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クリエイティブ・アーツセラピーとは
クリエイティブ・アーツセラピー(創造的諸芸術療法)とは、創造的芸術行為を通して自己表現を行い、そのプロセスを治療の媒体にしていくアートセラピー、ミュージックセラピー、ダンス/ムーブメントセラピー、ドラマセラピー、ポエトリーセラピー、表現アーツセラピー等の“諸芸術療法の総称”です。
この創造的自己表現そのものにも十分癒しの効果がありますが、そうした行為や作品の中に無意識的なメッセージや、言葉では表現できない心の内容を読み取り、そこに現れた問題に焦点を当てイメージをさらに展開していく中で、心や体の奥に閉じ込められていた感情の解放やそれを通しての自己洞察が促され、時には深い癒しが体験されます。
クリエイティブ・アーツセラピーの治療的要因
人間は、自然界の他の生き物の集団生活とは異なり、社会というものを作りその中で生きていきます。そのため、その社会を構成している家族や学校や職場などの人間関係の中で、様々なストレスや葛藤を抱えながら生活していきます。そしてそれらのストレスや葛藤は、やがて様々な心や体の不調和や病を引き起こしていくようになります。
一方、芸術を通しての創造行為は、それらの病を引き起こす抑圧した感情を解放し、人間本来が持っている自己治癒力を引き出してくれます。さらにはセラピストやグループメンバーとの交流の中で、共感され受け容れられることによる自己肯定感やセルフ・エスティームのアップを体験することもできます。また、作品を通して自分自身を客観的にみることで、気付きや自己洞察をもたらしてくれます。
クリエイティブ・アーツセラピーの用いられる領域と対象
クリエイティブ・アーツセラピーは、かなり重度の精神障害を抱えた人から、より深い自分自身の気づきを得たいと願う一般の人まで、実に幅広い対象者に適応されます。 対象となる精神疾患としては、発達障害、自閉症、適応障害、摂食障害、人格障害、恐怖症、心身症。神経症、摂食障害、アルコール依存症、うつ病、躁うつ病、統合失調症、認知症等ほぼ全領域の心の問題に適用されています。
クリエイティブ・アーツセラピーでは、アートやダンスやミュージックといったモダリティー(様式)の違いを生かし、それぞれの芸術療法が、病態に応じたアプローチに専門的に発展させています。 また、クリエイティブ・アーツセラピーは、ストレスの軽減、対人関係の改善、コミュニケーションスキルのアップ、相互理解や共感性のトレーニングなど治療以外の様々な領域にも用いられ、非常に有効な手段となっています。
近年、予防医学としての心のケアが関心を集めていますが、クリエイティブ・アーツセラピーは、まさにこのような、時代のニーズに応えていくものです。
クリエイティブ・アーツセラピーの歴史
これらの諸芸術療法は、それぞれに異なる歴史を持っており、その一番の広がりを見せているアメリカではそれぞれが独自の協会(学会)と大学院レベルのトレーニング・プログラムが確立されています。そして、そのアイデンティティーは社会的にも認められており、さまざまな医療機関や施設、教育現場等でその活躍の場を広げています。
その流れにさらに拍車をかけたのが、2005年の12月にニューヨーク州が、これらの諸芸術療法の協会認定を持っている人たちを対象に「クリエイティブ・アーツセラピスト」という称号で州認定資格の発行を始めたことです。そのことにより彼/彼女らの立場が公的にも認められてきた同時に、それぞれの領域の芸術療法の共通のアイデンティティーとしての「クリエイティブ・アーツセラピー」が、ますます鮮明になってきました。
現在アメリカでは、それぞれの芸術療法の学会が提携をして、NCCATA (National Coalition of Creative Arts Therapies Associations) という、クリエイティブ・アーツセラピーのためのより包括的な協会が設立されています。 また、共時的な出来事ではありますが、東京では国内外の指導的なクリエイティブ・アーツセラピストを一堂に会してのクリエイティブ・アーツ・セラピー国際会議が、2006年10月に3日間にわたり開かれました。会議は盛況を呈し、これが日本におけるクリエイティブ・アーツセラピー紹介の最初の契機となりました。
近年、アジア圏におけるクリエイティブ・アーツセラピーの発展には目ざましいものがあります。韓国、中国、台湾、ベトナム、シンガポールなどで本格的なトレーニングが導入され、学会に当たる協会が各モダリティーごとに相次いで設立されてきています。この点、日本はまだまだ立ち遅れているのが現状で、当センターはその状況を変えていくための踏み石とならんことを願っています。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~creativeAT/Japanese/shushi/shushi.html 【クリエイティブ・アーツ・セラピー国際会議の開催にあたって】より
大会テーマ : クリエイティブ・アーツ・セラピー(諸芸術療法)のコラボレーション
(アートセラピー × ミュージックセラピー × ダンス/ムーブメントセラピー ×
ドラマセラピー × ポエトリーセラピー × 表現アーツセラピー × プレイセラピー)
議長 関則雄 (クリエイティブ・アーツ・セラピー研究会代表)
顧問 ステファニー・ブルック Ph.d., NCC
クリエイティブ・アーツ・セラピーとは、アートセラピー、ミュージックセラピー、ダンス/ムーブメントセラピー 、ドラマセラピー、 ポエトリーセラピー、 表現アーツセラピー 、プレイセラピーなど、諸芸術領域のセラピーの総称を意味します。それぞれのセラピーは背景となる独自の理論や歴史、高い専門性、アイデンティティーを持ちながら主として欧米で発展してきました。今回のクリエイティブ・アーツ・セラピー国際会議では、これらの諸芸術領域の専門家が一堂に会し、それぞれのセラピーを紹介し、互いに共通点や相違点をシェアしながら理解と交流を深めることを目的としています。
セラピーの対象となる人々は、さまざまな状況の中でそれぞれ異なるニーズを抱えているのが現状です。実際にセラピーを行なうにあたっては、受け手にとって馴染みやすく抵抗が少ない芸術的アプローチを選ぶことで自己表現が促され、セラピーのプロセスが深まりやすくなります。一方、敢えて馴染みが無いアプローチをとることで、それまで気づかなかった自己の意外な側面が見えてくる場合もあります。このように、セラピーの対象者やその目的に応じて異なるアプローチを使い分けることには大きなメリットがあり、セラピストがそれまで用いてきたアプローチに他の領域での考え方や実践法を取り入れたり、互いにコラボレーションを試みたりすることにより、セラピーの幅がさらに広がることと思います。
各国の参加者が集う国際会議では、民族や文化的背景の特色によるクリエイティブ・アーツ・セラピーのあり方や社会的認知の違い、専門家としてのトレーニングの現状などについての情報も得られます。また、世界各地で起きている紛争や貧困、差別、偏見などによって生み出される社会的弱者への支援としてのセラピーのレポートも取り上げました。さらに、アートのもつ創造性と癒し、アートによるスピリチュアリティーの探求といったテーマにも触れていきます。
本国際会議は、専門家にとってだけでなく、学生をはじめ一般参加者にとっても、主として欧米で発展してきた専門性の高いクリエイティブ・アーツ・セラピーの実際に触れる絶好の機会となるでしょう。ここでは、クリエイティブ・アーツ・セラピーの方法論の紹介や専門的な情報交換にとどまらず、広く国際的な視野に立って、セラピストとして何が求められているのかについて、またクリエイティブ・アーツ・セラピーの今後の展開について、参加者の方々とともに考えていきたいと思います。
共催:クリエイティブ・アーツ・セラピー研究会
日本ドラマセラピー研究所
表現アートセラピー研究所
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