https://yokohama-kekkan.com/uncategolized/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E6%BC%A2%E6%96%B9%E6%B2%BB%E7%99%82-2903.html 【新型コロナウイルス対策における漢方治療】より
ようやく日本でも新型コロナウィルス感染症が収束に向かっていますが、いまだ治療薬もワクチンもないことは事実であり、今冬には第二波が起こるのではないかと予想されています。
一方、感染が早期に広まった中国では、治療に漢方薬を取り入れた例が報告され、注目されています。漢方薬自体には、細菌やウイルスを殺す強い作用はありません。しかしながら、ウイルスから身体を守る防御機能を高めることができ、人間が本来持っている自然治癒力を高めることで、治る力を最大限に引き出すことができると期待されています。
■身体を守る防御機能を高めるために
身体の防御機能を高めるためには、日々の養生がとても大切です。適度な運動・正しい食生活・十分な休養・睡眠がその基本となります。
補中益気湯
胃腸を丈夫にして体力を回復させ、元気を取り戻すのを助ける漢方薬です。免疫力を高める働きを持ち、過剰な炎症(サイトカインストーム)の抑制もできると期待されています。この作用を持つと期待されている漢方薬のグループを「補剤」とよび、十全大補湯や人参養栄湯もこのグループに属する漢方薬です。
■循環障害を改善する
新型コロナウイルスでは、血栓症との関連も数多く報告されています。東洋医学では、血液の流れが滞って巡りが悪く、血栓ができやすい循環障害の状態を「瘀血(おけつ)」と呼びます。
桂枝茯苓丸
「瘀血(おけつ)」の状態を改善する代表的な漢方薬です。血栓症になるリスクが高い場合は、血液の循環を改善しておくのが良いかもしれません。また、「冷え」は防御機能を衰えさせる原因として、漢方では嫌われていますが、桂枝茯苓丸は「冷え」を改善する効果があります。
■水分循環を改善する
中国で使用された漢方薬の中に、水分の循環を改善する生薬が含まれています。肺で発生する分泌液を痰や尿として排出させるためだと考えられています。
五苓散・柴苓湯
水分循環を改善し、無駄な水分やむくみを取り除く生薬から構成されています。さらに炎症をともなう場合には、五苓散に小柴胡湯を合わせた柴苓湯で炎症を抑えます。
■感染したかも?と思ったら
発熱を認めた時点で、麻黄湯や葛根湯の服用がおすすめです。麻黄湯や葛根湯は風邪の引き始めに使われる漢方薬で有名ですが、身体を温めウイルスの働きを弱める効果があると言われています。ウイルスの増殖を抑える作用やサイトカインストームを抑える作用の報告もあります。
もちろん、発熱を認めたときには、既に肺炎が始まっていることもありますので、漢方薬だけでの治癒を期待せず、かならず新型コロナウイルス対応を行っている病院を受診して適切な治療を受けることが大切です。
https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/body/?p=8637 【新型コロナウイルスで注目されている感染症。感染症に漢方薬は効果があるの? 】より
コロナに限らずかぜやインフルエンザなど、常にさまざまな感染症が私たちのカラダを狙っています。できれば感染したくない!予防したいけどどうすればよいの?感染症にかかったときはどうすれば?今回はそんなご質問に漢方の視点からお答えします。感染症対策をしっかりして、感染症なんて怖くない!と自信を持って言える、そんな日常を手に入れませんか。
感染症は“カラダVS外敵”の戦い!強い方が勝つ!
感染症はいわば、“外から攻めてくる敵”のようなものです。原因となるウイルスや菌は空気中に浮遊していたり、ものに付着していたり、私たちのカラダに侵入しようと虎視眈々と好機を狙っています。
感染症にかかるかどうかは、襲い掛かる敵を“いかに撃退できるか”にかかっている場合が多くあります。太刀打ちできないウイルスや自分の戦う力により撃退できるウイルスもいます。戦いの原理はとても単純で、カラダの免疫力VS敵。強い方が勝ち、弱い方が負ける。勝敗はとても分かりやすく明解です。漢方ではこれを正気と邪気の戦いと呼んでいます。
あなたの免疫力は大丈夫ですか?今のうちからカラダを整え、しっかりと戦に備えておく必要があるかもしれません。
感染症は予防が大切!防衛力の強化が勝敗の要
感染症との戦いに勝つためにまず大切なのは、“カラダの防衛力”を強化しておくことです。
防衛力を強化して、敵を寄せつけないカラダにしておくことが、感染症予防の一番の近道です。
まず初めに行いたいのが、免疫力の強化です。疲れがたまっていたり、ストレスを抱えていたり、少しずつ無理をしていませんか?自分が思っている以上にカラダが疲弊し、免疫力が低下していることもよくあります。免疫力が弱い状態では、敵に攻め込む隙を与えてしまいます。疲れを感じたらしっかり休んで体調を整える。ストレスを感じたら早めに解消する。睡眠をたっぷりとり、規則正しい生活をして、バランスの良い食生活を送る。単純なことですが、とても大切なことです。
また、漢方医学では胃腸の弱りは免疫力の低下に繋がると考えています。もともと胃腸が弱い人はもちろんのこと、食欲がない、消化が悪い、胃がもたれる、下痢するなどのトラブルを感じたら、胃腸が疲れているサインです。しっかり胃腸を休めることも大切です。
ウイルスや菌などの敵は、鼻やのどなどの粘膜に付着してカラダに侵入することが多く、これら粘膜を整えておくことも防衛力の強化につながり、感染症予防にとってとても重要です。漢方医学では粘膜は潤いを好み、乾燥を嫌うと考えられています。粘膜の乾燥を感じたら、加湿をする、うがいする、水を飲むなどして、早めにケアしましょう。
漢方薬で感染症予防もできる!?
さらにしっかりと防衛力をつけたい!というときには、『気』を意識するとよいでしょう。
漢方ではカラダの防衛力は気のひとつである『衛気』が大きく関わっていると考えられています。そのため気が少なくなると、衛気が不足し、防衛力が弱くなり感染症にかかりやすくなると考えられています。逆に、気をしっかり補うことで、衛気が増え、防衛力も強化され、より感染症に強いカラダを手に入れることができると考えられているのです。
疲れやすい、元気がない、ヤル気がでない、食欲がない、消化が悪いなどの症状は気が消耗し、少なくなっているサインです。放っておかずしっかり気を補うことで、症状を改善させるとともにカラダの防衛力を強化しましょう。
気の不足による症状におすすめなのが、補気剤と呼ばれる漢方薬です。補中益気湯、六君子湯、人参養栄湯など漢方薬にはたくさんの補気剤があります。きっとあなたにピッタリの補気剤が見つかるはずです。どの漢方薬を選べばよいのか分からないときには、気軽に漢方医に相談してみましょう。
漢方薬は感染症に効果あり!? もし感染症にかかってしまったら?
どんなに頑張っていても感染症にかかることもあります。そんなときにおすすめなのが、敵と戦うための“強力な武器”を手に入れることです。武器を手にすることで、戦闘力が上がり、敵を倒しやすくなります。
カラダには“自然治癒力”があります。寒気を感じたら体温を上げカラダを温める、のどが乾燥したら粘液で潤す、熱感を感じたら発汗してカラダを冷やす。当たり前のことかもしれませんが、これもカラダを治そうとする自然治癒力の大切な働きです。
強力な武器とは、この自然治癒力をサポートする漢方薬のことです。自然治癒力をサポートすることで、自然治癒力が高まります。
寒気を感じたらカラダを温める葛根湯や麻黄湯でさらに体温アップをサポートする。のどの乾燥を感じたら、粘膜を潤す麦門冬湯で潤いをプラスする、喉の痛みや炎症、熱感を感じたらカラダを冷やす銀翹散でクールダウンする、など漢方薬には自然治癒力をサポートする処方がたくさんあります。感染症にかかってしまったら、漢方薬を味方につけ、回復をしっかりサポートしましょう。
感染症と戦う戦闘力をアップさせるおすすめ漢方薬
自然治癒力をサポートするためには、あなたの“今”の症状に合った漢方薬を選ぶことが大切です。
実は感染症の症状は時間の経過とともにどんどん変化します。寒気はするか?節々の痛みはあるか?鼻水や咳の状態は?など、あなたの“今”の症状をしっかり観察して、あなたにピッタリの漢方薬を見つけましょう。今回はかぜなどの感染症の症状によく使われる代表的な漢方薬をご紹介します。
葛根湯
<こんなときに>・かぜのひきはじめに・かぜ、頭痛、肩こり、筋肉痛などの改善に
<代表的な症状>・ぞくぞくする寒気・くしゃみ・透明で水様性の鼻水
麻黄湯
<こんなときに>・かぜのひきはじめに・かぜ、気管支炎の改善に
<代表的な症状>・発熱・強い寒気・頭痛・節々の痛み
小青竜湯
<こんなときに>・かぜ(鼻かぜ)の改善に・花粉症、アレルギー性鼻炎の改善に・気管支炎・気管支喘息の改善に
<代表的な症状>・透明で水様性の鼻水や痰
麦門冬湯
<こんなときに>・からぜき・せきこみやこみ上げるせきに・気管支炎、気管支喘息、咽頭炎、しわがれ声
<代表的な症状>・のどの乾燥感・痰が切れにくい・ときに強く咳き込む
https://misatoc.com/tsushin06/ 【クリニック通信 新型コロナウィルス感染症で判明したこと】より
例年4月から6月にかけて、溶血性連鎖球菌感染症(溶連菌感染症)と百日咳はともに流行期となります。が、今年の4月と5月は幼稚園や小・中学校が長期休業となることで、溶連菌罹患者はほぼ0になりました。以前から夏休み期間中は、溶連菌罹患者が小児のみならず成人症例でも流行期の3分の1以下となる現象が認められていたため、小児が集わないことが小児に加え成人の溶連菌感染のリスクを下げることが推量されていました。つまり、成人の溶連菌感染症は小児から伝播していることが示唆されます。成書には「成人の溶連菌保菌者が小児に移す」との記載がありますが、これは現実とは異なるようです。実際6月以降、学校再開に沿うように、溶連菌感染症は再び増えつつあります。今年は夏休みが短いため、7月、8月にも注意が必要かもしれません。
一方、百日咳は4月、5月、6月とコンスタントに罹患者が来院しています。ただし、圧倒的に成人症例が多く、小児例は例年に比べて少なくなっています。人が集わなくなっても、百日咳は感染力がより強いことが推量され、どちらかと言うと、成人が成人に移している可能性が高いようです。学校が休業中であったために、小児の罹患者は例年に比べ少なくなったのだと推量します。
新型コロナウィルス感染症に限らず、人が集うことで細菌やウィルスは人から人に移ってゆくことを再認識できました。ほとんどの細菌やウィルスは咽頭(のど)から侵入してくるため、発症初期では、麻黄湯、葛根湯、麻黄附子細辛湯などの麻黄剤が有効です。肺炎まで進行すると漢方薬の効果には限界がありますが、ポストコロナの時代、感染初期の漢方薬治療の重要性が増していると私は考えています。新型コロナウィルスは「カゼ」のウィルスです。抗生物質は効果がないために、発症早期の漢方薬治療が根付くことが蔓延を防ぐ一助になると思います。「たかがカゼ、されどカゼ」。当院では今まで通り新型コロナウィルスに対しても、他のウィルス性疾患同様、初期治療として漢方薬投与を継続したいと思っています。
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