、海幸は海で漁をし、山幸は山で猟をして暮らしていた。あるとき山幸が道具を取り換え、獲物をとってみようと言った。海幸は容易に承知しなかったが、山幸があまりに熱心に頼むので、ついに許した。
しかし、海幸も山幸も何の獲物も得ることはできなかった。しかも山幸は、兄の大切な釣り針を海の中に失ってしまった。山幸は兄にわび、自分の剣をつぶして千本の針を作ったが、それでも許してもらえなかった。
山幸が途方に暮れていたところ、そこへ塩椎(しおつち)の神が来て訳を聞き、海神の国に行くことを教えてくれた。山幸は、ワタツミノカミの宮にたどり着いた。そこで美しいトヨタマヒメに出会い、結婚。夢のような3年を過ごした。
あるとき、山幸は釣り針のことを思い出してため息をついた。トヨタマはすぐ魚を集め、釣り針を探し出した。山幸はそれを持って帰国。無事に釣り針を兄に返した。その後、兄と対立したが、海神がくれた宝玉の力で、兄を降伏させることができた。海幸はこの後、自分は山幸の守護人になると誓った。
この説話は、隼人族の一部が大和朝廷に服属したことを意味する神話であるとする説や、黒潮系の南方族との交流を意味する神話であるとする説もある。
山幸が帰国したとき、人々は海に飛び込んで出迎えた。現在の青島神社の冬の祭礼「裸参り」はそのことにちなんで起こったと伝えられる。また北郷町の潮嶽神社は、山幸と争った海幸が岩船に乗って流れ着いた場所という。
日向国の人々は青島をこの神話にかかわる神聖なところとしてあがめてきた。
https://www.homemate-research-religious-building.com/useful/shrine_buddha/jinja/jinja09/ 【神社に祀られている神様 第九回 海幸彦と山幸彦(神話が有名)】より
「海幸彦(うみさちひこ)」と「山幸彦(やまさちひこ)」とは、古事記と日本書紀で伝えられている有名な日本神話のひとつです。こちらでは、海幸彦と山幸彦の物語と、二神に関するその他の伝承についてご紹介しましょう。
「海幸山幸」とも呼ばれる有名な神話の登場人物である、海幸彦と山幸彦。海幸彦と山幸彦という名は通称であり、正式には「ホデリ(海幸彦)」と「ホオリ(山幸彦)」という名を持ちます。
兄であるホデリは、古事記では「火照命(ホデリノミコト)」、日本書紀では「火須勢理命(ホスセリノミコト)」と表記。一方、弟のホオリは、古事記においては「火遠理命(ホオリノミコト)」、日本書紀では「彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)」と記されています。
兄弟の生い立ち
この二神は、アマテラスの孫に当たり高天原から地上に降り立った最初の神「ニニギノミコト」と、オオヤマツミの娘である「コノハナノサクヤビメ」の間に生まれました。
一夜の契りで懐妊したコノハナノサクヤビメでしたが、ニニギノミコトは本当に自分の子かどうかを疑います。そこでコノハナノサクヤビメは身の潔白を証明するために、「もしあなたの子でなければ無事には生まれないでしょう」と言い、火を放った小屋で出産。燃え盛る小屋の中で、コノハナノサクヤビメは無事に三柱の神を産みました。
その中の二神が、ホデリ(海幸彦)、ホオリ(山幸彦)です。ホデリは、火が盛んに燃えて照り輝いているときに生まれた長男ゆえに「火照命」、ホオリは火が消えかけたときに生まれた末っ子なので「火遠理命」という漢字が当てられています。
ちなみに、次男の火須勢理命(ホスセリノミコト)については、この三柱の神が誕生したときのエピソード以外の場面では登場しません。
神話「海幸山幸」
昔あるところに、海での漁を得意とする海幸彦と、山での猟が得意な山幸彦という兄弟がいました。
あるとき、弟の山幸彦は海で漁をする兄の姿に興味を持ちます。そこで山幸彦は、兄に「お互いの道具を取り替えてみませんか」と申し出ました。
しかし兄の海幸彦は、「魚を捕るためのこの道具は、命よりも大切な物。交換はできないよ」と断ります。それでも諦めきれない山幸彦は、しぶる兄を何とか説得して1日だけ道具を交換して貰えることになりました。
釣り道具を手に入れた山幸彦は、早速海へと向かい釣り糸を垂らしてみますが、魚は一向に釣れません。結局魚を一匹も釣ることができず、それどころか大事な釣り針を海中に落としてしまったのです。
そして夕方になり、海幸彦が山幸彦のところにやってきました。山幸彦は、「お兄さん、すみません。あなたの大事な釣り針を落としてしまいました」と正直に謝ります。しかし、海幸彦は「釣り針は命よりも大切だと言っただろう。たとえ弟でも許すことはできない」と怒りが治まりません。困り果てた山幸彦は、自分の剣を潰して500もの釣り針を作りますが、それでも海幸彦は納得せずもとの釣り針を返せと言って聞きませんでした。
山幸彦 ワタツミの宮へ
途方に暮れた山幸彦が涙を流し海辺にたたずんでいると、そこに潮の神様であるシオツチが現れて、なぜ泣いているのかと問われました。山幸彦が今までのいきさつを話すとシオツチは「海の神であるワタツミ(綿津見)ならばあなたを助けてくれるだろう」と言って小舟を作り、山幸彦をワタツミの宮へと案内をしてくれたのです。
ワタツミの宮殿に着いた山幸彦は、そこでワタツミの娘であるトヨタマヒメ(豊玉毘売命)とたちまち恋に落ち、二神は結婚することになりました。こうして幸せな生活を過ごしていた山幸彦でしたが、3年程経ったある日、自分がこの宮殿にやってきた本当の理由を思い出します。
日に日にため息が多くなった夫を心配したトヨタマヒメが父のワタツミに相談したところ、ワタツミが山幸彦に事情を聞いてくれました。話を聞いたワタツミは、海にいる魚たちを呼び集め、心当たりがある者はいないかと尋ねたところ、「そう言えば、赤いタイがこの3年程前から喉に何かが刺さって物が食べられないと苦しんでいます。きっとその釣り針は、タイが飲み込んでしまったのでしょう」と、ある魚が言いました。
山幸彦 ワタツミの宮へ
ワタツミは、早速その赤いタイを呼んで喉に詰まった針を取ってやり、洗い清めて山幸彦へと渡します。そして、「この釣り針を海幸彦に返すとき、(この釣り針は憂鬱になる針、うまくいかなくなる針、貧乏になる針、愚かな針)と心の中で唱えながら渡しなさい。そして、兄が高い土地に田を作ったならば君は低い土地に田を作り、逆に兄が低い土地に田を作るならば君は高い土地に田を作りなさい」と言いました。
ワタツミは、続けて塩満珠(しおみつたま)と塩乾珠(しおひたるたま)という二つの珠を山幸彦に渡し、「君の兄は次第に貧乏になり、心も乱れることだろう。すると恐らく兄は君を攻めてくるだろうから、そのときはこの潮満珠を使って溺れさせなさい。苦しんで許しを請うてきたなら塩乾珠を使って助けなさい」と言い、山幸彦を鮫に乗せて地上へと帰しました。
山幸彦 海幸彦を従える
戻った山幸彦は、ワタツミに言われた通りに海幸彦へと釣り針を返し、田を作ると、ワタツミが予言したように海幸彦は、漁も上手く行かず田に水も行き渡らず、貧しくなっていったのです。
すっかり心が荒んでしまった海幸彦が山幸彦のもとに乗り込むと、山幸彦は塩満珠と塩乾珠を使って兄を溺れさせ、そして助けてやりました。このことですっかり弟に服従した海幸彦は、守護人として山幸彦に仕えることを約束します。こうして山幸彦と海幸彦、二神の関係ができ上がったのでした。
兄弟のその後
山幸彦はその後、妻のトヨタマヒメとの間に「ヒコナギサタケウガヤフキアエズ」を授かります。このヒコナギサタケウガヤフキアエズは、トヨタマヒメの妹「タマヨリビメ」と結婚し、4柱の神を出産。そのうちのひとりが、日本最初の天皇である神武天皇です。つまり山幸彦は、神武天皇の祖父に当たる人物となったのです。
一方、海幸彦についてのその後のエピソードはあまり残されていませんが、古代の日本において薩摩周辺に居住していた「隼人(はやと)」と呼ばれる人々の祖先となったとも言われています。
祀られている神社
「海幸山幸」物語の主人公となった海幸彦を祀る神社は全国に多数ありますが、反対に山幸彦を主祭神とする神社は宮崎県の潮嶽神社のみとなっています。
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